

“死想通り”ラ・リュー・マカーブラーはルイジアナ州ニューオーリンズのディケイター通り(ジャクソン・スクエアの隣)をモーガン通りに向かって(徒歩で)左に曲がるとアクセスできる異常なフリーポートである。奇妙な、忘却された、追放された、敬遠されている者たちがひしめき合うラ・リュー・マカーブラーは、超常社会のカスのために作られた場所だ。人と待ち合わせができるし、物語を共有できるし、気苦労を忘れて酒が飲めるし、街でおかしな仕事をして日銭を稼ぐこともできるだろうし、もし本当に一文無しで困り果てているなら沼地に出かけて取引をすることだって可能だ。この街の人生はゆるく、沼地の熱に当てられて揺らいでいる。
環境は2つに分かれる。ラ・リュー・マカーブラーは本質的にとても巨大な、恐らく無限大のポケットディメンションであり、ジャクソン・スクエアの隣を流れるミシシッピ川のカーブの中にある“道”でこの世界と繋がっている。町の重要人物たちは大抵、誰が入って来るかは判断しないが、誰が街に留まるかはしっかりと判断する。前述した環境の半分はラ・リューを構成する集落だ — 人々は穏やかな水域を行き交い、手付かずな野生の湿地が至る所に存在する。奇妙な存在がそういう水の中、特にラ・リューから何マイルも離れた、住民たちが滅多に足を向けない地域に住んでいる。証拠を握っている者は誰もいないが、ワニ人間が乗り回す体長30フィートのワニや、知性あるワニたちの理論レースや、言葉を話せる(そして多分動ける)年経たヒノキの樹や、そしてもちろん影のコートと夜空の眼鏡を身に着けたシャドウマンの物語がある。シャドウマンは夜に遠出し過ぎた者の前に現れて… 何かをするらしい。それが何なのかを理解できるほど長くシャドウマンと話した奴らは、二度と姿を見せない。
ラ・リューで人口が最も多いのは、現実世界のフレンチ・クオーターに“最も近い”地域だ。建築様式はオールド・クオーターと同じだが、全てを規則通りに留めておこうとする民政は無いし、乾燥した土地柄の小島に存在する。家や建物は崩れかけか、単純に長い年月の証を見せている。最終的に、この家並みはラ・リュー独特の様式で建てられた波止場と木道建築に場所を譲る。沼地の木材が伝統的な職人技と秘密のトリックで束ねられ、その間の沼水の上には板張りの遊歩道が渡されている。訪問者は、ラ・リュー・マカーブラー全体が、その脈打つ心臓部である建造物の寄せ集めを取り巻き、地平線の彼方まで広がる1つの沼の上に建てられているのに気づくかもしれない。
第1・第3日曜日は、ラ・リューの住民たちと雑多な訪問者たちが一堂に会し、物語や食べ物を交換したり、沼地で見つけたり作ったりした物を売り買いするマーケットデーだ。笑ったり悲しんだり、“昔の日々”に思いを馳せたり、各々の興味をそそる物語やジョークを語る時だ。マーケットデーは良い日であり、誰もが楽しみにしている。