
SCP-103-KOの模造品の複製品
アイテム番号: SCP-103-KO
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 対象を収容するため第██エリアが設置されます。エリアは広さ10平方マイルの正四角形であり、エリアの中心に対象を設置します。第██エリアの中には中型規模の「農場」を設置し、牛、羊、狼、猫、人間を雄と雌を混ぜて飼育し、それぞれ300頭以上の個体数を維持してください。飼育対象が第2世代を生産する場合、担当管理エージェントと獣医が直ちに該当の第2世代を隔離します。飼育対象一組が産んだ最初の第2世代は隔離して後述する"10月30日手続き"に使用し、以降も引き続き第2世代を生産するようにします。5個体以上の第2世代を生産した場合、その両親個体を処分します。生産された最初の第2世代以外の個体は農場で飼育し、成長した後新たな第2世代を生産するようにします。雄性と雄性の性比調節および遺伝子劣化防止のために5年に1回新しい個体を投入します。
対象を使った実験はセキュリティクリアランス4以上の人員の裁可を受けなければいけません。禁止されます。 ―196█年██月██日、O5評議会の決議。
説明: SCP-103-KOは鉄器時代のラテン文化の紋様が刻まれているドーム型の石の塊です。周りの長さは約3m60cm、高さは1m程度です。ドームの頂上には深さ15cm、半径7cm程度の穴がえぐられています。穴の中には蜂の巣のように密集した小さな穴が存在しており、この穴に液体を投入すると小さな穴に接続されている内部の通路を通り石の外側に刻まれた模様に液体が溜まります。CT撮影の結果非常に複雑な内部構造が発覚し、このような構造を人工的にあるいは自然的に形成できるかはまだ明らかになっていません。
対象の穴に血を大量に注ぐと対象が活性化し、Dクラス職員を使った反復実験の結果ヘモグロビンを基盤とした血、すなわち"赤い血"にだけ反応する事が判明しました。またヘモグロビンを基盤とした血は穴を一度満たした場合、岩のすべての模様に血が溜まりましたが、他の液体の場合は3回以上満たさなければ溜まることはありませんでした。赤い血にだけ特別な反応をすることに対する詳しい原理はまだ判明していません。対象が特別な反応をするヘモグロビンを基盤とした血をSCP-103-KO-Aとします。対象の内部で血が形成されているという仮説が提案されましたが、現実性が不足していると考えられ却下になりました。
対象にSCP-103-KO-Aを十分に供給した場合、対象の表面のすべての模様にSCP-103-KO-Aが溜まることによって対象が活性化状態となります。対象を活性化させた際、対象を活性化させるために使用されたSCP-103-KO-Aは急速に腐敗して真っ黒に変色します。 実験生存者は対象の模様が浮かび上がってきたや暗い存在が出現し自分たちに"恐ろしい虚無感"や"凄まじい悪意"を感じさせたと述べました。ですがこの存在の出現を撮影しようとするすべての試みは失敗に終わっています。この存在が出現してからSCP-103-KOを中心にする広さ3平方マイル(約8㎢)の範囲の中にあるSCP-103-KO-Aが流れている動物の4分の3の身体が爆発あるいは身体の穴という穴から出血を起こしてまもなく死亡する事が確認されています。この現象をカメラ等を通して遠隔で観測する場合、観測に使った機器(映像モニター等)を中心にした同じ面積にまったく同じ現象が発生します。
対象が活性化されない場合、対象は休眠状態を維持します。ですが毎年陽暦10月30日に"10月30日手続き"を実行しなければいけません。10月30日手続きには特別収容プロトコルで言及した農場で取得した牛、羊、狼、猫、人間の"その年生まれた最初の個体"の3分の1の血液を混ぜ合わせたSCP-103-KO-Aが必要です。このように得られた"お供え"を使って対象の活性化手続きを進め、万が一そのお供えを捧げなかったり、選別されたお供え以外のSCP-103-KO-Aを使用した場合、10月30日手続きに失敗することになります。この場合対象は別途の過程なしで活性化した後3日間活性化状態が持続し、その間対象の効果が及ぼす範囲が10平方マイルに増加します。10月30日手続きに失敗した場合3日後に再び10月30日手続きを実行し、この際のお供え獲得範囲は対象の活性化効果が及ぼす範囲と同じです。3日後に10月30日手続きを実行しなかったりお供えの獲得に失敗した場合、あるいは農場の飼育対象の新しい個体が生まれなかった場合、同じように10月30日手続きに失敗することになります。
[追記:196█年██月██日] 10月31日の前後に全世界的でSCP-103-KOの効果と類似した変死事件が頻発するということが報告されました。該当事件はすべて情報操作を通じて隠蔽されました。"手続き"を行わなかった際対象の効果が拡大する範囲を全世界規模と推算しなければならない可能性があります。
対象は1920年に当時グレートブリテンアイルランド連合王国の領土であったアイルランドのキャバン州で発見されました。 当時8人で成り立った英国の考古学発掘チームが非公式的に英国政府の支援を受けて古代アイルランドの各種遺物遺跡を探査する任務を遂行していました。その時までに発見された遺物や遺跡がある場合、操作及び捏造して英国の支配を正当化する論理に使用する予定だった事が確認されています。対象を発見した発掘チームはアイルランドの伝承を確認するために現地の孤児1人を拉致して対象の穴にその血を注いで入れました。 その後出現した存在によって発掘チーム中6人が死亡し、発掘陣を秘密裏に支援した英国政府機関は当時のSCP財団と世界オカルト連合の前身団体にそれぞれ接触して対象の処理を依頼しました。財団は英国政府内のパイプを通じてこの事実を知り迅速に対象を確保した後、対象の模造品を回収場所に設置しました。世界オカルト連合の前身団体は該当模造品を破壊し、その後1921年に民間団体がその破壊された模造品を発掘しました。現在その破壊された模造品はキャバン州博物館に所蔵されており、元々対象が存在していた箇所から約300メートル離れた道端にその模造品を複製した物体が存在しています。
補遺: 事件報告書103-KO-K
提出日: 1989年12月█日
内容: R級緊急事態発生。敵対勢力によるSCPの奪取。現在対象を追跡中。