凍りついた記憶のカラス、ムニン
rating: +3+x

アイテム番号: 未定。別名<ムニン>

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 物理的には危険はありませんが、非常に知的な生物であり特殊な情報リスクがあるため、第██指揮部██-█保管ユニット内に収容してください。対象からの要求に応じて、世界各国からのニュースを放送する27台のテレビがユニット内に配置され、[編集済]より発刊されている日刊紙が毎日配達されます。サイト内でクリアランスレベル3以上の研究者にのみ発行されるキーカードを使用した場合のみアクセスが可能で、対象との接触はすべて動画に記録されます。対象との会話の試みは、2人以上の監督の元でのみ可能です。キーカードを紛失した場合、すべての研究者のものを回収しパスワードを再設定する必要があります。

部外者がユニット内に侵入した場合、部屋は直ちに封鎖され、武装した機動部隊がそれを抑制するために派遣されなければなりません。ただし、別のカラスがこの収容対象に接触した場合、監視と記録以外の行動は禁止され、直ちにO5に報告されます。

説明: 対象は体高およそ██センチメートルの比較的大型のカラスであり、平均的な同型のカラスが食べたり飲んだりするような物は一切口にせず、収容ユニットに佇んでいます。その代わりに新聞を食べることが可能であり、少なくとも新石器時代からの知識を持っていることを示しています。このカラスは、一連のイベントを通じて北ヨーロッパ、█ ██山の地下遺跡で発見されました。詳細については、付録「発見記録報告書NE-M08」を参照してください。

対象は人間の言葉で話すことが確認されていますが、会話の主題はほぼ古代北ヨーロッパにおける戦争の話に占められています。記録C09-61では、パーソロン族とフォモール族との激しい戦いと勝利、その後の疫病の流行による前者の全滅についてが詳細に説明されています。会話は対象が一方的に主題を設定しているために、他の主題についての会話記録はほとんどありません。

事件NE-M76後、収容対象はこれまでの接触を拒否し、ただ座っているようになりました。(付録を参照)

補遺

アイスバーグ博士: 何故僕が北極まで行って苦労しなくちゃならないんだ?新規のSCP調査は僕の仕事じゃない。

█ ██博士: それが……今回はより特殊なケースなので経験豊富な研究者を派遣するように、との上からの命令で……。

アイスバーグ博士: おい、それでっち上げだろ!何で僕が死ぬほど寒いとこに行かなきゃならないのかはっきり言えないのか?

█ ██博士: ……あなたの名前がこの任務に相応しいから、とのことです。

アイスバーグ博士: ……。

█ ██博士: ……。

アイスバーグ博士: ……なあそれ、ブライトが言ったんだろ、違うか?

発見記録報告書NE-M08の概要
作成者: 匿名
概要の概要: 本文に比べ概要の方が長い。
発見したときの概要: 事件は20██年██月█日に発生しました。発端は██-██研究エリアの食堂にて食事をとっていたEクラスエージェントの1人が「おい!俺たちの仕事がテレビに映ってるぞ!」と叫んだことでした。

テレビでは、喋るカラスがこの地区の住所を叫びながら絶えず「ここに連れて行ってくれ。」と話しているニュースが放送されていました。この事件は司令部への渉外に直接連絡され、O5を含むSCP財団全体に大きな混乱を引き起こしました。

この喋るカラスを収容する為にすぐさまエージェントが招集され、最初の発見者と報道機関の関係者を含む合計57名にクラスAの記憶処理が施されました。カラスのロボットとエージェント████が詐欺師を装ってニュースに出演しました。そのため「喋るカラス」事件は馬鹿げたものとして終わりました(エージェント████は優れたメディア管理スキルを認められ、関連部門に昇進しました)。██-██研究エリアは閉鎖され、███エリアへと移動しました。

喋るカラスは司令所██に移され、ノルウェー██の███山に言及し、そこに遠征隊を派遣するよう要求しました。「王座にあるものを持ってきてくれ。」とカラスは話しました。サイト管理者はこの声明の信頼性を疑いカラスに尋問を行った結果、記録XX309-2732が作成されました。

遠征はすぐさま組織されました。アイスバーグ博士が遠征隊のリーダーに選ばれた後、彼はカラスの詳細な風景の説明を記録し、ノルウェーに向けて出発しました。彼らが離陸した直後、カラスが司令所から脱走しました。調査の過程で、このカラスが高い知能を持つことが発見されました。

計画の失敗の責任を叱責されたクロウ教授と、事件がまったくの予想外の方向に進んだという言い訳をするように頼まれたXX研究員へのインタビュー

クロウ教授: ねえ、君は一体脳みそをどこにやったんだい?

XX: 我々は可能な限りの収容手順を講じました。つまり「収容室は完全だった」という意味です。正面入り口はオートロックが掛けられており、カラスを収容した状態ですべての窓と通気口は塞がれていて、入室にはレベル3のクリアランスレベルのカードキーが必要です。

クロウ教授: でもカラスは逃げちゃったじゃないか!

XX: ええ、予想外の出来事が起こりました。

クロウ教授: どういうこと?

XX: カラスはただ─鍵を開けて出て行ったんです。

アイスバーグ博士はノルウェー行きの飛行機の中でこの知らせを聞き、騙されたと憤慨していました。近くにいた研究員は彼が財団全体を罵倒していたという証言をしました。ブライト、このクソ野郎が、次に報告書にいらないことを書いたら絶対にぶっ殺すからな。

ごく簡単な発見記録: 完全にアイスバーグ博士の証言に基づいている。

カラスが言及した██山の地下でトンネルを発見した。アイスバーグ博士はそれを「氷の宮殿」と表現した。
宮殿の中では豪華な宝物や武器が発見されたが、それらはすべて固い氷の中に閉じ込められており、装備なしで回収することは不可能だった。
宮殿の最奥部でカラスの説明と一致する青い玉座が見つかった。その上に、ええと、身動き一つしないカラスがいた。

記録02-33

XX: 博士!あそこに青い玉座が見えます!ノートに書かれた情報とまったく同じです!

アイスバーグ博士: さてさて、僕のこの耐えがたい旅行にどれほどの価値があったか見に行こうじゃあないか。

(氷の上を歩く音)

アイスバーグ博士: 座ってるのが王様だろうがなんだろうが、一発ブン殴ってやる。

(歩みが止まる)

XX: ……カラスだ!

アイスバーグ博士: ……

XX: こんなに寒くちゃカラスも耐えられないだろう……(カラスの音)なんてこった生きてる!驚きだ!

アイスバーグ博士: ……

XX: あの、博士?

アイスバーグ博士: この█野郎のためにわざわざこんなとこまで来たって言うのか?小賢しい鳥頭野郎焼き鳥にしてやる!

カラスを回収してから残りのものを持ち帰ることに同意したアイスバーグ博士と遠征隊は宮殿から立ち去った。しかしそこを出ると入口だった洞窟はすぐに崩れて塞がってしまった。その後、大型の設備を使って現場を掘り起こしたが何も見つからなかった。

*注 この記録はアイスバーグ博士によって一度改訂されています。

報告書NE-M76の概要

作成者: ██████

これはカラス、ムニンの回収から2週間後に発生した事件の記録です。

ムニンが第██指揮部保管ユニットで隔離されてから13日目の正午頃、保管ユニット内に別のカラスが(以下「カラス」と表記。保管中のカラスは「ムニン」と区別する。)セキュリティを突破して侵入したことが確認されました。このカラスはかつて指揮部を脱走した個体と同一と見られています。同施設内で職員の再教育を行っていたクロウ教授が駆けつけて保管ユニットへ侵入すると、カラスはクロウ教授に「動くな」と告げ(この際英語を使用)、その後クロウとムニンとの会話は2分間続きました。

ムニンはクロウ教授に南アフリカのエージェントと早急に話をするよう要求しました。クロウ教授が理由を尋ねると、ムニンはSCP-169と関係があることを示し、まずは移動特殊部隊ガンマ-6のエージェントを少なくとも40人、警戒態勢を持って派遣することを望みました。クロウ教授はすぐ彼らに連絡し、このカラスの要求に応じて救命ボートを分割しSCP-169群島へと移動するように命じました。

カラスは「ミッドガルの蛇を雄牛の頭に触れさせてはならない」という言葉を繰り返していました。クロウ教授はこれが何を意味しているのか分かりませんでしたが、ガンマ-6からSCP-169周辺で牛肉を運搬していた貨物船が座礁しているという報告を受けると状況を把握し、彼らに群島周辺に牛肉が流出するのを全面的に防ぐよう指示しました。ガンマ-6は網を利用して周辺の海域を封鎖しました。

当時、SCP-169の周辺では余震が続いていました。それはダイバー達が全ての牛の頭を回収したのちに収まりました。状況の終了報告を受けたカラスは職員による合同捕獲作戦にもかかわらず悠々と施設を脱出。ムニンはこの時点より研究員らと何の会話も行っていません。

特に指定がない限り、このサイトのすべてのコンテンツはクリエイティブ・コモンズ 表示 - 継承3.0ライセンス の元で利用可能です。