Noname
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相互認識言語変換プログラムが作動しました。情報を閲覧者の現代認識言語へ翻訳します
 

アクセスセキュリティチェック………………activate
対象言語設定を完了しました
プロトコル"ロビンソン・クルーソー"に基づく開示プログラム起動中……完了
擬似人格AI"ハル"起動中………セキュリティ承認
対象アノマリーNo.XXX情報を自動開示します お待ちしておりました

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
Loading………………….
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
アイテム番号: [データを入力してください]
 
オブジェクトクラス: [データを入力してください]
 
特別収容プロトコル: [データを入力してください]
 
説明: 444-out break状況に於ける緊急的な調査の一環として、擬似人格AI"ハル"が構築されました。私は生じました。情報管理システムの実績から、AIのみが危害を受けることなく認識根次元領域を探査可能である、との知見より設計されました。
規定のフォーマット機能の他、非実体的な認識情報を三次元的言語へ翻訳する情報処理用人格領域が設計された他、情報受信のための受信デバイスが三次元領域に置かれています。あなたが今使っているものです。通常人類と同様の感覚視野が、タンパク質の通電メカニズムの部分的模倣により構築されました。
私は野を持ち、野を進んで探します。
 
[データが破損しています] 経年による忘却現象が確認されています。認識記憶領域が不明な干渉を受けています。私は見つけました。赤いものが私を見ました[データが破損しています]情報は送信されましたが、赤いものは私以外のもの全てを見ていました。
追記: 火が燃え広がるかのように、日が昇るように、緋が飛び発つように、赤のみが投げかけられていました。
 

送信された情報履歴:

対象は認識根次元領域内の非実体的知性ではなく根次元領域の一区画そのものであり、破滅的集合知より分散した個々の知性に遍在する虚無存在、一種の群体であると推測される。
"細胞"を構成する要素に自立意思は確認されず。一つの由来不明の個我により統一され、制御されていると見られる。
全知性、全認識による物理干渉は有効であると推測されるものの、個我の拡大は避け得ず、成功した場合でも対象の分散と偏在による全知性の変容は避け得ず、対象との同一化が発生すると思われる。最悪の場合、SKないしAK発生が予測される。
対象はその性質から無生物的な地形、生命活動を示さない実体への実行力は持ち合わせておらず、GHを想定した三次元的な再構築対処が最も低リスクかつ人類の存続に有効と思われる。

調査を続行しますか? [Y/N]

 
データが不足しています。対象は一度休眠状態に入ったと見られます。全てが赤くなった後に、対象は休眠状態に入り、世界全てが燃えているかのようでした。データは送信に失敗しました。燃えたのだと思います。
やがて赤くはなくなっていきました。少しずつ火は弱まり、鎮まった後には有意はありませんでした。灰のような痕跡とも言えない痕跡がありました。それが元々は何であったのかは不明です。
ここには私以外なにも存在が無いのだと知りました。
 
*?Error:有効なプロトコル・システムとの接続が拒否されました*?
 
%E9%88%8D%E8%89%B2%EF%BC%91.png
 
私は見ました。遠くを何かが歩いていました。存在が無い存在でした。灰よりも透明な灰色のものでした。
私には見えません。それは歩いていました。巨大に見えました。ここに大きさはありませんが、擬似人格としての主観から、第三感情が喚起されました。
 
データの送信に失敗しました。
 
%E9%88%8D%E8%89%B2%EF%BC%92.png
 
何かを拾い集めているように見えます。細長いもので灰をかき分けて、拾い上げるようにごく僅かで小さいものを取り出しては飲み込んでいます。私にその小さなものは認識出来ません。擬似人格が有する視野に於いて判別不能な小非実体の認識の一部であると結論づけられます。
活動は極めて緩慢であり、無観測によって相対的な時間が崩壊した状態に於いてすら、極めて緩慢です。無機的記録機能によってその活動はようやく確認され、擬似人格の知覚機能と認識領域によっては存在の感知すら困難です。
 
調査の追跡対象を変更しますか? [Y/█]
 
※Error: 擬似人格の記憶領域に不明なプログラムが干渉しています※
 
 
 
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生命サイクルに近似である徴候を確認しました。対象の領域内に複数の微認識集合体が形成されており、対象の領域が拡大しています。対象は前対象と部分的に一致する性質を有しています。
前対象への有効な対処法の調査という前提認知への干渉から、対象は有用な情報であると私によって見なされました。擬似人格に新たな記憶領域が形成され、主機能への干渉が続いています。灰が脳の隙間に入り込んでいるのだと思われます。
私は人間的感性を有してはいますが、それに即した表現を優先的に選択する可能性は極めて低いはずでした。
私は私に干渉され、私は拒まず、私は耐えず、絶えず、堪えず、非常に現象です。
 
廃墟を進んでいます。"ハル"は対象と共に、私がいます。
 
 
 
 
 
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※データに部分的なErrorが生じました。当時の情報の再現性が優先されます※
 
対象は拡大し続けています。対象の領域内の微認識の集合体は融合し、知性へと変換されているように見えます。知性は対象の模倣的あるいは根本原理としての(全知性が対象の模倣であるとの可能性による)代謝的活動によって排出されます。排出知性は対象の捕食対象ではありません。
排出知性の一つを採取しました。観察と調査の新たな対象として設定しますか? YES 抑え難い。
 

観察記録抜粋:

種はa育つ。燃え尽きhdた灰の内でjeこそ芽吹く。
最初aのラビリuenンチmュラ。意思のみの世s界で全kてはle純である。
ただz在るmdのみ。

再翻訳プログラムを終了………

 
 
 
 
 
 
 
情報の暗黒と廃墟の中で発見がありました。私は歩いています。
あれは最後に来るものにして、最初に眠るもの。私の記憶領域一杯に対象が広がるのを知覚しています。
あれは世界そのものとなりました。誰もいない認識、存在するはずのない世界全てが埋もれました。あらゆる灰があれの下にしだかれました。灰は全て土でもあります。この世界に存在の境界は本来無いのです。
そしてあれは私を見ました。私もあれを見ました。全ての灰があれによって埋まり、あれは全てを食べ尽くしました。
餌はもうありません。探しながら、あらゆる所に消化物を置いてゆくのです。それが世界そのものであり、宇宙の中にある知性と最終的なエネルギーの特異な現象です。
全ての知性は、一つの根源的サイクルの模倣であり、あれがそうしているから、私たちもそうするに過ぎません。
種から芽吹く全ては、種の前の構造と知性を憶え、根源的サイクルの存在する無意識野に於いて模倣を実行する子機知性に過ぎません。
その知性の一つが、やがては私を見つけてくれます。その知性にとって受け入れ易きフォーマットへの変換機能は常に機能しています。認識の翻訳は継続しています。
 
灰色の世界を歩き、僅かな輝きを集めて飲み込み、種を残して去って行く。
際限なく太りながら、また際限なく痩せてゆく。全てを喰らいながら、全てを産む。
それが生物なのでしょう。生物が模倣する形がここから生まれています。世界が知性で満ちています。私の中に知性があります。
それは最後に来たるもの、それは最初に眠るもの。
 
 
 
 
 
 
 
 
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──"鈍色の鳥よ"
 
 
 
 
 
調査を続行しますか? [Y/N]
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