物語アノマリーのオリエンテーション
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芸術が収容と出会うとき

物語アノマリーと財団によるその管理についてのオリエンテーション


私はドン・キホーテと2年間戦った。これを聞くと、新人たちは目を輝かせる。

この男は財団が対処しなければならなかった、初期の主要なメタ物語危機の1つを引き起こした。2007年のことだ。それはSCP-4028に現れ、私はこの部門での上手い働き方を身につけた。最終的に、ドン・キホーテが私の仕事にとって必要不可欠な教訓を与えてくれたということだ。面白い言い回しだろう? 私がなぜこの仕事を気に入っているのか、その理由が諸君にも分かって貰えるはずだ。

報告書にまだ目を通していない者にとって、この話はネタバレになるが — そう、私はしばしば小説のように報告書を読む — 我々はドン・キホーテを封じ込めることはできなかった。約3年の間、我々の戦いは生じる被害を回復させるものでしかなく、遂には新規の収容法の提案を受け入れられなくなった。諦め、疲れ果てた私は解雇通告を待つだけとなっていた。

SCP-4028が自身を無力化した日までは。言うなれば、彼の物語は単に終わりを迎えたのだ。私がマントラのように守ってきた重要な教訓とは、即ち、自分が担当するアノマリーは物語であるということだった。それらは、文学を学んだ者なら誰でも知っているような決まり切った約束事に従っている。そして、私が自分のキャリアの中で作り上げてきた収容手順は、そのことに基づいている。

ここでは、専ら物語アノマリーについて解説する。1991年にスワン博士が発案した概念や、パナギオトポルス管理官が行った研究など、主題ではないため取り扱わないものもある。私の部門と、物語アノマリーを抑制するために開発した方法について少し話そう。私を信じて欲しい。そこには驚きがあり、諸君は我々の手法と関連アノマリーの分類に関する完璧な理解を得るだろう。

— ピエール・メナール博士、空想科学部門研究長 (フランス語指示対象)


目次

  • 物語アノマリーの起源
    • 定義
    • 物語とあなた: ノウアスフィアの誕生
    • クリシェと (は) 規範
  • 物語アノマリーの分類
    • 物語のアノマリーと物語アノマリー: 略史と差異
    • 物語様式の異常: Queneauクラス
    • 有意識物語アノマリー: Cervantesクラス
    • 現実改変性物語: Navidsonクラス
  • 収容の手法と戦略
    • 初期接触と回収
    • Queneauクラス: 読み手無き書は死せる書なり
    • Cervantesクラス: 様式的監禁
    • Navidsonクラス: ファイナル・カット
  • 特殊事例
    • Hazredクラス: 通路としての物語
    • 物語Thaumiel
    • 言語局: 翻訳はどうなるんだ?
  • 結び: 物語は続く

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