要注意領域-JP

要注意領域-JP


ファイル概要: 空間そのものが異常性を持っている、異相次元に位置するなどの要因で他地域よりも注視すべき空間が世界には存在します。財団はそれらを要注意領域として登録し、他地域よりも多い監視リソースを割いています。対象が異常空間内に存在する場合、現地政府及び住人に対する接触は慎重に行われなくてはなりません。担当人員には、これらの要注意領域に関して以下ファイルに従った適切な行動が求められます。


目次

恋昏崎

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概要: 恋昏崎は日本国静岡県に存在するとされるポータルからアクセス可能な異次元空間内の領域、および当該領域内のコミュニティを指します。その地形は恋昏海と呼称される海洋に浮かぶ島嶼であり、異次元空間内に恋昏崎以外の陸地は現状確認されていません。恋昏崎の天体運行は極夜に類似する特徴を有しており、日中が存在せず、夕方と夜が繰り返されます。

恋昏崎は隠遁/独立/脱走を目的として要注意団体を脱退した人物の受け皿となっています。財団指定の要注意人物も多く居住している他、超常社会で経験を積んだ人物による要注意団体の新設も確認されています。そのため、恋昏崎には注視すべき人物/団体が集中しており、財団は恋昏崎をLoI-0850に指定して内情を調査しています。

財団を含む正常性維持機関による恋昏崎への侵入が成功した記録は確認されていません。そのため、恋昏崎に関する確度の高い情報の入手は困難です。しかし、警視庁公安部特事課は独自に恋昏崎に関する有力な情報を入手しており、その記録文書の一部を財団に提供しています。詳細は当該文書を参照してください。

恋昏崎のタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。

シガスタン共和国

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概要: シガスタン共和国は中央アジア西部のカスピ海東岸周辺地域に発生している異常な領域、及び当該領域内に居住するテュルク系民族であるシガ人を中心とした共同体です。シガスタンが位置するとされる約736,000km2の範囲では複数の平行宇宙が空間上に重複した形で存在しており、これらは一部背反し合いながらも互いに認知・交流し合うことで一種の複層平行宇宙ターミナルを形成しています。

当該領域に重複する平行宇宙領域は3種に大別されています。非異常性の共和制国家として一般社会に認知されているシガスタン、古代から超常錬金術を発展させた歴史を有し、超常コミュニティにおいてのみ限定的に言及されるシガスタン、そして詳細は不明ながらも「存在しなくなった」シガスタンです。順に、それぞれ"朝"、"昼"、"夜"と呼称されています。

当該領域が持つ異常性により、言及される記録においてシガスタンの実在/非実在に関する主張には大きな矛盾が散見されます。この現象の起源については再構築事象や概念的改変など複数の仮説が立てられているものの、いずれも未だ確実なものとはみなされていません。しかしながらシガスタンの存在に起因する基底世界への超常的資源・技術の流出や未知数の時空物理学的脅威を抑制するため、財団は当該領域に対する最大限の警戒と注視を継続しています。

また、GoI-3693("犀賀派")の活動を追跡する過程でシガスタンの名称が言及される事例が多数確認されており、同団体が平行宇宙間の移動や過去改変現象に対し高い関心を持っていることなどからGoI-3693と当該領域の異常性との間にはその成立経緯も含め何らかの関係性が存在すると推定されています。財団による両者への更なる調査が進行中です。

シガスタンのタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。

サミオマリエ共和国

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概要: サミオマリエ共和国(Republic of Samiomalie, サモア語で「サメの海」の意)は、19██年に財団によって存在が確認された、サモア諸島近海の海底に存在していた国家です。同国の主要構成民族「サミオマリエ人」は、ホホジロザメ(Carcharodon carcharias)に類似する身体的特徴を示す人型の知的生物種です。同種は人類の生活圏から距離を置くように分布しており、歴史上、その存在が周知されることは殆どありませんでした。

20██年現在、同国は要注意団体「サメ殴りセンター」南太平洋支局を名乗る組織により大多数の国民が殴殺され、壊滅状態にあります。財団が認知しているサミオマリエ人の生存者は1個体のみであり、現在は財団の保護下にあります。なお、未発見のサミオマリエ人の存在を示唆する情報も確認されており、追跡調査が進行中です。

また、同国の並行次元同位体が財団次元部門により複数認められます。別次元のサミオマリエ人のSCP-1342-JPによる転移など次元間移動の事例も確認されているため、壊滅後も同国に対する警戒と注視は続けられています。

サミオマリエのタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。

遠野妖怪保護区

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概要: 遠野妖怪保護区は異空間内に存在する超常領域であり、遠野市外縁の北上山地を中心に、東北地方の随所からアクセスすることが可能です。域内には一般に"妖怪"と呼称される異常実体群が居住/生息しており、人間や人間とそれらの実体群の間の混血も少数ながら存在しています。保護区が立地する空間は"寒戸郷"とも呼ばれ、複数の神格実体とそれらを信仰する住民からなる共同体が古来より築かれていました。

保護区の文明水準は昭和初期の農村部に近似していますが、外部からの移住者を通じて近代的な技術も持ち込まれており、パッチワークのように所々現代化しています。自然エネルギーや超常的な資源に依拠した技術が普及している一方、観光客需要に応えるため、近年では神格を利用した電力インフラの整備も進められています。

保護区は四方を淡水に囲まれた陸地であり、中央にそびえる鹿倉山は霊峰として住民に広く信仰されています。北部の隠ヶ嶽は急峻で、異常な気象変化が頻発する危険地帯となっています。東部にある寒戸は域内最大の集落であり、繁華街を抱える上寒戸地区と田園の広がる下寒戸地区に大別されます。南西部には"イーハトーブ"と呼ばれる形而上学的な領域が接続しており、その不安定な性質から、領域内で発生する現象は地元住民にすら予測不可能とされています。

遠野妖怪保護区のタグが付いた全文書は、こちらを参照してください。


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