ジョナサン・ボールの提言
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アイテム番号: SCP-001

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 現在までにSCP-001によってもたらされうる脅威に対する適切な収容手段は開発されていません。これは部分的にはこのオブジェクトの論争を招きやすい性質と、収容の必要性に関する議論に起因します。このアイテムを巡る論争は当アイテムの一定しないオブジェクトクラスと収容時の特別収容プロトコルに反映されています。パラノイアに陥っているとの批判を受けつつも、現管理室はこのオブジェクトを最も高いオブジェクトクラスであるKeterに分類しています。それと同時にKeterを上回る危険度を示すこのアイテム独自のオブジェクトクラスを設けることを要請していますが、これは現管理室が既知ならびに可能性のある全てのアイテムの中でSCP-001がもっとも高い危険性を持つであろうと考えているためです。この分類及びSCP-001に対する一定しない姿勢の理由は概要と注意事項で述べられます。

現時点でSCP-001は高抗張力強化ポリマー製のコードロック式のブリーフケースに保管されています。部屋とブリーフケースは監視カメラによって常時監視されています。ブリーフケースは現職のO5オフィサー全員の特別許可がなければ開けることができません。ブリーフケースは███ ██████ ██████に建設された、一部屋しかない独立した建物の狭い空間に照明に照らされて収納されています。この建物を監視するためClass Dの職員が配置されていますが、O5オフィサーの同意なしに建物内部に入ることは許されません。違反した場合即時終了されます。この独立した建物はSCP-001の為だけに存在しており、緊急事態のために爆破用の配線が引かれています。

SCP-001は国家及び世界規模での安全保障への最大脅威であるというのが現管理室の見解です。しかしながら現在その機能の仕方に関しては特殊な状況下にあるため、SCP-001に関する更なる研究を行うことは許可されていません。以前、最低限の警備状態で収容されていた当時においてSCP-001に関する研究は推進されていたにも関わらず、です。

説明: SCP-001は左上隅をホッチキスで留められたありふれた論文の束です。一番上の紙は表紙であり「Confidential Report on Special Items―Classified(極秘:特殊アイテムの機密報告書)」と簡潔に綴られています。このホッチキスと表紙の下のページ数は不確定であり、3枚から30枚の範囲で変動します。このレポートに署名はなく、誰が書いたのか不明です。

このレポートが初めて出現したのは████の███████ █にあった████████ █████(故人)のデスクの上でした。その時点で報告書には「“The ‘Living’ Room”」(SCP-002)についての事柄が書かれていました。不審に思いながらレポートを読んだ後、████████ █████は上記のアイテムについて電話で連絡を取りました。次に████████ █████がSCP-001を調べると、「“The ‘Living’ Room”」(SCP-002)ではなく「“Biological Motherboard” (SCP-003)」について書かれていました。████████ █████はすぐにSCP-001を閉じた後、それが自分が探しているSCP-002についてのレポートではなかったと考えました。彼がその項目を見つける為に再びSCP-001を開くと、SCP-003ではなく「“The 12 Rusty Keys and the Door”」(SCP-004)について書かれていました。████████ █████はすぐにもう一度レポートを閉じた後に開き、今度は「 “Skeleton Key”」(SCP-005)について読むことになりました。次に████████ █████がどんな行動を取ったのかは分かっていません。この出来事の後、さまざまな時代で上記のアイテムが発見されました。

SCP-001と他の既知の全てのアイテムとの相関関係についての研究は不十分です。しかし、新しいSCPアイテムの発見の過程で起きるすべての出来事がSCP-001の表紙の下に書かれているそのSCPのレポートの内容と同一になることがこれまでに実証されています。現管理室はこの同時発生的な事象は両者の因果関係を示すものであるとみなしています。

その他の注意事項: SCP-001が事前警報システムと見なされるべきか、あるいは特殊な封じ込めを必要とするアイテムの製作者であると見なされるべきであるかは未だ決定されていません。しかし、その違いは現管理室からすれば重要ではありません。事実は一つ:SCP-001を開いて読まない限り新しいSCPアイテムは出現しません。SCPユニットが把握しているだけでも1000以上に及ぶSCPアイテムが出現することに繋がったミスであり、現管理室はこの点から過去の過ちを繰り返すことを断固として拒否します。

SCP-001自体が非致死性であること、理論的にはSCP警報システムとして有効利用できること、またはそれが高度な生物兵器および非生物兵器の創造者になりうること等の議論によって現管理室が動揺することはありません。また同様に、この凶悪な性質も、生命としての性質も持たないアイテムに関する極端に厳しい封じ込めに対する批判に動揺することもありません。これらの手順の目的はこのアイテム自体の収容ではなく、真の脅威である「SCP-001に対する人間の接触」を回避するためのアイテムの隔離であることを批判者たちは思い出すべきです。

上述したように現管理室は特別な許可が無ければこの隔離されたオブジェクトを動かすことを認めません。一方で過去の管理室はこのアイテムの取り扱いについて常に協議していました、また将来の管理室についても同様の協議を行うことは間違いないと思われます。ですがやはり、現管理室はSCP-001の破壊という選択肢は除外した上で、その取扱いに対する責任が将来の管理室へと委譲されるまで収容措置を続けるべきであると考えます。

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