LTE-8686-Yellow-Kewpie
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脅威存在データベースエントリ

脅威ID:
LTE-8686-Yellow-Kewpie “愚者の黄金” フールズ・ゴールド

認可レスポンスレベル:
4 (重度脅威) N/A (粛清確認済み)

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LTE-8686

概要:

当該脅威存在はペニー・ウィリアムズという平均的な体格の白人女性である。脅威存在はかつてSCP財団の従業員であったが、未知の事件によって異常な特性を発達させた。

脅威存在の主な能力は、その周囲の一定範囲内に存在する任意の形態の貨幣が、金銭の抽象概念から切除されるというものである。影響された貨幣は、本質的に変化していないにも拘らず、概念的観点において法定通貨とは見做されなくなる。この効果は通常の現金や小銭の脱概念化を引き起こすのみならず、クレジットカードやデビットカードにも影響を及ぼす — 影響されたカードは自動化されたレジスターやスキャナからは法定通貨と認識されるが、概念上の価値が欠落しているために人間を困惑させる。物理的に存在しないデジタル貨幣への影響は未知数である。この効果は、影響された貨幣が脱概念化の範囲内から出た後も持続する。

現在、1,200万ドル以上が脱概念化によって失われたと推定されている。脅威存在の周囲に広がる影響範囲は指数関数的に拡大しているらしく、現時点では小規模であるものの、今後3年以内に地球全域を包括すると予測されている。

脅威存在の二次的な能力は、自らの身に将来起きる出来事を数日先までなら目撃できるというものである。この能力によって、脅威存在は連合による捕獲試行を実行に先んじて目撃できるため、連合部隊は大きな困難を抱えている。しかしながら、脅威存在は自らの未来の所在地周辺で起きる出来事のみを目撃できるらしく、秘密裏の会合であれば察知されることなく実施できる可能性が残されている。

粛清:

ウィリアムズの主な能力を考慮した上で、拡大し続けている影響範囲を既知のいかなる手段でも停止・確保できないことから、当該脅威存在を終了するのが望ましい目標だと結論付けられている。しかしながら、その二次的な能力に加えて、ウィリアムズ本人がGOC工作員を危険と見做しているために、その終了は著しく困難である。

従って、粛清作戦の草稿としては、以下のような概要が用意されている。

  1. GOCはウィリアムズが信頼を寄せる個人または団体との協定を結ぶ。
  2. 問題の個人/団体はウィリアムズを、自力では脱出できない何らかの収容ユニットまたは閉鎖空間に強制的に幽閉する。
  3. ウィリアムズの終了処分は、少なくとも初期収容の3日後に、広範な致死的武力を閉鎖空間全体に適用することで執行される (例: 有毒ガス、拡散銃撃) 。

PSYCHE部門の記録

以下は、ペニー・ウィリアムズに関して、SCP財団と世界オカルト連合所属 マリア・ケーン主幹の間に交わされたメッセージである。

送信者: Dir. マリア・ケーン, GOC
受信者: SCP財団

SCP財団の諸君へ、

我々双方の組織が察知している通り、元財団職員であるほぼ収容不可能な実体がアメリカ合衆国の各所で大々的な損害を及ぼしており、捕獲試行が却って事態を悪化させている。対象の二次的な能力だけでも既に正常性への重大な脅威だが、その主たる能力は広範囲に被害を及ぼし、かつ継続的に拡大しているので、いずれ露見することは避けられない。

両組織間の主な相違点の1つとして、諸君が例え多大なリスクを冒してでも異常物の収容を好むことは理解している。この点において我々の組織は遥かに自由だ。今回の提案に踏み切ったのは、状況が非常に深刻だと判断したからこそであると明確にさせていただく。

諸君の組織の元職員、ペニー・ウィリアムズの終了にあたって支援を要請したい。ウィリアムズが生きている限り、その影響は封じ込められず、連合を差し迫った危険と見做しているために、終了も適切な収容もほぼ完全に不可能になっている。諸君の組織ならばウィリアムズとある種の信頼関係を築き、収容を求めているだけだと納得させ、偽の安心感を抱かせることによって、より効率的な終了が可能であると、我々はそう信じている。提案された作戦の完全な概要をファイルに添付する - 我々の支援に同意していただけるならば、詳細を話し合うことができる。

送信者: SCP財団
受信者: Dir. ケーン, GOC

我々はSCP-3992、或いはKTE-8686に関するあなた方の提案に興味があり、またSCP-3992研究チームも同様の関心を表明しています。しかしながら、あなた方の要請を十分検討する前に、一定の方針に従っていただく必要があります。異常なオブジェクトの破壊は、我々の解体部門から承認を得なければ実行できません。このメッセージには承認フォームが添付されており、入力が完了次第、解体部門に送信されます。あなた方の便宜を図って、一部の項目は既に記入されています。

送信者: Dir. ケーン, GOC
受信者: SCP財団, 解体部門

SCPオブジェクト解体提言フォーム


アイテム番号: SCP-3992 (KTE-8686)

オブジェクトクラス: Keter

主任研究員: ジェイコブ・セイゲルト

支持する職員:

  • A・フェリル - 財団 財務・経理部門代表
  • Dir. M・ケーン - 世界オカルト連合代表

あなたの提言を提出する理由に関して、該当するボックスにチェックまたは書き込んでください: [必要に応じて☐を☑に置換してください。]
☑ 捲くられたヴェールシナリオの過度に高いリスク
☐ 過度な危険度
☐ 解体可能なApollyonクラスオブジェクト
☑ 費用
☐ 必要な収容に関する倫理的懸念
☐ 法的懸念
☑ K-クラスシナリオの高いリスク (該当する場合、どのタイプか(複数可)を記入してください: B (異常な財政/政治破綻))
☐ その他 (記入してください):

概要: KTE-8686はほぼ収容不可能であり、広範囲に悪影響を及ぼす。KTE-8686の能力は容易に認識できる異常な効果を呈するとともに、世界経済や社会全体の機能に対する脅威でもある。正常性の破綻を阻止する唯一の適切な手段は対象の終了処分であり、そのためにはSCP財団の諸君による助力が必要である。 - Dir. M・ケーン, GOC

送信者: SCP財団, 解体部門
受信者: Dir. ケーン, GOC

あなた方の提案は受理されました。SCP-3992の解体に関する今後の連絡と協力をお待ちしております。

交渉に続いて、SCP財団及びGOCはKTE-8686の終了に向けた共同作戦を組織した。

PTOLEMY部門の記録

需品課-AOD
番号 指定 機材名 数量
1 ITG-GOC GOC終了処分ガス キャニスター缶4本
注: 必要なキャニスター缶は2本のみであり、他2本は失敗時の予備として用意された。
2 IHCU-SCP SCP標準ヒト型生物収容ユニット 1
注: 終了処分に際し、KTE-8686を収容するために使用。
広報、情報隠蔽部門 (DPRIC)
送信者 ジェイムソン・ウォルター (DPRIC監督官) 受信者 テッラ・ディーン
件名 Re: 8686
これまでのところ、KTE-8686の影響を受けた物品はSCP財団とGOCの合同機動部隊によって確保されている。KTE-8686本人はSCP財団エージェントによって発見され、GOCからの保護という口実で財団の収容下に入るように説得された。

PHYSICS部門の記録

以下のインタビューは、KTE-8686と某SCP財団エージェントの間で交わされたものである。実験目的で、KTE-8686は拘束され、インタビューはKTE-8686終了予定時刻の正確に3日と3分前に開始された。

[記録開始]

質問者: こんにちは、SCP-3992。今日のお加減はいかがですか?

KTE-8686: 元気よ、ありがとう。まだSCP指定には慣れないけどね。何もかもが大きく変わってしまったわ。

質問者: 無理もありませんよ。幾つかあなたにお訊きしたい事があります。

KTE-8686: その前に私から1つだけ質問していい?

質問者: ええ、どうぞ。

KTE-8686: 私の主な… 異常、それの治療法や特効薬の研究に進展はあった?

質問者: ええ、あなたの主要異常性への対処法ですが、我々にも1つ考えがあります。数日中に実行に移す予定です。

KTE-8686: [溜め息。] ありがとう。何もかも解決したら、私は自由になれる?

質問者: 作戦が成功すれば、ええ、SCP-3992スロットは再割り当てされ、あなたはSCPオブジェクトではなくなるでしょうね。

KTE-8686: 素敵。期待してるわよ。ごめんなさいね、あなたの質問は何?

質問者: まず最初に、あなたはご自分の異常性を制御していますか?

KTE-8686: いいえ、あんまり。お金のアレは常に発動状態よ。眠っている間でさえそうじゃないかしら。

質問者: では予知能力は?

KTE-8686: いつも数日先までの出来事を受動的に見ているけれど、概ねシャットアウトできてる。

質問者: そこまでが限界ですか? その先は何も見通せないと?

KTE-8686: 集中すれば、かなり漠然とした雰囲気っぽいのは感じるけれど、具体的な要素までは掴めないわ。

質問者: 成程。では、今、何が見えているかを教えていただけますか?

KTE-8686: 大したものは無いわね。今後3日間は収容ユニットの中に私が居るだけ。その先は- うーん。

質問者: どうしました?

KTE-8686: あのね、さっき言ったように、少なくとも雰囲気は感じ取れるはずなの。具体性は無いけどね。でもその後数日間は… 何も無いのよ。おかしいわ。

質問者: では話題を変えましょう。あなた自身の口から異常性を得た経緯をお聞きしたいと思います。何が起きたかの報告書は既にありますが、事件に関するあなたの証言が必要です。

KTE-8686: [肩をすくめる。] 格別新しい事なんか話せないかもしれないわよ。あれは… ごめんなさい、何だか… 未来が気掛かりなの。まだ何も感じ取れない。

質問者: ストレスのせいか、或いは収容方式の影響かもしれません。いずれにせよ、すぐに分かるでしょう。

KTE-8686: そうね。ええと、私たちは1組の新しい異常オブジェクトを試験していたわ。まだSCP指定さえされてなかった - 私の異常性はあれに由来するものだと思う。ところで、あのオブジェクトがどうなったか知ってる?

質問者: 残念ですが、事件の最中に破壊されました。

KTE-8686: ああ、オーケイ。ともかく、見ての通り、私は生き延びた。次に思い出せるのは、研究室で目覚めたこと。未来視能力を得たのはほぼ即座に悟ったわ。でも、自販機を使おうとするまでお金の問題には気付かなかった。その時点で、他の皆にバレるのは時間の問題だって思って、パニックになって逃げた。

質問者: 成程。逃走中のあなたには人口密集地を回避する傾向があったようですが、これは意図的な選択でしょうか?

KTE-8686: ええ、まぁね。私の能力が周囲に害を及ぼすのは避けたかったの。特に本当にお金を必要とする人- 人たちが-

質問者: 大丈夫ですか?

KTE-8686: 何だろう- 感じるけど- 理解できない。

質問者: 何を感じているかを教えていただけますか?

KTE-8686: 何かは分からないけれど、今まで感じたことは一度も無い。一体-

質問者: きっとどうにかなりますよ。 [この瞬間、KTE-8686終了予定時刻の正確に3日前の10:00になる。] では-

KTE-8686: [叫び始める。] ねぇ、どういう事? なんでこんな事するの、私は-

質問者: SCP-3992、できれば-

KTE-8686: 傷付けるつもりは無いって言ったじゃない! ここに居れば安全だって! [泣き始める。]

質問者: いいですか、SCP-

KTE-8686: その番号で呼ばないで! 止めて! 私は安全な場所に居たいの! 私を殺すつもりなのね! お願い-

質問者: 必要な結果は全て得られたようなので、インタビューを終了します。

KTE-8686: [拘束を振り解こうとする。] 助けてくれるって言ったのに! 死にたくない!

[記録終了]

合同SCP/GOC機動部隊報告書

関与した評価/排撃班: AT-229

提出した工作員: “ニッケル” 94762947/639

任務: KTE-8686の終了処分。

遭遇報告/敵対存在の概要: 敵対存在は終了の4日前、財団の収容下に確保された。GOC工作員は終了を支援するため、予定通りに到着した。

結果: 終了処分ログを参照。

[記録開始]

2012/09/21 09:55: 対象は身を丸め、膝を抱えて泣いている。対象は時折、苦痛を訴え、解放を要求する。

2012/09/21 10:00: 終了プロセス開始。有毒ガスが収容ユニットに送り込まれる。

2012/09/21 10:03: 対象が意識を喪失。

2012/09/21 10:07: 生命反応が消失。終了処分は成功した。

[記録終了]

職員状況: 職員は標準的な身体的・心理的状態を維持した。

結論/提言: SCP財団との共同作戦は大成功を収めた。彼らの解体部門との将来的な協力の検討を要請する。

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