In His Own Image Interlude 2
2005年7月7日:

"……クシクラゲが好きなんだって?"
「ねえってば!」
ラメントはデスクから飛び上がって、女性の方を向いて見上げた。長い、ゆるくカールした、ブラウンの髪。常に浮かべている、薄笑い。陽気な眼。
「どうしたんだい、ソフィア。」
彼は立ち上がって、笑顔を見せた。彼の顔が、不意に顔がにやけた。彼女の周りにいると、いつもそうらしい。
「やあ、聞いて、ちょっと用意してきたものが……」
「おおっ……?贈り物?初デートなの?」
「ただのランチだって!」
彼は弁解する。それはデートだった。
「そんな、気を遣わないで。全然、貴方らしくないわ。」
でも薄笑いを浮かべていた。ああ、彼はその薄笑いが好きだった。
「でもさ、私はご飯代を払うことが出来ないし、私達が基地に来てから、その……。」
彼は細い、透明なガラスの小瓶を取り出して、彼女に慎重にそれを渡した。
「誰かが僕に言ってたんだけど……クシクラゲが好きなんだって?」
彼女はそれを見下ろして、また彼を見上げた。彼女の顔は衝撃と喜びが混ざった顔をしていた。
「最高。デートね。今まで一番の。」
へへ。デートだった。
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