アイテム番号: SCP-531
オブジェクトクラス: Euclid/Keter 終了済: 下記を参照
特別収容プロトコル:
SCP-531は彼が要求する任意の家具をそろえた20m×20m×20mの部屋に収容されます。現在までに要求された物品を以下に記載します。
-アメリカンショートヘアー一匹(531は単に"ベイビー"とだけ呼びます) 承認
-ケーブル付きTV 承認
-ゲーム専用XBOX360 承認
-彼の食物や飲料、あとそれを保存する冷蔵庫:部分的承認(アルコール飲料を除く) 承認
-インターネットに接続可能なパソコン 却下
-インターネット関連の部品を全て排除したパソコン 承認
-彼はFPSゲーム(特に Gears of War と Call of Duty 4)のオンライン対戦のために Xbox live のみのインターネット回線を要求しました。 保留(先述のパソコンがインターネットには接続できないため、これは封じ込めに違反していないと思われます)
-フライングVのギター、それを演奏するのに充分付属品類 承認
対象は身長182センチ、体重90キロ、ブロンド、青い目をした19~24歳ほどの白人男性です。Dr.██████とDr.██████████は、彼の感情的な性格から、精神年齢は13-16歳程度であると推定しています。531の性質上、彼と対話するスタッフは常にフレンドリーさを心がけ、彼の発言および要求に対して否定的な反応をすることがあってはいけません。違反した場合でスタッフがまだ生きているのであれば、対象が生かしているということであり、それ以上の違反を確実に防ぎ、最高司令部は罰を与えるべきではありません。対象は自身の能力を知悉していますが、ストレス下では制御が不安定になると述べています。対象の重度な情緒不安定は、それらの事に対して質問をうける/思考をうながされるとすぐさま暴力的になるため、精神分析は殆ど不可能です。
説明:
対象は意志によって宇宙に影響を与え、変化させる能力を持っているようです。どのような手段で影響を与えているかは解明されていませんが、対象の感情が能力の出力を左右しているということが判明しています。彼の周辺では物理法則は崩壊し、範囲内にある物品は重力を無視して浮遊したり固体を透過したり、対象周辺の物品と交換的テレポートを行ったりします。これらは対象が「注目」していないものに大して発生するようです。対象の「良い気分」を保つための試みが実行されている場合、周辺のスタッフは「陶酔感」「高揚感」を覚えたと報告しています。
あらゆる負傷は傷跡を残すことなく消滅します。これらの効果は対象から離れても、また対象の感情が変化しても持続します。対象は通常、手を用いるよりもサイコキネシスを用いて物品を移動させ、これらの能力を制御できることを示しました。対象が負の感情を覚えた場合、彼の周辺に存在する人々は対象の感情の強さに応じて落胆し、狂暴になり、自殺衝動さえ感じはじめます。負の感情がより強くなった場合、周辺の人々/物体は急速に老化/腐敗します。感情が怒りであった場合、炭化するほどの温度で発火します。そして、対象は赤いオーラ状のエネルギーを発散します。このエネルギーは触れた生物から生命エネルギーを吸収しているようです。赤外線映像では文字通り「吸われている」ように体熱の移動が確認できます。これらで死亡した個体の検死解剖では、異常な死因は発見できていません。19██の封じ込め以来、531は自身の能力をよりコントロールできるようになり、さらに老化の兆候を見せていません。現在の手順は対象の封じ込めではなく、サイト██のスタッフの保護のために行われています。対象は収容に協力的ですが、彼がコントロールを失った場合、偶然にも誰かを傷つける望みを持っていない限り、危険であることを知っているからです。
ドキュメント#982-a: 前述のとおりSCP-531はその感情に基づいて周辺に異なる効果を発生させます。以下の報告がされています:
悲しみ: 19██/12/██、彼は片側に頭を傾けて数分間のトランスに陥ったように見えた。外部からの刺激には反応しなかった。トランスから出た後で彼は「もはや母親を感じることができなかった」とすすり泣き「母が死んだ」と叫び、泣き始めました。
セキュリティ映像は各すすり泣きと、対象が全周囲に黒いエネルギー波を放出しているのを記録しています。これらの波は、無機物を無視し、亜原子レベルでの有機物のすべての形態を分解するように見えます。当時、被験者は食堂でスタッフと食事をしていました。結果、対象から約1/2マイルの半径内にあったすべての人は、即座に死亡しました。この効果の半径が意図されたものか、波の伝播を遮断する施設の壁によって引き起こされたかどうかは不明です。防犯カメラやインターホンシステムへのリモートアクセスは、リモートで対象との通信を可能にしました。数時間対象が落ち着いた後に波が停止しました。それからしばらくの間、対象はSCP-073と同様に植物・植物由来の物体を腐敗させる効果を発揮しました。やはりSCP-073と同じように、人間を含む動物に対しては影響を与えませんでした。
嫉妬: 対象は最近女性スタッフに対して性活動に従事するよう要求しました。驚くべきことに、要求されたスタッフは単に了解するだけでなく、自ら性活動をそそのかした記録が残っています。前述のとおり、対象が多幸感を得ている際、その感覚は周辺の人間に電波します。この効果により対象との行為は、通常の人間との行為よりも「より良い」状態を作るでしょう。
しかしながら20██/11/██/、対象は食堂で██████博士(既婚者でありながら対象と密接な関わりを持った)が夫とキスをしている場面を目撃します。対象の瞳が黒く染まりました。対象の周辺の物品が浮上し、オレンジや緑の光を放ち崩壊しただけではなく、周辺を飛びまわりました。対象は██████博士の夫の喉を掴み床からつるし上げました。この時点ではサイト全体が振動し、また、対象を見ていたスタッフからは「彼の周辺に浮いているものは普通に見えるのに、対象自身は陽炎のようにぼやけて見えた」との報告がありました。対象は██████博士の夫を掴んだ手から青緑の「炎」を放つと、夫は急速に老化しました。熱セキュリティカメラは夫から対象への熱の移動を記録していました。██████博士はこの時点で対象の目の色が元に戻ったことを証言しています。
対象は事件の記憶がないと主張しており、監視カメラの録画を見せられると愕然としました。出来る限り深い謝罪が██████博士と彼女の夫(15年ほどの加齢が見られます)に送られることを望むと述べました。対象は夫に与えた影響を逆にすることができるとも述べていました。それをどのようにして達成するか質問された時、対象は「わからないが、私は私ができることを知っている」と答えました。これは、感情の種類/強度のわずかな違いでも、発現する能力が異なる結果になっていると思われます。███以来、対象の非常に短い封じ込め期間のみ、それは可能です。対象は有用な能力を無限に等しい数有しているのかもしれません。上記の事件において、対象は記憶になくとも自身が何をしたか知りえているため、対象の精神的な未熟さだけが、能力のコントロールを妨げる唯一の障害です。戦闘的な能力のコントロールをDクラスを用いて調査する試みは、その潜在的危険性と、失われる人的被害を考慮して、現在承認は保留されています。
最高司令部はSCP-531を多幸状態に固定しておく利点は、ランダムな気分の変化による潜在的な危険性を考慮しても上回ると判断しました。対象の高揚状態での治癒能力は、例えばSCP-682のような悪意あるSCPの犠牲に関して財団への利益は相当のものでした。最高司令部は再発防止のためのプロトコロルを考案中であり、対象に対し女性スタッフとの性的行為を許可し、またサイト上で男性との接点をもっていないことに同意しました。
医学的に陶酔精神状態にしたり、研究のために対象を昏睡状態にする試みは、対象が見る「夢」による危険性も考慮されなければなりません。
終了済: SCP-531の終了報告書を参照してください