アイテム番号: SCP-039
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-039の全個体はサイト-77の野生観察室2Bに収容してください。少なくとも二人の保安職員がSCP-039収容室の内装及び外装を監視し、六時間毎に交代するようにします。スタッフはサイト保安員が同伴して護衛することなしに収容室に出入りしてはなりませんし、また、そうしてもよいのは研究目的のため、あるいは収容妨害工作や密輸行為について収容室を検査する場合のみで、それは毎週行われます。
9-18-20██現在、SCP-039-8は妊娠しています。その収容任務は獣医学的観察部門の職員に割り当て直されました。
説明: SCP-039は二十三体のNasalis larvatus、またの名をテングザルから成り、それらは徹底した生理学的変容を被っています。SCP-039には目も口もなく、顔には鼻、そしてそれに伴う鼻腔をとどめるばかりです。SCP-039はどれも鋭い聴覚及び触覚を持っており、それが目の欠如を埋め合わせていますが、それ故なにかを知覚するのには対象との物理的接触が、環境内で方向を知るのには鼻を鳴らして出す大きな音での一種の反響定位が頼みの綱となります。検死解剖が明らかにしたところによれば、消化器系もまた欠如しています。SCP-039たちがどのようにして栄養を摂っているのか――または、さもなければ、どのようにして栄養なしで生き延びているのか――については未だ研究課題であり続けています。
SCP-039たちは知性の兆しを見せており、その例に含まれる事柄を挙げるなら鼻息によるコミュニケーション、英語による会話の理解、そして機械工学についての高度な理解といったものがあります。成熟した個体は機械式の道具を操作する能力を示し、また、さまざまな工業製品を修繕製作する能力を持っていますが、それは内燃機関を分解再組み立てしたり、小さな個室に効率よく配線したりといったものです。試験が示したところによればSCP-039は作業するのに単独での方が集団でよりも効率よくできる様子で、これはSCP-039たちはしばしば他の者に気を散らされることになるからです。
時折作業中に、SCP-039たちは腹部を掻き毟り苦しげな音声を発します。食べ物が近くにあると、彼らはそれを顔に塗り付けようとします。そこから現在立てられた仮説は、この示すところはSCP-039が普通のNasalis larvatusに対する人工的施術の結果であるということではないか、というもので、収容に際し回収された文書もこの仮説を支持するものとなっています(補遺SCP-039-Aを参照)。
SCP-039の生殖や懐胎をする能力についてはNasalis larvatusと異なるところはありません。この記述の時点で、五体のSCP-039が誕生しています。SCP-039たちは種族内で大変緊密な絆を見せ、しばしば新生児の世話を可能な全ての成体たちが見るほどです。新たな個体は他のSCP-039たちと同様の特異性を持って生まれてきますが、他のものたちが持つ知識は欠いています。親個体たちは新生児たちにコミュニケーションと基礎技術について教育しますが、それは六歳に達するまで続き、そこで他の成体たちが技術能力を教えることになります。
SCP-039が回収されたのは、最寄りの町であるネバダ州████████から五十キロメートルのところにある無人の研究施設においてです。収容中に回収された文書には、施設の所有者は██████ █████、人間本来の能力開発の研究に出資している会社とありました。二十体のSCP-039の個体が棲息し、未知の期間施設の維持管理をしている様子でした。別の回収文書が示すところによれば、人間知性の拡張を目指すプロジェクトがあったとのことです。このプロジェクトは会社の倒産直前に取り止められ、資産は名称不明のグループへと売却されました。██████ █████及びその資産を入手したグループについての更なる調査では、SCP-1513を含むいくつかの異常オブジェクトが明らかになっています。
補遺SCP-039-A SCP-039の追加の1個体がSCP-1328の収容オペレーションの際に発見されました。エージェントは現在、更なる収容外の個体の存在を示唆するレポートについて追跡調査を行っています。
補遺SCP-039-B 最初の収容の間に回収された文書の幾つかは、SCP-039開発の初期プロトタイプ段階を記述したものであるようです。新たなSCP-039の個体を作り出すプロセスを再現する方法を開発しようという研究は開始されているものの、ノートに収容以前に蓄積したダメージはその多くを読めなくしてしまっています。