行きつけの飯屋にいつもどおりの時間に入ると元気そうにマキちゃんが笑顔と声をかけてきた。
「いらっしゃいませ!」
いつもの席に座ると、すぐにマキちゃんが俺の前に水とメニューを置く。いいタイミング。入社して以来この店に通い詰めているが、本当にいい店を見つけたものだ。会社からの距離、食事の質や量、メニューの豊富さ、どれも完璧で毎日食べても飽きない。この店を見つけてよかった。水を飲みながらしみじみそう思う。
「今日は何になさいます?」
「そうだな……」
メニューに目を通した時、ぷんと厨房からケチャップの焼ける匂い……そうだ、ナポリタンにしよう。
「ナポリタンで。丁度あっちから匂いがしてきたからね、こんないい匂いを嗅がされちゃね」
俺がそう言うと、マキちゃんはちょっと奇妙な顔をして、わかりましたと返すと調理場に行った。
「父さん、ナポリタン作ってたっけ?」
「ん? 今日はまだだったはずだがなぁ」
そんな声が聞こえてきて俺は首をひねる。こんなにケチャップの匂いがしているのになぁ。鼻の具合がおかしいのか?
そう思いながらも料理を待っていると、別の常連がマキちゃんに話しかける。
「マキちゃん最近美人になったねえ、好きなコでもできたかい?」
「そんなことないですよお。クボタさんったら」
さらりと受け流すマキちゃん。俺が初めて来た時は人見知りの小学生だったのに、なれたものだ。
「おーい、ナポリタンできたぞ」
親父さんの声を受け、すぐさま俺の目の前に出来立てのナポリタンが置かれる。この和やかな空気の中で食べる飯は最高の癒やしだなあ。そう思いながら俺は麺を手繰って
アイテム番号: SCP-112-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-112-JPの保管には、ロボットアーム制御室を備えたサイト8105の縦 10m × 横 8.5mの収容室が使用され、2人以上の武装した警備員によって常に監視されます。