霧津奇譚
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バスが山の麓をまわる時、私は「霧津 Mujin 10km」という里程碑を見た。
それは昔と一つも変わらぬ姿で道端の雑草の中から突き出ていた。
私の後ろの席に座っている人たちの話し声がまた聞こえてきた。

―《霧津紀行》, 金承鈺, 1964年1


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投稿作品

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ガタガタ走るバスに乗って私は、どのあたりだったか、道端に立てられた白い板切れを見た。
そこには黒い文字で鮮明に「あなたは霧津を去っていきます。さようなら」と書いてあった。
私はひどく恥ずかしかった。

―《霧津紀行》, 金承鈺, 1964年2

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