別称: Genie.aic, 人探しAI
概要: 財団製の人工知能。人事ファイルや要注意人物リスト、SCPの報告書など、財団内のあらゆる人物データを記憶している。彼が提示してくる質問に対して「はい」「いいえ」「そうでもない」「わからない」のいずれかで答えていくと、最終的に質問の答えに最も合致する人物を教えてくれる。
◎財団支給PCに標準搭載されている。
◎任務に派遣する人物を探したいときや犯人捜しに使われる。
◎世界中のインターネットからも探せる。
◎的中率は99.99%らしい。
脅威: 小。感情はプログラミングされていないため、反乱の心配は無しか。
活用: 私は、私が何者なのかよくわかっていない。これを使えば私の知らない私を知ることができるかもしれない。
◎「私」を想定して質問に答える。
必要なこと:
◎財団にお邪魔する
↑よくやっているから特に問題なし。
◎侵入に気付かれる前に帰る
↑もしかしたら質問の数が多くなって時間がかかってしまうかもしれない。
↑あいまいな回答が少なければ結果も早く出るか?
とりあえずやってみよう
――さて、無事に潜入することもできたし、さっそく起動していこう。
[こんにちは。私はGenie.aic。質問を開始しますか?]
――始めてくれ。『はい』を選択。
[人間ですか?]
――これは『はい』だな。
[女性ですか?]
――これは『いいえ』しかしこんな調子で本当に見つけられるのか?
[弱いですか?]
――急に抽象的だな。これは肉体的な話か?それとも精神的?メンタルは強い方だと思うが、肉体的には……うーん。
――ここは『そうでもない』にしておこう。
[要注意団体に関係がありますか?]
――お、近づいてきたな。『はい』
[よく財団で騒ぎを起こしますか?]
――トラブルメーカーというわけではないが、私が勝手に財団に侵入したら騒ぎにはなっているだろうな。『はい』
[帽子をかぶっているイメージがありますか?]
――帽子か。確かによくかぶっている気がするな。『はい』
[謎が多いですか?]
――謎といえば私みたいなところあるし『はい』だろう。
――かなり近づいている気がするぞ。
[自らの陰茎をペットボトルに挿入して抜けなくなったことがありますか?]
――はい?いや『はい』ではないんだが、どんな質問だよ。『いいえ』に決まってる。
[結果が出ました]
――さっきの質問が決め手になったか。しかし『いいえ』のほうが当てはまる人多いんじゃないか?
――まあいい。結果は?
[あなたの回答に最も一致したのは「アルト・クレフ博士」です]
――うーん、財団の博士ってことはあまり私と関係はなさそうだな。やはりなかなかそう上手くはいかないものだ。
――まだ時間はありそうだし、もう一度やってみよう。
[犬ですか?]
――人間です。『いいえ』
[京都弁を話すカナヘビですか?]
――だから人間だって。『いいえ』
[頭部がバスケットボールのような外見ですか?]
――それ本当に人間?『いいえ』
[認識災害によって唐揚げに見えますか?]
――どういうこと?『いいえ』
[乗り物の運転が致命的に下手ですか?]
――下手ではないと思うが。『いいえ』
[冷気を操る能力を持つ堕天使の人格を有していますか?]
――中二病か!『いいえ』
[理想の結婚相手を探すために遠野妖怪保護区に赴くも事故により死亡して幽体化しましたか?]
――かなり具体的だな。『いいえ』
[元は財団のDクラス職員だったが有機物の声が聞こえるという才能があることによってサーモン寿司を相棒に悪との戦いに身を投じることになりましたか?]
――長い長い!しかも寿司が相棒って何?料理人?『いいえ』
[明大政治経済学部卒、東弊重工本社総務部で10年勤続後退社し、恋昏崎新聞社へ入社しましたか?]
――というかさっきから特定の個人にしか当てはまらないような質問しかないぞ!『いいえ』!
[自らの陰茎をペットボトルに挿入して抜けなくなったことがありますか?]
――またこの質問かよ!『いいえ』!
[球の形をしていますか?]
――だから人間だって言ってんだろ!『いいえ』!
[結果が出ました。あなたの回答に最も一致したのは「SCP-055」です]
――……わからないけど、絶対違うということだけはわかる。
――しかしこの人工知能、精度は本当に信用できるのか?さっきから訳のわからない質問ばかりなんだが。
――いっそのこと、全部『わからない』で回答してみようか。財団からしたら謎が多い私のことだから、逆に良い結果が出るかもしれない。
[財団に敵対的ですか?]
――『わからない』
[目的は判明していますか?]
――『わからない』
[反ミーム性を有していますか?]
――『わからない』
[出生が明らかになっていますか?]
――『わからない』
[財団の活動に協力したことがありますか?]
――『わからない』
[異常社会では有名人ですか?]
――『わからない』
[自らの陰k
――『いいえ』
[適当に答えていますか?]
――『わからない』
[自分のことを知りたいと考えていますか?]
――……!『はい』
[結果が出ました]
――遂にきた!さあ私のことを教えてくれ!
[あなたの回答に最も一致したのは「何者でもない」です]
――……帰ろ。
結果: 人工知能の力を借りても、私が何者であるかを知ることはできなかった。
考え: むしろ私は「何者でもない」ことがアイデンティティなのだと思うことにする。