海面上昇イベント時の功労者表彰式が開催される 今回の対象者は43名
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海面上昇イベント時の功労者表彰式が開催される 今回の対象者は43名

公開日 2020年7月15日15:30

14日、生活艦 LL-8113 よこての大ホールにおいて、海面上昇イベント時の功労者表彰式が開催された。
今回表彰の対象となったのは43名。財団職員としては、漂流中だったサイト-8142の財団職員や周辺住民をサメなどの襲撃から守りきった機動部隊さ-21所属の咬冴舞波隊員、財団が収容していたオブジェクト(SCP-210-JP)を故意に収容違反させる事により、旧財団サイト-8162及び周辺の建築物等を用い超大型メガフロート(通称:海上サイト-8162)を生成させ、多数の人命救助や資産保護を行った白子賢治博士、事態をいち早く察知し、結果として財団日本支部理事「鵺」を含む多数の財団職員や民間人を救助したSCPS『つきあかり』浮舟海艦長及びSCPS『しまばら』種山定雄艦長、周辺海域を航行中の艦船への物資・情報の提供及び避難民の保護を迅速に行なった海底サイト-81QTの片山雅晴管理官及び物資管理責任者のヘンリー・T・ウィンタース氏らが表彰された。

このうち白子博士は故意の収容違反発生という点が問題視されたため、当初は表彰の対象とはなっていなかった。しかし、海上サイト-8162管理委員会のうち清水美世委員(同自治委員長兼任)をはじめとする非財団系管理委員の大多数から反発があったため、急遽今回の表彰者に追加されたという経緯がある。

対象となったのは財団職員だけではない。燃料が切れ着水を余儀なくされるまで周辺の海上自衛隊艦艇に漂流者の位置を伝え続けたP-3Cの機長だった遠藤美紗二等海尉や、着水するも乗客乗員全員を生還させたJAL1823便の石島正樹機長、SCPS『つきあかり』『しまばら』に協力し人命救助を行った護衛艦『ふゆづき』艦長の蒔田健介二等海佐、事態をいち早く把握し他の漁船に呼びかけを行い、また自分自身も人命救助を行った岩手県宮古市の漁師・魚住勝氏、救助された人々のべ5000人以上に食事などを提供する事を決断・実行した客船『平安』の渡邉智洋船長らが今回表彰されることになった。彼ら彼女らは財団職員ではないばかりか、ほぼ全員が海面上昇イベント以前は財団などの存在を認知していなかった人々だ。

13時から式典は開催され、元サイト-8135管理官の田野井誠一氏より表彰状がひとりひとりに手渡された。式典に本来着るような礼服はかつての住居などと一緒に沈んでしまったため、司会も田野井氏も表彰された人々も普段着や作業服などを着て参列するという以前の常識からすれば異例の事態となったが、それでも滞りなく行われた。


「残念ながら副賞などはなしです。何しろこのご時世ですからね、今お渡しできるのは表彰状と名誉くらいのものです」

式典に財団の代表者として出席した田野井氏は語る。氏は海面上昇イベントを生き延びた財団職員の中ではかなり高位である。実は表彰自体を企画したのも田野井氏だったという。

「それでも、何らかのかたちで彼らの勇気や努力を讃えたかったのです。忘れ去られ、消え去ることのないように。それに、そんな勇気などを出したのは財団職員に限った話ではない、という事もきちんと広めておきたかった、というのもあります」

田野井氏の提案は賛成多数をもって受け入れられ、今回の式典へと繋がった。財団としては功績を称賛するほか、士気の向上や、財団など『ヴェールの向こう側』にあった人々とそうでなかった一般社会の人々との壁を少しでも薄くしたいという思惑があるようだ。

「今後もこのような表彰は行っていければと思っています。あの時人命救助に奔走した英雄がたったの43人しかいなかったとは、私には到底思えませんから」


表彰者へのインタビュー

石島正樹機長

ー表彰おめでとうございます。この事を誰に伝えたいですか?
「最愛の妻、若葉に」
ー表彰のきっかけになった事をした理由は?
「私には旅客機の機長として乗員乗客を生還させる責務がありました。そして何より、その中にはキャビンアテンダントを務めていた私の妻…当時はまだ婚約者でしたが…もいたのです。私としては自分の命に代えてでも生かしたかった」
ー何か一言。
「あんな事をできたのも、こうして表彰されているのも、若葉、全部君のおかげだ。いつもありがとう。これからもよろしく」

白子賢治博士

ー表彰おめでとうございます。この事を誰に伝えたいですか?
「そうだな、強いて言えばよそにいる私の知人かな?あいつは無事だってのは知ってるが、なかなか会う機会がなくてね」
ー表彰のきっかけになった事をした理由は?
「実際のところ、あのままだったら私も溺れ死にする運命だったからね。だったら死ぬ前に足掻いてみようと思ったのさ。まあここまでの規模になるとまではさすがに思わなかったが」
ー何か一言。
「私にとっての最大の勲章や栄誉は海上サイト-8162そのものさ。私は別に表彰されなくても構わなかったんだが、管理委員の皆さん方があそこまで言って推してくれたんだから、ありがたく表彰を受け取ろうと思うよ」

咬冴舞波隊員

ー表彰おめでとうございます。この事を誰に伝えたいですか?
「やっぱりタケナギとマダラザかなあ。2人とも財団職員で、前からとてもお世話になってる人なんや…いやまあ2人ともウチが表彰されるの知ってるけどさ」
ー表彰のきっかけになった事をした理由は?
「実を言うとウチ、故郷一度失っててな。家族も友達もみんないなくなってもうた。それがもう一度なんて絶対嫌って一心だったわ」
ー何か一言。
「正直、手放しに心の底から喜ぶ気にはなれんのや。確かにウチはタケナギとかマダラザとか、他にもたくさんの人は助けられた。でも、みんな助けられたわけじゃなかったんや。カトウやタカイ、あとクロサキとかはあかんかった。きっとウチ、一生これ抱えて生きていくんやろうな」


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伝言板

受付日 発信者 所在 伝言
2020/7/13 臼倉”イエスタデイ”桜 海上サイト-8162 僕はなんとかやってます。師匠も他のみんなも、もし無事なら連絡ください。
2020/7/13 機動部隊お-13("汝は人狼なりや?")一同 LL-8108 しょうじ 俺たちは幸運にもみんな無事だ。81ILの生き残りがいるなら連絡求む。
2020/7/14 AGT.グリーンヒル GOCSブラフマー AGT.ジェフ・ノーマンへ。早く連絡をよこせ、お前はこんな事でくたばるタマじゃないはずだ。今回もそうだと信じさせてくれ。
2020/7/14 海上サイト-8162自治委員会 海上サイト-8162 現在義務教育機能の復旧のため人材を募集しています。小学校・中学校の教員免許をお持ちの方で、ご協力いただける方はご連絡ください。教育担当:金岡
2020/7/14 工藤涼子(栃木県真岡市) LL-8101 おなはま 幸夫へ、無事なら連絡ください。私と友江は無事です。
2020/7/14 嶺岸和夫(愛媛県新居浜市) 客船『平安』 康平、明美へ、無事なら連絡をください。こちらは僕と雅美は助かりましたが、井澤のおじさんは亡くなりました。
2020/7/14 米津元帥(恋昏崎) 海上サイト-8162 同志たちへ、君たちからの連絡を待っている。私は幸運にも無事だ。私と同様幸運だった者が他にもいると信じている。
2020/7/14 佐藤正一郎(群馬県高崎市) LL-8103 きぬうら 母さんへ、無事で本当に良かった。落ち着いたら海上サイト-8162へ向かいます。
2020/7/14 宮原彰(東京都練馬区) 海底サイト-81PW 沙也加へ、無事なようで安心しています。まだ当分ここから動けなさそうですが、落ち着いたらそちらへ向かいます。

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