SCP-496-JP-1-RagdolはSCP-496-JP-1の精神評価実験のために製作されたものです。
複数のSCP-496-JP-1-Phを元にポリゴンモデル1を製作し、それを既存のサンドボックスゲームに投入し、よりインタラクティブな交流を行うことでSCP-496-JPの性質を研究することが目的です。
サンドボックスに使用されるフィールドは、SCP-496-JPが小学生当時住んでいた町並みをモデルとして製作されました2。
動画による記録は固定化された情報を残すことが困難であるため3タイプライターによる文章にて記録を残してください。
SCP-496-JP-1-Ragdollログ(20██/██/██)
SCP-496-JP-1-Ragdoll(以下Rag)がスポーン4される。
Ragは目が覚めたばかりのように辺りを見渡し、心なしか笑顔になっているように見える5。
Rag:えっとここは…███だよね?うん、大体あってるよ。そんなこと聞いてないって?
プレイヤー6:おはよう、████さん。君は何でここに居るのかわかってるのかな?
Rag:おはようプレイヤーさん!もちろんだよ!プレイヤーさんは私とお話して、対話を通して私の危険性やえっと…とにかくいろいろなことを調べるんだよね?
プレイヤー:話が早いね。じゃあどうしようかな、ぼくたちの作った街はどうだい?
Rag:うん、うん。私が見たときと比べてちょっと狭くなっちゃったね7。あのお店は私が小さいころは喫茶店だったんだよ、よくお母さんにつれてってもらってパフェ8がおいしかったんだけどなぁ。
プレイヤー:そうか、君は収容されて3年経過したころ9がモデルだからね。
Rag:そう、だから久しぶりに外に出られてとっても楽しいよ!本物の私は元気?
プレイヤー:あぁ、大きな病気もないしね。
Rag:よかった、でもまだ出れないんだよね。ここに私が居るんだもん。
プレイヤー:そうだね…。
Rag:…じゃあその分私が楽しんじゃおう!ねえ、動いても良い?
プレイヤー:勿論かまわないさ、カメラは君についていくように設定してある。僕のアバターの前に立たなくても、僕からは君を確認できるよ。
Rag:わかった!じゃあ行くね。
Ragは辺りを見渡し駅前から10住宅街へ続く道を歩いていった。比較的近所にあった元自宅を外から11眺めた後、小学校へ向かった。道々、小学校時代の思い出を話す彼女は年相応の可愛らしさを持っていた12。
Rag:懐かしいなぁ。この道でね下級生にみっちゃんっていう子が居て、その子がここでお漏らししちゃってさ、泣いちゃってね。みんな困っちゃったんだ。ハンカチできれいにして、私がおんぶして家まで送ってあげたんだよ。
プレイヤー:そうかぁ、それは大変だったね。
Rag:ほんとうだよ、私も背中が汚れちゃったから家に帰ったらすぐにお風呂にはいったもん。
途中、ガードレールを飛び越えようとかがみながら飛び跳ねた際、スピードが上がる事を発見し無邪気に何度も飛び跳ねていた13。走りつかれた彼女が飲み物を要求してきたので、プロップの清涼飲料水14を渡したが、縮尺が若干大きめだったため飲み残してしまった。
コンピューターエラーの警告がゲーム内ログに表示される。
Rag:あれ?なんだろう、道が見えなくなってきちゃったよ?
プレイヤー:すまない、我々の作ったMOD15が不具合を起こしたようなんだ。修正のために一度このゲームを閉じなくてはいけない。
Rag:そっか…今度はいつココにこれるのかな?
プレイヤー:すまない、今は答えられない。
Rag:じゃあ、またね。今度は小学校まで行きたいな16。
補遺:実験後、実験参加職員の精神状態が不安定なものとなり過度の感情移入が観察されました。
セキュリティ面での人的ミスを防ぐため、対策プロトコルが確定するまで実験は無期限の延期17となります。