対幻島国同盟管理計画またはドリームタイム
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対幻島同盟要件

・要注意団体「幻島国同盟」の恒常的監視。
・同団体の保持する複数の異常物品の回収。
・同団体が属する異世界に於ける異常現象の把握と解明。
・同団体を含んだ複数の要注意団体が有する潜在的な危険性と実行力の把握。
 

██████議事録抜粋 ██/██/██

████: 要するに技術的な問題は既に解決されているということだな?

██: はい。既に<門>の時間座標の特定にも成功し、当該島の選定も完了しています。

███: そのことだが・・・何故サンディなんだ? オーストラリア政府に漏れたら厄介だぞ。あそこはまだ仏支部と繋がっているからな。

██: 地理的な問題です。サンディが同盟領域へスライドした場合、非常に重要な、戦力的要地となるでしょう。戦力が集中する場所であれば、容易く要件を満たす事が可能なのです。

████: 仏は私が押さえている。もとより、幻島同盟についてはどこも手を焼いていた。我々が火中の栗を拾おうとするのを、邪魔しようとはせんだろう。

███: そうか。では、肝心の同盟はなんと?

██: 歓迎する、と。

███: 所詮はヒッピーの群れだな。

████: 「国家ごっこ」は我々の得意分野だ。せいぜい、仲良くさせてもらおう。

██: 建設の進捗は?

███: 既に完成している。天を仰ぎ見るあまり別世界まで浮遊しちまうような連中だ。地の底など、一瞥すらせんだろう。人員はどうだ?

████: 揃っている。これまでの地道な諜報の成果が遺憾無く発揮されるだろう。

██████████: よし。では、いよいよ始めようか。

 
サイト-8188概要
・通称: サンディ島(Sandy Island)旧称セーブル島(Île de Sable)
・露出部面積: 約126平方キロ
・施設認定深度: 872メートル
・表人員: 島主役一名 渉外担当役一名 軍事顧問役二名 戦術技官役二名 諜報技官役四名 島内議会定員の4割 民間の流通企業最低4社
・裏人員: ※地下収容・研究施設3エリアを計画。適切な研究職・施設維持職の配置をサイト-8182人事部に一任し、クリアランスレベル3以上の情報と規定 機動部隊ん-13"破城槌"隊員54名 民間諜報エージェント14名
・政治指針: 戦闘行為による混乱が予想される。干渉と調査を容易とする混乱を制御するために、民主制の使用が最適と思われる。
 

通商・流通・外交は可能な限り開放的に。移民受け入れと経済の流通経路の策定に第一に取りかかり、形成段階から、こちらがコントロールする人員を流通の基幹に配置すること。
地下エリアは地下720メートル地点に建設。裏人員の活動拠点とし、表人員は決して地下エリアと接触はせず、連絡のみに留める。
戦闘による島民ないし政治の混乱を必ず誘引すること。他の幻島同盟加盟島による干渉を受ける事で、他島の情報を把握すると共に、人員を送り込むべし。
サイト-8188の空間転移に成功するのと同時に、転移機構は破棄。以降は地下エリア内の小型アーリー・ポータルを用いてサイト-8181──サイト-8188間の移動ないし連絡を行うこと。
身分偽造・隠蔽については従来の手順を使用すること。
島内の政治的派閥・軍事的派閥は必ずコントロールすること。増員についてはサイト-8181を介してサイト-8182へ要請すべし。
サイト-8188への疑惑を逸らすため、必ず「ダミー活動」の展開と、それらに関連する「架空の人物」を創造すること。

 
地下エリア-A"コオリ"概略

面積: 2.1平方キロ
収容人数: 420名
目的: 地下エリア所属職員居住用セクションの収容 小型アーリー・ポータルの管理とネットワーク・ハブの管理
責任者: カートリー・ジャワイ(Kurtley Jawai)特任管理官
特記事項: 小型アーリー・ポータルの管理権限は、各地下エリアの特任管理官の他に、特任管理官総括、特任上席研究員、サイト-8188諜報部総括監督が共有する。

 
地下エリア-B"ムッニ"概略

面積: 3.3平方キロ
収容個室内訳: 53規格中型収容個室16室 標準規格人型存在収容個室31室 静物収容用容器78個 大型対象物保管コンテナ8基 一時収容隔離錨空間2基
目的: 異常物品の収容・研究 異常現象の検証・研究 確保した実体の一時収容と情報取得
責任者: 飯坂 丁(いいさか ひのと)特任管理官
特記事項: サイト-8188に於いては研究職人員に限ってのみ、特任管理官総括ではなく"ムッニ"人事部が人事権を有する。

 
地下エリア-C"ニュンガ"概略

面積: 1.1平方キロ
収容可能限界: 約43万t
目的: 情報の集積・管理 サイト-8188の、研究職を除いた全人員に対する人事管理 サイト-8188経営方針の確定 外交管理拠点 サイト-8188諜報部本部 全地下エリアへの資源の一時集積と分配 機動部隊ん-13"破城槌"隊の収容・管理
責任者: カール・カウツキー(Karl Kautsky)特任管理官総括兼"ニュンガ"司令部総督
特記事項: 実存世界からの補給用小型アーリー・ポータルを収容。小型アーリー・ポータルの管理そのものは管理権限者が行うが、補給物資の管理は"ニュンガ"が行う。"ニュンガ"司令部が設置されており、サイト-8188に於ける全方針策定の権限と武力的な権限を持つと共に、倫理委員会直轄の内務調査部を有し、最終的な報告の義務を有する。

 
地下エリア-D"ドリームタイム"概略

面積: 0.2平方キロ
目的: [最重要機密封鎖]
責任者: 日本支部理事-"鵺"

 

報告書

 

コード: Early Bomb

記述者: エージェント・遠江軍務調整班班長

内容: 19██年██月██日"艦隊"との接触に成功。当初の目的通りサイト-8188へと誘導し、幻島同盟に於ける"サンディ島"の戦略的・地理的な重要性を認識させると共に、7度に及ぶ不十分間隔の威嚇射撃の実行により戦意の煽動を実行した。その後の電信交渉に於いては、全情報を他島に対して隠蔽し、"艦隊"が「突然の侵略者」であるとの印象の流布に成功。政治的交渉を通じ、各島の軍事力と攻撃能力と国力の調査へとシフトする。
世論に於いては諜報部の報告待ちであるが、"艦隊"が非常に攻撃的である点については確信が得られるものである。

本報告を以て軍務調整班は任務を完遂したものとして、第二段階である軍事諜報部の再編成を提案する。

 

コード: Tiger

記述者: 阿部 陶薫第二諜報班班長

内容: 全煽動手順を完遂。19██年██月██日、"サンディ島"政府は幻島同盟と共同で"艦隊"へ対し積極的専守防衛を実行し、幻島同盟と"艦隊"は戦争状態へ突入した。
風説の流布による島民の不安は開戦によって最高潮へと達し、他島への亡命が相次ぐ。それに乗じて既に82名の工作員を他島へと送り込むことに成功しており、潜入工作の進捗は実に芳しい。軍事力と技術力、各島の関係については外交筋より情報の入手が見込める。
"艦隊"の戦力については未知数な点が多数存在する。工作員の潜入も困難であり、早期の戦争決着が望まれる。

 

コード: Tiger

記述者: リチャード・コープス軍事工作員

内容: 幻島同盟の主要な戦力とネットワークの把握に成功。任務の達成により、諜報的観点から"艦隊"との戦争の激化は今後の要件達成になんら有益な結果をもたらさないため、財団による秘密裏の軍事的介入を提案する。

 

コード: 遷都

記述者: カール・カウツキー特任管理官総括兼"ニュンガ"司令部総督

内容: "艦隊"による"サンディ島"の占領が予想されるため、19██年██月██日よりサイト-8188の機能を他の異空間へと避難。人員の大部分は一時的に小型アーリー・ポータルによって実存世界へと移動。サイト-8188復旧のため、財団による秘密裏の軍事的介入が日本支部理事-"鵺"により承認。19██年██月██日付けで実行予定である。

 

コード: Tiger

記述者: カール・カウツキー特任管理官総括兼"ニュンガ"司令部総督

内容: 1946年██月██日、"艦隊"の撤退により、全島で終戦宣言が発布。本戦争による幻島同盟側の損失は約10,376,686,745$相当、人的損失は約3万人以上。サイト-8188の損失は約568,654$相当、人的損失は14名。
戦後復興と経済の促進に伴う市場の再形成に、制御下の企業を台頭させることで経済・流通を掌握する"蟻計画"に着手。全経過、これまで至って順調と言える。

 

コード: Ants

記述者: マルタン・マルダン渉外担当役

内容: "蟻計画"の第二段階である「サンディ島の完全離脱」を実行。"サンディ島"が名実共に幻島同盟中枢島の一つに登録され、全通商が全ての"蟻"へと開放された。"蟻の巣"を広げ、より完璧なものへと構築するために、潜入工作員の増員を要する。
また、フリスランドの海運会社とカリフォルニア島貿易局より複数の軽金属の買い付けが打診されている。これは両島の政治中枢・経済中枢の掌握に乗り出す絶好の好機である。これらの買い付けを成立させるための資金源として、銀島に潜入中の工作員を用い、有利な金貿易の協定を締結することが有効であると思われる。
幸いにしてサイト-8188は、幻島同盟の中では軍権的な政府であるとの認識が強いため、"艦隊"の脅威をちらつかせる事で疑いを最小限に抑えつつ有利な協定に持ち込む事が可能である。

 

研究報告書う-117

対象: 虫喰現象

内容: 時束転位相捕捉機による計測の結果が赤であったため、虫喰は特に時間的な異常による作用であり、同空間内の異なる時間より転送されているものであると思われる。時間ブイによる一次検査では、時空間の潮流とでも呼ぶべき可塑性空間流動が確認された。
これらの結果から、虫喰現象が自然的な異常であるとは考えにくく、人為的な作用によるものではないかと思われる。その原因についても、何者かが昆虫の大量発生という害より逃れるために時空間ポータルを開いて昆虫群を転送した結果、偶然その潮流が本空間に接続されてしまったものであると推測される。
昆虫群の出現地点が異なるのは潮流に於ける誤差程度のものであり、幻島同盟領域という名の"砂浜"に流れ着くという結果は変え難いものである。この変更は、海で例えれば一つの潮流を変えるために、海そのものをまるごと入れ替えるという手段を要するということであり、事実上、解決は不可能であると考えられる。

 

研究報告書お-45

対象: 艦隊 VIC海賊

内容: 複数回の調査の結果から、艦隊は既に同盟領域内から完全に退去している可能性が高いと思われる。現在、幻島同盟全体に報告され、公表されている不審な航空機・船舶の多くは密漁業者、VIC海賊、伝地所有機であり、残りはサンニコフ島主導の偽装船舶・偽装航空機である。
密漁業者、VIC海賊、伝地所有機の情報についても明らかな情報制限と印象操作の形跡が見られ、これらの不審な航空機・船舶は全て幻島同盟首脳によるプロパガンダと思われる。
サンニコフ島は軍拡経済によって成り立ち、それは他の幻島にとっても大きな雇用機会の創出に繋がっている。それらの経済的な繋がりを絶たぬため、軍事的な意義を維持する手段として"艦隊"の脅威が積極的に利用されているのは確実である。
また、軍拡経済に付随する重税化によって生じる不満を解消する手段としての外敵を容認する向きもあり、VIC海賊に対しては一部の秘密組織を通じて活動を支援する人物の存在すら確認されている。それらの人物については付記の資料を参照のこと。
幻島同盟の行政陣の多くはVIC海賊が潜在的には大規模な組織であると考えているが、その大規模な組織の全容こそ、恐らく幻島同盟首脳陣の一部であると思われる。

 

ダミー計画報告書

内容: 「ユアン・ドナティル(Juan donatir)」 「ハンス・バッカー(Hans Backer)」構築 完了 デモ ゲリラ 架空名義 による 捜査誘導 問題無し
特別指名手配協定 調印完了 同盟捜査本部 潜入工作員 増員求む

 
 
 
調査・監視・確保・収容・保護を継続せよ。
幻島同盟を、幻島同盟自身にすら気付かれる事なく財団のコントロール下に置くことが、サイト-8188の最終目標である。
 
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