いいかよく見てろ、やり方はこうだ…
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送信者: ライル・ネイスミス [pcs.noitadnuof|htimsianl#pcs.noitadnuof|htimsianl]
宛先: O5評議会
件名: アイゼア・ヘンダーソン

私の同僚である(そして友人でもある)ヘンダーソン博士がサイト-59においてFAFNIRタイプの情報災害に曝露しました。72時間の潜伏期間が残されていますが、事の重大性から"暴力状態"に移行する前の終了措置が必要です。標準措置に代わり、彼はSCP-173に殺害されることを希望しました。

これは私からの許可願いです。私から見て、彼が昔から173に魅了されていたのは間違いありません。

- ネイスミス博士

許可を与えます。いささか奇妙な要請ですが、37年間の献身を鑑みれば妥当な措置でしょう。視線の確保の為に最低3人のDクラスを引き連れてください、室内か室外かの判断は任せます。

収容違反が発生した場合、O5評議会はあなた個人に責任を課すことになると理解してください。 - O5-11

SCP-173の収容室近く、ヘンダーソン博士は汗ばんだ手で段ボール箱を運んでいた。

「本当に準備は出来ていますか?」ネイスミス博士は聞いた。

「いや」ヘンダーソンは含み笑いをした。「この手の状況に準備が出来ている人間なんてどこにもいない。歯医者に行く子供みたいなものだ。母親がよく言っていたよ。」

「母親は何と?」

「心配事は脳みそに任せればいい、その間に全然違うことを足にやらせておけ、とね。」

ネイスミスは微笑んだ。「勇気というものを良く言い得ていますね。」

後ろにいた四人のDクラスは呆れた表情を隠さなかった。

「一つ聞かせてください」段ボール箱を指して、ネイスミスは言う。「どうしてそれを?」

「ずっと気になっていたんだ、ライル。答えは自明かもしれないけれど、科学者は自明と思ったことを確かめないものだからね。」

ヘンダーソンの隣にいた五人目のDクラス、D-42749は、「もう十五分だよ、くそ野郎め、さっさと中に入れるか結婚でもしてやれ!」と言うのをなんとか堪えた。

「成功を祈ります、アイゼア。」

「そちらこそ。さて、よろしければ…」

ネイスミスは部屋の側面にあったスイッチを切り替えた。「収容扉を開きます。オブジェクトと目を合わせた状態を常に維持してください。」ブザーが鳴り、収容室の施錠システムは機械音を響かせた。

「はあ、やっとだ」とD-42749はこぼした。


背後の扉が閉まり、D-42749とヘンダーソン博士の二人は、かの有名な鉄筋コンクリート製の破壊神そのものと対峙する格好になった。つい最近の清掃作業により、床は珍しく白いままだ。

ヘンダーソン博士は息を吐き、一層強く箱を掴んだ。「すまないが、42749、少し頼まれてくれないかな?」

D-42479は唸った。

「目を閉じるんだ。少し瞼を休ませると良い。」

「ネイスミス博士の指示は—」

「見ているのは一人で十分だ、それに私は年季の入ったにらめっこ大会経験者だ。目は閉じたかい?」

「ああ。」

長い深呼吸の末に、ヘンダーソンは決心を固めた。彼は瞬きをした…

…173の足元にバナナの皮一杯の箱をひっくり返した直後に。

ガコン!

何分の一秒か後にヘンダーソンが目を開くと、収容室の反対側でSCP-173はうつ伏せに倒れていた。D-42479は悲鳴を発した。彼は叫ぶのを止めなかった。

「これで安らかに死ねる」とヘンダーソンは言い、目を閉じた。

最後に彼が覚えたのは、コンクリートの塊が彼を27回平手打ちする感触だった。

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