アイテム番号: SCP-2278
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-2278はサイト-19の標準ヒト型実体収容室(SHCC)に収容されます。Dクラス職員やヒト型SCPオブジェクトを移動させる際は、SCP-2278の収容室から30mの距離を取った道筋を経路設計しておく必要があります。この範囲内に立ち入った職員は自身の身振り手振りに気を払い、意図せず追加のSCP-2278-A実例を生成しないように注意してください。この範囲内には警告サインが設置され、適切なハンドジェスチャーをリストアップしています。
SCP-2278は、現地保安職員が生成したSCP-2278-A実例を用いて完全な拘束状態に置かれています。現在、収容に用いられている実例は以下の通りです。
- エージェント リチャーズがSCP-2278初期収容時に生成したロープ
- 手錠
- 5m3の部屋。将来的な収容違反に対する追加の防御壁として作られた。
- 四肢拘束帯を備えたストレッチャー。SCP-2278が腕の動きを介してSCP-2278-A実例を作成できないようにするための物。
- 指部の拘束具を備えた保護手袋。SCP-2278は自身の拘束を外すためにピッキングツールや刃物を生成することが判明しているため、手先の器用さを制限するために使用されます。
SCP-2278収容に用いられているSCP-2278-A実例に対応するアイテム群が収容室内に配置されています。当該実体の収容に割り当てられている保安職員はこれらに慣れ親しんで、交換用の実例を生成する際に適切な形状のアイテムを脳裏に思い浮かべられることを確実にしなければいけません。
SCP-2278は栄養摂取や休息の必要性を一切示していませんが、倫理委員会の勧告を受け、SCP-2278の収容室には無声映画のコレクションを備えたテレビが導入されています。
説明: SCP-2278は身長およそ1.7mのヒト型実体です。SCP-2278はサスペンダー付きの縞柄プルオーバーを着用しており、顔面および皮膚の露出部位に白塗りの化粧が施されています。実験によってSCP-2278の衣服とメイクは除去することが不可能であると判明しており、肉体の一部であることが疑われています。SCP-2278の物理的特性に関しての更なる実験は、その異常性質によって妨げられています。
SCP-2278は実体を持たず、物体との直接的相互作用が完全に不可能です。SCP-2278はSCP-2278-A実例を使用して自らの周辺環境に影響を及ぼすことしかできません。 どのようにSCP-2278が固体地面の上に立ち、歩くことを可能としているのかは現在も不明です。加えて、理論上は質量を持たないはずのSCP-2278が地球に対して位置を一定に維持している手段も判明していません。この無形性は音波領域まで拡張しているため、SCP-2278は耳が全く聞こえません。無形効果が光波やSCP-2278の視覚に影響を及ぼしていない理由はまだ特定されていません。
SCP-2278-A実例は、SCP-2278が何らかの行動/動作を“パントマイム”することによって生成されるオブジェクトまたはアイテムです。SCP-2278-A実例は、SCP-2278から半径25m以内の人物であれば(たとえSCP-2278の異常性質を認識していない場合でも)誰でも生成できます。SCP-2278-A実例はあらゆる電磁スペクトルにおいて完全に不可視であり、触覚を介してのみ検出可能です。SCP-2278-A実例は、一旦25mの効果範囲の境界を越えると存在しなくなります。
回収: 97/10/12、混乱状態の民間人が緊急回線の職員に対し、地元の公園で“目に見えない壁”と遭遇したという通報を寄せました。SCP-2278は警察の到着時に徒歩で逃走し、壁その他の障害物を直接すり抜けることによって捕縛を回避しました。機動部隊イオタ-10(“ポリ公”)が調査のために派遣され、公園から数ブロック離れた地点で、見たところ息切れを起こしているSCP-2278を発見しました。エージェント ブライスおよびナカムラによるSCP-2278捕縛の試みは、その無形性によって失敗に終わりました。この様子を目撃していたエージェント リチャーズは武器をホルスターに収めた後、パントマイムによってSCP-2278に投げ縄を投じる様子を演じました。この手法により、エージェント リチャーズは無事にSCP-2278を捕獲しました。地元の目撃者たちはクラスB記憶処理を施され、一連の出来事は巡業サーカスの宣伝企画であったとするカバーストーリーが流布されました。