オウオ
爺さんの
不死鳥
ガンボ
“死想通りを味わおう”は
ウォルドン・スタジオの
地域提携パートナーです。
文責: エリオット・モーティマー
9分で読了可
⭐⭐⭐⭐⭐

Info
タイトル: 死想通りを味わおう: オウオ爺さんの不死鳥ガンボ
翻訳責任者: C-Dives
翻訳年: 2026
著作権者: Uncle Nicolini
原題: Savoring La Rue Macabre: Ol Owuo's Gumbo
作成年: 2024
初訳時参照リビジョン: 15
元記事リンク: ソース
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更新: 2025/12/30
モーティマー女史は本来、ウォルドン・スタジオからの報酬を受けて、アンブローズ・ノラのグランドオープンに出席する予定となっていました。しかし、彼女は代わりにこちらの料理店についてのレビューを執筆し、契約違反となりました。
彼女は当初この行為を理由として解雇されましたが、ラ・リュー・マカーブラー関係者の方々からの強い抗議に鑑みて再雇用されました。ウォルドン・スタジオを代表して、今回の不誠実な判断をラ・リュー・マカーブラーの皆様に深くお詫び申し上げますと共に、モーティマー女史に対しても改めて陳謝いたします。
今後ともご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。
リア・ウォルドン
ウォルドン・スタジオ CEO
食にとってのラ・リュー・マカーブラーは、異常芸術アナートにとってのスリー・ポートランド、夏にとってのペケーニャ・ハバナ、そして強いて言えばテクノロジーにとってのユーテックのような存在である。ここまで読んだ方々は既にお察しだろうが、ここの料理は死ぬほど美味いのだ。時には文字通りに!
幸いなことに、ラ・リュー・マカーブラーでは、アンブローズの系列店も、お高く留まったマーシャル・カーター&ダークの富裕層向け料亭も見かけない。エメリル・ラガッセやその同類の高級シェフは、この地域ではヴェール内のごく狭い片隅にたむろする傾向がある。その主な理由は、ここら一帯の沼地に住まう者たちが、生者も死者も等しく、地域の富裕化ジェントリフィケーションに対して根強い抵抗感を抱いているからだ。そう、ここでは皆がお互いを支え合っている。物語を語りがたる人をナンシー爺さんのもとへと案内するパパ・レグバも然り、仲睦まじく暮らすフォンテイン一家も然り、私たちのささやかな楽園は外の世界の冷笑に抗い続けてきた。
そして、私はそれ以外の在り方を望まない。

本日の“死想通りを味わおう”では、海賊ジャン・ラフィットの墓からボートで約15分のバイユーにあるささやかな小屋、オウオ爺さんの店をご紹介しよう。オウオ爺さんはかつて死霊術師ネクロマンサーであり、現在は不死魔賢リッチなのだが、既に死に体の (ダジャレをお許しあれ) 死霊術業界から足を洗ってアカディアフェニックスの畜産農家に、そして今は野心的なレストラン経営者へと転身した。予約制で、比較的辺鄙な場所にある小さな店舗なので、客は一晩に最大10名までしか受け付けていない。
ラ・リューの沼地では迷子になりやすい。そこを住処と呼ぶ霊魂たちが数多く彷徨っているから尚更だ。なお、ジャン・ラフィットの亡霊に道を訊ねることもできるが、幾らかお金を払わなければ正しい道筋は教えてもらえないので要注意。私が手の切れるような20ドル札をチップとして手渡すと、彼は未知の手段でそれを瞬時に金塊へと変化させ、呪われた財宝の山に加えると、「鳥の声を追え」とだけ言った。
当然ながら、ここは霊域なので、もし読者諸氏がオウオ爺さんの店を訪れようとするならば、ラフィット船長の指図は必ず異なるものとなるだろう。ひとまず、私に下された指示は上述した通りだ。どのように解釈していただいても結構。

私は約束通り、開店5時間前の午後1時頃に到着した。アカディアフェニックスの死骸を持って小屋から出てきたオウオ爺さんは、満面の笑みを浮かべて心から歓待してくれた。たちまち、ニューヨーク・タイムズ・クッキング時代に体験したアンブローズとMC&Dの共作料理、フェニックス・ア・ラ・モードを思い出した。彼らがあの料理を私に誇らしげに披露した後、さっさと厨房に引っ込めた日のことを。
あの時、どうやって不死鳥の息の根を止めて肉を採ったのか訊ねたら、アンブローズの給仕は即座に話題を変えた。そこで、オウオ爺さんにも秘訣を訊いてみることにした。驚いたことに、彼はあっさり答えてくれた。「嘘はつかねえよ、お嬢さん、全部この“死を呼ぶ指”のおかげだ。そうそう、できれば挨拶ついでに握手したいとこだが、手を振るだけで勘弁してくれや。」 疑問が解消された私は丁重に手を振り返し、彼に続いて小屋へ入った。
ラ・リューの僻地にあるこの種の小さな住居の多くが伝統的にそうであるように、小屋の中は外見よりも広かったが、それでも質素で素朴な雰囲気を保っていた。一番質素と言い難かったのは、片側に厨房設備を備え、反対側が座席の役割を果たす、滑らかな木材のカウンターだった。私は着席し、オウオ爺さんがアカディアフェニックスを捌くお手並みを見守った。
オウオ爺さんは、アカディアフェニックスとシベリアヒノトリの微妙な差異を解説してくれた。どちらも寒冷地が原産だが、アカディアフェニックスはより温暖な気候や養殖環境にも適応している。彼はまた聖なる三位一体についても語った - ビッグ・イージーに住んでいない者にとって、それは即ちセロリとタマネギとピーマンであり、ニンニクが教皇の役割を果たすのだそうだ。彼はキリスト教徒ではないが、これら4つの食材が調和して生み出す調べこそが、人を神の御許に近付けるのだと信じている。
ラ・リューの常駐料理評論家である私は、聖なる三位一体と教皇を幾度となく共に味わってきたし、超味覚の持ち主として、その一体感にしばしば法悦を感じてきたものである。
下拵えをしながら、オウオ爺さんは過去を語り始めた。「昔の俺ぁ、とんだワルだった。ありとあらゆる汚え事に手を染めて自分の魂宿りの匣フィラクテリーを埋めてきた。水曜日に生まれちまうと、それからは一生悪しき所業ンセム・ボーンが付いて回るんだ。」 私は彼に、自分も悔やんでいる過去はあるが、未来へ向かう以上はそれに縛られるべきではないと言った。彼は私の言い分に納得がいかない様子だったので、それ以上は触れず話題を変え、私のために作ろうとしている料理の由来を訊ねた。と言うのも、この時点ではまだ、何を調理しているか分からなかったのだ。1
オウオ爺さん曰く: 「俺が今あんたに作ってるガンボには歴史がぎっしり詰まってるんだぜ。あのな、ガンボってのはクレオール風とケイジャン風の2種類がある。ケイジャンてのはフランス領アカディアからここらに移住して、今こうして調理してる不死鳥を連れてきた連中のことさ。でも、俺が得意なのはクレオール風ガンボだ。クレオールてのはこの地に定住したフランス人とか、スペイン人とか、奴隷として連れてこられたアフリカ人を指す。ところがもっとややこしいことにだ、ヘヘッ、果たしてガンボがチョクトー族2の伝統料理なのか、それともケイジャンやクレオールの創作料理なのか、実は分かってねえのよ! Cの字ばっかりで混乱させちまったならすまんな。」
私は良く呑み込めたと請け合い、彼は調理を続けた。4時間に及ぶ調理中、私たちの話は弾んだ。オウオ爺さんは過去を捨て、善きことに才能を活かしたいという希望を語った。遥か昔に故郷から引きずり出され、異郷に無理やり移住させられたゆえに、チョクトー族には親近感を覚えているとも述べた。アンブローズとMC&Dを軽蔑していると言い、「俺たちの美しい世界に蔓延る害悪だ」と呼んだ。
私のために美しい哀歌さえも歌ってくれた。
Salangadou, Salangadou
Salangadou, Salangadou
Kote piti fi la ye?
Kote piti fi la ye?
Kote piti fi la ye?
Kote piti fi la ye?
La ye?
哀歌は幽玄な響きを帯び、奴隷貿易の惨禍と、人々を束縛することで生じた取り返しのつかない傷を想起させた。
数時間が過ぎた。
やがて調理が完了し、オウオ爺さんは上機嫌で皿を差し出し、私はそれを貪るように平らげた。アカディアフェニックスの肉には、シベリアヒノトリ、或いは鶏肉や鴨肉と比べても実に繊細な風味がある。より野性味があり、微妙で奥ゆかしい。秘伝のスパイス配合について訊いてもオウオ爺さんは教えてくれなかったが、私の天賦の才のおかげで大半は特定できた。時間を割いてくれたことに謝意を伝え、思わず抱きしめたい衝動に駆られたが、彼がリッチだという現実を思い出して踏みとどまった。
私は腹も心も満たされ、親愛なる読者諸氏の参考になるように彼のレシピを真似てみようという考えを胸に抱いて退店した。オウオ爺さんの店の評価については、レビュー冒頭の星を見れば分かっていただけよう。最高の店だ。ボウル一杯およそ39ドルで特等席、極上の物語、慎ましい雰囲気を堪能できるのだから、価格には十分見合う。
前置きはここまでにしておいて、さっそく私の模倣レシピをご紹介しよう。
私は帰宅するなり、自分流レシピを翌日作るのに必要な食材を求めて食料品店へ駆け込んだ。リストは次の通りだ。
- お好みの肉 約900グラム3
- 燻製ソーセージ 約400グラム4
- みじん切りのニンニク 12片分 (いや、冗談抜きで!)
- タマネギ 小玉2個 もしくは大玉1個
- セロリ 3本
- ピーマン 1個
- 高温用の中性油 1/2カップ+大さじ1杯
- 最初に加える小麦粉 1/2カップ
- ラード 大さじ1杯
- クレオールスパイスミックス 適量 (カイエンペッパー、スモークパプリカ、塩、コショウ、オニオンパウダー、ガーリックパウダー!)5
- ブイヨン 3~4カップ (野菜の量次第)6
- 切ったオクラ 1カップ7
- 炊いた米8
- 添え物の青ネギ

作り方:
1. まず、聖なる三位一体から取り掛かろう。タマネギ、ピーマン、セロリをさいの目切りにする。

2. ニンニクをみじん切りにする。フードプロセッサーを使ってもいいが、私はすり鉢とすりこぎを使い、塩を少々加えてすり潰した。
3. 燻製ソーセージをさいの目切りにする。

4. 料理に選んだ肉から軽く水気を拭き取り、塩と黒コショウを揉み込む。
5. ダッチオーブンにラードを少量入れ、肉を焼き始める。完全に火を通す必要は無く、表面に軽く焼き色が付けば十分だ。くれぐれも鍋に詰め過ぎないように。必要ならば数回に分けて焼こう。
6. 焼き色が付いたら肉を取り出し、ひとまず脇に置いておく。鍋底には出汁が残っているはずだ。

7. 中火に設定する。
8. 小麦粉と油を加える。どちらも調整の必要があるかもしれないので、ベースとなる高温中性油1/2カップ+大さじ1杯と小麦粉1/2カップ以上の正確な分量はあえて示さない。ここで作ろうとしているのは、ルーと呼ばれるものだ。
9. ルーが焦げないようにかき混ぜ続ける。湿った砂のような質感かつチョコレート色になれば理想的な状態だ。焦げそうな匂いがしたら、火から降ろしてかき混ぜ続けること。冷めてきたら弱火で少し加熱し直そう。水分が足りなければ油を足し、ゆるすぎる場合は小麦粉を加える。何より重要なのは、かき混ぜる手を止めないことだ!

10. ここからは簡単だ。三位一体を鍋に入れ、野菜の水分を飛ばすためにひとつまみの塩を加え、もし火を弱めていたのなら中火に戻す。3分間かき混ぜ続ける。
11. ニンニクを加え、1分間かき混ぜ続ける。
12. ブイヨンを全て加える。
13. お好みでクレオールスパイスミックスを加える。私は辛い料理が大好きなのでたっぷり大さじ3杯入れた。

14. 肉とソーセージを加える。
15. 強火にして沸騰させる。沸騰したら中火に落とし、蓋をして最大5時間煮込む。
16. オクラの水気を拭き取り、刻み、残り1時間になったら鍋に加える。もしオクラを入手できなかった場合、まだフィレパウダーを使う段階ではない。
17. 残り15分になったら白米を炊き始める。
18. お米が炊けたら、肉を2本のフォークでほぐす。私のように骨付き肉を使った場合、この時点で骨を取り除く。
19. 飾りの青ネギを刻む。この時点で火を止め、フィレパウダーを加えてもいい。ただし、しっかりかき混ぜること。
20. 冷めるまで数分待ち、ご飯の上に盛り付けて、召し上がれ!

さて、オウオ爺さんの店に足を運び、彼のレシピを真似てみて何が分かったか? まず第一に、鴨肉とアカディアフェニックス肉の風味は天と地ほども違うことが分かった。鴨肉は脂がのって旨みがあるが、アカディアフェニックスはより濃厚で香ばしい。また、ガンボの歴史についての速習講座を受けることもできた。ルイジアナ民として既にそこそこ知ってはいたのだが、それでもわざわざ物語を紡いでくれたオウオ爺さんには感謝している。さらに、炊飯を任せたパートナーのマロリーは、炊飯が下手だと判明した。でも大丈夫、それでも愛してる。
このレシピを再現する場合は、高品質な食材を使うことを強くお勧めする。より本格的に仕上がるだけでなく、きっと味も格段に良くなるはずだ。マロリーと私で作った料理がマズかったわけではない、そんなまさか。私は自分なりに料理はそこそこできる方だと思っているが、オウオ爺さんの一品には遠く及ばなかった。一言で言うなら、絶品だ。オウオ爺さんの店を訪れるのも、こちらの模倣レシピをご自宅で作るのも、是非一度試してみてほしい。
なお、ホストウェブサイトの検閲のせいで、アンブローズ・レストランに対する私の意見や、代わりにオウオ爺さんの店を選んだ理由を書くことはできないが、調理に鴨肉duckを選んだのにはちょっとした裏事情があるとだけ言っておこう。そんなわけで、親愛なる読者の皆さん、今回はここまでだ。また次回!
- E.M.
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