奇妙なクラウドファンディング/ODD Crowdfunding

奇妙なクラウドファンディングODD Crowdfunding

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コウノトリプロジェクトProject Stork

我々グラトニック・アドバンス・グループGluttonic Advance Groupは、昨今の夢のアイデアの需要拡大に着目し、新たなアイデア産業の手法を発案しました。それは、胎児のアイデアの抽出です。

胎児はこの世に生まれる前の状態であり、殆ど現実に染まっていません。この為、彼らの有するアイデアは恐らく我々の知らない素晴らしいものになると推測されます。我々はその抽出を目指し、技術開発を続けています。

この手法の実現には、技術開発だけでなく産業ビザの発行や現実における胎児に関する情報の収集などを行う必要があり、多額の費用が必要です。よって、我々はクラウドファンディングを行いたいと考えています。皆さん、特に夢見/肉体持ちの方々からの資金援助をお待ちしております。


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2020/01/24 03:09 OceaNirvana 店内

「クラウドファンディング?」

「ああ。やってみないか、投資」

オネイロイ・ウェストの海に面するレストランにて、2人のオネイロイが食事をとっている。1人は掃除機であり、電源コードを器用に使ってフォークを持ち、サラダをホースの先に運んで音もなく吸引する。もう1人は青い長袖のワイシャツであり、こちらは両袖でフォークとナイフを持ちステーキを襟に運んでいる。出で立ちは奇妙なものの、どちらも上品に食事を楽しんでいるように見える。ワイシャツは一旦手を休め、掃除機に話しかける。

「……投資って言ったって、一体どの通貨を使えばいいんだ?フランスペソ?離脱ユーロ?」

「バカ、投資って言ったらオネイロイ夢ドルOneiroi Dream Dollarsに決まってるだろ」

サラダをホースの先に運ぶ手を休ませずに、掃除機が返答する。「そりゃそうか」とワイシャツは納得し、再びステーキを食べ始める。

「正直俺も全然投資には詳しくないが、今回はやってみる価値があるんじゃないかなって思うんだよ。何たってアイデア事業だぜ?」

「アイデア。……なるほど、そりゃお前が食いつく訳だ」

ワイシャツは半笑いで話す。ヤツはまだ肉体持ちだから、アイデアには目がないんだよな……。そう思いながら、彼は最後の一口を食べ終えて、フォークとナイフを皿に置く。満足げにため息をついて、彼は会話に戻る。

「それで?お前はいくら位投資するつもりなんだよ」

「そうだな、目標金額が確か5万だから……。1000ドル位かな」

掃除機も完食し、コードを上に挙げてウェイターを呼ぶ。ウェイターの服装をしたマネキン人形が、バレエのような足取りで近づいてくる。

「おいおい、結構出すじゃないか。そんなに金あるのか?」

「だから、お前に話を持ちかけたんじゃねえか。……サラダもう1皿頼む」

「了解シマシタ」

マネキンのウェイターは注文をメモし、再びバレエのステップで去っていく。ワイシャツは驚愕のジェスチャーをする。

「……お前、マジで言ってるのか?私だって別に金持ちって訳じゃないのはお前も知ってるだろうが」

掃除機がテーブルに身を乗り出す。

「わかってるって!でも、今投資しなかったら二度とアイデアを得られないかもしれないんだぜ?それに、金が無いって言っても純粋なオネイロイのお前なら肉体持ちの俺よりは蓄えがあるだろ?……頼む!この通り!」

掃除機は、ホースとコードを使って手を合わせるジェスチャーをする。ワイシャツは腕を組んで暫く考える。1000ドルなんてとてつもない金額だぞ?アイツが食べてるそのサラダが2000皿は食える。……でもなあ。そして、ワイシャツは返答する。

「……わかったよ、他ならぬ親友の頼みだ。ちゃんと返してくれよ」

「流石!ありがとうな、ダニット」

ワイシャツ──ワイ・ダニットY. Donnitは無言で頷く。そして、空中をダブルタップしてバンクアプリを開き、預金残高を確認する。1316ドル……足りるは足りる。後は負担する金額の比率だけだな。彼はアプリ右上のバツボタンをタップし、アプリを閉じる。

「オ待タセシマシタ、おーるみーとさらだデス」

「おっ、サンキュー」

ウェイター姿の、今度は踊らないマネキンがサラダをテーブルに乗せる。マネキンが完食済の皿を片付け、テーブルを離れていく。

「……じゃあ、その出資先について聞こうか」

ワイシャツがテーブルに肘をつき、掃除機に話しかける。兎に角、まずは内容を聞かないと始まらないだろう。掃除機は再びサラダをホースの先に運びながら、今回の投資について話し始める──


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VacationCleaner @VacationCleaner


このレストランのサラダマジで最高
#OceaNirvana


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2020/01/24 3:16am


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2020/01/24 03:22 クリーナー自宅

バンスターターBanstarter。オネイロイ・ウェスト最大規模のクラウドファンディングサイトであり、多くの企業やグループが利用している。今回のクラウドファンディングもこのサイトが使われており、2人はこのサイトにアクセスしていた。

「それで、えー、そのグループは何て名前だったか?」

Gag猿ぐつわ

「は?」

「いや、ごめん、ジーエージー。グラトニック・アドバンス・グループ」

空中に浮かび上がるスクリーンを見ながら、掃除機とワイシャツが会話している。掃除機は音声入力で「グラトニック・アドバンス・グループ」と検索し、GAGのポータルページを開く。2人は黙ってそのページを眺め、ワイシャツが「ここだな」と発言する。ワイシャツが指差した──いや、袖差した場所には、確かにコウノトリプロジェクトと記載してあった。掃除機がそこを開くと、コウノトリプロジェクトの概要が表示された。

「……お、あったあった」

ワイシャツは、高額出資者への特典欄を発見する。彼が探していたのは、そこにある疑似夢界の1時間レンタルという文字列だ。

「疑似夢界なんて中々手に入るものじゃないからな。こういうのは嬉しいもんだよ」

「やっぱり、お前も胎児のアイデアに興味があったりするのか?」

「いいや。ただ単に前みたいに夢を見てみたいだけだよ」

そう語る彼も、内心少し胎児のアイデアとやらに興味を抱いている。恐らくヤクみたいなものなんだろうが、それでも1回でいいから体験してみたくない訳でもない……というように。だが、それ以上に魅力的なのは特典だ。肉体を捨てるということは自分の夢界を失うことと同じであり、基本的には自由に改変できない他人の夢に居続ける他無くなるという欠点がある。その為、肉体を失ったワイシャツは再び自由な夢へ戻ってみたいのだ。

「……それで、結局幾ら出せるんだ?」

ワイシャツが掃除機に訪ねる。掃除機はばつが悪そうに少しもじもじした後に答える。

「あー……300ドルぐらい?」

「7:3かよ。全く、まあ出せるから出してやるよ。言っとくが、あくまで『貸し』だからな。ちゃんと返すんだぞ」

「わかってるって。ありがとな、親友」

掃除機もまた、高額出資者への特典を確認する。そこには、アイデア無料インストールチケット3枚とも記載してあった。肉体を持つ彼は、やはり胎児のアイデアに惹かれているようだった。

「そのチケットでアイデアを受け取れるんだっけか」

「そうそう、出資者全員にもらえるからお得だよな、これ」

掃除機が規約ページへのリンクをタップし、新しく開かれた規約ページタブを熟読する。ワイシャツも、彼の横でそのページを見つめている。普段なら読み飛ばしてしまうところだが、大金を払う以上スルーする訳にもいかない。

数分後、2人ともその内容を読み終える。バンスターターという大きなサイトだけあって、内容に不審な点は無かった。どうやら手数料もかからないらしく、ワイシャツの高い出費の想定は杞憂に終わった。

「……大丈夫だな?ダニット」

「ああ。そっちもいいな?クリーナー」

互いに覚悟を問い、互いに頷く。既にレストランで同意したとはいえやはり高額の出費な為、どうしても2人とも緊張してしまう。そして、掃除機がスクリーンをワイシャツに見えないように移動させ、作業を開始する。既にワイシャツが掃除機の口座へ700ドルを振り込んでおり──振込手数料は流石に掃除機負担だ──後は掃除機がその金をGAGに支払うだけだ。張りつめた緊張感と沈黙が部屋を包み、掃除機がスクリーンを操作する電子音だけが響く。

どれくらい経っただろうか、掃除機のコードが動きを止める。そして、大きなため息が部屋に響いた。

「……どうだった?」

ワイシャツが尋ねる。掃除機は大きくうなだれ、暫く黙っている。ワイシャツが、息を呑むような声を出す。

「……成功。払えたぜ!1000オネイロイ夢ドル!」

「うおおお!」とワイシャツが雄叫びを上げ、掃除機の肩──正確にはダストボックスの上面に手を置く。掃除機もワイシャツの肩にホースとコードを置き、2人はステップしながら回り始める。2人は、初めての投資をちゃんと完了できたことに大興奮だった。


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VacationCleaner @VacationCleaner


ついにクラウドファンディングに出資できた!はやくチケットもらえねえかなあ
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2020/01/24 3:39am


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2020/04/08 01:48 インプラント・ストリート

あれから暫く経って、掃除機からワイシャツの元にメールが届いた。「特典が届いたぞ!」というタイトルだった。本文にはファイルを添付した旨が書かれており、彼が確認すると添付ファイルに圧縮されたファイルが1件あった。解凍すると、そこには、1枚の疑似夢界レンタルチケットが入っていた。あの後、掃除機とワイシャツで話し合って決めた分け前の通りの内容だった。

ワイシャツは大慌てで疑似夢界レンタルチケットを手に取った。そこには確かに、疑似夢界レンタルサービス「リターニア」の名前が刻まれていた。自分が欲しかったものが無事に届いたことを彼は喜んだ。そして、掃除機に「次の夜はアイデアを体験してから来てくれ」とメールした。折角私も体験することができるんだから、体験はしてみたい。でも、まずは掃除機の感想を聞いてからにしよう。そういう考えからだった。

翌日、ワイシャツはよく遊びに来るインプラント・ストリートで掃除機を待っていた。しかし、待ち合わせの時刻になっても掃除機が来ない為、少し不安げに辺りを見回していた。1時間以上経って、ようやくストリートに掃除機が現れた。

「おい、どうした?やっぱりアレは良くなかったのか?」

ワイシャツが心配そうに訊く。しかし、掃除機はうなだれたまま答えない。ワイシャツは更に不安になり、掃除機に近寄る。

「なあ、何があったんだ?」

「……正直、あまり覚えてねえんだ。でも、自分の夢の中で、何かとんでもなく恐ろしいものを見た気がする」

「恐ろしいもの?」

力無く掃除機が頷く。これは重症だ。ワイシャツは考えを巡らせ、提案する。

「取り敢えず、どっかで座ろう。最近オープンしたカフェとかどうだ?」

「……そこにする」

そうして、ワイシャツは掃除機を近くのカフェに引き連れていく。店員の機械的な挨拶を無視して、彼は2人席に掃除機を座らせて、その反対側に座る。

「お前は……アイスティーだな?」

掃除機が黙って頷く。ワイシャツが店員を呼び、「アイスティー2つ」と注文してから掃除機に話しかける。

「……で、だ。お前、あのアイデアを使って何を見たんだ?」

暫くの間、周囲の雑音だけが響く。しかし、沈黙に耐えきれずに掃除機が話し始める。

「……さっきも言ったけど、殆ど覚えてねえ。チケットにあったんだ、夢見の記憶野には長時間残留しない可能性がありますって」

そんなことが書いてあったのか……。そう思いつつ、ワイシャツは相づちをうつ。

「でも、むちゃくちゃ恐ろしかったのはよく覚えてるんだ。言葉ではとても言い表せないような、もう、狂った悪夢だったよ。コロナウィルスで暇だったから早めに見ようと思って見ちまったけど、すごく後悔してる。……でも、本当に恐ろしいのはそこじゃない」

「違うのか?」

掃除機がアイスティーを一口に──もとい、一ホースに飲み干す。ワイシャツは軽く襟をコップにつけて、掃除機の話に聞き入っている。同時に、検索エンジンを起動して胎児のアイデアについて検索をかける。

「……また見なきゃ、って思っちまうんだよ。見たい訳じゃない。義務感が、何とも言えない義務感があるんだ」

「それは……気味が悪いな」

「ああ。でも、ありがとな。お陰でちょっと楽になったよ」

「良いって」

ワイシャツが、アイスティーを襟に流し込む。掃除機はため息をつき、コードで肘をつくジェスチャーをする。ワイシャツは、検索結果から気になるコメントを見つけ、タップする。


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エントロピー・エンゲロープ

胎児のアイデアなんてやめた方が良い。奴らは天使で、語源通り神の御使いだぞ?赤ん坊が一体どのノウアスフィアから人類のノウアスフィアに乗り換えるのか知らないのか?

Upvote Reply +2 - 2020/04/08

ワイシャツは、それを掃除機に見せる。掃除機は無言で暫くそれを見つめた後、ため息をつく。

「……やめとくか、これ」

「少なくとも、私はやめた方が良いと思う。得体の知れないものはほっとくのが一番だろ」

「……うん、そうだな」

掃除機は安心したように頷き、席を立つ。それと同時に、ワイシャツもアイスティーを飲み干した。

「ありがとな、助かったよ。流石に今日は俺が払うから」

「おう」

言葉通り、今日は珍しくアイスティー代を掃除機が支払った。本当に落ち込んでたんだな……。そう思いつつ、ワイシャツは掃除機とストリートでの予定を話し合い、遊びに出掛ける。遊ぶにつれ、掃除機は少しずつ本調子を取り戻していった。


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マジで嫌な夢を見たもんだ あれは、一体何だったんだろう
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2020/04/08 6:23am


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2020/04/16 00:57 微分広場

2人がいつも来ていた微分広場で、ワイシャツは慌てて何かを探していた。来る人来る人に質問してみたり、フーター上で拡散希望のハッシュタグをつけてフートしてみたりしながら、必死にそれを探していた。だが、色々な場所を2時間も探したにも関わらずそれを見つけることができず、最後の希望であるこの広場でさえも手がかりを見つけられずにいた。

「……どこ行ったんだよ……!」

やがて彼は疲れ果て、広場の椅子に倒れるように腰かけた。オネイロイとはいえ、2時間以上ぶっ続けで走ると流石に疲れてしまうのである。そして、空中をダブルタップして、フーターの画面を開く。すると、通知が1件入っていた。まさか!?彼は通知画面を開き、全く関係ないフートに1いいねがついたことを確認し落胆した。

「……なあ、あんた大丈夫かい?」

「え?……は、はい、気にしないでください……」

気がつくと、隣に座っていた黒人女性のオネイロイが話しかけてきた。心配させてしまったことを申し訳なく思い、彼は立ち上がろうとするが──

「待って。あんた、もしかしてこのワイダニット111じゃ……」

「い、111。私ですね、それ……」

息を整えながら返答する。女性は、持っているスマートフォンを閉じて再び話しかけてくる。

「ねえ、今ちょうどリプしようとしてたんだけどさ、青い掃除機を──」

「見たんですか!?どこで!?」

ワイシャツが今にも掴みかかりそうな勢いで女性に迫る。彼女は少し驚きながらも、落ち着いて話し始める。

「ついさっき、あそこのマンホールを通って地下に行ったよ。でも、ここの地下って……」

「ありがとう、助かりました!」

ワイシャツは、彼女の言葉が終わる前に再び移動を始めた。そして、彼女が指し示したマンホールを開けようとして──その下にあるものを思い出し、思わず硬直する。

「……ま、まさか」

「ねえ、本当に大丈夫?あんた」

女性が、ワイシャツの方へ心配して近づいてくる。ワイシャツは自分の想像に震えだす。そして、彼は彼女に涙声で訊く。

「……ねえ、このマンホールの先って……オーバーディープじゃ?」

「そうだよ。あんなところに行くなんて物好きがいたもんだなあ、と思って」

それを聞き、いよいよワイシャツは崩れ落ちる。女性が彼を心配する声も、あまりにも大きな絶望の為に彼の心には届かない。

オネイロイオーバーディープ。そこは、本来であれば肉体持ちが立ち入ってはならない区域である。立ち入った肉体持ちは殆どが汚染され、肉体とオネイロイが剥離したり、オネイロイ自体が腐敗して消失することになる。非肉体持ちにも腐敗の影響が及ぶことはあるが、そんなことは今回関係ない。大事なのは、肉体持ちが行けば大変なことになるというのを掃除機はわかった上であそこに行った、という事実だ。

ワイシャツが彼の自室を訪ねた時、部屋のロックはかかっていなかった。ワイシャツが入ると、そこはストレージさえ、フーターを表示したスクリーンさえ開いたままの状態だった。そして、ストレージにも、部屋の中にも、無料体験チケットは1枚しか残っていなかった──全部で3枚配られていたチケットが、この前使った1枚の他にもう1枚消えていたのだ。それを見て、ワイシャツは直感した。あいつ、また悪夢を見ようとしやがったんだ。そうして、彼は掃除機の家を飛び出して、あちこちを探し回ったのだ。その結果が、これだった。

彼は、人目もはばからず、その場で号泣し始めた。親友が、自分が手伝ったせいで自殺した事実を、彼は受け止めることができなかった。


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VacationCleaner @VacationCleaner


ごめんな
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2020/04/15 21:17am


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2020/04/18 13:56 リターニア、疑似夢界ユニット

「それでは、疑似夢界の構築を開始します。リラックスして、己のオネイロイをこわばらせないように……」

リターニアの職員が、優しい口調でワイシャツに語りかける。彼は不思議な空間の中心に浮かんでおり、これから疑似夢界を体験する。オネイロイの中には、あの忌々しいチケットによって手に入れたアイデアが巡っている。それはまだ形となるまでに至っていないが、このままでも暫くすれば形となって彼に強烈な何かを与えるだろう。だが、それは彼が──掃除機が見た光景じゃない。彼は、あのアイデアによって見た悪夢によって自殺を決めたのだ。

ワイシャツ自身に自殺願望は無い。だが、彼はあの明るい掃除機を自殺にまで追い込んだ悪夢とは何かを知りたがった。ネットワークを通じて調べた情報でも、殆ど大した情報は得られなかった。兎に角、ワイシャツは掃除機が最後に何を見たのか知りたかった。せめてそれさえ知ることができれば、スッキリする。そういう、どうにもならない確信を抱かざるを得なかったのだ。アイデアどもが蠢くのを感じる。彼は深呼吸して、ゆっくりとそのオネイロイを空間に任せる。彼は少しずつ空間と同一化していく。やがて、空間は少しずつ暗くなっていき、向こうに1つの光が見え始める。あれか?あれが、クリーナーの言っていた悪夢か?彼は、思わずその光に手を伸ばす。そして、光は一気に彼のオネイロイを包み込み──

















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ワールドニュース

コウノトリプロジェクトの関係者、次々とオネイロイオーバーディープへと身投げ

警察は生き残ったグラトニック・アドバンス・グループのメンバーを確保し、事情聴取を進めている


先日バンスターターで行われたクラウドファンディングの出資者や資金調達者達が、次々とオネイロイオーバーディープへ身投げしていっている。彼らは皆うつのような症状を示しており、また一部は狂乱状態にあったという情報もある。警察はこれらの原因を、グラトニック・アドバンス・グループが「胎児のアイデア」と呼ぶ未知のミームであるとして調査を進めている。


先日の速報以降に警察が発表した、行方不明になっている関係者は以下の通りである。

  • エイブラハム
  • ボビン・スクリーム
  • ヘイロー・ハイ&ロー
  • バケーション・クリーナー
  • ヴィシュナトー
  • ワイ・ダニット
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