アイテム番号: SCP-1701
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: サイト-82は更なる侵食で情報が入手困難になる前に出来るだけ多くのSCP-1701洞窟系のデータをカタログ化すること、固定箇所への局所的採掘作業による有害作用を防止することを目的として直接SCP-1701の上部に建てられました。SCP-1701の観察及び探査は対象物への更なる損害を避けるために、無線の小型遠隔無人機によって実施されます。
説明: SCP-1701は古原生代(約17億年)に僅かな期間で知性を得て、後に絶滅した、自然発生した原子核反応する群体の残骸です。SCP-1701洞窟系はガボン、████の地下███mにあり、閉鎖された████ウラン鉱山を通じて出入りが可能です。その構造の脆弱さから洞窟系の限界は地図化できませんでしたが、レーダー画像により体積約20km3で少なくとも31体のSCP-1701-1/2から成ることが判明しています。洞窟は現在真水で満たされており、SCP-1701-2の子孫と推測されるシアノバクテリア群体の生息地となっています。
SCP-1701-1/2はSCP-1701に生息していた流体的/生物的な原子核の知的存在を指します。放射線耐性のSCP-1701-2極限環境微生物シアノバクテリア群体の生息地であり、SCP-1701-1と指定される多くのウラン-235がある非常に細かい格子状で構成されるSCP-1701-1/2は対流性気流とSCP-1701-2群体の動きを通した235Uマトリクスを通じた水の動きに由来するある程度の計算知能を得たと推測されます。SCP-1701-1/2実体、彼らの言葉を借りると"温暖を持つ塊"は、彼らを取り巻く熱流と水流により他の実体の存在に気付き、気流圧力と温度調整による"話し"を開発しました。
SCP-1701-1/2の洞窟に対する唯一の物理的相互作用は、彼らの知識を符号化する手段として、連続した気流とゆっくりと摩耗する規則的な石の模様を利用することです。SCP-1701に記録される大多数のSCP-1701-1/2の対話は哲学的な会話またはSCP-1701-1/2の社会性の性質に関する議論であると推測されます。SCP-1701-1/2の書き言葉は、16を基盤とする数体系の単純な定義とより抽象的な構想に及ぶ働きを始めとした、SCP-1701-1/2言語の基礎をなす数学的パターンが起源と考えられる文書の段落であるSCP-1701-1/2-CARV-1の発見まで、当初は翻訳不可能であると考えられていました。これは可能な限りの言語への理解を促しますが、研究員は全てのSCP-1701-1/2翻訳が複雑な数学的象徴と関係性に近似する最も簡潔な翻訳であり、信頼性は全く無いことを注意しなければなりません。殆どの元の記録はシアノバクテリア群体との摩擦と侵食により時間とともに壊れているように見えます。
文書SCP-1701-1/2-CARV-357c:
以下はSCP-1701-1/2-3("Colder-than-others[他よりも寒い]")とSCP-1701-1/2-4("Rushes-Downwards-To-Stillness[静寂より下へと急ぐ]")の断片的な議論のおおよそな翻訳です。議論の口調と言語は他のSCP-1701-1/2会話特有の物です。摩耗パターンの比較により会話は500年近くを超えて記録されており、SCP-1701-1/2知性の相対的な時間の尺度についてある程度の見当を与えます。
… 乱気流[時間?時代?年数?]の上流、液体再循環の45周期。Think-at-the-World(世界にて思う)[おそらくSCP-1701-1/2-6]によって宇宙は永久となった。
[…]
Colder-than-others: アナタはワタシが存在することを知らないと主張する。どうしてそんなことを?ワタシはアナタと意思疎通していないのか?ワタシの流れはアナタの[暖かさ/精神/身体]と混ざり合わないのか、ワタシの考えはアナタの物にならないのか?Rushes-Downwards-to-Stillness: アナタはワタシの[暖かさ/精神/身体]と相互作用する、しかしどうすればワタシはアナタが存在すると確信しうるのか?ワタシはアナタを感じる、しかし乱気流と流れと熱はワタシの考えとは異なる。ワタシの感覚では、ワタシはアナタの存在に確信を持つことができる、しかしワタシの思考では、ワタシはアナタの存在に確信を持つことができない。
C: アナタの[暖かさ/精神/身体]はアナタの心を通じてワタシを知るようにならないのか?おそらく、ワタシを感じることは、ワタシの存在に気付くことである。アナタの[思考?意見?]では、全世界は存在しない[泡?晴天乱気流?]で、アナタ自身の[暖かさ/精神/身体]の単なる[晴天乱気流、おそらくは幻か夢]だとみなしていると、ワタシは思う。
R: その通り。ワタシの感覚はワタシにアナタとその他全ての[熱]と共にワタシが存在すると教える、カレラは[近い、光。電流の弱い流れ]または[遠い、光。電流の強い流れ]で、水に囲まれ、ゆっくりと破壊できる宇宙によって束縛される。しかし、ワタシが本当は暖かい時にワタシはアナタに寒流だと[触る/話す]事ができると同様に、ワタシの感覚と[暖かさ/精神/身体]もワタシの思考を騙すことができる。
C: ワタシは理解した。アナタの命題は著しい[非流体]であるとワタシは思う。アナタはアナタ自身の考えだけを信用し、アナタ自身やその他の[暖かさ/精神/身体]の真も否定する。
R: ワタシが本当に知っている真はワタシの思考のみだ。
後のSCP-1701-1/2の記録で彼らの社会はSCP-1701-1の構造が時間とともにより効率的且つ複雑になったことで崩壊し始めたことを示します。SCP-1701-1/2の残骸を基にしたコンピュータ・シミュレーションで、格子の複雑さが特定の基準に達した後、SCP-1701-1を通して流体の運動は破壊的且つ共鳴的な振動を誘発し、特定の知性基準を超えたどんなSCP-1701-1/2の構成も最終的には崩壊に至るということが示されました。SCP-1701生息地の最も新しい期間の会話と記録では、明らかにSCP-1701-1/2実体が衰退し始めた為、エントロピー/晴天乱気流の概念に近い言葉や非存在へのゆっくりとした腐敗に対する言及が増えるなど、ますます否定的で虚無主義的な口調が強まります。