ミスカトニック・マラソン

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Deer College Odyssey

The Buck Stops Here

スリー・ポートランド 2016年8月27日金曜日 イア!シュブ=ニグラス!

MISKATONIC MARATHON

HUNTING THE ULTIMATE MILF OF MASSACHUSETTS

by Sports Correspondent (Unofficial) Sofia Haugen (⁂judgmentgay)

ミスカトニック・マラソン

マサチューセッツ州の至高の熟女を追え

(非公式)スポーツ特派員ソフィア・ホーゲン (⁂judgmentgay) 著

記者には夢想的な2回生時以来ずっと抱いてきた、単純明快な大望があった。世界をより良いものにしたかった。人類の存在を認知させて、その生存が価値あるものだと認めさせるために薄情な宇宙の勢力を少々リラックスさせたかった。旧支配者を探し当てて、セックスしてイかせたいと望んでいた。

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ICSUTマサチューセッツ校学寮。良い方に考えれば、全室シングルだ!

だからこそ、ミスカトニック大学(正式名称はICSUTマサチューセッツ校。学生には"M.U." 、"[失われた大陸たる]ムー"、"ミスキー"、"オール・ミスク"、MISKSUT、"精神病院"といった様々な名前で知られる。)が外なる神を大学教授として在籍させていると聞いた時、私は即座に反応し、全てをほっぽり出して、編入願を出そうと全力疾走した。残念ながら、オール・ミスクへの移籍は叶わなかった — ICSUTのシステムは"奇跡論的厳格性の不備"ゆえにディアの単位を認可しないという類の理由からだ — だが今夏、あの学び舎に赴いて、熟女を追うための時間を確保できた。なぜなら千の仔を従えし森の黒山羊というのは至高の熟女に他ならないからだ。

目的の場所へと辿り着くのは並の異性愛者に日々の選択を再考させるであろう類の試練だった。忌み嫌われる戦車(グレーハウンド社のバス)に乗り込み、地獄の中枢(ボストン)に向かうと、そこからは冥府に住まう、煙を吐き出す鉄と苦痛の妖魅(ライトレール)に乗り換え、「ドレーカット」や「チングズバロ」のような発音不可能にして幻妖なる名を冠する町が点在する、北の地に向かった。辿り着きし場所、チョコレートミルクじみた茶色に染まるメリーマック川の畔に、アーカムの街並みが広がっている。大抵、ミスカーが1,2都市を隠し通すために戦慄させられる祭祀を執り行ったかのか、あるいはアーカムの至る所にある様々な冥き黙示が生み出す発狂を想定した土地固有の心理的防衛機構に過ぎないか否か記者は確信が持てない。ともあれ、実際に大学に到着したとなれば、マサチューセッツ州に棲まう往古の恐るべき神々へ生贄を捧げなければならなかった。幸運にも、全てのマサチューセッツ人同様、暗黒神ケナディは長子の代用品たるダンキンドーナツのギフトカードの数々に満足してくれた。

生贄を捧げると、河畔の都市の景観が常識を無視して現れた。殆どの人間であれば狂気に陥るであろう人智を超越した地形を要するものだ。通常の地形の時点で理解不能であるために、記者に両者の違いは全く分からない。女神相手にヤるか、さもばくば道半ばにして息絶えるか。狂気の中枢へと至る道を探し求めてアーカムの発狂せんばかりの街路を進んでいった。とはいえ、MISKSUTキャンパスへと足を踏み入れるや否や、記者の洗練された記者としてのセンスゆえにワクワク感が湧いてきた。近くで運動競技が開催されていたのだ。次にワクワク感が湧いてきて思い出されたのは『オデッセイ』紙のために一部始終を押さえられたならば、丸々1週間分の経費のコーポレートカードでの請求が完全に正当化され得るだろうということだ。3

ワクワク感が湧いてくるのと風に乗って唐突な酒の香りが飛んできた後、アーカム住民の一団がキャンパスのメインストリートに沿って設けられたジャージ製障壁に押しかけている光景に出くわした。何が起きているか尋ねることさえできるよりも先に、記者の人生で見た中で二番目に大きなメリーランド州旗をたなびかせている一匹の巨大な機械蟹が角を曲がって突進してきた。、オールドベイの如き香りを放つ煙をもうもうと上げながらである。その後にやって来たのはオール・ミスク工学部の学部章4を掲げるアルミニウム製ボックス型バギー車であり、車上には手回し式ガトリング銃をメリーランド機械蟹に狙いを定める青白い顔貌をして痩せ衰えた人物が乗っていた。先程までは記者が気付けずにいた蟹の乗り手は魔力を帯びた弾丸の雨から逃れようと必死になっていてたものの、上手く避けられずにいた。危険なまでのアデラルの分量の消費だけが成し得られる類の精度によって、エンジニア共が蟹の脚の2本を吹き飛ばすと、蟹は地面に崩れ落ちた。乗り手はジャージ製障壁に放り出されて、開封された糖蜜の樽へと沈んだので、群衆は大喝采を浴びせた。

ミスキーが素晴らしき匂いの残骸の前を通り過ぎると、誰かが落としたレースについてのパンフレットを見つけた。丁度その時、足跡による汚れの下に見えたのはレースの「Basalt級スポンサー」の名前だった — それこそシュブ=ニグラスに他ならなかった。女神様は近い場所におられる。そしてどうやら、女神様はニッチなスポーツ競技にお熱であられる。死したまま夢見るもの、そして記者からすれば、星辰が正しいのは明白だった。記者がやるべきことはたった1つであった。脳味噌を絞ってリポートし、レースを追いかけ、それからインタビューさせていただけるように女神様を納得させることになる。後は記者の強みの可愛さが全てを解決してくれるだろう。

パンフレットにはQRコードも載っていた。コードの半分に泥と血が飛び散っているというのに、記者の携帯電話ではどういうわけか読み取りに成功した。どうやら、あの競技は「ミスカトニック・マラソン」というものだった。その内容はキネティック・スカルプチャーによるレースだった。『マッドマックス』の異形の非公式後継者にしてクラフトフェアのチームが集う、芸術品的人力トンデモメカが陸上、海上、泥濘、そして石窟内でチーム対抗で競い合うというものだ。公式ウェブサイトには膨大なルールが記載されており、総じて言えば「お咎めを受けずに済むならばズルをしろ」、「対戦相手を殺害するな」、「レースマシンは完全に人力でなければならない」というものだった。非殺生規定が存在するのに、競争相手に対する不具になるまでの傷害、変形、石化、そして精神的ショック傷害は何であっても承認も推奨もされると明記されていた。その実態は芸術的正当性など上っ面でしかない、ブラッドスポーツだったのである。

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美容コスメトロジー宇宙コスモロジー学部の参戦機体。アイライナーの幻妖神、マスカラへのトリビュートである。

ウェブサイトには参加者も載っていた。チームは世界中(オーケー、大半はニューイングランドである。とはいえ、遠方のボルティモア代表チームがあったのと、ある1つのチームはリヤドRiyadhもしくはルルイエR'lyehからのチームだった。)から参加しており、その多くのバックには部品費面と医療費面で協力してくれる大物スポンサーがいた。ミスキー内では異なる3学部が参加していた。カートゥルー・フタグンCarthulu fhtagn号、幻妖祭壇マスカラThe Eldritch Altar of Ma'Skara号、キネティック・スカルプチャー・マーク16Kinetic Sculpture Mk. XVI号がそれである。工学部がどれなのかは推測するまでも無かった。他の著名な参加者にはハーバード5 代表がいたが、間違いなくそうだと分かったのは自転車の車輪と大砲複数台を後付け改造として備え付けられたヨット一隻、そして地面から数インチ浮遊し、目に見えて分かる悪意を発している神秘的な輝きの方尖柱オベリスクだった。6 失格になった参加者の一覧もあった。大半は「定命の者の理解を越えた秘密の数々に触れて狂気に陥ったため」、「核拡散の罪で当局から指名手配を受けているため」、「陪審員として召喚されたため」としょうもない理由だった。唯一面白味があった失格理由は第666セレマ・ロッジのものだった。チーム全員が代役となる悪魔のサイクリストを召喚するための乱交騒ぎを目論んだため、公然猥褻罪で御用になったという。

ウェブサイトにはレースの地図も掲載されていた。記者はM.U.スポーツスタジアム7にて火ぶたが切られた出走を見逃してしまったものの、急いで行けば、最初の障害物エリア — このレースは都市中心部を真っ直ぐに流れる濁り、澱んだ川の支流全域で開催されるのだ — を拝められる。上手くいけば、そこには審判団もいるだろうし、特にその内の1人には深掘りしたインタビューの類を行うことが出来るはずだ。とはいえいざ目当ての場所に着くと、スタンド席は混沌としていた。尋常ならざる精神的ショックを受けた観客達から集められた情報によると、ウォーター・ハザードのエリアが大乱闘の舞台と化したという。区間の途中8で、深きものどもの乱宴が始まったのだ。記者にしてみればそこまで酷そうには思えなかったものの、これまで目にしてきた乱交騒ぎとは全く違っていた。今回の参加者は人間の臓器を媚薬と見なしていたのだ。

次に載っていたエリアは底なしの泥沼だが、この時点で記者は途轍もない空腹になり始めていた。このため、そこは飛ばして昼食にありつくことにした。いつの日か必ずや復活を果たし、人類をこの地球から一掃するであろう滅び去って久しい文明、記者はその文明が玄武岩より非情な角度で掘ったアーカム地下の大石窟でのレースを観戦することになった。「ノース・ショア・スリーウェイ」という地元の「珍味」を試したが、店側を責めるのは酷だというのが本音である。9 スリーウェイには失望させられた — これが最初で最後というわけではない —が、昼休憩をした価値があった。市民からレースについてのホットなゴシップを入手したのだ。

知性の欠片もないボストン訛り複数人から聞き出すことが出来た情報によれば、レースは過去25年間で改善してきており、必勝法として間違いない戦術が2つあるという。魔道戦闘員バトルメイジ並の魔法使いでチームを編成し、レーサーを育てるというものだ。そのレーサーも、重装備の鎧と今後のジュネーヴ条約誕生の切欠になりそうな武器の類を装備させたやつである。さすれば次第に自分自身が「最凶のイカした殺人鬼」となっていくか、そんなことには全くならず、大砲の弾が当たらぬように只管速くなろうとするかの二択である。ああ、もう1つはイルミナティのチームに参加するというものだ。レース運営の影の評議会を組織していると言われており、その場合は終身優勝候補筆頭となる。

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イルミナティの参戦機体。黒目線はフォトショップによる加工ではなく、実際にしていた目そのままである。

冷えたローストビーフが喉から胃袋へと流れ落ち、地元民から情報は入手した。こうして記者は玄武岩から切り出された巨石建造物が、狂気の角度にて互いに絡み合っている無人の通りの上に聳え立っている石窟で繰り広げられるレースに追いついた。10空気は観衆の声援で緊張感に満ち溢れ、遠方では完走せんためにも勝負を繰り広げる、レーサー達の呪文の明滅が見えた。同様に、不気味で湿った軋み音も聞こえた。現実の諸法則に反する、あり得ない動きをする鱗と皺だらけの肉塊から発せられたものだ。ゴールの方向からやって来るものがいたが、それこそ記者の作戦の成功を意味するものだった。女神がいらっしゃったのだ。

女神の後を追うよりも、ショートカットを試みた。間違いなく黒山羊への関心面で競争相手となるであろう求婚者の集まりに勝利するためだ。大抵、記者の方向感覚は疑いの余地もないもの11の、道の無情な角度により、石窟の天井は遥かな高みにあり、石造建築が反響させてきたレースの声援の木霊で気が滅入ってしまった。記者がゴールラインに辿り着くまでに、レースは終わったも同然だった。それでも審判団は留まり、その内の1人は他の審判とは違って肥満体のように見えた — さながら女神の衣服は女神が身に着けていらっしゃるというよりも、肌の一部であるかのようだった。女神の脚は尋常ならざる長さで、途方もなく、慄然とさせられる長さで、果てしないフラクタル曲線には魅了された。女神はBカップであらせられた。女神はシュブ=ニグラス御本人であり、ありふれた定命者がより理解の及ぶ形態へと産み落とされたか、森の黒山羊により遠隔操作される肉人形の化身の類だった。率直に言えば、正体がどちらであっても、素晴らしくセクシーであらせられた。

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コイツをエロ目線で見ることができないなら、そっちの方が問題だ。

記者はどうにか審判団のエリアへと辿り着き、記者証12をすぐに見せた。万事作戦通りに進んでいたが、すぐに女神の皺だらけのドレスから生えている触手の1本に躓いてしまった。転倒した挙句、泥を顔面に被り、この世で最も理解しがたき悪神に無礼を働いた自分に心の中で悪態を吐いたが、女神は手を差し出して下さった。あるいは少なくとも、女神が人間の手に似せて肉体創造した骨のない前脚というべきか。

記者と女神の肌が触れ合った。女神の逞しき筋肉質の肉体が記者の肉体の目の前にあった。頭を動かし、出来る限り最も艶やかさとレズビアン的な仕草で女神に視線を合わした。記者の目は女神の盲目の球体を捉えた。記者が笑みを浮かべると、女神も微笑み返して下さり、記者が心底味わいたかった超絶技巧の舌を備えし歯の並んだ口が見えた。記者は女神に「インタビューしてもよろしいでしょうか?」、「私が何かできることはございませんか?」のどちらかを尋ねた —どちらだったかは覚えていないし、恐らくどちらも尋ねたのだろう。もし前者の質問をしたならば、答えはイエスだ。記者はインタビューを受け、記者の手持ちのノートに、天地開闢よりも古き数多の脚を備えし神と記者自身がデイジー畑を跳ね回っている落書きを、女神の偽脚をその手に取って描くという一時を過ごした。記者が言葉に詰まりながら尋ねた質問の内で思い出せるものと女神の回答によれば、女神はここ10年間、このレースを後援しているという。主だった理由は、レースのコースが女神の力を高めてくれる万古に滅んだ言語の印形の形をしているからという。更に、女神は単なる定命の者が女神を喜ばせようと様々な方法で競い合う光景を眺めるのを心底お好みであるという。

インタビューのこの時点で、記者は単なる犬の如く吠えているより他は無かった。記者は女神を喜ばせたかった。記者は大願を果たしたかった。記者は祭壇にて自らの身を生贄として捧げたかった。血生臭き詳細は省かせてもらう。主な理由は触手や種々雑多な粘体が朧気に見えていたに過ぎなかったからである。最終的に脱水症状で失神したものの、夢は叶ったので安心してほしい。それから、記者は電話番号を女神にお伝え申し上げ、ディアを退学してオール・ミスクに入学するかどうか考えていると伝えると、女神は記者に別れようとお告げになった。以上だ。ティーンエイジャーの男子のようだ。

というわけで、記者はシュブ=ニグラスとセックスしてイカせたものの、後に残ったのは幻妖なる狂気とのありふれた失恋と極めて厄介なクラミジアだけだった。ああそれと。イルミナティが首位を取って、記者は2位だった。そして方尖柱オベリスクはというと、非スポーツマン行為で失格になったのだった。

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