クレジット
タイトル: indonootokoの提言V -妄創癖の神-
著者: ©︎indonootoko
作成年: 2023
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アーカイブ手順: SCP-001-JPに指定された当ファイルは複数のデコイ-001-JPアーカイブの中に保管されます。当ファイルへのアクセスはサイト-01、サイト-8100、エリア-81T1から同時に暗号コードを送信した場合のみ可能であり、それ以外の手段によるアクセスが確認された場合、当ファイルは72時間の間アクセスが不可能になります。
特別収容プロトコル: 財団は模範的な正常性維持機関としての振る舞いを誠実に希求し、超政府組織として全世界の超常社会に介入し続けます。財団は現行の理念や組織体系を健全に維持し、恒久的に財団として振舞います。
埼玉県久喜市に存在するLoI-001"パラ埼玉"への侵入地点、及びPAMWAC本部拠点跡地を注水にて水没させ、封鎖します。この地点を宝泉寺池と呼称し、財団エージェントによるカバーストーリー流布と監視が行われます。
説明: SCP-001-JP群はヒト(Homo sapiens)の若年女性の外見的特徴を持つ超常実体です。これまで8体のSCP-001-JPが確認されており、いずれも阻止/隠匿/制御の困難な改変能力を有します。この改変は財団が定める分類の尺度を大幅に超越しており、改変事象に干渉することは不可能です。SCP-001-JPは物理法則や現実性法則から解放されており、物理的な攻撃が無意味である他、空中浮遊などの異常なプロセスで移動を行います。
SCP-001-JP-Aは、SCP-001-JPと左手小指同士で結ばれた赤色の紐によって接続されている男性の人型実体です。SCP-001-JPと対を成すように存在し、これまでに8体の存在が確認されています。常に浮遊しており、昏睡しているような振る舞いをしますが、SCP-001-JPと同様の改変現象を行使することが可能です。物理的な方法で損傷を負わせることが可能であり、SCP-001-JP-Aが致命傷を負った場合、接続されているSCP-001-JPが一時的に消失します。この性質を利用し、一時的に無力化することが可能ですが、損傷を負ったSCP-001-JP-Aは急速で回復し、全快することで再度SCP-001-JPが接続された状態で出現するため、無力化は実質的に無意味です。
SCP-001-JP-Aの8体は何れも身元が特定されており、全員が超常コミュニティ”PAMWAC”の構成員であることが明らかになっています。8名はPAMWAC内にて"PAMWAC本部"と呼称される固有のグループを形成しており、後述する異常領域"パラ埼玉"を発生させています。PAMWAC本部は埼玉県久喜市旧鷲宮地域に拠点を所有しており、その活動が財団から注視されていました。なお、PAMWAC本部という呼称は8名が一方的に自称している名称であり、PAMWAC全体から合意が得られたグループではありません。そのため、PAMWAC本部という名称でありながら本部機能などは有しておらず、指揮や自治を行うグループではありませんでした。8名の概要は以下の折り畳みに収納します。
"パラ埼玉"はPAMWAC本部及びSCP-001-JP-Aは発生に関与した異常領域です。埼玉県久喜市旧鷲宮町に存在するPAMWAC本部の拠点跡地に出現した位相空間内ゲートよりアクセスが可能であり、異常領域内部は埼玉県と地理的要素における一致が確認できる他、主要都市や実在する住民も当該領域内で存在しています。13歳時点でのエージェント・育良や、11歳時点でのエージェント・時任と特徴の一致する住民も発見されており、当該地点は2007年時点での埼玉県全域を模倣したものであると推認されています。また、県境に相当する地点から外側への移動した場合、当該報告書が作成された世界(以下、基底世界と呼称)の該当する座標地点へ瞬時に出現します。
SCP-001-JP群及びSCP-001-JP-A群(以下、両実体を指す語として異常実体群を使用)は、パラ埼玉内を浮遊や瞬間移動など異常な方法で徘徊しており、パラ埼玉外へ脱出しません。異常実体群は外部からの侵入者に対し、低水準ながら一定の察知能力を有していると考えられており、何らかの形で異常実体群にパラ埼玉での活動が察知された場合は、異常実体群による改変能力を駆使した襲撃が発生します。特にパラ埼玉内のPAMWAC本部拠点周辺に潜伏している侵入者に対しこの察知能力は強い効果を示し、PAMWAC本部拠点跡地の位相空間内ゲートを利用した場合、ほぼ確実に複数の異常実体群による襲撃が発生します。
001-JP情報取り扱い協定に基づく通告
当該オブジェクト担当職員には以下の権利が認められます。
- 当該オブジェクト担当を辞退し、Aクラス記憶処理を受けることが出来る。
- 当該報告書の閲覧を任意の地点で中止し、Aクラス記憶処理を受けることが出来る。
- 不利益の生じる思考に辿り着いた場合に備え、任意の記憶改竄処置を予め要請することが出来る。
当該オブジェクトの発生起源を認知することは、閲覧者の精神状態に悪影響を及ぼす可能性が存在します。当該オブジェクトの担当職員に選任された職員には上記の権利が特例的に認められ、以降SCP-001-JPへの関与を拒否できます。当該報告書は、SCP-001-JP異常性の重要部分を報告書終盤へ記載しており、適切な心構えを行う前に内容を認知しないよう配慮されています。
補遺1: 情報の入手
SCP-001-JP群は要注意団体"PAMWAC"に対する諜報活動の結果発見されました。2007年当時、インターネットの普及とジャパニメーション文化/サブカルチャー文化の発達に伴い、PAMWACは構成員を爆発的に増加させていました。肥大化したPAMWAC内コミュニティは、人物間の衝突や目的の不一致から徐々に分裂/独立を行い、コミュニティ内に複数の小規模なグループが分化しました。前述の"PAMWAC本部"は一連のグループ形成に際して出現したグループであり、構成員間の衝突によって形成されたグループです。
PAMWAC本部の構成員に特別な能力は無く、活動は非異常性の小規模なものでした。諜報を行った担当エージェントは、「特筆すべき事由は無く、行動力にも能力にも乏しい人物が集まっており、警戒の必要はない」と報告しています。しかし、PAMWAC本部は2007年5月から急激に活動を活発化させ、その活動が財団に注視されるようになります。発端となる活動は、PAMWAC本部の拠点の賃貸契約であり、建造物及び土地の権利者であった民間人"那智 昭(なち あきら)"と直接交渉を行っています。
PAMWAC本部が賃貸契約を結んだ場所は、旧鷲宮地域の北東部で、那智氏が営む造園会社の旧社屋が存在する場所です。那智氏はこの場所を賃貸住宅の経営に転用しようと計画していましたが、県道152号加須幸手線の延長計画が明らかになり、計画が頓挫していました。そのため、延長計画が本格的に始動し、土地を埼玉県に売却するまでの間、この場所には利用方法が無く、PAMWAC本部はこの事情を利用し、格安で拠点の借り入れに成功しています。以下は那智氏に対するインタビュー記録です。
インタビュー記録 #006
2007/05/08
付記: 那智氏に対し、PAMWAC本部との取引についてインタビューを実施した。
<再生>
インタビュアー: 賃貸契約を行った相手について聞かせてください。貴方は誰と契約を行いましたか?
那智: はい、PAMWAC本部の吉川さんですね。
インタビュアー: 吉川は貴方にどのような態度で接しましたか?
那智: どんな態度? 凄い紳士的で、ハキハキしていて、誠実そうな感じでしたが。
インタビュアー: ありがとうございます。次の質問です。吉川は那智さんとだけ交渉を行っていました。那智さん以外とは交渉してません。我々はこれを「吉川には那智さんとの取引を成功させる自信があった」と推測しています。何か心当たりはありますか?
那智: うーん、心当たりというか、あの場所の事情を知っていたら「安く借りれそうかも」って思うかもしれませんよね。
インタビュアー: PAMWAC本部には関東在住者はおらず、親戚筋や友人筋にも関東在住者は存在しません。また、あの場所に関する情報を収集していた痕跡も発見されていません。あの場所の事情をどのように知ったのか、我々にも分かっていないのが現状です。那智さんに心当たりはありますか?
那智: ええ!? そんな心当たり無いですよ。え、そんなことってあります?
インタビュアー: 社会経験が豊富とは言えない若者が突然家を出て、縁も所縁もない田舎町に弾丸で引っ越し、直接交渉で不動産を借りた。その直接交渉に使った情報はどうやって入手したか分からない。……ということになりますね。これを他人同士8人が集まって行ったという点も見逃せません。
那智: いやいやいや、初めて聞く話ばかりですわ。まったく心当たりはありません。なんだか私が首を縦に振るのが分かってるような振る舞いで不気味じゃないですか。なんだか怖くなってきたかも。
<終了>
終了報告: 吉川は重度の吃音症であったことが既に判明しており、那智氏の証言で示された交渉の様子には疑問が残る。また、吉川を含めるPAMWAC本部構成員が那智氏の事情をどのように認知したかは判明していない。
PAMWAC本部は鷲宮町商工会に接近し、ジャパニメーション文化に於いて"聖地巡礼1"と呼称される旅行形態を利用した町興しを提案しています。提案の内容は、2007年に放映されたアニメ番組「らき☆すた」のオープニングに鷲宮神社が登場したことに着目したもので、鷲宮神社及びその参道にあたる鷲宮商店街への聖地巡礼を励行する広報を行うというものであり、当時としてはジャパニメーション文化を利用した先進的な町興しでした。
当初、商工会はPAMWAC本部を警戒していましたが、らき☆すたの原作者が旧鷲宮町出身だったことで出版社との取引がスムーズに進行し、広報活動が商工会の予想してたものよりも大々的なものに発展しました。この広報活動の影響で、例年8万人程度だった鷲宮神社への参拝者数が、正月の参拝者だけで48万人を達成する結果となりました。旧鷲宮町に対して発生した経済効果は莫大なものであり、PAMWAC本部は経済戦略の相談役として商工会から信用を得ています。以下は、PAMWAC本部が商工会とのコンタクトを取る際に、その仲介役になった民間人"菅野 義信(かんの よしのぶ)"氏へのインタビューです。
インタビュー記録 #012
2008/02/015
付記: 菅野氏はPAMWAC本部拠点が存在した旧鷲宮町中島地区の元区長である。菅野氏は町内にて縫製工場を経営しており、商工会の会員でもある。PAMWAC本部は菅野氏を通じて商工会に接近していた。
<再生>
インタビュアー: PAMWAC本部のメンバーとの邂逅について教えて頂きたいです。どのような形で知り合ったのでしょうか?
菅野: ファーストコンタクトは地区の草取りです。 中島地区では春先と夏に集会所周辺の除草をしているのですが、その場にPAMWAC本部の全員が現れましてね。是非草取りを手伝いたいと言って草取りに参加してくれました。
インタビュアー: 菅野さんから見て、彼らはどう映りましたか。
菅野: 社交的で良い人たち、という印象ですね。那智さんから借りてる社屋に寝泊りしてるとは聞いていましたが、会社さんとかそういう団体さんには参加をお願いしていなかったので、意外な申し出に驚いたと記憶しています。
インタビュアー: わかりました。次に、菅野さんはPAMWAC本部を商工会に紹介していますよね。どのような経緯で紹介したかを教えてください。
菅野: さて、どんなだったか。確か町民体育祭の時だったかな、あの時もわざわざ参加してくれましね。私も地区の人間も、皆酒が入っていたんでよく覚えちゃいませんがね。そこで町興しについて力説された記憶がありますね。
インタビュアー: 町興しと言うと"らき☆すた”関係ですかね。
菅野: そうですそうです。凄いアニメがあるって言われても私らにはピンと来なかったんですけどね。ましてや町ぐるみで儲かるようなもんだとは到底……。
インタビュアー: 確かに想像しづらいものです。近場でその手の町興しなら、春日部の"クレヨンしんちゃん"が有名ですが、”らき☆すた”と比べると放送時間帯や知名度に差があります。PAMWAC本部の話をよく信用しましたね。
菅野: 酒の勢いはあったと思いますが、聞く限り先行投資はそれほど必要そうじゃありませんでしたからね。その場で本町のテントに居た商工会長の所に連れて行って、そのまま話があれよこれよと進んだ具合で。
インタビュアー: すごいスピード感ですね。皆さんからしたら得体の知れない団体ですよね。よくそんな風に話が進むものです。
菅野: なんて言うか、不思議な人たちでしたね。見た目はそんな感じじゃないのに、話し始めたらすごい明るくて、こっちも応えたくなってしまうと言うか。カリスマというかそういう感じの……、いや良く分からないんですけど。
<終了>
那智氏と菅野氏から得られたインタビュー記録で示唆されたPAMWAC本部構成員たちに様子は、何れも財団諜報部が報告していた警戒の必要性の人物像とは一致していないと評価されています。このPAMWAC構成員たちの人格の変化は特筆すべき事象です。
補遺2: PAMWAC本部による書き込み
拠点を手に入れたPAMWAC本部は独自の研究を開始し、その内容をPAMWAC内BBSに投稿しています。ただし、PAMWACコミュニティからは注目されず、数少ない反応もPAMWAC本部の狂言を疑うものが多く確認されました。PAMWAC本部が研究資材を拠点に搬入している様子は確認されておらず、異常な研究を行う設備は存在しないと判断された他、PAMWAC本部拠点への潜入などで情報資料が得られなかったことから、財団諜報部もPAMWAC本部の投稿は狂言と結論付けていました。以下はPAMWACBBS内からの引用です。
【PAMWAC本部】聖地を利用して嫁を作品ごと作れると思うんだけどどう?
81: P本部ミオ◆okM231E 2007/08/20(月) 11:10:23 ID:???
大分研究が形になってきたよ
らきすたOPの鷲宮と現実世界の鷲宮に差はほとんどないから、現実世界を複製という名の創作をすれば下位創作世界とも複製世界とも言えない曖昧な世界が形成される
この世界は現実世界と下位創作世界の特徴両方を併せ持っているから、外部から特徴を入力可能な現実世界ってことになるんじゃなかろうか
82: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 11:22:30 ID:???
»81
はい?
本部の連中は現実と創作に見分けが付いていらっしゃらない? 差が無いからできる!ってなら誰も苦労しないんだが
83: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 11:24:47 ID:???
»81
差がどうこうってか無から有を当然の様に産み出してるのがわからん
どうやんねん
84: P本部ミオ◆okM231E 2007/08/20(月) 11:50:03 ID:???
???
いや普通に出来るけど
下位創作世界の形成に特別なことなんて無くない?創作すればいいんだから
85: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 12:00:01 ID:???
そうなのかもな
お前の中では
86: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 12:02:05 ID:???
>いや 普通に出来るけど
かっけえ
87: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 12:06:52 ID:???
平日の昼間から途方もない妄想を披露する本部(自称)の無職
悲しくならんか???
88: 不撓の名無しさん 2007/08/20(月) 12:10:01 ID:???
形になってきてるって言われても想像つかないし、形になったらスレ立てしてくれ
つかそんなことしたらメッチャ影響できそうだけど大丈夫なの?
89: P本部ミオ◆okM231E 2007/08/20(月) 12:40:20 ID:???
>つかそんなことしたらメッチャ影響できそうだけど大丈夫なの?
どんなことにもデメリットは存在するけど、メリットが上回るなら価値があると思わない?
なんでも思い通りの世界なんだぜ?
PAMWAC本部のメンバーがPAMWAC内BBSに書き込みを行ったのは上記書き込みが最後であり、程なくしてパラ埼玉が発生しています。P本部ミオ◆okM231Eは研究結果にデメリットが存在することを示唆しており、以降発生した複数の事象について一定の理解をしていたと推測され、その結果から利益が得ることを目的に活動していたと思われます。
補遺1、補遺2の内容で示されたPAMWAC本部構成員の能力は、財団諜報部による当初の評価を大きく上回ります。財団はこの能力の飛躍的な向上を、この時点でSCP-001-JPに干渉されていた可能性が高いと推測しています。
補遺3: パラ埼玉の発生
2007年10月11日に、パラ埼玉拠点が周辺区画ごと不明な爆縮により消滅しました。爆縮の影響で約3 m程度地面が陥没し、PAMWAC本部構成員を含める民間人10名が安否不明となりました。陥没地点底面に視覚可能な位相空間内ゲートが発生しており、後に"パラ埼玉"と呼称される異常領域へのアクセスが可能です。
パラ埼玉側のPAMWAC本部拠点は消滅しておらず、増設されたと思われる地下拠点が存在します。地下拠点には陥没地点のものと同質の位相空間内ゲートが存在し、地下拠点の位相空間内ゲートは、陥没地点に存在する位相空間内ゲートと相互関係にあります。地下拠点には位相空間内ゲートを発生/維持させるための巨大な機械構造体が存在しており、赤色の不明な液体を動力源に稼働しています。
地下空間への初期探査はDクラス職員を利用し実行されましたが、SCP-001-JPとSCP-001-JP-Aへ変容したPAMWAC本部構成員により襲撃されました。襲撃を受けたDクラス職員は一部が即座に退避し、資源消費は発生したものの、情報資料の獲得に成功しています。ただし、得られた情報は一部SCP-001-JP実体群の外見的特徴や不審な状態のSCP-001-JP-A群の情報程度であり、発生している異常現象等の詳細な情報の入手に成功していません。これ以降も、財団は複数回に渡り位相空間内ゲートを利用することでパラ埼玉への探査を行っていますが、何れもSCP-001-JPによる異常な改変現象を利用した襲撃により十分な成果を得られていません。そのため、この時点ではこの地下空間から地上への脱出には成功しておらず、パラ埼玉や前述のパラ埼玉内のPAMWAC本部拠点に関する情報は一切入手出来ていませんでした。
SCP-001-JPによる改変現象を用いた襲撃は、高い殺傷能力を持つ改変が多く、空間爆縮や敵対的異常実体の生成などの破壊現象を発生させます。また、あらゆる攻撃的行動に対し耐性を示し、武器等を使用する場合では武器そのものに改変が行われるため、物理的な制圧は困難です。SCP-001-JPによる改変現象は現実改変現象に典型的な現実性の欠如が発生せず、スクラクトン現実錨2を利用した制圧にも成功していません。また、位相空間内ゲートの利用はSCP-001-JPに即座に察知されるため、隠密活動による情報入手も困難です。
陥没地点の発生は財団の情報統制下にも関わらず、不明なルートでPAMWAC内の一部コミュニティに認知されており、一部構成員は位相空間内ゲートの通過を計画していたため、陥没地点に注水を行いカバーストーリー「宝泉寺池の発生起源」を流布し、位相空間内ゲート周辺に水底サイト-81-048を建設しました。位相空間内ゲートの通過を計画したPAMWAC構成員は財団により拘束されており、尋問によりPAMWAC本部構成員とは無関係な人物であることが確認され、道楽目的で通過を企てていたことが明らかになっています。
補遺4: 合同探査計画の打診
PAMWAC構成員 中橋 紅葉(なかはし こうよう)より複数のカットアウトを通じて財団に対しコンタクトがありました。中橋はプリチャード学院在学中に、財団研究職に内定した段階で脱走、恋昏崎に隠遁した要注意人物です。PAMWAC内では◆SHo67Kc0Yのトリップで活動しており、PAMWACコミュニティ内では"隠秘学に自信ニキ"の呼称で認知されています。
中橋は財団に対してパラ埼玉への合同探査を打診しました。中橋は過去数回に渡りパラ埼玉を探査した経験があると自称しており、私的な研究を目的にした合同探査計画であることが開示されています。財団へ合同探査計画を勧誘した理由については、中橋は学術的見地からの助言と身辺警護を求める目的があると開示しています。
中橋は合同探査計画のおいて、以下の項目を重要目標として設定しています。
- パラ埼玉側のPAMWAC本部拠点を調査する。
- 異常実体群の無力化を試みる。
中橋に設定された重要目標は財団と利益が一致しており、達成への協力は財団にも有益です。また、中橋はパラ埼玉の情報を財団に共有しており、パラ埼玉に関する情報をほとんど入手していなかった財団の関心を集めました。また、パラ埼玉が2007年時点の埼玉県を複製したと評価される地理的特徴を持つことは、中橋からの情報提供で明らかになりました。
中橋はパラ埼玉側のPAMWAC本部拠点を調査する重要性について、「パラ埼玉が2007年時点の埼玉県を完全に複製した空間である場合、パラ埼玉発生時に失われたPAMWAC本部拠点の地下部分(現在の陥没地点)がパラ埼玉では現存している可能性があり、情報資料の獲得が期待できるため」と説明しています。中橋は位相空間内ゲートが陥没面に発生したことを不審視しており、財団も発見できていなかった地下拠点の存在を確信していました。
異常実体群の無力化は上記目標を達成するために副次的に設定されたものであり、中橋は異常実体群が健在ではPAMWAC本部拠点の調査は困難であると予想していました。中橋から提案された無力化の具体的な方法は何れも困難且つ効果が期待できないものであり、中橋の提案する方法に対し財団は否定的でした。中橋は無力化の方法について財団が納得しない場合、財団だけで撤退すること認め、中橋単独で無力化を実行することを表明したため、財団は提案を承諾しました。
インタビュー記録 #081
2022/12/03
付記: 要注意人物"中橋 紅葉"に対するインタビュー記録。中橋から共有された情報や予想についての記録としてSCP-001-JP報告書に掲載される。インタビューはビデオ通話で行われた。
<再生>
インタビュアー: まず、あの地下空間の呼び名ですが、パラ埼玉とおっしゃいましたか?
中橋: ああ、俺が名付けて使ってたら流行ったからそのまま使ってる。
インタビュアー: 貴方が名付け親なんですね。ちなみに何故パラ埼玉なんですか?
中橋: 普通ではない埼玉県って意味でパラ埼玉。あの空間が埼玉県を複製した世界で、且つところどころふざけた改変が施されているからっていう理由で名付けさせてもらった。
インタビュアー: ふざけた改変?
中橋: そうそう。基本的には2007年時点での埼玉県を忠実に再現してるっぽいんだが、所々変な場所があるんだ。春日部に大人帝国3があったり、川越にエロタワー4があったりしてな。春日部のはクレヨンしんちゃんで、川越のは妹が作った痛いゲームシリーズ5のネタだと思う。クレヨンしんちゃんは兎も角、痛いゲームシリーズはかなりオタクなネタだな。
インタビュアー: エ、エロタワー……? なんなんですか、それ。すいません、私では勉強不足かもしれません。替えのインタビュアーを ────
中橋: 別にエロタワーに関する知識は必要じゃないと思うけど。注目すべきはエロタワーが投稿されたのは2009年って部分だ。パラ埼玉が発生した2007年より後に川越に対して改変が加えられたってことになる。コアなオタクネタが後からドンドンパラ埼玉に再現されているんだ。秩父には秩父市立緑ヶ丘高等学校6が存在するし、行田は石田堤7で水没させられてる。新座にはふんばり温泉8があって所沢ではトトロ9が見れるぞ。
インタビュアー: なんだかメチャクチャですね。こんなこと言ったらなんですが、中橋さんの言う通り、"ふざけた改変"と言えると思います。
中橋: PAMWAC本部のヤツラは鷲宮のアニメ聖地という側面に惹かれて活動を開始していたし、なにかそういうのに関係あるんかね。俺はPAMWAC本部のオタク共と、あの綺麗なネーチャン達の合作だと思ってるよ。あの世界でそんなことができそうな異常な存在はヤツらしか居ないし。
インタビュアー: 異常実体群のことも知っているとは、本当にパラ埼玉にお詳しいんですね。しかし、よくパラ埼玉をそこまでねり歩けましたね。我々の眼を盗んで位相空間内ゲートを使っているのも驚くべきことですが、入った瞬間から始まる異常実体群からの襲撃を躱して地方都市まで行くなんて。
中橋: アンタ勘違いしてるな。俺はPAMWAC本部のゲートは使ってない。パラ埼玉には別の方法でも入れるんだ。異常実体群のことは徘徊している一個体と偶然遭遇しただけで襲われたことや交戦経験は無い。アイツは俺に気付いていないようだった。アンタらがあのゲートを使うとすぐ気づかれるんだっけ?
インタビュアー: はい。侵入後数秒で異常実体群たちに察知されてしまいます。
中橋: ふむ。パラ埼玉と現実世界を繋ぐゲートは位置情報がリンクしてる。所沢から入ったらパラ埼玉の所沢、越谷から入ったらパラ埼玉の越谷だ。アンタらのゲートが繋がっている先はPAMWAC本部の地下ということになる。好き勝手歩き回ってる俺が気付かれなくって、少し入っただけのアンタらは襲われる。やはり、あの場所にはなにかあるな。
<終了>
インタビュー記録 #082
2022/12/03
付記: 要注意人物"中橋 紅葉"に対するインタビュー記録。中橋から共有された情報や予想についての記録としてSCP-001-JP報告書に掲載される。インタビューはビデオ通話で行われた。
<再生>
中橋: アンタら、PAMWAC本部メンバーの実家とかって調査したか?
インタビュアー: 勿論です。彼らの使っていたパソコンなども全て確認しましたが何も手掛はありませんでした。
中橋: 何も手掛りは無かった、ってことはアレはアンタらが消した訳ではないんだな。
インタビュアー: その言い方だと中橋さんも調査してるんですね。
中橋: まぁね。情報が手に入らなかったことに関するアンタらの所感は?
インタビュアー: 不審ではありますが、それ以上は何も。全員が示しあわせて抹消しただとか、そういう風に考えることができますが、イマイチ根拠に乏しくて確信には至っていません。
中橋: なるほど。俺はね、情報が消されたんじゃなくて、最初から情報が無かったんじゃないかと思ってるよ。
インタビュアー: 情報が無かった、というのは我々の認知しない情報端末があるということですか?
中橋: 違う違う。ヤツらは最初からあの綺麗なネーチャンに操られてて、昔から今に至るまで何も知らないし何の情報も持ってないってこと。
インタビュアー: なるほど、そういうことでしたか。PAMWAC本部拠点の借り入れやパラ埼玉発生に至るまで、本当に彼らが自分の力だけでやったのかというのは終始疑問ではありました。異常実体に入れ知恵されただろう、という所感ということですね。
中橋 そういうこと。
インタビュアー: 異常実体についてもお聞きしたいのですが、中橋さんはあの異常実体について所感をお持ちですか?
中橋: 半分妄想だが一応。
インタビュアー: 是非
中橋: 俺はパラ埼玉を下位創作世界だと思っている。それであのネーチャンは下位創作世界の創作者だ。下位創作世界に関する研究や知識はアンタらより、俺や一部のパムワカー10のが進んでいるだろうな。下位創作世界についての説明はいるか?
インタビュアー: アニメや漫画や小説など、その創作物の中の世界だ、という程度の認識ですが正しいですかね?
中橋: それで十分だ。アンタらは異常実体の行使する改変の計測は行ったか?
インタビュアー: ええ、カント計数機11を利用しましたが、現実性への干渉は確認できませんでした。それが何か関係があるのですか?
中橋: ああ、ある。カント計数機が示す現実性とは、現実を構成する法則である超弦理論12がどれほど履行されているかをヒューム値と呼ばれる数値で表すものだ。これに異常が出ないということは、通常の改変現象ではない。ヒューム値に異常が出ない改変には過去改変があるが、過去改変が起こると時空連続体がゆがむから、それが別のもっと簡単な方法で観測できるはずだ。だが、それも無い。
インタビュアー: そうですね。我々も様々な可能性を加味して時空連続体の観測を行いましたが、異常と呼べるような数値は発見出来ていません。お恥ずかしながら、実は我々はあの改変を分類することが出来ていません。
中橋: まぁ仕方ないだろ。さて、ではあの改変は何なのだろうか? 現実改変でもない。過去改変でもない。そうなると残る可能性は1つ。創作改変だ。
インタビュアー: 創作改変?
中橋: ああ。難しい言い方をしてるがそれほど難しい現象では無い。下位創作世界では創作者が定めた設定が世界を構成する法則として作用する。鉄腕アトムの世界は作者の手塚先生が定めた設定とストーリーに則って進むよな? この手塚先生の定めた設定が、現実世界で言う超弦理論の役割をこなして、世界を構成する法則になるんだ。
中橋: 創作改変とは、その作者が設定ごと変更を施す際に下位創作世界で発生する改変現象だ。手塚先生がアトムの名前を田中太郎に変えてしまったら、下位創作世界でもアトムの名前は田中太郎に改変されてしまうんだ。この場合、作者が定めた設定、即ち法則ごと改変されるから、法則の歪みや異常は発生しない。ありとあらゆる計測が意味を成さないんだ。だから、あの世界は下位創作世界で、あの女は創作者或いはそのアバター的な存在ではなかろうかっていう所感になってる。
インタビュアー: なるほど。その所感が正しいならば、現実世界においてその創作者を抑えれば良いということですかね? その創作者なる人物を特定し、収容できれば ────
中橋: どうだろうな。パラ埼玉から出てこないあたり、パラ埼玉に居るのが創作者本体で、絶対無敵の空間に籠っている可能性がある。その場合は創作者ではなく創作物を抑えて、我々が創作物を編集することで創作改変を起こし、異常性を取り合げた上で収容するのが賢いだろうな。
インタビュアー: それならパラ埼玉を調査しなくても、と思いましたが、特定に至る情報がない訳ですね、やはりPAMWAC本部拠点への調査は必須ですね。
中橋: そういうこと、と言っても半分妄想だ。パラ埼玉が下位創作世界だったとして、まるで平行異世界の様に位相空間内ゲートが位置情報でリンクしているってのも、それはそれで変なんだ。それに創作者とPAMWAC本部の連中が糸で繋がっているのもよく分からない。この所感には落とし穴があるのかも……。
<終了>
中橋は今回の合同探査計画において、財団に対しいくつかの条件を設定しています。以下は条件の一覧です。
- 中橋の助手として同行者2名の随伴を認めること。
- 計画完了後に同行者含める中橋ら3名に関する情報収集を行わず、3名の詳細情報を報告書として記録に残さない。
- 調査完了後、中橋ら3名の足取りを追わない。
財団は条件を承諾しました。財団がこの条件を実際に履行するかについて、中橋に確認する方法は存在しないと思われますが、独自の情報網と技術を持つ存在であることを加味し、財団はこの条件を忠実に履行します。
補遺5: パラ埼玉の探査
中橋は助手として、2名の女性を随伴させました。内1名は中橋の配偶者である中橋 楓(なかはし かえで)であり、クラスVIに分類される異常実体です。もう1名の女性については、財団データベースに網羅されていない人物であり詳細は不明ですが、中橋より"カグヤ"と呼称される人物であり、発声に認識災害性の精神異常が含まれており、こちらも異常実体であると評価されています。財団からは11名の財団職員が調査隊に参加し、内6名がパラ埼玉へ侵入し、残りの5名は後方支援チームとして規定世界に留まります。後方支援チームは通信や物資の運搬を目的にパラ埼玉へ侵入することがありますが、目的達成後は速やかに時空間異常帯へ引き返します。
中橋はパラ埼玉に侵入するルートとして、埼玉県所沢市秋津地域に存在する時空間異常帯を利用する方法を示しました。秋津の時空間異常帯は一部民間人により「裏秋津」と呼称される平行宇宙への入り口として都市伝説的に認知されている空間の歪みであり、時空間異常帯は中橋によって隠匿/管理されていました。中橋はパラ埼玉発生以降は裏秋津へのアクセスが不能になり、パラ埼玉へのアクセスが可能になったと説明しており、実際にパラ埼玉を経由し遠野妖怪保護区へ不正侵入した際に利用した経験があると自供しています。時空間異常帯は極めて狭小であり、自動車等の大規模な装置の搬入は不可能です。
時空間異常帯を利用した侵入は成功し、調査隊はパラ埼玉へ予定通り侵入しました。財団は、パラ埼玉に侵入した時点で異常実体群に合同チームが襲撃される可能性に留意していましたが、襲撃は発生しませんでした
中橋はPAMWAC本部拠点が存在する旧鷲宮町までの道のりとして以下のルートを提案しました。
- 秋津駅周辺から県道24号・県道126号などを利用して北上。
- 新開交差点を右折し県道6号へ、川越駅周辺まで北上し、改変により出現した"エロタワー"を視察。
- 視察後は国道16号を北東方向に進行、吉野町交差点を右折し県道3号へ。
- 県道3号を北上し旧鷲宮へ、最終的にPAMWAC本部裏手に到着。
2007年時点では首都圏中央連絡自動車道の埼玉県内の区間はほとんど完成しておらず、中橋の提案したルートは最善である評価されました。財団は偽装した書類や身分証明書を利用することでレンタカーの借用に成功しており、PAMWAC本部までの移動手段として利用しました。
パラ埼玉の川越市には、中橋の証言通り"エロタワー"とされる不審な建造物が建造されていた他、市内全域で暴動や爆発が発生しており、アメリカ空軍のB-52爆撃機が市民に対し空爆を実行しています。これらの無秩序且つ無知蒙昧な改変について中橋は、「何れも"妹の作った痛いゲームシリーズを模した物である」という推測を示しています。以前中橋が訪れた際よりも改変が大規模になっており、市内の散策は危険と判断されたため、急遽ルートを変更し、三芳町まで引き返した後に国道463号浦所バイパスに入り羽倉橋を通過しました。国道463号埼大通りから新大宮バイパスに入り、北上して吉野町交差点を目指しました。
補遺6: 異常実体群との遭遇
合同チームは午前中に吉野町交差点に到達し、県道3号へ進行しました。しかし、蓮田市に到達した段階で、空中を飛行するSCP-001-JP-6とSCP-001-JP-A-6の異常実体群に遭遇しました。異常実体群は合同チームを感知しておらず、財団が陥没地点の位相空間内ゲートを利用した場合とは異なった振る舞いを示しました。合同チームは異常実体群の無力化を試みました。
SCP-001-JP-6に対してスナイパーライフルによる遠距離射撃が実行され、異常実体群の無力化が試みられました。結果として、SCP-001-JP-6に物理的な損傷を与えることに成功しましたが、損傷は即座に回復し、実質的に効果は認められませんでした。続いてSCP-001-JP-A-6に対する遠距離射撃が実行されましたが、SCP-001-JP-6が改変能力を行使し、SCP-001-JP-A-6の周辺に大量の物体を出現させることで攻撃が防御されました。2発目の射撃を受けた段階で、400 m程度の距離が離れているにも関わらず、異常実体群は射撃を行った財団職員を察知しており、改変現象を行使し、射撃を行った財団職員を石化させました。
狙撃による無力化に失敗して以降、異常実体群は周辺を警戒捜索するような振る舞いを見せており、無力化は困難だと予想されたため、撤退が提案されましたが、中空を浮遊する異常実体群の真下に潜伏した中橋らが手製の改造銃より丸ノコ刃を射出し、異常事態群を繋ぐ赤色の糸を切断しました。この行動により異常実体群が分離し、SCP-001-JPは消失しました。残されたSCP-001-JP-6は浜中 洋二としての意識を取り戻し、合同チームは浜中の一時確保に成功しました。
SCP-001-JPがSCP-001-JP-Aを守ろうとしたことや、糸の切断によってSCP-001-JPが消失したことなどから、SCP-001-JPが存在を維持するにはSCP-001-JP-Aとの接続を維持する必要があると予想され、糸の切断によってSCP-001-JPを撃退/無力化することが可能であると発見されました。糸の切断については、合同計画の構築の段階で中橋から共有されていましたが、中橋自身も効果は期待できないと説明しており、数ある無力化作戦の中で優先度の低い方法でした。中橋は、財団職員の石化を目撃した中橋 楓がパニックに陥ってしまったため、安全に撤退することが不可能と判断し、絶念の心境で切断を実行したと説明しています。
一時確保に成功した浜中に対し、インタビューが実行されました。以下はその内容です。
インタビュー記録 #087
2022/12/20
付記: 浜中は中空から落下したが、外傷は軽い捻挫程度で健康状態も優れている。こちらの呼びかけに応答する意思をみせており、インタビューが可能と判断された。
<再生>
エージェント・時任:(以下、時任と呼称) 体調は如何ですか?
浜中: 俺の体調はどうでもいい。どうせ関係ない。はやくここから立ち去った方がいいんじゃないか?
時任: それはどういう意味でしょうか。何か脅威があるならば共有して頂きたいです。
浜中: すぐにヤツが帰ってくる。全員殺されるぞ。
時任: なら貴方から速やかに情報を聞き出さないといけません。貴方を助け出すためにも我々には情報が必要です。
浜中: 俺は助ける? 別に助けてもらわなくて結構だよ。別に何も困ってない。
時任: 先程まで意識を失っているように見えました。あまり良い状態には見えませんでしたが、困っていないと。
浜中: 確かに自由は無くなったが、別に何でもいいかな。アイツ経由で外の様子も見れるしね。
時任: 何でも良いなら教えて頂きたいです。あの女性たちはいったいなんなのですか?
浜中: さあね。分からないよ。
時任: 分からない?
浜中: ああ、イジワルじゃなくて本当に分からない。ある日、ミオ13が連れてきたんだ。ミオは計画の一環だと説明してきたけど、結局今でもなんのこっちゃ分からないな。俺達はミオの提案で「聖地を複製して、その世界を自由に使ってなんかやろう」「皆協力してほしい」って言うから俺達は「いいよ」って返したんだ。いつもスカイプでは吃って何言ってるか分からないのに、あの時はやたらハキハキ話してて圧倒されたよ。
時任: ミオって喪服の女と接続されてるヤツですよね。ミオから頼まれた協力とはなんですか? 何を協力したんでしょうか。
浜中: それも別に何もしてないな。協力しろって言われたワリには何か頼まれた覚えもないわ。女と繋がれて、後は自由に世界をイジくって遊んでたらある日意識が無くなって気付いたら今って感じ。
時任: その言い方だと、最初は意識がハッキリしていて、自分で改変を行使出来ていたんですね。なぜ意識が無くなっていったか、みたいなのって分かりますか?
浜中: しーらね。あれじゃね、ミオがヤツらを怒らせたんじゃね?
時任: ミオが怒らせた? あの女性たちを怒らせるようなことをした、ということですか?
浜中: ある時期から連中のアイツに対する態度が明らかに変わった。アイツも何でなのかは分からなかったみたいだけど。それから程なくして俺たちは意識を失ったんだ。アイツが何かやらかしたんだと勝手に思ってるよ。
時任: 態度が変わった。一応どのような態度だったかお聞きしてもよろしいですか?
浜中: 警戒してるっていうか、見張ってるって言うか 。そうだ、喪服の奴が「何を考えているか分かっている」ってアイツに ────
[浜中が意識を失い、左手を挙手するようなポーズをとる]
[切断されているはず糸が中空に巻き上げられるような挙動で浮き上がり、浜中の身体を吊り上げる]
時任: まずい。全員撤退だ。
<終了>
インタビュー後、SCP-001-JP-6が再出現し、SCP-001-JP-A-6と再結合しました。また、SCP-001-JP-1の再出現に伴い、他のSCP-001-JP群とその対となるSCP-001-JP-A群が次々と出現し、索敵を開始しました。合同チーム参加者の内2名が異常実体群によって発見され、内1名は安否不明です。合同チームは所沢市まで撤退し、後方支援チームと合流しました。
異常実体群に危害を加えた場合、仲間を呼び再出現する習性が発見され、完全な無力化は困難であると結論づけられましたが、異常実体群を誘導できる可能性が示されました。アンドロイド兵やドローンを用いて、異常実体群をゲリラ戦術的に襲撃し、糸の切断を繰り返す事で、異常実体群を留め置く効果が期待できます。PAMWAC本部拠点を調査する際には、アンドロイド兵とドローンを用いた襲撃を実行し、PAMWAC本部拠点への侵入リスクを極力軽減させます。
アンドロイド兵及びドローンの運搬に掛かる時間を加味し、PAMWAC本部拠点への調査は、一時撤退から更に2日後に実行されました。アンドロイド兵とドローンの指揮は作戦通信AIによって代行されるため、後方支援チームは完全に撤退します。PAMWAC本部拠点に侵入する調査チームは、調査を完了後にPAMWAC本部拠点地下の位相空間内ゲートを利用して撤退します。
作戦は予定通り決行され、異常実体群を誘導する試みは成功し、PAMWAC本部拠点への調査は実行されました。浜中へのインタビューによって、吉川 雄哉に関する情報の重要度が上昇したため、SCP-001-JP-4とSCP-001-JP-A-4を結ぶ糸の切断が期待されましたが、SCP-001-JP-4の警戒心は他の個体と比べて強いと評価されており、糸の切断には成功しませんでした。
補遺7: PAMWAC本部地下拠点への調査
PAMWAC本部拠点の資材置き場より、巧妙に隠匿された地下拠点への入り口が発見されました。地下拠点からは、財団が基底世界の位相空間内ゲートを利用した際に到着した地点と特徴が一致する場所が発見されています。地下拠点の大部分は位相空間内ゲートを維持するための巨大装置に埋め尽くされており、研究資料等の直接的な資料は発見されていません。地下拠点は位相空間内ゲートを設置することを主目的として敷設されたと評価されています。
地下拠点の内部から更なる隠し部屋が発見されました。隠し部屋の入り口は完全に封鎖されており、調査に用いられたソナースキャニングの結果から明らかになりました。隠し部屋は位相空間内ゲートの存在する地点よりも低い深度の地点に存在します。
隠し部屋の調査を行うため、地下拠点の床面に対する掘削が準備されました。しかし、陽動を受けていた異常実体群が行使した改変により、陽動作戦の現場となっていた蓮田市が完全に消滅させられ、遠隔地に存在していた作戦通信AIを除く陽動アンドロイド兵及びドローンが全滅する事態が発生したため、掘削は中止されました。状況を解決した異常実体群がPAMWAC本部拠点に帰還する可能性が示されたため、調査は中断され、地下拠点の調査に参加していた人員は、位相空間内ゲートを利用して全員が撤退しました。
補遺8: 隠し部屋の発見
パラ埼玉内で隠し部屋が発見されたことを受けて、基底世界の陥没地点の地下にも隠し部屋が存在する可能性が指摘されました。掘削調査が行われ、指摘通り隠し部屋は発見されました。隠し部屋に設置物は存在しませんが、床に半径約4 mの正確な円が描画がされています。円の中心部からは赤色の糸くずと、吉川の所有物と思われるデジタルカメラが発見されました。
デジタルカメラからは吉川が撮影したと思われる画像ファイルが発見されており、画像ファイルの日付情報からPAMWAC本部拠点消滅以前に隠し部屋で撮影された写真だと明らかになっています。写真には共通する特徴があり、画像内の隠し部屋の円には不明な映像が映し出されており、何れもその映像を直撮りした写真です。
円に映し出されていた映像は、何れもスマートフォンを操作する何者かの手元であり、スマートフォンに描画されている内容は画像ファイルごとに異なります。2007年時点でスマートフォンが撮影されている事実は明確な異常であり、特筆すべき事象です。
画像ファイルは128枚存在しますが、財団は内8枚の画像ファイルを重要視しています。この8枚はジャパニメーション/サブカルチャー文化における美少女キャラクターのイラストであり、イラストにはアルファベットと数字を混合した文字列が付記されています。このイラストで表現されているキャラクターの意匠は、SCP-001-JP群の外見的特徴と一致します。アルファベットと数字から成る文字列はハンドルネームと推測されており、128枚の画像ファイルの大半は、このハンドルネームの存在同士が不明なチャットツールを用いて会話しているログを撮影したものです。イラストにハンドルネームが付記されていたことから、SCP-001-JP群にはそれぞれ名称が存在すると推認されます。
アイテム番号 | ハンドルネーム |
---|---|
SCP-001-JP-1 | Fennecist |
SCP-001-JP-2 | meshiochislash |
SCP-001-JP-3 | karkaroff |
SCP-001-JP-4 | indonootoko |
SCP-001-JP-5 | kyougoku08 |
SCP-001-JP-6 | sanks269 |
SCP-001-JP-7 | notyetDr |
SCP-001-JP-8 | R74 |
特筆すべき点として、これらハンドルネームの内、karkaroffとnotyetDrを除く6つの名称は、SCP-001-JPのダミーファイルに付与されているコードネームと一致、或いは関連性を認められる文字列です。SCP-001-JPダミーファイルに命名されるコードネームは、AICによってランダムに出力された文字列であり、偶然で一致する可能性は極めて低いと推認できます。
付録: 以下はハンドルネームの存在同士によるチャットログの転写です。
補遺9: 財団職員による発議
補遺8までの内容を受けて、複数の上級研究職員によって様々な考察が行われました。以下はその考察です。
ベリーマン博士の提言
世界5分前仮説という思考実験がある。イギリスの哲学者バートランド・ラッセルが提唱した思考実験で、我々が生きる世界の全ては、何者かにより「そういう設定」で5分前に創造されたという仮説をもとに思考を重ねていくものだ。この仮説のミソは、仮説を肯定する証拠も否定する証拠も存在しないという部分だ。全てが茶番という前提のもと思考することで、知識/叡智/記憶の本質を見つめ直すことができる。
しかし、我々は世界5分前仮説を肯定する要素を発見してしまったかも知れない。
これまで、PAMWAC本部の地下については、パラ埼玉にのみ存在する可能性があった。パラ埼玉に存在するSCP-001-JPが改変能力を行使し、PAMWAC本部拠点に新たに増設していたという可能性は十分ありえるからだ。しかし、消失を免れた隠し部屋が基底世界からも発見されたことで、消滅しただけで地下拠点が基底世界にも存在していたことがほぼ確定的となってしまった。
あの地下拠点の敷設を、我々は気づかなかった。あれだけ高度な地下施設を、我々に知られずにどうやって作ったのか? 答えは改変現象を行使したのだと容易に予想がつくだろう。パラ埼玉に引きこもって改変現象を好き勝手に行使する異常実体群を見る限りでは、異常実体群の改変能力はパラ埼玉でしか行使できないのでは、と予想されていた。しかし、我々の世界でも改変は行われていたということになる。
中橋の仮説通り、異常実体群による分類不能な改変が創作改変と呼ばれる改変だとしたら、我々の世界を改変した事実をどう捉えれば良いのだろうか? そもそも創作改変では無かったということだろうか? いや、それは楽観的だと言わざる得ない。私は、我々の世界は創作物であると考える。そう考えざるを負えない。この世界が茶番だと言うのは、認めがたい話ではあるが。
ラングフォート博士の提言①
我々が呼ぶ正常とは、この世界を構成する超弦理論が正常に履行されている状態、即ち科学的に事象を説明できる状態を指す。逆に異常とは、超弦理論が紡ぎ出す法則から逸脱した状態、即ち科学的に事象を説明できない状態を指す。
アノマリーのような異常の化身は、存在自体が超弦理論の破綻を示している。超弦理論の下では存在する余地の無いアノマリーが存在している時点で、超弦理論が存在していないことの証左になるという訳だ。では、この世界を構成する法則が超弦理論を根拠としてないとしたら、この世界を真に構成する法則とは何なのだろうか? 導き出される解、それは「この世界は創作物なのでは?」であり、創造主が定めた設定こそがこの世界を構成している法則と言えるのだ。
この世界が創作物だとしたら、創作者(達)はわざわざ異常に関する設定を用意したのだから、その設定を題材にした創作をしていると推測できる。定められた設定とは我々が異常と呼ぶ事象であり、アノマリーとそれを制する我々財団こそが題材なのではないだろうか? 創作者は読者の琴線に触れるために、アノマリーと我々を対峙させ、物語を紡ぎだしている。我々の努力/尊厳/犠牲は全て演出の一環、もしかしたら今している考察すらもシナリオの一部なのではないだろうか。
ラングフォート博士の提言②
基底世界を構成する法則が創作者の定めた設定だとしたら、創作者達の世界を構成する法則こそが正常なる超弦理論だと思われる。これは、創作者達が物理法則を逸脱することが出来ないことを示しており、創作者達がSCP-001-JPとして創作世界に入り込むことが出来ないことを意味している。つまりSCP-001-JP群は創作者本人ではなく、創作者としての能力を与えられただけの創作物、所謂アバターということになる訳だ。
世界5分前仮説が良い例だが、世界を創造したと仮定される存在は、我々の宗教観における神だとされる場合がほとんどだ。世界を創造/管理する存在は賢く公平で自愛に満ちていて、神聖で偉大な存在であって欲しいと誰もが思っている訳だ。
さて、我々の神はどうだろうか? お互いをハンドルネームで呼び合い、あのようなアバターを好んで使用する時点で、我々の神はヤハウェではなく、謎のオタク野郎なのは確定的だ。SCP-001-JPダミーファイルのコードネームが全て連中のハンドルネームだとしたら、創作者達はそれなりの人数が在籍する創作コミュニティの一員だと言うことになる。
連中は無数に存在し、仲間内で競うように創作を行う。パラ埼玉の川越市があの仕打ちを受けたように、そこには我々が神に期待する自愛や公平などなく、追求される「面白さ」のために理不尽で不条理な結末が選択されている(実際面白いかは不明)。我々に救いはない。我々に神はいないのだ。
ケリー=ロックホップ博士の提言
浜中へのインタビューで、吉川がSCP-001-JP群を怒らせた可能性が示唆さされたが、吉川にはその自覚が無かったことも語られた。吉川は128枚に渡り写真を撮っていたあたり、あの情報資料に強い関心があったと思われる。あの情報資料を得て、吉川は何を考え、SCP-001-JPの逆鱗に触れる何かをしたのだろうか?
確かめる方法が無いため、どこまで考えても結論は出ないのだが、私なりに仮説を立ててみた。PAMWACコミュニティ内で使用される専門用語に、下位創作世界の絶対性という言葉がある。SCP-2955-JPやSCP-2210-JPなどで明らかになった創作世界の法則であり、創作者が定めた設定を創作世界は忠実に履行するという法則だ。この法則の上で発生する特異な現象として、絶対性による引き当てというものが存在する。創作世界の重要人物(主要キャラクターという風な呼び方もできるかもしれない)が不正な方法で創作世界から出てしまった場合、下位創作世界の絶対性による修正力が働き、物語の進行を妨げないように、他の重要ではない人物がその重要な人物に改変され、辻褄合わせが行われる現象だ。改変された人物は改変先の人物として振舞うし、周囲の人間もそれを疑わない。
私はこの現象が吉川でも起きたのではないかと考えている。吉川はあの隠し部屋でこの世界の秘密と上位存在の実在を知った。自身が創作物だという事実に何か思う所があったのだろう。SCP-001-JP-4と繋がった糸を断ち切り、何らかの方法で上位世界に渡ってしまったのかもしれない。あの隠し部屋の円がポータルのような性質を併せ持っていたならば、あの場所に切られた糸くずが落ちていたのも合点がいく。吉川が消えた直後は「吉川が消えてしまった世界」として世界が進行していただろうが、下位創作世界の絶対性による修正力が働き、別の存在が吉川に改変されたのだろう。改変が終わり、世界のシナリオが修正されると、本人を含めて誰も吉川が消えていたことを覚えていない。吉川が消えるシナリオでは無いのだから、吉川の消失自体が最初から無かったこととして話が進む訳だ。
ただし、上位存在であるSCP-001-JP群だけは、吉川の消失を覚えている。だから吉川が上位世界に渡る可能性のあるキャラクターとして警戒するし、最終的には大事を取って全員の自由意思を奪ってしまおうという結論にも至る。
私の予想には裏付けがない。だから実際には全部SCP-001-JP群の気まぐれだっただけという可能性も存在する。だが、ラングフォート博士の考察通り、我々の思考すら上位存在の創作物なのだとしたら、恐らくこの予想にも意味が用意されており、まったく的外れな考察という訳でもないのではないだろうか? 下位創作世界の絶対性がこの世界でも発生するというならば、この世界は間違いなく創作世界ということになるし、上位存在が創作する理不尽極まるシナリオから抗う術は存在しないだろう。極めて絶望的な事実だ。
ゲーニッツ博士の提言
確かにこの世界が作り物で全てが文字通り絵空事だというのは衝撃ではあるが、それ自体は受け入れることが不可能なものでもない。別に特別なことはなく、これまで生きてきたのと同じように、これからも生きて行けば良いだろう。これまでの人生も偽物だとしても、そもそもこの研究に参加しなければ真実に辿り着くことなく人生を終えていただろうし、偽物の人生と本物の人生には実態として差が無い。よって気にする必要が無い。
我々が真に懸念しなければならないのは、創作者が我々を消すかもしれない、という可能性だ。創作者達が創作を全て抹消し、創作そのものを消滅させられてしまったら、この世界もきっと消滅してしまうだろう。また、創作を続けるにあたって、我々財団という設定を創作者達が不要に思って削ってしまう場合も、我々は消えてしまうだろう。それら判断を下すのは、上位世界ではありふれた人物であり、恐らく特別な人間ではない。私の息子と同じぐらいの歳の人物が、試行錯誤しながら創作を行っているだろう。我々が特に思慮なく突然消される可能性は考慮しなければならない。
我々は上位存在に消されない為にも、上位存在が我々に与えた役回りを完璧に演じる必要がある。創作者達が我々を作り出したのには、創作において何らかの意義がある故に違いない。だから、我々は財団であり続けなければ、創作者達にとって必要な存在であり続けることは出来なくなってしまう。そうなれば我々が消されるのも時間の問題だろう。我々は自分たち安い駒に使われていると知った今でも、その役割を完璧にこなす必要があるのだ。
これら考察が共有されて以降、研究チーム内では我々の存在する世界が創作物であり、全ての実績や活動が虚構の物であるという思考が支持されており、職員らの精神状況に悪影響が確認でき、退職を希望する者や自殺願望を示す者が現れています。
財団理事会は当該アノマリー及び付随する現象をSCP-001-JPとして最高機密に分類しました。また、001-JP情報取り扱い協定を制定し、職員がSCP-001-JPと対峙することで発生する人員ロストを防ぐ試みが実行されました。
また、当初SCP-001-JPはSafeクラスオブジェクトに分類されていましたが、獲得された情報資料群からSCP-001-JPの規模/危険性が加味され、オブジェクトクラスがPantokratōrに再分類されました。Pantokratōrクラスは対象オブジェクトの規模が大きく、収容が現実的ではない場合に使用されるオブジェクトクラスです。以降、SCP-001-JPは収容対象としては認識されず、対処を要する危険因子として扱われます。ただし、上位世界へコンタクトは財団の認知しない危険性が考慮される他、その方法も明らかになっていません。
補遺10: 中橋による単独行動
2023年1月8日に中橋が遠野妖怪保護区を経由し、単独でパラ埼玉に侵入しました。侵入に際して財団に連絡は無く、遠野妖怪保護に駐屯していた警視庁特事課巡査長”佐々木 善晴”経由で共有されました。拘留中のPAMWAC構成員への尋問により、中橋は遠野妖怪保護区をパラ埼玉へのアクセス手段として利用していたことが明らかになっています。ただし、遠野妖怪保護を利用してパラ埼玉へ侵入する方法は明らかになっておらず、侵入方法に関する情報は中橋が独占しています。また、以前利用した埼玉県所沢市の時空間異常帯は封鎖処理が施されており、中橋に財団の追跡を妨害する意図があると思われます。
中橋が遠野妖怪保護区を出発してから6時間が経過しましたが、財団はパラ埼玉への有力なアクセス方法を発見できず、中橋の追跡を開始できませんでした。中橋が上位存在への接触、及びパラ埼玉内のPAMWAC本部拠点の調査が目的であると予想した財団理事会は、陥没地点の位相空間内ゲートを使用する決定を下しました。異常実体群により襲撃された場合でも、中橋が行うPAMWAC本部拠点への調査を妨害することが可能です。前回パラ埼玉を調査した職員を中心に、中橋の殺害を視野に入れた装備構成でのパラ埼玉侵入チームが結成されました。
位相空間内ゲート利用の際に異常実体群による襲撃は発生せず、PAMWAC本部地下拠点への転移に無事成功しました。PAMWAC本部拠点は手投げ爆弾等で武力的に攻撃された痕跡が有り、爆発の衝撃で欠損したと思われる左腕の小指に赤い糸が巻き付いていることから、中橋が爆発物を用いて異常実体群を襲撃したと思われます。この左腕は切断さてれいる糸が中空に巻き上げられるような挙動で浮き上がることで中吊りになっており、身体組織の再生/再構築が高速で進行していました。現状は無力化されていると思われますが、程なく完全に再生すると予想されます。
前回の調査で掘削が中断された地点は、爆発物で隠し部屋への通路が開通されており、隠し部屋内部では重火器で武装した中橋が内部の調査を行っていました。隠し部屋内部には対話役としてエージェント・時任が単身突撃し、中橋が時任の指示に従わない場合は武装隊が突撃し、中橋を即座に射殺する段取りがとられました。以下は当時の記録ログです。
記録ログ #01
2023/01/08
付記: エージェント・時任が記録。
<開始>
[時任がGUハンドガン14を片手に隠し部屋に侵入する]
時任: 動くな。装備を捨てて腹ばいになれ。
中橋: 驚いたな。連中に襲われたらどうするつもりだったんだ。
時任: 何度も警告しないぞ。言う事を聞け。
中橋: やれやれ。
[中橋がゆっくりとした動作で武器を床に置き始める]
中橋: 見ろよ。その床の丸いやつ。これはポータルだぜ。
[時任は中橋の発言に応答せず、中橋を警戒し続けている]
中橋: アンタらが管理してるところはどうだったんだ? ここと同じものがあるはずだよな?
[中橋が予備と思われるハンドガンを懐から出し、ゆっくりとした動作で床に置き始める]
中橋: 行ったのか? 何があった?
[両者無言]
中橋: リスクをとってまでここに来たってことは、行った先によっぽどマズいものがあるのか。それともソッチはハズレだったか?
時任: 黙って腹ばいになれ。
中橋: はー、つまんねー。
[中橋が跪き、腹ばいになろうとする]
[PAMWAC本部拠点の地上部分で玄関が開く音がする]
不明な女性の大声: ジシンマロ様15ぁ~? もういらっしゃいますか~?
[時任が膝から崩れ落ちる。時任は身動きが取れない]
時任: な、なんだ。力が……。
[階段を降りる音が聞こえる。中橋は立ち上がり、武器を拾っている]
武装隊の隊員: なんだお前! くそ、どうして。
[中橋がカグヤと呼称する人物が隠し部屋まで入ってくる。武装隊も時任と同じように身動きが取れない]
中橋: これはラッキーだな。どうやって来やがった。
カグヤ: [小笑]、パラ埼玉にも月はあるんですわよ。月の都の技術ならこの程度造作も無いですわ。
中橋: はは、なんでもありだな。……さて。
[中橋がポータルを覗き込む]
中橋: お楽しみだな。
カグヤ: お供いたしますわ。ジシンマロ様。
時任: 待て。なにをするつもりだ。
[中橋が時任の方を向き直る。手には吉川の所有物と同一のデジタルカメラ持たれている。デジタルカメラは財団が接収した物ではなく、この場に落ちていたものと予想される。]
中橋: ずっと不思議だったんだよな。ミオはせっかく棚ぼた拾ってパラ埼玉を手に入れたのに、何を余計な事をやらかして連中に眼をつけられたのかって。
[中橋が時任の元まで歩み寄り、時任を蹴り飛ばす]
時任: [うめき声]
中橋: でも、やっと分かった。アイツはなんでも自分の思い通りに出来る世界を欲しがっていた。ロクな人生じゃなかったんだろう、コンプレックスも劣等感も全て引っ繰り返せる世界が欲しかった。だからパラ埼玉を作ったんだ。
[中橋がポータルに再び近づく。中橋は時任に背を向けている]
中橋: そんな時にこのポータルから向こうを見ちまったんだろうな。それで気付いてしまったんだ。パラ埼玉なんて代替品で我慢せずに、もっと根本から自身の欲求を満たす方法にな。上位世界に飛び込み、自分も上位存在として創作者になることで、世界を丸ごと手に入れる。なるほどなるほど……。
時任: そんなこと、出来るはずが無い。
中橋: 人の悲願を簡単に否定してはいけないぞ時任君。自身が優秀だと思ってる人間特有のエゴイズムだ。君たちもクレバーになれよ。この世界が創作物なんて最高じゃないか、奇跡も魔法も起こせる世界って考えたら悪くないだろ?
[時任が力を振り絞り、GUピストルを中橋に向ける]
中橋: アンタらが上位存在になって世界からアノマリーを消し去ることだってできるだろ? なぜやろうとしない? それとも、優秀な君たちは、自分の優秀な人生が否定されることが我慢ならなくてそんなこと思いつかなかったかな?
[時任がGUピストルの引き金を引くが、弾詰まりを起こす。弾詰まりの際に生じる稼働音が鳴る]
[中橋が振り返る]
中橋: あ? [大笑い] GUがジャム? 不思議なこともあるもんだな! これがシナリオってやつさ。神の意思、神からの寵愛を感じるよ。
時任: 上位世界に渡って世界の法則を書き換えるつもりだな。それで、アンタが次の神様か。ありえない。上位世界ではこの世界で起きるような奇跡や魔法は起きるのか? 起きないなら超弦法則によって創作物の登場人物が飛び出て来るような異常現象は阻害される。お前は、上位世界には行けない。
中橋: ちょっと前までアノマリーを科学の尺度で計ってた連中が囀りやがる。超弦理論と異常は両立できると思っていたから、これまでアンタらはアノマリーの収容に務めていたんだろ?
[中橋が手製の軽機関銃の構えながら時任に近づいてくる]
中橋: しかし、カグヤの声を聴いて動けるとは驚いたな。悪いが消えてもらうぞ。
[PAMWAC本部拠点の地上部分で玄関が開く音がする]
カグヤ: ジシンマロ様。
中橋: あ?
カグヤ: 奥様がいらっしゃってます。
[階段を駆け下りる音、程なくして中橋 楓が隠し部屋に入室して来る]
中橋 楓: よかった。間に合った。
中橋: (小声になりながら)命拾いしやがる。ったく、どうやってここまで来やがった。
中橋 楓: 紅葉16! 行っちゃダメっす。上位世界に出て行ったら、下位創作世界の絶対性の影響で、出て行った紅葉は死んじゃいます!
中橋: なんで上位世界の話をお前が知ってんだ。
カグヤ: 奥様はいつでもジシンマロ様を見ていっらしゃるのですよ。ここに来れたのもそういうことですわ。
中橋: やれやれ。…..いいか楓。下位創作世界の絶対性はこの世界、つまり創作世界での法則だ。上位世界では非科学的な現象は発生しない。だから、俺が上位世界に渡っても絶対性不全で死んだりしないよ。
時任: さっきと言ってることが違うじゃないか。超弦理論と異常は両立できるから、お前は上位世界に入れるんじゃないのか? [咳き込む]
中橋 [舌打ち]、第一、絶対性不全で死んだときには、下位創作世界の絶対性で引き当て現象が起きて、俺は世界に再び発生するだろう。だから、俺は死なない。お前を1人することもない。だから ─────
中橋 楓: 違う! その時、紅葉は。私と一緒に部室で過ごした紅葉は。私と一緒に夜の野反湖で星を見た紅葉は。私とずっと一緒にいることを選んでくれた紅葉は。上位世界で確かに死んでしまっているんです! そんなの嫌なんです!
中橋: 嫌って、お前。俺が俺であることに今更なんの意味があるって ─────
カグヤ: ジシンマロ様。
中橋: [溜息] まったく。分かったよ。
[中橋が中橋 楓の方に歩み寄る]
中橋: 俺のカミさんなら、1個見落としてるぞ。下位創作世界の絶対性による引き当ての前に、俺が上位世界から帰還するってのはどうだ?
中橋 楓: そ、そんなのこと、出来る訳が ────
中橋: 信じろよ。俺の嫁なんだろ?
[中橋が中橋 楓を抱き寄せ、頭をなでる]
[中橋が中橋 楓から離れ、ポータルに向かって走り出す]
中橋: よし、カグヤ行くぞ。世界をひっくり返すんだ。
中橋 楓: 待って! まだお伝えできてないことが沢山!
中橋: 恙無く暮らせ!
カグヤ: 奥様、またいつか!
[中橋とカグヤがポータルに飛び込む]
中橋 楓: 嫌! こんな、こんなお別れなんて。先輩!
[中橋 楓がポータルに向かって走り出す]
時任: よせ!
[時任が中橋 楓の足にしがみつき、中橋 楓が転倒する]
中橋 楓: 私は……。
<終了>
中橋とカグヤがポータルが消失して以降も武装隊の認識災害は回復せず、異常実体群の再生が完了に向かっていました。異常実体群が回復した場合、武装隊に対する襲撃が発生すると予想され、武装隊の全滅が危惧されましたが、武装隊は中橋 楓によって位相空間内ゲートへ回収/救助されました。武装隊は全員が生還し、時間経過とともに認識災害から回復しています。
中橋 楓は財団に対し、自身の収容を求めています。以下中橋 楓へのインタビューです。
インタビューー記録 #33
2023/01/09
付記: 中橋 楓の身柄は一時的にエリア-81JHに拘留される。インタビュアーはエージェント・時任。
<開始>
時任: 私は貴方に救われた身ですが、こうなった以上貴方の身柄を抑えるしかありません。こんなこと私が言うのもおかしな話ですが、よろしかったのですか? 貴方には逃げるなり旦那様を追いかけるなり選択肢があったのでは?
中橋 楓: ええ。これでいいんです。私はこれから起きるであろう出来事を考えると、とても正気では居られないです。こうした方が世間様のためですから。
時任: これから起きる出来事?
中橋 楓: ええ。主人は創作世界を飛び出してしました。それほど掛からないうちに下位創作世界の絶対性が作用して、代替となる主人が発生するはずです。その主人が私の前に現れて、私の名前を呼ぼうものなら、きっと私は「したくないこと」をしてしまいます。
時任: そうなるのが嫌だから収容しておいてほしい、ということですか。
中橋 楓: はい。それが本物の主人と理屈の上ではまったく同一の存在でも、私は我慢できないと思います。
時任: 我々はその現象に関してほとんど理解できていません。本当にその現象は発生するのでしょうか。
中橋 楓: わかりません。理屈の上では起こるだろうとは思われますが、どういう風に起こるかは諸説あります。もしかしたら我々はそれを観測することもできないかもしれません。
時任: 観測できない? 改変をですか?
中橋 楓 ええ、一切観測できない可能性もあります。我々の物語は今、主人という登場人物が欠けてしまっていて、物語が壊れてしまっている状態です。物語を修復するために下位創作世界の絶対性が作用し、主人が再発生するわけですが、それは物語が修復される形で発生するため、主人が当然の様に存在している世界として修正されます。我々は主人が一度消えたことすら忘却したまま、新たな主人と接することになるでしょう。そんなことになったりしたらって考えたら、私は気持ち悪くて気持ち悪くて……。
時任: その場合は我々に打てる手は無いですね。世界5分前仮説のようにそれを否定する証拠も肯定する証拠もないまま、中橋が最初から消えていない世界として進行してしまうのですから、対処の仕様がありません。ですが、その場合は「中橋が消滅しないシナリオ」なのですから貴方が我々に収容されるシナリオにはならないため、修正力が働くと貴方も収容されていない状態に修正されるのではないでしょうか。
中橋 楓: [溜息]、それだと最悪だ。
時任: あと一応我々もいくつか仮説を立てていて、下位創作世界の絶対性による引き当て現象は発生しないのではないかと考えています。旦那様が上位世界に渡ろうとするところまで全て創作者の脚本だとしたら、旦那様の消失はシナリオ通りなのだから下位創作世界の絶対性は特別な反応を起こさないのではないかと考えています。それなら ────
中橋 楓: その場合でも私視点では主人が居なくなっただけですから、やはり生きる意義を見出せませんね。
時任: そうでした。すいません。わざわざ言う事ではありませんでした。
中橋 楓: いいんですよ。全て主人の身勝手ですから。私はもう何も考えたくありませんから、どうぞ私を収容してください。私はかつて奈良の都を脅かした大妖怪の末裔17。皆さんの研究題材に値する存在だと自負しております。ふふ、精々主人が何事も無く帰ってくることを祈っていますわ。
<終了>
終了後付記: 中橋 楓はSCP-32E7-JPに指定され、エリアー81JHに収容されます。
財団は中橋が上位存在となることを危惧し、パラ埼玉のポータルを利用し、上位存在へ接触する試みを計画しましたが、パラ埼玉内に存在したポータルは消失していました。ポータルの管理を行っていたのがSCP-001-JP群だった場合、中橋による襲撃でSCP-001-JP群が警戒し、ポータルを消失させた可能性が高いと思われます。現在、財団は吉川がSCP-001-JP群と接点を持ったプロセスを捜索しており、上位存在への接触方法を模索しています。SCP-001-JP群への接触も提案されていますが、中橋による襲撃以降、SCP-001-JP群は凶暴性を増している他、パラ埼玉に対し、侵入を困難にする危険な改変が断続的に加えられているため、試みは難航しています。
上記計画に並行して、財団はSCP-001-JP報告書の抹消を検討しています。パラ埼玉が実質的に侵入不可能な領域へと変容し、更に上位世界に至るポータルが失われたことで、上位存在に接触する方法は消滅しました。基底世界が創作世界であるという情報を所持しているのは財団のみであり、財団が適切に情報を処分することで、創作世界としての基底世界を正常な世界として運営することが可能です。ただし、情報抹消は中橋が上位存在として覚醒しなかった場合と、上位存在ではない中橋の再発生の観測に成功した場合にのみ可能な選択肢です。中橋の周辺人物や所属コミュニティへの監視を強化し、中橋の再発生を観測する試みが進められています。
ワワww 文字通りの上玉を狙うwwww
1: ◆SHo67Kc0Y 2023/01/05(木) 15:20:33 ID:???
メチャクチャイケてる女みつけたわwwwww
俺史上最高の作戦になる!!
今回はsage進行や!!
2: 不撓の名無しさん 2023/01/05(月) 15:30:03 ID:???
コイツ結婚しても普通に出現するのか・・・
3: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 15:41:33 ID:???
隠秘学に自信ニキっちーす
正月早々なにしてるんだい?
4: ◆SHo67Kc0Y 2023/01/05(木) 15:44:50 ID:???
今回のはうまく行ったらお前ら度肝を抜くと思うわ
知らない人のために俺のプロフを少し
・超名門大学脱走の隠秘学者
・色白の病的な女の子が好み
・イケメン(谷原章介似)
・IQ9999999999999999999
・財の者ではない
5: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 15:46:08 ID:???
>IQ9999999999999999999
無邪気すぎる
6: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 15:47:18 ID:???
で!!!
上玉って何!!
どうやって結婚するの!!!
7: ◆SHo67Kc0Y 2023/01/05(木) 15:50:55 ID:???
>上玉って何!!
>どうやって結婚するの!!!
今回は内緒やねん・・・・ 秘密にしたいから書けないっていうか
8: デオ=ドメスティック泉ピン子 2023/01/05(木) 15:53:23 ID:???
>今回は内緒やねん・・・・ 秘密にしたから書けないっていうか
じゃあ書くことネーじゃねえか
全部終わってからスレ建てしろks
9: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 16:00:51 ID:???
このスレ意味なくない・・・?
10: ◆SHo67Kc0Y 2023/01/05(木) 16:07:52 ID:???
>全部終わってからスレ建てしろks
悪い悪い
ただ、今回は結構な確率で失敗する可能性があって
失敗したら多分もうここに書き込みが出来なくなるからさ、そん時は葬式スレにしてほしかったんだよね。
でも、何もないと流石に虚無スレすぎるから、準備した物品を一覧にしておく
- M600スピットファイア軽機関砲(再現〇
- ミサイルランチャー
- 改造手榴弾
- ゲンガナイト
- ゴーストZ
- 現実性アンカー
- 時間杭トラッカー
- ムベベ自由軍の時間兵器
今回は助手無し。カミさんとか巻き込む訳にはいかないぐらい危険なんで・・・
カミさんにはホグワーツ入学してルーナとラブラブックスしてくるって伝えてあります
11: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 16:03:06 ID:???
>カミさんにはホグワーツ入学してルーナとラブラブックスしてくるって伝えてあります
嫁も公認でやってんのか この夫婦終わってるわ
12: 不撓の名無しさん 2023/01/05(月) 16:10:01 ID:???
武器ばっかだけど連邦金庫でも強盗するのか?
13: 不撓の名無しさん 2023/01/05(木) 16:11:22 ID:???
葬式スレは流石に縁起でもねーな
生きて帰って上玉をスコスコにする話を聞かせてくれ
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78: 不撓の名無しさん 2023/03/08(水) 22:20:07 ID:???
定期的に保守してるけど自信ニキマジで来ないな
ガチで葬式スレになる?
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141: 不撓の名無しさん 2023/06/15(木) 02:11:07 ID:???
釣りじゃないなら流石に死んでるんじゃねーの
普通に悲C
142: デオ=ドメスティック泉ピン子 2023/06/15(木) 04:31:18 ID:???
葬式オフしようぜ
寺予約するわ 終わったらみんなでボドゲしようぜ
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200: 不撓の名無しさん 2023/07/24(月) 02:11:07 ID:???
葬式オフ楽しかったね
またしたいね 葬式
201: ◆SHo67Kc0Y 2023/07/24(月) 02:11:07 ID:???
よお お前ら
帰ったぜ
202: 不撓の名無しさん 2023/07/24(月) 02:14:47 ID:???
生きとったんか!?
203: 不撓の名無しさん 2023/07/24(月) 02:15:17 ID:???
成仏成仏成仏成仏成仏成仏成仏成仏
204: ◆SHo67Kc0Y 2023/07/24(月) 02:21:22 ID:???
全身大怪我の満身創痍だけど今は家にいる
本当に大変な目にあったし なんども死にかけた
回復したらいろいろ書く