レヴェアルト・アストン、有知性クラウンが人類を家畜に変えると断言!
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クラウンと“有知性”サピエントクラウンは違います。大型類人猿と人間のように、一方は進化しておらず、もう一方は進化した存在です。サピエント・クラウンは人間でもなければ、クラウンに扮した人間 (俗に言うところの“クラウナー”) でもありません。

サピエント・クラウンは家畜クラウンと同じ科に属しますが、家畜にするには勿体ない。知性は彼らに発想を与えるのだから、我々は彼らにそれ以上の待遇をすべきでしょう。

私はレヴェアルト・アストン、サピエント・クラウンの権利を支持し、彼らが最終的に人類の地位を奪取するであろうという展望に情熱を注ぐ活動家です。私自身は人間ですが、赤鼻の君主たちの大いなる将来構想を信じています。

本日は、サピエント・クラウンの違いとユニークな特徴、それが我々にとって意味するもの、更に私自身の実体験をお話いたしましょう! 私は愛情込めてコスモと名付けた幼体を育てています。

サピエント・クラウン: 皮膚層の代わりに白いドーランから成るデリケートな層、鮮やかな衣装と羽毛 (とは言うものの、彼らを動物のように言うのはよろしくありません。実際、彼らは我々の上位にいるのですからね) 、そして顔に浮かぶ満面の明るい笑み。

普通のクラウンと同じじゃないか”とお思いでしょう。しかし、そう考えている時点で、皆さんは既に幾つもの過ちを犯しています。

サピエント・クラウンは平均的なクラウンよりも優れています。彼らは動物のように扱われたり、パーティーの余興を披露したり、食肉目的で屠殺されるのを望みません。彼らは人間のように扱われることを望むのですが、これもまた我々の過ちです。サピエント・クラウンは人間であろうと努力すべきではありません。彼らは我々以上の立場を目指すべきなのです。

しかし、頭の鈍い同胞である家畜クラウンたちと一括りにされていると、これは困難です。幼体期のクラウンとサピエント・クラウンの違いはほぼありません。同じ農場で生まれ、同じ残飯を食べて育ちます。多くのサピエント・クラウンは小柄ながらもより賢い発育不良の個体として誕生します。一腹のクラウンっ子たちの中にサピエント・クラウンがいるという初期兆候を見落とすと、そのサピエント・クラウンの精神衛生には害が及びます。

想像してください。動物として、ペットとして扱われ、やがて誰かが助けに来てくれたかと思えば、家畜から笑い者に変えられるだけの生活を… ある意味では、私も共感を覚えます。

まず第一に、鼻を鳴らして意思疎通する兄弟たちとは異なり、サピエント・クラウンは奇跡的に言葉を話すことができます。その代わり、鼻鳴らしは未発達となり、他のクラウンたちからは理解しがたい奴だと見做されるようになります。

また、サピエント・クラウンはあまり生意気な振る舞いを見せず、普通のクラウンがやるようなおふざけからは身を引きます。彼らは通常、例えばタイム・クラウンと一緒にポータルを開くなどの、もっと精妙な活動に傾倒します。

私の可愛いコスモを例に挙げましょう! 彼はサーカスでネタを披露するツッコミ役のように、或いは共に育てられた豚どもよりも自分が優れているのを知っている天才児のように、非常に賢く機知に富んでいます。ビックリ箱クラウンを箱の中に閉じ込める手段さえ知っています!

ああ、本当に魅力的な子ですよ。彼が成長して、人間社会の根幹を打ち砕く日が待ちきれません。

では、サピエント・クラウンの台頭は、果たして我々人類にとって何を意味するのか? 我々が変化に備えるべきであることを意味します。良い変化です。人類には理解すらできないような事をこなせる新たな指導者たちが現れます。我々はこの変化を受け入れ、これ以上人類が自らを貶めるのをサピエント・クラウンに止めてもらわなければなりません。

私は、この変化こそ、人類が自ら呼び込んだ問題を真に解決する唯一の道だと信じています。我々が皆、今日のクラウンのように、一つの劣等種として処遇されるなら、案外我々も彼らと同じように愉快に生きられるかもしれません。もしかしたら私は家畜に戻ることを望んでいるのかもしれません。誰もが食肉という共通項を持つことで、我々の不和も最後には終息に向かえば良いと思っています。

私はこの世界観に従って、クラウンのコスモを育てています。彼は自慢のクラウンになるでしょう。私は彼に共感したのだと思います。友人所有のクラウンっ子たちを眺めていて、ふとあの子が竹馬クラウンの脚によじ登ろうとしているのを見た時、彼の気持ちがよく理解できました。何でも自分だけでやらなければならない生活を強いられ、成長して僅かばかりの注目を浴びるために芸を披露し、その輝きを浴びるために高みを目指す。

私は人ならざる者の中に私自身の姿を見ました。私は己の種の上に立つ者であり、コスモもまたそうなのでした。

サピエント・クラウンと協力するのは、皆さんが思っているよりも遥かに大変です。彼らは自分が利口だと知っているので、すぐに普通のクラウン、ひいては他の生き物に嫌悪感を抱いてしまう。だからこそ、サピエント・クラウンは若いうちに大急ぎで隔離するべきなのですよ、ハハハ! コスモは幼体の頃からずっと悪戯っ子でしてね。私はいつも目を離さないようにしていました。

最後に、皆さんが育てるサピエント・クラウンとは良好な関係を保つように心掛けてください。そして皆さん自身は例外だと伝え、ご自身が軽蔑の対象となる人類に含まれないようにしましょう。

私ももう一度やり直す必要があるかもしれません。コスモがしばらく前から戻ってこないものですから。

つまるところ、皆さんには権力の漸進的な移行を覚悟していただきたい。より大きく、より明るい未来予想図を見つめ、幸福と歓喜を胸中に抱きながら、腰を据えてそれを受け止めていただきたい。このメッセージを私の支持者たちにも広めたいと思います。どうか、もし私の言葉に興味を示す人がおりましたら、次回の会合に誘っていただければ幸いです。

ご清聴ありがとうございました。

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