アイテム番号: SCP-1466
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-1466-1の物理的な原稿はサイト41の資料ロッカー4489にあり、デジタル・コピーはサイト41のメインフレームにて利用可能です。SCP-1466-2、-3も同様です。アクセスにはクリアランス3/1466が必要です。SCP-1466-1に晒された職員は解任し、監視を受ける事になります。
新作または新しく発見されたエミリー・ディキンソンの詩全作品はSCP-1466-1として監視されることになっています。詩集にSCP-1466-1が含まれた場合、アレクサンドリア・プロトコルに基づきすべてのコピーを市場から取り除き、SCP-1466-1に晒された対象に対して適切な記憶処置を施してください。
10人のDクラス被験者をSCP-1466-2の生産に割り当てます。これら被験者はサイト41に住居が提供され、1日1つ生産することになっています。SCP-1466-2の完成に伴い、この企画は終了しました。
説明: SCP-1466-1はアメリカの詩人エミリー・ディキンソンによって書かれた未出版のバラッド・スタンザで、読むまたは聞いて内容を理解すると異常な効果を示します1。SCP-1466-1を読んだ対象全てが異常な特性を経験するわけではありません;実験により、日頃から詩を嗜んでとりわけSCP-1466を好む対象が最も影響を受けます。
SCP-1466-1の影響を受けた対象は自由に意識変容(デルタ状態と呼ばれる)を起こすことができます。表面上、デルタ状態が外刺激に対する無反応、落ち着いた呼吸と心拍数、ぐったりした姿勢を取り、度々睡眠と間違えられます;しかし、この状態は生理学、神経学的に睡眠とは異なります。対象はこれまでこの経験を比喩的または寓意的にのみ表現しています;しかし、対象は無作為にこの状態の間を人工的か自然的な状況の経験をしていると推測されます。人工的な状況では"疎外感"や"カフカ作品のよう"と表現する一方、自然的な状況では非特異的でポジティブな感情を表現します。
対象はデルタ状態になり自然的な状況で一時的な信頼感と寛ぎを感じると報告し、度重なる使用は他活動に対する無関心、平坦な情動、脅迫以外の協力要請に対する拒否に関連しています。対象が希望2し使用を許可されると、対象はしばしば大半の時間をデルタ状態で過ごすようになります。
デルタ状態から覚醒して7時間以上経つと、対象はデルタ状態で思いついたと主張する詩を複写することを強制されます;これら詩をまとめたものをSCP-1466-2と称します。この詩は対象の作風というよりもエミリー・ディキンソンの典型的な作風で書かれます。これらの詩単体に異常はありません。SCP-1466-2の詳細情報は研究記録1466-82要略を参照してください。
研究記録1466-82要略:
2008-09-09: 被験者1466-08は以前被験者1466-02が制作した"A fairy-tale I've never read —(これまでに無いお伽話 —)"(SCP-1466-219)を独自に制作しました。被験者1466-08は他の研究被験者が制作した資料には晒されていません。これはSCP-1466-2と指定される前に独立して制作された最初の作品です。
2008-09-11: 更に7つの作品が制作された後、無作為に被験者はSCP-1466-2の一節を回収しているかもしれないと推測されました。
2008-10-31: 詩の原稿が増えていることは前述の仮説が真実だということを示しており、SCP-1466-2の全容が明らかになっていきます;しかし、被験者が非協力的なため進展は遅れています。
2008-11-20: SCP-1466-2は59作の誌であることが判明しました。SCP-1466-2はこの中から無作為に被験者によって書かれます。
2009-12-02: ██████研究員3はSCP-1466-2のマスター・ファイルにアクセスしました。このファイルを読んだあと、██████研究員はSCP-1466-1にアクセスし、18時間デルタ状態に入りました。デルタ状態から覚醒すると██████研究員はSCP-1466-3を編纂しました。突然な刺激、説明出来ないインスピレーションを得たと██████研究員は主張しました。
SCP-1466-3は特定の順序で一覧化するとSCP-1466-1、SCP-1466-2全作品、エミリー・ディキンソンが書いたと一般的に知られている631作品で構成されます(SCP-1466-3マスター・ファイルを参照)。SCP-1466-3は1つの英詩(これを起動詩とする)を読むと起動し、SCP-1466-3を読みます。SCP-1466-3は読者に起動詩の特徴(例えばテーマ、比喩、構文)を直接処理させると推測されます。これは起動詩がそれぞれSCP-1466-3の新しい背景または意味を加えられることによって完成します。
SCP-1466-3は起動詩から英語で書かれたオリジナル、または以前発行された、読者が知らないもの含む、作品を作り出します。例えば、パーシー・ビィシュ・シェリーのオジマンディアスの原稿では、被験者は11節の詩を書き、その内3作品は過去に出版されたものでした;同様にSCP-1466-3をこれらの詩に適用すると完全に異なる詩になります。
研究員メモ:
何人かの職員がSCP-1466-3の性質について尋ねてきたが、"性質"に構成概念は存在しない。SCP-1466-3は、本質的には、詩を書き加える機能だ。様々な入力(起動詩)を読み取り、読者の心を一種のコンピュータとして使用し、一連の操作を適用して様々な出力を生成する。SCP-1466-3は様々な詩を構成する要素を具体的で扱いやすい数字のように扱えるようにし、実行させ、起動詩とSCP-1466-3の出力との間に作風に関わりがあるようにする。思考プロセスを書き留めるよう頼まれると、読者はそれぞれ複雑な機能で非常に似た方法の計算だと表現する傾向がある。
特に注目すべきは出力には起動詩、SCP-1466-3の内容、読者の記憶からの文章が必ずしも含まれているわけではない — SCP-1466-3は文章とは独立して存在する起動詩の要素を適用し、主に原文の外側で働いているのだ。- ██████研究員
通常の状況下では、SCP-1466-3は総計112時間かかる場合もあります;しかし、デルタ状態に入った被験者では特に異常もなく5時間未満で必要な操作を完了することができます。数回、他言語から英語に翻訳した詩をSCP-1466-3の入力として使用しましたが、大抵は散文になります。