オルメイヤー計画書は中央サーバー"十束"の表象領域に内包されたO5-A1の映像記憶に保存されています。 計画書には強度A++の暗号化処理が施されています。復号にはF5層の表象が必要です。 |
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[O5-A1-F1:OME001の復号中]
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F5層を含む表象領域の予備サーバー設置に関する計画です。 F5層は内包した人数に比例し、サーバーのヒューム値を上昇させる問題が発覚しています。RAISAの決定により、表象領域はSRA遮断フィルムによって被覆され、通常の現実強度を保ちます。報告された問題点から、予備サーバーは惑星重力圏外に設置することが決定されました。日本天体開発公社(YEGA)の協力を得ることになり、カササギ計画内で建造された探査機062-Aよって、予備サーバー"草薙"が小惑星AL120へ運搬されます。
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事案報告-001: 2003/11/16 恒星フレアによる探査機062-Aの機体損傷。表象漏洩の可能性が発生しました。交信途絶により機体は喪失し、カササギ計画および、オルメイヤー計画は中断されました。
事案報告-002: 2008/11/20 探査機062-Aが小惑星AL120に到達したことが判明しました。AL120の軌道と、探査機062-Aの通信に異常な関係性が認められ、AL120表層に現実改変の兆候が見られました。異常現象はSCP-1000-JPに指定されました。
探査機062-Aと予備サーバー"草薙"の物理的回収計画、ノストロモ計画が立案されました。当計画と同時に遂行されます。 事案報告-003: AL120表層に予備サーバー"草薙"の表象の漏洩が確認されました。AL120表層は過剰な正常空間が再現され、ノストロモ計画の作業員3名全て消失した模様。 ノストロモ計画の作業員が、予備サーバーを着陸船に接続したことにより、"草薙"との通信が可能になりました。オルメイヤー計画内では、着陸船ナーシサスは接続船と呼称されます。
復旧作業: 予備サーバー"八尺瓊"に保存された表象を用い、"草薙"の表象を沈静化させます。 第1次接続。F4層までの表象3名を"草薙"へ投入しましたが、実時間10分(領域内時間2日)で知性反応が全て消失しました。表象投入時、AL120の軌道変化を確認しました。警戒レベルに変更はありません。 第2次接続。人員を厳選し、F4層までの表象5名を"草薙"へ投入。実時間35分(領域内時間7日)で知性反応が全て消失しました。前回と同様、表象投入時に、AL120の軌道変化を確認しました。 投入表象の証言により、"草薙"内部の表象は地球への帰還を目指していることが判明しました。通信時に惑星の位置を把握し、AL120の軌道を変化させているものと推測されます。 回収されたメッセージ: 第2次投入表象群。
第3次接続。人員を調整し、F4層までの表象3名を"草薙"へ投入。うち1名はノストロモ計画の作業員と同一の職員です。実時間30日(領域内時間24年)経過後も、1名の知性反応を確認しました。 回収されたメッセージ: 第3次投入表象群。
予備サーバー"草薙"の表象は、少なくともF4層まで何らかの汚染を受けており、"草薙"自体をSCP-1000-JPに指定することが決定されました。 現在、IDNo.B4603の知性反応は消失しておらず、財団職員の表象にも汚染源の表象にも希釈されていません。"草薙"内部の動向は、汚染源の表象にも干渉が可能であることを示唆しており、IDNo.B4603の表象によって"草薙"の表象が沈静化される可能性を示しています。AL120表層の異常な環境が解消される可能性があるため、オルメイヤー計画の継続が審議されています。 対話は続けられる。 -O5-A3 |