ああ、そうとも。そうだ、おそらく私こそが君が会いに来た者だろう。君が来ると思ってたよ、率直に言って。おい、頼むよ。そこに座らないでくれ。静かにやりたいんだ、でも君は… まあ、とにかく、そこに座るなら騒ぐのはやめてくれ。ストレスは真っぴらだ。
そう、私にはタトゥーがある、そしてもちろん、君に見せたくなんかない。どっちかというとプライベートなものなんでね。ここや、往来なんかでこれを見せると私はひどく恥ずかしくなるだろう、そしてその恥ずかしさは私を…いや、今のはとりあえず忘れてくれ。後で分かる。
正直に言うと、安心しているんだ。私はここ一週間、誰が私を見つけるか考えながら放浪していたんだ。話を聞いたぞ、ほら、君と、GOCと、あとなんとかいうクラブ?マーシャルだったか?とにかく、そういった連中が私に何かいいことをするとはとても思えないね。
ところで、私達は何処に行くんだ?君は特に伝えたくないことは知っているが、アイデアが欲しいんだ。驚かされるのは好きじゃない。もうそんなのは全く楽しめなくなってしまった。
すまないが、煙草を吸うのはやめてもらえないかな? いや、私は喘息ではないんだが、やめておいたほうがきっと良いと思うんだ…ほら、君の健康のためにさ。もう少し気をつけたほうがいいと、私は思うな。
ああ、そうとも。私はどうやって施設から出て行ったのかわからないんだ。裏通りで目を覚ました。意図的に解放されたか、あるいは誘拐かも知れない。または… そう、もし私を運ぶとき、注意を怠ったら…コトが起こってしまうんだ。いいかい。
ミスター・レッドは居ない、だろう?私…私はミスター・レッドと会うのは、もし居るなら気が進まない。敢えて言うと、彼は誰に対しても碌なことをしない。
水を持ってないか?ただ、のどが渇いたんだ…あと、すまない。身体がすこし暖かくなってきた。多分離れて観ていたほうがいいぞ?そこには座らない方がいい。君の煙草もいいことないぞ。おい、別に頑固な態度を取ろうというわけじゃないんだが…
おやまあ。またやってしまったか。すばらしい若者だったんだが。
おや、もしもし。君はこいつの友達か?ああ。そうだ。分かった。いや、私は彼に警告しようとしたんだが。
私の名前?私はミスター・もえやすい。君に会えて嬉しいよ。握手しなくて申し訳ない。
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