北西太平洋支部 大規模気象操作作戦#4 "PRAPIROON"
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ピンポイント/局所的攻撃による異常発達台風の衰弱化作戦
(an debilitating oPeRAtion by a PInpoint/locally attack on an abnoRmally developed typhOON, PRAPIROON)


作戦責任者: 野分 宏文

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概要

本作戦は台風が何らかの要因で急激に発達し、勢力を維持したまま東アジアの島国・沿岸国・島嶼部に襲来し、甚大な人的被害・社会的及び経済的影響が発生、あるいは収容サイトが機能停止に陥り収容違反が発生する可能性が非常に高くなった場合1に発動する。台風及びその勢力に影響を及ぼす要因のみをターゲットとし、台風の勢力を襲来前に落とすことが目的となる。

なお、本作戦名である"PRAPIROON"はタイにおいて"雨神"を指す言葉である。


作戦内容

"PRAPIROON"は3段階に分けて作戦が展開される。以下はそれぞれの内容である。


PHASE 1: 改ティフォン型特務確保艦を用いた予想進路上の海水冷却

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航行するSSS-W008 スキュラ
改ティフォン型特務確保艦の1隻である

台風は海水温が26℃以上の時に発達あるいは勢力を維持するといわれている。PHASE1では予想進路上の海水を冷却し、海水からの水蒸気の供給を絶つことを目的としている。

使用装備はSCPSである改ティフォン型特務確保艦だ。この艦種の元になったSCPSティフォンはSCP-058-JPの収容で大いに活躍した艦船であることから知っている人も多いだろう。ティフォンには液体の急速冷却・凍結機能が備わっているが、改ティフォン型特務確保艦はその機能を改良し、海水の冷却能力に特化している。艦船によって若干の性能差があるが1隻あたり1km2の海域を3℃低下させるのに要する時間は90分程度である。また、波浪に対する耐性も強化されており、設計理論上は12mのうねりでも転覆しない。

その改ティフォン型特務確保艦を上図のように予想進路上に配置し、海水の冷却を行う。図はあくまでも一例であり、台風の勢力や速度、海水温の状況に応じて陣形や隻数はその都度変化する。


PHASE 2: 南方からの暖湿流遮断

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ミサイル発射訓練を行うSCPS(汎用確保艦)群

台風を構成する雲、すなわち積乱雲が発達する際は周囲に潜熱が放出される。潜熱によって周囲の空気が暖められた結果、上昇気流が発生することで気圧が低下し、空気が流入してくる。流入した空気は上昇気流に乗って積乱雲となる。その際周囲に熱が放出され、空気が暖められて……というように台風はこのプロセスを繰り返すことで発達あるいは勢力を維持している。これを第2種条件付不安定(CISK: Conditional Instability of the Second Kind)と呼ぶ。

問題は「流入する空気」である。台風が進行する海域では、ほとんどの場合温かい上に湿っている──つまり水蒸気量が多く、積乱雲が発生・発達する条件が整っている。この空気の流入を完全に止めるとまではいわなくてもある程度遮断出来れば台風の発達・勢力維持は抑えられるであろう。

そこで考えられたのがこのPHASE2である。流れは以下の通りだ。

1. ミサイル発射能力を有するSCPS(汎用確保艦)に"水蒸気凝結剤2"と"降雨促進剤"を積載した散布装置付きミサイルを収納、台風からの直接的な影響を受けない位置にまで移動する。

2. 各気象予報機関及び財団が保有する気象観測衛星群からの情報を基に、暖湿流に関するデータを解析し、目標地点を設定する。

3. 設定完了後、目標地点に向けてミサイルを発射する。目標地点に到達したミサイルは散布装置を起動させ、大気中に"水蒸気凝固剤"と"降雨促進剤"を散布する。その後は暖湿流がこれらの薬剤と反応するのを待つのみとなる。

なお、本作戦は停滞前線3の刺激や、暖湿流が直接日本に流れ込んで大雨4が発生するのを阻止する目的もある。


PHASE 3: B-52FSを用いた台風の消散

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B-52.jpg

B-52FS

台風が発達、勢力を維持する要因をある程度除去がされたと判断された場合にPHASE3が発動される。

グアムに存在するサイト-121から出発したB-52FSは高度15~16kmの対流圏界面まで上昇する。この高度は元となった機体であるB-52の実用限界高度にあたるが、この高度を飛行するのは以下のような理由がある。

  • 台風の気流を避ける。
  • 一般人及び要注意団体による活動の捕捉を避ける。
  • 擾乱5散乱弾が持つ力学的エネルギー総和を増加し、炸裂時のエネルギーに加え運動エネルギーを加算させる。

本段階で使用する擾乱散乱弾には降水促進剤も混合されており、炸裂によって台風内の気流を乱すと同時に、当該薬剤が散布される。万一、十分に気流を乱せなかったとしても降水を促進させることで雲の消失を狙っている。

WP-3.jpg

WP-3D

なお、擾乱散乱弾は台風の中心付近に落とす必要があるため、本段階では精度を求められる。その補助として台風内及びその周辺ではWP-3D6が常に飛行し、台風の中心位置を割り出す作業を行っている。下図はその大まかな飛行経路である。なお、WP-3Dが爆撃に巻き込まれることを避けるため、投下タイミングは限られている。

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以上が"PRAPIROON"の作戦展開とその内容である。



































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