サイト-81UO — 霊的実体聴取ログ 2023/09/15 — 1:05 am |
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Agt.八谷: それでは折田さん、よろしくお願いいたします。 折田: はあ、よろしくお願いいたします。 Agt.八谷: 折田さんは幽霊になってから一か月程度、ということでしたね。亡くなる前のことについてお伺いしてもよろしいでしょうか。 折田: それが正直なところ、よくわかっていないんです。一体何が起こったのか……。 Agt.八谷: よくあることですよ。純粋に折田さんが体験したことを話してくだされば。まずは落ち着いて場所からお聞かせください。 折田: は、はい。亡くなったのは家の近所の山です。小さい祠がありまして、私が小さい頃からたまに訪れていました。見てくれはなんてことないただの祠で何を祀った物なのかも知りません。特に怪現象とかもありませんでした。 (室内にくぐもったような音が響く) 折田: な、何か聞こえませんでしたか? Agt.八谷: 別室の幽霊の声を拾ってしまったのかもしれません。お話の続きをどうぞ。どうしてその祠に行ったんですか? 折田: ええと、私には今年で23になる一人息子がいるんですが、そいつにはもったいないくらいの出来た嫁さんがいるんです。夫婦仲も良好で子供も授かりあと数ヶ月で産まれるところでした。ですが……嫁さんがじ、事故にあってしまって……。 Agt.八谷: それは……ご愁傷様です。 折田: 病院に担ぎ込まれ彼女は瀕死の重傷で、せめて子供だけでも助けようと手術が行われていると息子から電話がありました。息子らは遠いところで暮らしていますから私は駆けつけることもできず。何をしていいか分からずせめてもと祠へ祈りに行ったんです。どうか息子の嫁さんを助けてやってくれ、どうか孫の顔を見せてくれと。 Agt.八谷: 心中お察しします。 折田: するとなんだか急にひんやりしてきてあたりが黒くなってきたんです。私は霊感なんかない方でしたが、祠から異様な雰囲気を感じました。とにかく祠から離れようとしたのですが、急に息が苦しくなって、その場でうずくまり、意識を無くして気づいたら幽霊に。 Agt.八谷: 大変でしたね。あなたのご遺体はすでに不審死として処理されているようです。全身に謎のあざが浮き出ており、まるで呪い殺されたようであったと。 折田: うーん祠に祀られていたものに祟られてしまったのでしょうか……。特に悪いことをした覚えはないのですが……。 Agt.八谷: 後で調べるので祠の場所を教えて下さい。──ここら辺ですか。ありがとうございます。ちなみにその後お孫さんがどうなったかはご存知ですか? 折田: はい……ダメだったと。どうしてこんなことになったんでしょうか。義娘も孫も亡くして私も殺されて……一人になった息子のことを思うと悔しくて悔しくて……。 ???: やはり正しかったか。 折田: な、何です?今の声!? Agt.八谷: 折田さんではないんですよね?となると、周囲に未知の霊的実体がいる可能性が。インタビューは終了しますのでそのままお待ちいただいて── ???: 我のおかげだな。 折田: ま、まさかお前が私を殺したのか!この野郎! Agt.八谷: 折田さん落ち着いてください!ああ、誰か収容スペシャリストを! 折田: どこにいる!クソが絶対見つけ出してやるからな……! |
「孫の顔が見たい」は殺して怨霊にしてほしいということではない - 定命種エミュレータ事例集
登録日:2023/10/1
タグ:死生観 やらない方がよいこと 人間 幽霊 財団案件
5W1H+Then状況説明
Who(誰が) | 筆者(不死種,怨霊型)が |
When(いつ) | 数ヶ月前に |
Where(どこで) | 筆者を崇め奉る祠の前で |
Why(なぜ) | 友人 (50代,人間) に「孫の顔が見たい」と言われたが孫が生まれるまでに死にそうだったので |
How(どのように) | 筆者の祟りのチカラで |
What(何をした) | 友人を怨霊にし現世に留まれるようにした |
Then(どうなった) | ブチギレられたし、友人はそもそも筆者のことを友人だと思ってなかった |
定命的行動ブレイクポイント
- 死に救いを求めることは一般的ではない
- 病気を見つけたらまず医者に相談する。透視で腫瘍を見つけたが本人に自覚症状はなかったようだ
どうすればよかったか
- 祟り殺す前に同意をしっかり取るべきであった。そもそも友人は筆者を認識しておらず、呟くように「孫の顔を見せて下さい」と言ったのは筆者に願ったわけではなかったようだ
- 何故「孫の顔が見たい」のかを聞くべきだった。後に聞いた話では友人の息子の妻が妊娠中事故に会い、母子ともに命の危険にあったらしい
備考
- 件の母子は亡くなったらしい。息子が次のパートナーを見つけて子を作るまでかなり時間がかかるだろうから、怨霊にしたのは正解だったと思う
- 最近財団は幽霊と話せる装置を作ったようだ。祟り殺して話を交わせる友人を増やすのにもリスクが出てきた
- 友人にチクられた結果、祠を奪われてしまい筆者自身も追われる身となった。住み心地が良い場所だったのだが残念だ
- (追記) 友人も定エミュを知ったようなので仲良くしてあげて欲しい
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