以下は、“トラッパー”と指定されたサイト-██の戦術接触保安部隊によるSCP-939との初期接触・回収時の、現場指揮官(トラッパー・ホーム)と従属する戦闘班(トラッパー1, 2, 3)間の無線交信の転写記録です。“トラッパー”は1981年10月28日、財団のフィールドエージェントの失踪の後に██████████, ██████████の郊外に展開されました。エージェントは現地での大量の行方不明事件と、その調査に派遣された複数の警察官との連絡が絶たれた件を調査していました。
<転写開始>
トラッパー・ホーム: よし、ではこの無線をチェックしよう。そのフィールドマスクのVOX機能1は最後に使ってからとんでもない時間が経っているからな。
エージェント・ウォシュバーン (トラッパー1隊長) : トラッパー・ホーム、トラッパー2、トラッパー3、こちら1。以上、応答願う。
エージェント・マイケルズ (トラッパー2隊長) : 感明よし、1。
エージェント・シャンドリック (トラッパー3隊長) : こちらもだ、1。
トラッパー・ホーム: 全局、こちらも感明よし。通告、君のチームは突入準備を。トラッパー1、Weapons Tight2だ。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 了解、ホーム。3、ホームと共に待機し警戒せよ。頼んだぞ。2、俺達の突入に続け。
エージェント・マイケルズ (T2L) : 了解、1。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 1、整列だ。
<トラッパー1のメンバーはトラッパー1隊長の指示に確認応答する。>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 作戦開始。
エージェント・ニコラス (トラッパー1): 準備完了。5秒後にWater Charge3を起爆します。
<爆発>
エージェント・ニコラス (T1): 正面に階段!左側クリア!
エージェント・ローランド (トラッパー1): 右側にドア!右側、クリア。
エージェント・マイケルズ (T2L) : 天井、クリア。
エージェント・ハリソン (トラッパー2): トンプソン、付いて来い。背後を警戒しろ。室内クリア。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : トラッパー・ホームへ。トラッパー1、2から接触の報告なし。2、通路を確保して周囲を探索した後で俺のチームに続いてくれ。仲間の姿に目を光らせて、下りる時には通知してくれ。同士討ちはしたくない。分かったか?
エージェント・マイケルズ (T2L) : 了解、1。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホスキンス、先頭を頼む。
エージェント・ホスキンス (トラッパー1) : 了解。行きましょう。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : トラッパー・ホームへ。こちら1。急階段を下りて建物の深部へ移動中。以上。
トラッパー・ホーム: 了解した、1。進行せよ。以上。
<トラッパー1のメンバーは戸口から動き出し階段を下る。>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : トラッパー・ホームへ報告。下から何か腐臭がする。かなり強い。何かが死んでしばらく経ったような……チーム、止まれ。ホーム、下に引き裂かれた服がある。死体はない。服だけだ。俺達の仲間じゃない。これは警官……
エージェント・ホスキンス (T1) : 何てことだ。あれは……何か巨大な牙で噛まれたような……
トラッパー・ホーム: 下に保管しておいてくれ、1。ウォシュバーン、探索に戻れ。
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 了解、ホーム。トラッパー2、気をつけろ。俺達の回りにいる何かは空腹で、かなりたちの悪い牙を持ってるようだ。
エージェント・マイケルズ (T2L) : 了解、1。こちらはほぼ完了したところだ。ここに我々のエージェントがいるのなら、下のあんた達の方だ。すぐに下りて行くから――
<エージェント・ウォシュバーンのVOX経由で篭った人の声が聞こえる。声は遠く不明瞭である。>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 1、2、静かに。
<出所不明の声: 助けてくれ!畜生!誰か!>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、2、我々の仲間を見つけたんじゃないかと思う。皆、急ぐぞ。
<トラッパー1は建物内を素早く進む。助けを呼ぶ声が再び聞こえる。>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、音の出所に近づいている。もうすぐ我々のエージェントを取り戻せる。2、ドクに救急バッグを準備させろ。あの声からすると、あいつは調子が悪いみたいだ。ホスキンス、やれ!
<2発のショットガンの銃声が響き、ドアが床に打ち倒された音がする>
<直ちに銃撃戦の音が響く>
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : ホーム、接敵!2、急いで下りて来い!ローランド、退却だ!
エージェント・ニコラス (T1): 畜生!ホスキンスがやられた!
エージェント・ウォシュバーン (T1L) : 右だ、ローランド!2、もっと急げ!
エージェント・マイケルズ (T2L) : 1、下で一体何が起こってるんだ?
<銃声が止む>
エージェント・マイケルズ (T2L) : トラッパー1!応答せよ!
<エージェント・ウォシュバーンが無線機から離れた場所で叫ぶ: 2、急いで下りて来い、ホスキンスがやられた!もっと急げ!>
エージェント・マイケルズ (T2L) : 了解、1!ハリソン、トンプソン、俺に付いて来い。ガバルディ、ドクと待機しろ。
<トラッパー2はトラッパー2隊長の指示に確認応答する。>
エージェント・マイケルズ (T2L) : ホームと1へ報告。2は1の最後の位置に向けて進んでいる。
<エージェント・マイケルズのVOXを通してエージェント・ウォシュバーンの罵り声が聞こえる。>
エージェント・マイケルズ (T2L) : 1へ警告、そちらの無線は通じていない。そちらの声は聞こえるが――畜生!2、交戦開始!交戦開始!
<直ちに銃撃戦の音が響く>
エージェント・マイケルズ (T2L) : トンプソン、支援しろ。装填!武器を取れ!皆、廊下まで撤退だ。ハリソン、あの入り口を確保。手榴弾を使うぞ!
<爆発>
エージェント・マイケルズ (T2L) : ガバルディ、ドク、604を設置しろ。こちらは階段を上がっているところだ。トラッパー1は全滅、ガスを使う。マスクを装備しろ。ガス!ガス!ガス!
<篭った破裂音が3回聞こえる>
エージェント・マイケルズ (T2L) : 階段を上がれ!
エージェント・ハリソン (T2) : 3が遊んでますから、彼らを呼んでは?マイケルズ。
エージェント・マイケルズ (T2L) : ホーム、VXを使ったから、3に防護服を着せて送り込んで欲しい。除染の準備を。
エージェント・シャンドリック (T3L) : 了解、2、もう作業を進めている。
エージェント・ガバルディ (T2) : 畜生!
<銃声>
エージェント・マイケルズ (T2L) : おお……いい腕だ、ガバルディ。ホーム、意識を失ったやつを1匹捕まえた。可動収容ユニットと負傷者への医療支援が必要だ。それと、あいつは少しVXを吸い込んでると思う。ホーム、階段の下にこれ以上の動きは見られない。
トラッパー・ホーム: 了解、2。3がそちらで負傷者救出と除染準備をするから、連携のために待機しろ。作戦完了だ。
<転写終了>