キャロル#011: 旧き自家製レシピ
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Carroll 011: Old Family Recipe

キャロル#011: 旧き自家製レシピ

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最新の醸造分を検査中。

What It Is

これは何か

旧き自家製レシピは合衆国最上級にして最高の白光稲妻ホワイトライトニングです — きらめきシャイニー自家醸造ホームブルー山の雫マウンテンデュー月灯りムーンシャイン、呼び名は正直なんでも宜しい。過去数世代にわたって我が家に受け継がれてきたこのレシピを、シカゴ・スピリットの下で遂に醸造できることを誇らしく思います。

我が家は過去数十年を費やして、レシピを世界最高のものとして完成させました。全ての手順を踏んで作るのは少々高価ですが、最後には間違いなく報われます。これは生者ではなく神のためのものです。天高く聳え立つオリンポス山で飲み交わされる代物に日々近付いていると思います。ヘラクレスやゼウスと共に楽しむべき酒です。

今日この頃流通しているほぼ全てのムーンシャインと違って、このレシピは実際美味です。濃厚な風味で、酒らしい口当たりはほとんど感じられません。しかし誤解してはいけませんよ — 私たちは酒の味を上手く覆い隠しているだけです。ほんの数口も飲めば立っていられなくなるでしょう。

ともかく、父に製法を教わってからの数年間、私は個人で自家製レシピを作っていました。当時の私にとってはささやかな副業でした — 醸造に必要な全ての材料を集めるのはそう簡単ではないので、ごく稀な機会にしか造れなかった。しかし、やがてシカゴ・スピリットがやって来ました。彼らは稀な機会を毎晩のように連れてきます。

聞いた話によると、このレシピは彼らが売る酒の中で一番人気だそうですね。最も売れ行きが良く、常に完売。そう聞いて嬉しく思っています — 我が国に奉仕できて光栄です。

Where I Make It

何処で造っているか

レシピの一部は、イリノイ州南部にある古い家族の農場で全てを執り行うことを求めています。近頃の私はあまり農業に手を出していませんが(何しろ遥かに実入りの良い収入源を見つけましたのでね?)、ここ数十年はそこで働き続けていますし、世界中探しても他の何処かでこの味を再現できるとは思えません。何が儀式に影響を及ぼすかを断言するのは難しいのです。

いずれにせよ、スピリットのボスたちからは目立たないよう依頼されています。私が具体的にどこの農場で働いているかは、いちいち触れ回らなくて結構。カポネやその手下に押しかけられて、密造酒を持っていかれたくはありません — 彼らが自力でこの酒を造れるかは疑問ですけれども。

あなたが知るべき事は、セントラリアに素敵な小屋があり、入手した材料をそこに置いておくべきだということです。知るべきはそれで全てです。

How I Make It

どのように造るか

さて、さて、さて。私がレシピ自体を引き渡すと本気で思いましたか? 私とスピリットのボスのごく一部 — 脚長、車輪、鋸歯 — だけが実際のレシピを知っています。これは最初に醸造した時からずっと厳重に守られてきた我が家の秘密です。造り方に関する本当に大切な事項は、一切明かすつもりはありません。

あなたにとって重要なのは、このレシピが普通の成分や材料だけで成ってはいないことです。数多くの要素が絡みますし、私たちは醸造にあたって最高級かつ最希少の原材料だけを使います。そう頻繁には入手できない物です。

だからこそ、私はシカゴ・スピリットの助力が必要であり、あなたはこのちょっとした文書を読んでいます。全てをひとまとめにするには少しばかり助けが要ります。レシピを造る際はささやかな儀式を行います — 世の中の婆さん連が言うような“決まった手順”という以上の意味です。少しの魔法と軽い作業です。

これが、私が必要とする物、スピリットに調達してほしい品々の簡易リストです。

  • 奇跡を起こせる神に仕える者が祝福した精製水。シカゴ・スピリットでは何人かの不浄な司祭が給料を受け取る身分にいますが、地元の牧師に数ガロンの水を祝福してもらうのは少々困難です。
  • トウモロコシ。流血沙汰があった製粉所で擂り潰してください。以前は私の近所にありましたが、数年前に閉鎖されました。見つからない場合は自分で作ってください。
  • 砂糖、できれば外国産。海外に出た時はいつも最高の品を入手できるのですが、ハワイ産の砂糖ではどうも上手くいきません。
  • 夜に収穫した大麦。夜に刈らなければ相応しい味になりません。
  • 世界の何にも増して熱く燃え盛る炎。昔は独自の伝手がありましたが、最近ではスピリットが供給してくれるファクトリーの石炭が非常に上手く働いています。
  • 挽いたカシューナッツ、できる限り新鮮な物。納品前にしっかり挽いてもらえれば、私の手間が少々省けます。
  • イモリの目、カエルの指先、コウモリの毛、犬の舌。全て標準的な儀式の材料であり、一切を整える役に立ちます。
  • 蝋燭。沢山の蝋燭。何か納品するごとに木箱1つ分届けてください。

どれか1つでもごまかしたら、私には分かります。そしてお客にもね — ムーンシャインの評判はガタ落ちになるでしょう。

Update

更新

チャールズ・デリンジャーのデスクからの覚え書き:

昨日、思いがけずキャロル#011の醸造に立ち寄る羽目になった。ダルトンが要求する祝福された水を普段集めてる男が、不幸なことに末期の裏切り病だと分かったんで、魚と一緒にお寝んねさせる必要があった。野郎をベッドに寝かしつけたのは俺だったから、材料を入手する役目もそのまま俺に回ってきた。

いつもの不浄司祭が留守だったから、シカゴを駆け回って水を祝福してくれそうな奴を探した。終いには変人揃いのハイトスの1人に賄賂を握らせて仕事をさせたが、ともかく時間通りに水を調達してセントラリアに向かった。

ダルトンは俺の到着を待ち構えていて、俺は水を渡した。自己紹介して、鋸歯にはレシピを明かしてるんだから、俺にも見せてくれないかと頼んだ。実際の魔法使いを一目見たかったのもある。ダルトンは快く了解した。

それでだ。

儀式は何もかもデタラメだった。

材料のどれ一つとして、神秘的な特性の恩恵なんぞ受けちゃいなかった。儀式のあれこれは — シェイクスピア云々も、蝋燭も、ダルトンが一瞬の狂いもなく従っていたタイミングも — 全く無意味だった。奴はただ腕を振り回してマナをひらひらさせるばかりで、何の魔法も使わなかった。奴に渡した材料の半分はムーンシャインに掠りもしなかった。

奴は最高に美味いホワイトライトニングのレシピを作っただけだ。魔法もキャロルも関係ない。

儀式の途中で、奴を止めてそう伝えた。もう見ていられなかった — こっ恥ずかしいだけだ。ダルトンは心底ショックを受けて、少しの間俺に食ってかかったが、その後で俺は奴が何をしてるかを説明した。奴の目は今にも顔から飛び出しそうだった。

罰は必要ない。奴は俺たちを騙そうとしたんじゃなくて、ただ魔法の仕組みを知らないだけの馬鹿だった。砂糖とファクトリーの石炭だけは供給し続けてやれ。十分な安値で入手できるし、レシピには重要そうだった。

何だかんだ言っても、あれはまだ世界最高のクソッたれムーンシャインだからな。

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