SCP-2410(記録用:Wax Moth Hive / ハチミツガの巣)
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SCP-2410-1の群れ

アイテム番号: SCP-2410

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 現在、SCP-2410は密閉された負圧状態の部屋にある全長600 mの縦坑の底部に位置するエリア117に収容されています。放射線被曝およびSCP-2410-1との偶発的接触のおそれがあるため、Dクラス職員と補助ロボットのみがエリア-117への恒久的な配置を許可されます。定期的に機械が故障するため、現地の縦坑リフトと圧力システムをメンテナンスできるよう3名以上のDクラス職員が訓練を受けなければなりません。

エリア-117を離れるあらゆる人物は放射線障害の症状がないか検査を受けなければなりません。そのような症状を示す人物は全員治療のためサイト-47に入院しなければなりません。

エリア-117に他のSCPオブジェクトがあってはなりません。

エリア-117外で発見されたいかなるSCP-2410-2個体も収容スタッフへの報告と捕獲を行わなければなりません。

説明: SCP-2410は巨大なアシナガバチの巣であり、サイズは約2.1 m ×1.1 m × 1.0 mです。内部には体長3mmから7mm、推定数百万匹のハチミツガ (Achroia grisella) が生息しており、SCP-2410-1およびSCP-2410-2に指定されています。

SCP-2410-1に対する生物学的調査により、目と翅から比較的多量のウラン-232の痕跡が発見されました。SCP-2410-1は、SCP-2410を中心とするランダムと推測される位置に転移する能力を示します。現時点でSCP-2410-1の転移先は明らかになっていませんが、大半の転移はSCP-2410の近くで起こっており、エリア-117外部に蛾が転移した例はごく少数です。SCP-2410-1は約3日ごとに転移します (補遺SCP-2410-A参照) 。

エリア-117の外部に転移するSCP-2410-1は、SCP-2410-2に指定されます。SCP-2410-2は生物学的にはSCP-2410-1と同一ですが、ウラン-232の代わりにトリウム-228の痕跡が存在します。これはウラン-232の崩壊系列における次の段階と一致します。SCP-2410-2が回収された最も遠い場所はエリア-117から4.6km離れた地点です。特筆すべき点として、SCP-2410-2にはウラン-232が全く存在しません。これは半減期理論に反しているように見えます。

ウラン-232崩壊系列のさらに後の段階の物質を有する蛾は一度も回収・観測されていません。

SCP-2410-1またはSCP-2410-2が転移した先に別の物質がある場合、その物質は消滅し、跡にはSCP-2410-1またはSCP-2410-2が現れます。このプロセスは人間を含めた生体物質にも適応され、その放射性も重なって、ほぼ全ての事例で生体の死または機能不全を引き起こします。この効果で転送させられた物質に起きている現象並びにその転送原理は明らかになっていません (補遺SCP-2410-B参照) 。

SCP-2410-1およびSCP-2410-2の転移メカニズムは不明ですが、オブジェクトの持つ放射性物質の性質と深く関わっていると見られています (補遺SCP-2410-A参照) 。転移現象は見かけ上、SCP-2410-1やSCP-2410-2が消滅・再出現を同時に行う形で発生します。

SCP-2410-1やSCP-2410-2が摂食・吸水を行っている場所は不明です。SCP-2410-1とSCP-2410-2は極めて脆く、非常に小さな力 (最低9 N) で死亡します。SCP-2410-1およびSCP-2410-2の死骸の転移は確認されていません。

SCP-2410は、民間の生物学者である██████博士がロシアのタイガを探索している最中に初めて発見されました。帰還と同時に、██████博士は「信じられないほど小さなハチミツガ」という題名の報告書を書き始めました。執筆が終わる前に、██████博士は警察に通報し、サンプルであるSCP-2410-1の大半が盗難され、「毒を受けた (当時放射線障害であった) 」感覚があると主張しました。後の調査で財団工作員は上述の報告書について知らされ、内容を閲覧しました。財団はSCP-2410を発見・回収した後、██████博士の成果物を押収しました。警察には██████博士が過度に長期間森の中で孤独な状態であったため精神病が進行し、幻覚を見ていたと報告しました。██████博士には放射線障害の治療と記憶処理を施し、カウンセリングを実施しました。

補遺SCP-2410-A: R██████博士の注記
SCP-2410-1とSCP-2410-2の転移間隔とラジウム-224の半減期 (3.6日) は同程度であることから、両者の関連性が示唆されています (同位体232U、228Th、224Raは同じ改変系列の別段階です)。

補遺2410-B: 19██/██/██の発見
アリョーシャ・P█████████氏がロシア・██████████にある自宅のアパートで死亡しているのが発見されました。当時アリョーシャ・P█████████氏は脳動脈瘤で死亡したと思われていましたが、後の解剖の結果6mmの蛾の石像が脳に埋め込まれており、それによって血管が破裂していたことが判明しました。P█████████氏の体内からさらに数個の蛾の石像が発見された後、事件は財団へと持ち込まれ、調査が開始されました。P█████████氏のアパートからは数百個の小さな蛾の石像が発見されました。2名のDクラス職員が体中に同様の石像が生成したことで死亡したため、部屋は感染症拡散防止を建前に封鎖されました。これらの石像はSCP-2410-1、SCP-2410-Bによって転送させられた物質であると考えられています。発見後、アパートは財団が購入し、数百万体の自発生成した石像を保管するために閉鎖されました。

P█████████氏に対する調査により、彼は冷戦中原子力実験と廃棄物処理に参加していたことが判明しました。SCP-2410の発見場所から80 kg以上の廃棄物が回収され、タイガ周辺にはそれ以上が存在していると考えられています。核実験に参加した人物の中にP█████████氏以外で石像の影響を受けた者は存在しません。

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