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クレジット
タイトル: 地方自治体の悪書回収活動と財団の収容活動との連携事例: “3ない運動” の実績報告
著者: Gipolibidemia,
roneatosu
作成年: 2025
オマージュ先: 欺瞞部門が作成・流布したカバーストーリー一覧
⚠️コンテンツ警告
この記事には、任意のセクシュアリティを持つ人間に対する性行為の強要の描写が含まれます。
⚠️ コンテンツ警告 ↑

『██さんですか。
いつもご足労お掛けします。
どうぞご投函ください。……ああ、
どうやらおつかれのようで。』
地方自治体の悪書回収活動と
財団の収容活動との連携事例:
“3ない運動” の実績報告
サイト-81ET 研究・収容副管理官 津馬Tsuba 京依Kei
不安、嫌悪、拒絶、排斥。
『不良図書』の形象は、呪い詛む心の象かたどりだ。
はじめに
Nx-74における異常物品収容活動
兵庫県南東部に位置するNx-74 (“神音町”) では、数多くの呪詛事象1が発見されています。
一目ではそれとわからない呪物が過半数。しかし、巷説に膾炙した形態のものもしばしば見つかります 怪しげな古人形、動かしてはならない祭具、人獣の死骸、所有者を喪った聖具などなど……。
読むと死ぬ本をはじめとする、書籍型の呪物も枚挙にいとまがありません。そこでサイト-81ETは、プロジェクト (“3ない運動”) を開始しました。
『不良図書』回収活動
同プロジェクトにおいては、Nx-74教育委員会の『不良図書』自主回収運動に介入しました。
これは1960年代の「不健全図書」への問題意識の高まりの中で生じた運動で、全国各地に設置された『白ポスト』がその象徴となっています。『白ポスト』は「子どもに見せたくない雑誌や本」を「せめてわが家には持ち込ませ」まいという市民の思いから運営されていました。このポストには、かかる雑誌や本を購入して通勤電車においてこれを読んだサラリーマンにより、家庭内にかかる「悪書」を持ち込ませないための「ゲートキーピング」 帰宅前にそれを捨てるいわば「ごみ箱」 としての役割が期待されていました[1]。
こうした運動は全国的に一時期活発に行われましたが、しかしその実、その活動の参照枠となるべき (国家や自治体による)「不良図書」の指定は、「『なにを有害とするのか、客観的、科学的には説明できない』[2]」まま遂行されていました。かかるアポファティコスを伴う人々の営為は、それ自体が呪詛事象のチョークポイントとなることを容易に予測させます。
実際にサイト-81ETは町内各地に設置された『白ポスト』へ “投函” された物品を回収する町政府職員やボランティアの活動に潜入し、多数のアノマラスアイテムの回収に成功しています。
回収された異常物品
ここに記載されているのはサイト-81ETが収容した各アイテムクラスにかかる文書 (“異常物品一覧表-乙種”)2からの抜粋です。呪術学的な異常性を有する可能性が特に高いアイテムは呪術学タグを付与することにより強調表示されています3。
Anomalous
クラス説明 (Anomalous):
- アイテムはごく単純な異常性しか有さず、SCPデータベースへの掲載が見送られました。
Item #:AO-191674-JP
書名:『或る磔刑の女』
説明: アンナ・マールによる著作 (原題: Женщина на кресте, 1916年) を元とする翻訳小説。サディスティックかつ露骨な性愛描写を含み、発表当時ロシア語圏の文壇で物議を醸した。露和訳は玄座ぐらざ アンナ4による。
同書に対し、6名以上の人物と重婚的内縁関係にある人物が一般に “ページをめくる” と表現される動作を7回行った際、その手のひらから “ウジ (Drosophila melanogaster)” が出現する。出現した “ウジ” は未知の手段により “大きく飛び跳ね” て手のひらから離れ、床などの物体に接触する直前に形而下において不在化 (タイプA/B半存在アノマリーに変化) する。被験者には1年以内にDSM-5に定める統合失調症の発症が認められる。
またこれを発症した被験者はしばしば自身が「赤い手」により「恒星の絶対零度の中心」に連れて行かれようとしていることを訴える。この訴えは適切な治療により統合失調症が寛解した後にも続き、記憶処理剤を用いることによってのみ行われなくなる。
回収日: 2010年3月11日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: 同著翻訳書は非異常の市場においては2025年現在刊行されておらず、同著を解説した日本語文献は[4]などに限定される。
Item #:AO-314074-JP
書名:『██ 11月|No.480』(令和2年10月9日発売)
説明: 本来は非異常社会で流布されているオカルト/陰謀論を取り扱った雑誌。
しかしながらAO-314074-JPにおいては、当該号中の「イルミナティの黙示録 / 新型コロナに隠された獣の刻印666」と題された記事が不定期的に “更新” され、当該書籍の出版日以降の閲覧日の前後2週間以内に実際に起こったる事象とCOVID-19の関連を主張する陰謀論への言及を含むようになる。内容の増加とともに、当該記事のページ数は増え続けている。
回収日: 2020年10月20日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: 2025年1月9日に当該記事のページ数が140に到達して以降、当該書籍を何度閲覧しても異常性の発現は認められない。最後の “更新” はCOVID-19、第2次トランプ政権の成立、およびGoI-███の三者の関係を指摘するものであった。
Item #:AO-303474-JP
書名: 『夕刊██』(平成21年██月██日発刊)
説明: かつて神音町を含む近畿地域で発刊されていたタブロイド紙。オリジナル版と異なり社会面に多分な差異が確認されている。“猿の吊り上げ” と称される良性呪詛事象5を用いた米国の株価操作の手口を報道し、このような事態を黙認したとされるオバマ政権 (当時) への批判を行っている。
記事の終尾にはそれまでの文脈とは全く無関係に、以下の文言が筆記されている:
結局ナンセンスというか鬼門をくぐるみたいな行為じゃないですかだからやめろとお天道様が吐いたわけだけれど後期資本主義への偏見というかやっぱりマイマイカブリへの魅惑には抗えず社会の皆が一斉に首を吊っちゃったんでしょうね。
回収日: 2008年6月12日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: AO-303474-JPが回収されて数か月後、米国のサブプライム住宅ローン危機の発生並びに投資銀行リーマン・ブラザーズが経営破綻したことにより、世界的な金融危機が引き起こされた。当該記事が描写したオカルト活動が実際に起こった可能性は低いと考えられるものの、何らかの因果関係が推測されている。
Item #:AO-368774-JP
説明: さじ・スプーン類が合計7個入れられた神音町指定の “小型不燃ごみ用ゴミ袋 (小)”。
任意のヒトが、AO-368774-JPに入っていた任意のさじ・スプーンを用いて、ケーキ・パン類の食品、ハチミツ、またはアルコール飲料をすくいこれを消費しようと試みると、さじ・スプーンが当該食品・飲料に接触してから当該人物の口腔に挿入されるまでの間の不特定のタイミングで、当該食品・飲料は無数の “ウジ (Drosophila melanogaster)” に置換される (置換された “ウジ” 全匹の質量を合計すると元の食品・飲料のそれと一致する)。
過去の実験においてすべての被験者は “ウジ” を嚥下する前にこの置換現象に気づき、吐き出した。吐き出された “ウジ” はその体表が、未知の手段により青色二号で染色されていた。
回収日: 2020年10月31日
現状: サイト-81ET収容区画 呪物保管庫に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: 実験後の被験者にはしばしば、不定期的に任意の相手 (ヒトあるいはその他の動物) のために、その子孫における無病息災を “神” に祈る行為を呈する。被験者はこの “神” について質問されると、それが何らかの宗教的共同体において信仰されている “神” であることを主張するにもかかわらず、当該共同体が帰属もしくは関連する宗教の名称を答えることはできない。
コラム: 文書以外のアノマリー
『白ポスト』に「悪書」ならざるものが “投函” されることは1960年代から今に至るまで全国的に稀なことではなく、「「悪書」以上に、ゴミを含むさまざまなモノの捨て場所として利用されて[1]」おり、時には「タバコやお菓子のくず、丸めたティッシュ[5]」等さえも捨てられていることがありました。かかる背景に関連し、プロジェクト (“3ない運動”) はその主たる回収対象 文書系アノマラスアイテム にとどまらず、より多様な物品を回収してきました。
『白ポスト』はサラリーマンの「不健全」な欲望の具現化 家庭という社会に持ち込まれざるべきもの たる「悪書」に対抗する「ゲートキーピング」として起動しましたが、その実、その用途は故意にあるいは過失的に拡大解釈され、あらゆる老若男女の、あらゆる「家に捨てにくいもの」を捨てるための捌け口としての役割をも獲得していました。
こと呪詛事象と縁深いNx-74においてその「家庭という社会に持ち込まれざるべきもの」「家に捨てにくいもの」の中には、密かに執行された 有契か無契か6を問わず 呪詛事象・儀式の残骸も含まれていたことでしょう。
また逆に何の気無しに捨てられた、ただ少し「家に捨てにくい」だけの非異常のゴミが、呪物に転じることもあったでしょう。それは『白ポスト』の特性 「悪書」を社会から排除せんとする意志のチョークポイントであること から、その内部にあるものすべてが「社会に持ち込まれざるべきもの」のラベルを獲得してしまいうることに起因します。社会から排除されたという結果だけを帯びた物品は、呪術学の根幹をなすアポファティコスと一体化した呪物と化しうるということです。
Kǫttr-doctrina
クラス説明 (Kǫttr):
- アイテムは当初Anomalousクラスに指定されましたが、その後既存のSCPオブジェクトとの強い関係および/または同一性が指摘されました。このクラスはサブクラス: -doctrinaと必ず併用され、該当するアイテムのSCPデータベースへの移管が検討されます。
サブクラス説明 (doctrina):
- アイテムは実験・調査が行われています。
Item #:AO-224974-JP
書名: 『人体のミステリー99 ███████████████████████』
説明: 本来は「さまざまな文献や資料をもとに、人体にまつわる99のミステリーに光を当て」、“DNA”、“男と女”、“病気”、“感覚”、“生理現象”、“器官”、および “生命力” の7章にわけておおよそ一般の科学の範疇で (多少のオカルト要素も交えながら) 解説を行う書籍。
ただしAO-224974-JPでは「第2章 “男と女” のミステリー」の記事「25/99 男の乳首の存在意義」の内容が大幅に置換されている。例として、「男の乳首の活用法 / 性感帯に鍛え上げる」というコラムが、超常的な男性乳首の宇宙間移動手順に改変されている。当該の手順は以下を含む:
- SCP-2249-JP関連種族を強く想起させる主体により提供される研磨装置 (“█████████”)を用いて、男性の乳首を直径█.█mまで██させる。
- 同装置付属物を用いて当該男性乳首を「アポーテーション」する。
- この際の星間航行規模のバックラッシュを同装置付属物により奇跡論的に、無害な超常的エネルギー波に再変換する。この再変換に伴うバックラッシュにより当該男性は「エクスタシー」を得る。
回収日: 2010年11月██日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: 記事冒頭には『新約聖書』の「コリントの信徒への手紙二 9章7節 (新共同訳)」(下掲) が引用されている。男性シスジェンダーの個人の乳頭に当該書籍の角が接触した際、当該人物はこの一節を諳んじる。その際、非異常の聖書またはその引用物の当該箇所の朗読におけるそれと比べて有意に高いEVEの発生が記録されている:
各自、不承不承ではなく、強制されてでもなく、こうしようと心に決めたとおりにしなさい。喜んで与える人を神は愛してくださるからです。
収容当時、当該記事を閲読した身体的男性 (性自認は問わない) が読後約2週間にわたりマゾヒズムへの傾倒およびゲームセンターに通いたがる傾向が見られたが、2011年5月以降当該の異常性は確認されていない。
Item #:AO-195174-JP
書名: 『無契性の呪詛』
説明: ユーリー・マムレーエフによる著作 (原題: Шатуны, 1966年) を元とする翻訳小説。露骨なエロ・グロ描写を多分に含むため、ロシア語圏において公的な出版がなされたのはペレストロイカ時代。2部構成の著作である。露和訳は玄座 アンナによる。
第一部のあらすじを理解した人物は、第二部を最初から読み始めると、その約10秒後に未知の手段によりその場から消失する。消失後、当該人物は約30秒〜30分で元いた位置に再出現する。再出現後の当該人物はそれ以前のパーソナリティによらず自身をGoI-2366 (“霜月学園”) の女生徒であると主張するようになり、元の社会生活への復帰が困難となる。また当該人物は不定期的に吐血するようになり、その際に以下の一節を唱える:
聖人になったわ、姉様…… 聖人に。
ここで「姉様」と呼ばれる人物は特定されていない。
回収日: 2010年3月11日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: 同著翻訳書は非異常の市場においては2024年に松下 隆志による訳『穴持たずども』が刊行されるまで流通していなかった。
Item #:AO-352374-JP
書名: 『太陽と業』
説明: 発表された経歴の無い宗教的かつ疑似科学的な自己啓発書。2名の共著であり著者は野崎 泰三を名乗る未特定人物と█████。
第一部から第五部に渡って、現世の法則を司る暗黒の光明-大日如来-大和魂による三位一体が説明されており、その内容を読了した人物の皮膚の一部に旭日旗の紋様を象った赤あざを発生させる。この赤あざは強い熱、痛痒さ、“金属が融解するような” 腐臭を帯びており、適切な外科的治療を施さない限り完治しない。
非完治の被験者は、赤あざが “本来の日本人” になるよう絶えず自身に主張してくることを訴え、この状態の継続はノイローゼを始めとする精神的衰弱を引き起こす。
回収日: 2016年5月13日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: サイト-81ET倫理委員会の指令により、同著書の閲覧は固く禁じられている。
Kadað-doctrina
クラス説明 (Kadað):
- 一連のアイテムは当初Anomalousクラスに指定されましたが、その後新たな単一のSCPオブジェクトの構成要素とすべきとする提言がなされました。このクラスはサブクラス: -doctrinaと必ず併用され、SCPデータベースへの移管が検討されます。
Item #:AO-051174-JP
書名: 『███████████ 2005.NOV VOL.024』(平成17年11月1日発売)
説明: pp.51-53に掲載されている記事「ウェルカム!! / 乱交王国」を読了した被験者は、閲読中、メスのシロナガスクジラ (Balaenoptera musculus) になった自分が無数の海洋生物と乱交しているというクオリア7を体験していたことを主張する。この主張は被験者のセクシュアリティ (身体的性、性自認、恋愛感情的傾向、性行為への志向等) によらず行われる。
この体験の1週間以内に、被験者は周囲の人物に、未知の手段により取得した30ルーブル銀貨を手渡す8。被験者はこれを「赤い手に自分を売った」ことの代償として獲得したものであり、「大洋という名の巨大生物のいわばATP」であると主張する。
回収日: 2005年11月10日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: AO-051174-JP、AO-201474-JP、およびAO-133874-JPはいずれもGoI-7191 (“ロシア帝国神秘復興協会”) 関連施設: “泉境ゆうらしあ7号館” に付設された『白ポスト』から回収された。
Item #:AO-201474-JP
書名: 『週刊██ 2月1日号』(平成22年1月18日発売)
説明: 当該書籍をトリガーとする異常性は確認されていないものの、非異常の同書と比べて、一部が既知または未知のアノマリーに言及するものに置換されている。特筆すべき箇所 (掲載ページ、記事タイトル) を以下に抜粋する:
pp.37: [N/A]
非異常版:
双葉社文庫の新刊が複数冊紹介されている。いずれの新刊も非異常に市場に流通している。
AO-201474-JP版:
西東文化文庫9の新刊が4冊紹介されている。いずれの新刊も超常・非異常のいかなる市場においても流通が確認されていないにもかかわらず、うち2冊は、後の “3ない運動” において『白ポスト』から取得されている (AO-191674-JP、AO-195174-JP。ともに前述)。
pp.106-107:『████クン』「地球儀」
非異常版:
いたずら好きのサラリーマン「████クン」こと████正太が巻き起こす騒動を描く、█████による4コマ漫画作品。同作は複数の雑誌において連載され、『週刊██』もその掲載誌のひとつである。非異常の同書ではpp.106-107の2ページに合計6作の4コマ漫画が掲載されており、問題のサブタイトル「地球儀」はpp.107最左部に載っている。
AO-201474-JP版:
4コマ目において「[引用注: 室内に飾ってある地球儀を] ぜんぜん動かしてないな / ここから見えるあのガスタンクがこいつ [引用注: 「こいつ」とは地球儀のこと] の心の太陽なんだ」というセリフとともに描かれる窓の外のガスタンクが、非異常の同書においては白く描かれているのに対し、AO-201474-JPでは黒くベタ塗りされている。
pp.173-175: フーゾクNEWS / いい女ヘッドライン
非異常版:
風俗店で勤務する7名の女性につき、各女性の勤務地・勤務先店舗やスリーサイズを含むプロフィールおよび、当該女性に対するインタビューをインタビュアーによる “レビュー” を交えながら掲載している記事。紹介されている “嬢” の勤務地、名前および年齢は、順に「東京 / ゆきな嬢(21)」「神奈川 / ゆえ嬢(20)」「愛知 / みお嬢(19)」「大分 / 彩凪 マヤ嬢(22)」「福岡 / アリス嬢(20)」「東京 / あやか嬢(34)」「三重 / さら嬢(22)」。
AO-201474-JP版:
「三重 / さら嬢(22)」(7人目) の代わりに「兵庫 / ひとみ嬢(20)」が紹介されている10。記事上で「ひとみ嬢」の勤務先とされている店舗はNx-74に実在するが、当該店舗において、当該のインタビューを受けた人物や、本名および/または業務上使用する仮名として “ひとみ” を想起させる名義を用いる人物が勤務した事実は2025年現在までに確認されていない。
回収日: 2010年1月25日
現状: サイト-81ET地下非公開蔵書室に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: なし。
Item #:AO-133874-JP
説明: ヨツユビハリネズミ (Atelerix albiventris)11 の死骸12。背面の針の先端をヒトに刺すと、刺し傷の代わりに、未知の方法により浅い裂傷を生成する。これは刺し方 (体表に対する針の仰角や、体表に針を挿入する力の大きさ等) によらない。その他、AO-133874-JPに非異常に確認される外見上・解剖学上の特徴として、以下が挙げられる:
- 左後足に7本の指があるという奇形がみられる。かつ、これら7本の指がそれぞれ末節骨の付け根付近で、鋭利な刃物により切断されている。
- 全身の体表にはヒト1名の乾燥した血液が広く付着している。
- 体内からもこれとDNA鑑定上同一人物由来とみなされるヒト血液が大量に検出されており、AO-133874-JPの死因はこの血液による溺死とされる。
回収日: 2020年11月3日
現状: サイト-81ET収容区画 呪物保管庫に標準プロトコルに基づいて保管。
補遺: AO-051174-JP、AO-201474-JP、およびAO-133874-JPはいずれも共通する数秘術的モチーフからGoI-586 (“緋色の王の子ら”) との関連が指摘されており、戦術神学部門へ調査を依頼中。
謝辞
プロジェクト (“3ない運動”) はネクソロジー収研費・基盤KK (3DB79032) の助成を受けた成果の一部です。
なおスマートフォンの普及に伴う通勤時間等における雑誌購読者の減少から、『白ポスト』への関心や投函量が全国的に減退しており、その傾向はNx-74においても確認されています。このことに鑑み、プロジェクト (“3ない運動”) は2024年1月28日をもって終了となりました。本プロジェクトに関連する人員および資産は現在、Project KASERに再割り当てされています。