【組織】
日本超常組織平和友好条約機構(Japanese Anomalous Groups Peace and Amity Treaty Organization =JAGPATO)は、財団・世界オカルト連合・日本政府の三者が創設した平和機構です。発足から半世紀以上が経過した現在では、日本国内で公式に活動の認められた超常組織のほぼすべてが加盟しています。彼らの任務は、超常組織間での衝突を未然に回避し、もって日本の秩序安寧を保つことです。財団はJAGPATOに400名近い人員を出向させており、機構の運営や情報収集活動に従事させています。
JAGPATOの予算は加盟組織による分担金で賄われており、その大半は財団と世界オカルト連合によって負担されています。このような事情や設立経緯により、財団はJAGPATO内部でもっとも発言力の大きな組織の一つです。ただし、世界オカルト連合は財団とほぼ同等の発言力を持ち、多くの場合において財団の立場に対して反対を表明します。このため、JAGPATOを介した政府への政治介入等の試みは必ずしも成果を上げているわけではありません。
日本政府のJAGPATO内での発言力は著しく弱く、それは彼ら自身の性質にも原因があります。日本政府は単独の代表部を持っていますが、その内部には多数の要注意団体がひしめき合っています。複数の団体──警察庁特事調査部(警視庁公安部特事課)や、自衛隊の異常存在対策部隊など──が主導権を争っており、一枚岩ではありません。財団や世界オカルト連合は政府を警戒しており、政府の要求などに対して拒否権を有しています。
JAGPATOは複数の内部部門を抱えており、その中でも『防衛計画委員会』は最大の権限を持つ機関です。財団、世界オカルト連合、日本政府の各機関が委員──代表者を送り込み、加盟組織同士の安全保障関連事案について協議が行われる場です。JAGPATOによって行われるあらゆる制裁・規制はこの委員会で討議されており、上部機関である『日本超常組織理事会』は、それを追認しているにすぎません。
『日本特異例報告』は、JAGPATOが所有するライブラリーです。政府による管理下にあるアノマリーや、組織間で移譲されたアノマリーについての情報が記載されており、加盟組織間で共有されています。ただしその情報は必ずしも正確ではなく、ときに情報戦の材料として供される場合もあります。
『調停裁判所』は、JAGPATOによる主要業務のひとつである調停を担う部門です。その対象は、組織間の偶発的な戦闘から、オブジェクトの取扱主体を巡る対立に至るまで、多岐にわたります。財団諜報機関はJAGPATOへ事案が通報されることを一種の情報漏洩ととらえており、基本的に歓迎していません。ときに世界オカルト連合や日本政府は、不利な事案において、あえてJAGPATOへ提訴する戦術を取ってきました。財団も同様の戦術で、幾度かの勝利を手にしてきました。
現時点で、財団はJAGPATOを『必要悪』とみなしており、その存続に前向きです。世界オカルト連合も同様の姿勢を見せていますが、彼らの政治的工作は活発化してきています。
財団による影響力拡大の試みは、今後も継続されます。
発足 |
1959年 |
本部所在地 |
東京都千代田区紀尾井町 |
構成人員 |
約1000名(うち600余名が財団・世界オカルト連合からの出向人員) |
連絡事務局総裁 |
蔵部 外火 |
主要な加盟組織
(201█年現在) |
財団 日本支部 |
世界オカルト連合 極東部門 |
日本政府行政機関(以下記載) |
国家安全保障局 超常関連政策班 |
内閣官房 内閣情報調査室異常部門 |
内閣府 超常災害担当 |
警察庁 特事調査部 |
公安調査庁 第三部 特異案件対策室 |
防衛省 国家高脅威情報収集委員会 |
文部科学省 国立室戸研究所 |
外務省 特異情報統括官 |
国土交通省 緊急災害対策派遣隊 特事班 |
経済産業省 大臣官房 非主流技術調査室 |
オブザーバー |
マナによる慈善財団 アジア本部 日本担当 |
日本超常組織理事会
日本超常組織理事会は、JAGPATOの最高決定機関です。財団の渉外担当理事、世界オカルト連合の精神部門総監、そして日本政府における超常関係政策を統括する国務大臣(特命担当大臣)が定期的に会合を持ち、超常世界における諸問題について討議をしています。実質的な権力はなく、制裁などについては下位委員会の内容を追認するにとどまっています。
連絡事務局
各委員会、部局の総合調整を担う部門です。連絡事務局はJAGPATOに提出されたあらゆる文書の総覧・作成・二大組織への連絡を行う部局であり、いわば文民部門の統括的組織です。加盟組織を含めた枠組みとしてのJAGPATOの最高意思決定機関は超常理事会であり、組織の実質的な決定権は防衛委員会にあります。しかし連絡事務局の決定は、時に組織全体に波及します。
防衛計画委員会
加盟組織間における武力制裁、査察、紛争防止、防衛協力などに関する委員会です。安全保障関連事案を包括的に取り扱うため、各内部部門のうち最大の権限を持ちます。JAGPATO加盟組織による合同軍が設置されると、同委員会がその指揮権を握ることになるなど、JAGPATOの中でも最も重要な部門です。
経済調整委員会
財団・連合双方のフロント企業や超常産業分野に関係する政策等に関する委員会です。主要なテーマは貿易管理や経済制裁など。日本国内の超常企業に対する監督機関として許認可行政をつかさどり、ホワイトリストの管理を担当する要注意団体に対する取引の監視部門を持ち、国外からの異常物質持ち込みなどについても取り扱います。
社会文化委員会
ヴェール・プロトコルに対する脅威などに関する討議のうち、とくに軍事的性格を帯びないものを扱う委員会です。例として、報道管制等は社会文化委員会で行われます。これが戦闘行為の隠蔽等に発展してくると、防衛計画委員会に持ち込まれることが一般です。日本国内における超常文化保護なども、この委員会が取り扱う主要なテーマです。
日本特異例報告管理審議会
JAGPATO加盟各組織が保有するアノマリーの情報を集積したライブラリー「日本特異例報告」の管理を行う部門です。加盟組織は審議会に開示請求をすることで情報を相互に参照することが可能です。ただし、同部門は個別具体的な情報の信頼性を担保していません。
調停裁判所
JAGPATOにおける紛争解決を担う部門です。JAGPATOにおける調停審議は一審制で、再審制度が存在しています。裁判所はいくつかの専門的な問題を扱う小法廷と、重大事案を扱う大法廷に分かれています。判事は各組織から無作為に選出され、公正性を担保しています。
当該組織における要注意人物
※ 本資料は内閣情報調査室異常部門の内部資料より抜粋したものです。情報が古い可能性があるため、利用の際は最新の情報を必ず確認してください。
フリガナ |
クラベ タビ |
|
氏名 |
蔵部 外火 |
生年月日 |
西暦████年█月██日(██歳) |
性別 |
男 |
役職 |
日本超常組織平和友好条約機構連絡事務局総裁 |
判明している経歴 |
1959年 |
"収容財団"外事部門からJAGPATOへ出向。 |
19██年 |
█████████████████ |
19██年 |
█████████████████ |
20██年 |
█████████████████ |
20██年 |
日本超常組織平和友好条約機構連絡事務局総裁就任。 |
|
フリガナ |
ハザマ コレタカ |
|
氏名 |
硲 是高 |
生年月日 |
西暦198█年█月██日(██歳) |
性別 |
男 |
役職 |
日本超常組織平和友好条約機構防衛計画委員会事務局 調停部主任調停官 |
判明している経歴 |
20██年 |
大学卒業後、外務省入省。 |
20██年 |
█████████████████ |
20██年 |
█████████████████ |
主だった加盟組織に関する情報
※ 本資料は内閣情報調査室異常部門の内部資料より抜粋したものです。情報が古い可能性があるため、利用の際は最新の情報を必ず確認してください。
英語名称 |
Foundation Japanese Branch |
|
名称 |
財団 日本支部 |
設立 |
西暦1945年█月██日 |
本部所在地 |
████ |
代表者 |
████████ |
人員規模 |
不明。大量。各分野の専門家および実働部隊多数 |
備考 |
███████████████████████████████
███████████████████████████████
███████████████ |
|
英語名称 |
Global Occult Coalition Far East Division |
|
名称 |
世界オカルト連合 極東部門 |
設立 |
西暦1945年█月██日 |
本部所在地 |
████ |
代表者 |
████████ |
人員規模 |
不明。大量。各分野の専門家および実働部隊多数 |
備考 |
███████████████████████████████
███████████████████████████████
███████████████ |
団体規制制度
認可団体 |
認可団体は、経済調整委員会の審査を経て加盟申請が承認された団体です。JAGPATO規則第█編第█章第█条第4項に定められた項目を遵守することが求められます。活動内容に問題がみられない限り、経済活動を含むいかなる行為も規制を受けません。 |
非認可団体 |
非認可団体は加盟していない団体一般を指します。一般行政上の権利を有し、法規制の対象ではあります。しかし超常行政上においてはその限りではなく、規制対象団体、特定規制対象団体と同じくJAGPATOの監視下に置かれています。 |
規制対象団体 |
規制対象団体は以下の基準に違反していると認定された団体です。
・当該団体の活動により一般社会に広く特異存在を知らしめることが明らかである。
・目的のいかんを問わず、当該団体の活動によって一般社会の正常性をかく乱した。
・日本国の法令に著しく反する活動を行ったことが明らかである。
・反社会的勢力と関係を有していることが明らかである。
・その他、特別の事情のもとJAGPATO各部門の申請によって日本超常組織理事会が定めた場合。
日本国内での活動は規制され、査察の対象となります。規制対象団体と取引を行った団体は即時の認可取り消しなど制裁が科されます。
|
特定規制対象団体 |
特定規制対象団体は防衛計画委員会によって日本国および国民が安全に存するうえでとくに脅威となると認定された団体です。規制対象団体のうち、より悪質かつ危険な団体が認定されます。特定規制対象団体に対しては各加盟組織による軍事的な制裁を含むあらゆる制裁が実施されます。 |
JAGPATOに関連したTale
JAGPATOに関連したSCPオブジェクトに関する報告書
JAGPATOに関連したGoIフォーマット
+ 日本特異例報告
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日本特異例報告は基本的に加盟組織が書いた報告書というフォーマットです
そのため、情報提供元によって書かれる内容が違ってくるということに留意してください
**番号:** 特異例 [オブジェクトナンバー]号
**回収時刻:** 発見時の時刻を 可能であれば分単位で記入します
**発見地点:** 東京都千代田区 など 発見された自治体名までを記入します
**取扱主体:** 現在このアノマリーに対処しているのはどの団体なのかを記入します
**経歴:** このアノマリーの所有者などの変遷を記入します
**異常分類:** 日本特異例報告は独自の分類法を用いています 下部で詳述します
**警戒レベル:** アノマリーの脅威度です オブジェクトクラスやレスポンスレベルの基準を当てはめます 下部で詳述します
**概説:** アノマリーの説明 可能な限り簡潔に 政府は財団や連合ほど研究熱心ではありません
**付記:** 記述は任意です 補遺や附則などと同様の使い方です
**情報提供元:** 報告の内容について記述した団体、および情報に関して機構に提供した団体などを列記します。
[[/div]]
[以下 一例]
日本特異例報告
番号: 特異例 756号
回収時刻: 未回収 全損 (GOCにより破壊後、財団により焼却処分)
発見地点: 千葉県成田市
取扱主体: 財団日本支部
経歴: カオス・インサージェンシー → 財団 → カオス・インサージェンシー → 蛇の手 → 呪禁道持禁医疾社→ マーシャル・カーター&ダーク株式会社 → FBI (UIU) → ORIA → GOC → 財団
異常分類: 乙種三類 (使用者が存在することによって超常的現象を引き起こす異常物品/破壊・消失により逸失)
警戒レベル: 0 (特別の事情により対応を要せず)
概説: アメリカ合衆国国務省発行のパスポートと酷似した小冊子。海外渡航手続きに使用された場合、いかなる違反も認知されなくなる。また、財団の研究調査により、前述の性質を認知した者は本号特異例の有用性を過度に評価することが判明している。
対応手順: 三類であるため不記載
付記: 本号特異例は少なくとも2回、日本国内の国際空港における出入国審査で使用されている。確認できている中で最も古い事例は20██年5月██日、東京国際空港の██番出国審査カウンターにおいて、カオス・インサージェンシー構成員によって使用されたものである。20██年7月██日、成田国際空港の██番入国審査カウンターにおいて、蛇の手構成員によって使用された事例において、公安調査庁 AIDの監視対象であった人物が使用し、発見に至った。
カオス・インサージェンシー構成員は、財団から本号特異例を奪取したのち、これを利用して米国への国外逃亡を実行した。また、蛇の手構成員は、米国国内で本号特異例を奪取したのち、呪禁道持禁医疾社へ受け渡す目的で入国を図った際にこれを利用した。両事例において出入国手続き中には何人も異常を認知できておらず、本号特異例を用いた危険人物の出入国がこれ以外にも行われていた可能性が極めて高い。関係省庁以外にもJAGPATOに加盟する各組織間で連係して調査を行い、本号特異例に関連する超常的脅威の有無について十分に確認する必要がある。
情報提供元: 公安調査庁 AID、出入国在留管理庁 特異存在管理室、財団日本支部 渉外部門JAGPATO特別代表部、GOC極東部門 JAGPATO特別対応局
用語
種別 |
甲種 |
ヒト型実体 |
乙種 |
異形の生物 |
丙種 |
対話・物理的干渉のできない異常な実体 |
丁種 |
意思疎通能力のある異常な実体 |
戊種 |
使用者/周囲の人物の有無にかかわらず超常的現象を引き起こす異常物品 |
己種 |
使用者が存在することによって超常的現象を引き起こす異常物品 |
庚種 |
異常な領域 |
辛種 |
異界へのポータル |
壬種 |
無形の超常的現象 |
癸種 |
超常的現象の残留物 |
|
類別 |
一類 |
安全な状態で保管 |
二類 |
不完全な保管状態 |
三類 |
破壊・消失により逸失 |
四類 |
未回収 |
五類 |
何者かにより奪取されている状況 |
|
警戒レベル |
警戒レベル0 |
特別の事情により対応を要せず |
警戒レベル1 |
機構としての対応を要せず |
警戒レベル2 |
動向に注意を払う |
警戒レベル3 |
取扱主体と共に警戒せよ |
警戒レベル4 |
機構は厳戒体制に移行せよ |
警戒レベル5 |
人類のための最善の行動を期せよ |
執筆ガイド
舞台・キャラクター
JAGPATは日本国内における正常性維持機関の条約なので、作品の主な舞台は日本ということになるでしょう。また、事件は現場だけで起きているわけではありません。会議室でも起きています。各キャラクターは、みな所属組織とその意向を背負ってJAGPATOに籍を置いていることを念頭においてください。
JAGPATO自身もまた意思をもった組織ですが、職員の大半を占める出向者は本来の所属組織を持っており、本音と建前を使い分けています。彼らの多くは実際にはJAGPATOそのものや日本国民の利益については無関心であり、財団や連合のために働いているのです。ただし、職員たちがかならず所属組織とおなじ理念を共有しているとも限らないことに留意してください。
やらないほうが無難なこと
登場人物たちに、不用意な独断専行をさせないでください。フォローや調整を行う下地を作らずに、ヒーローが自らの現場判断だけで動くことで政治をかき回すことは好ましくありません。とはいえ、主人公が偽装工作によって組織を離れて活動するなど、いくらでもやりようはあります。大切なのは説得力のない行動や描写をしないということです。
説得力を増すためのギミック・執筆のヒント
政治や諜報を含む組織間のやり取りは多くの場合において打ち合わせによって成り立っています。独断専行によって利益を勝ち取る主人公にスポットを当てる事も確かに重要ですが、その行動を許容する様々な陣営の打ち合わせや根回し、すり合わせについての描写を組み込むことでより物語に説得力と深みを与えられるでしょう。