SCP-2444(記録用:The Arrogance of Kumbhakarna / クンバカルナの傲慢さ)
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アイテム番号: SCP-2444

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: エリア-994におけるSCP-2444の現在の封じ込め活動には、SCP-2444-2を能動的に封じ込めることと、SCP-2444-1を構成する4個のオブジェクトの間で発生している戦闘を受動的に監視することが含まれています。

SCP-2444-2は安全にSCP-2444-1Dから除去することが不可能であると確認されており、現在SCP-2444-1Dの中央室に置かれた3×3×5メートルの改造されたタイプ4可動型臨時封じ込めユニット (MTCU) に収容されています。SCP-2444-2には心拍監視装置として用いるように改造された地表貫通レーダーシステムが接続されています。呼吸頻度の測定のため、SCP-2444-2の鼻孔には一連のゲージ式圧力センサが設置されています。SCP-2444-1Dと他のSCP-2444-1との戦闘時に職員が負傷するリスクを最低限に抑えるため、MTCUにはSCP-2444-1Dからの退避中にも継続的な観測を可能とするための完全な遠隔監視システムが備えられています。SCP-2444-2の呼吸と心拍数が現在の平均値から10%を超えて上下に変動した場合、SCP-2444-2はNhuMI(非人間/神話的/知的)ヒト型Eクラスオブジェクトとして扱われます。SCP-2444-2が意識を取り戻した場合、リグ・ヴェーダラーマーヤナに学術的に精通した職員少なくとも2名に加え、ヴェーダ語または古典サンスクリット語に関して実用的知識を有する話者を常にエリア-994の実験監視センターに配置してください。

SCP-2444-1A、SCP-2444-1B、SCP-2444-1Cには常に、現行モデルの電磁監視装置を装備した財団の無人航空機を最低でも3機随伴させてください。負傷や機材の損失を避けるため、いかなる財団航空機もこれらのオブジェクトから半径2キロメートル以内に進入してはなりません。いずれかのSCP-2444-1オブジェクトがB█████████寺院から30キロメートル以上離れた場合、現地の全財団資産はオブジェクトの飛行経路からあらゆる民間航空機を退避させ、空中からSCP-2444-1が発見されるリスクを最低限に抑えてください。SCP-2444-1DがSCP-2444-1A、B、Cから5キロメートル以内に接近した場合、全職員を直ちに退避させてください。

説明: SCP-2444はインド、K███のB█████████寺院上空に位置する複数の異常なオブジェクトの総称です。現地の宗教的記録によると、SCP-2444-1は少なくとも12世紀には既に存在していました。SCP-2444-2は財団の研究チームによるSCP-2444-1Dの内部探査中に発見され、19██年に非敵対的存在であると決定されました。

SCP-2444-1はB█████████寺院上空で電磁放射技術を用いた模擬的交戦行動を行う4個の異常な飛行オブジェクトの総称です。識別目的で、これらのオブジェクトにはそれぞれヴィーユナ (VIYUNA、SCP-2444-1A) 、ターラカ (TARAKA、SCP-2444-1B) 、ヴィーリヤ (VIRYA、SCP-2444-1C) 、プシュパカ (PUSHPAKA、SCP-2444-1D) とのコードネームが与えられています。オブジェクトの高度は地上500メートルから30キロメートルの間で変動しますが、寺院のリンガ1から半径25キロメートルの領域を越えたことはありません。強風下や劣悪な気象条件の下でさえ、オブジェクトの最高速度は時速500キロメートルに達することが観察されています。4個のオブジェクトは全て毎秒3.5メガワットの放射束を持つ電磁フィールドを継続的に生成しています。プシュパカの内部探査を鑑みて、これはエネルギー源と推定される装置の副生成物であると決定されています(以下を参照)。

ほとんどの電磁的イメージングを妨害する異常な粒子状物質を直径およそ1.5キロメートルの球状範囲に投射しているため、ヴィーユナ、ターラカ、ヴィーリヤの正確な外見は不明です。数値シミュレーションでは直径1.5キロメートルの粒子フィールドの高速移動によって破滅的な乱気流が生じると示唆されているものの、実際にはSCP-2444-1オブジェクトの移動時に大気の擾乱はほとんど生じません。これらの粒子フィールドは異常な光学レンズ的作用も投射しており、下方からの視覚的検出も困難となっています。現在、ヴィーユナ、ターラカ、ヴィーリヤの粒子フィールド内に進入したあらゆる外来オブジェクトは直ちに破壊されており、回収された残骸からは超高強度レーザーまたは熱線兵器の使用が示唆されています。

プシュパカも同様の球状粒子フィールドを投射しますが、接近する外来物質に対する交戦や破壊行動は観察されていません。オブジェクトの外見はヒンドゥー教における寺院の塔であるヴィマナに類似しています。基部構造は幅200メートルで、その上に表面を華美な彫刻で覆われた高さ500メートルの階段状ピラミッド構造が構築されています。プシュパカ全体の構成素材は現地の赤色砂岩に類似したものですが、その引張強度と耐熱性は大幅に増大しています。プシュパカ外部表面の75%は、これまでに知られていなかった非異常性のキツネユリ (Gloriosa superba) の亜種で覆われています。入口は1箇所で、その楣石にはサンスクリット語で「ランカ島の王」と刻まれています。

プシュパカの内部はほぼ空洞ですが、それぞれ独立に回転する25個の部品から構成された柱12本、柱の間に等間隔で配置された高さ50センチメートルの半球60個2、床に設置された3本の鉄製円筒の上に据え付けられた幅10メートル、厚さ2メートルの鉄製円盤が存在しています。円筒は強烈な広スペクトル電磁フィールドを放射しており、熱分析からは100%に近い熱効率を持つカルノー熱機関と類似した機能を有していることが判明しました。SCP-2444-2はオブジェクトの入口からおよそ50メートル進んだ地点の床に固着しています。

ヴィーユナ、ターラカ、ヴィーリヤはプシュパカとの間で何らかの継続的な交戦行動を取っていると考えられています。オブジェクトがプシュパカから1.5キロメートル以内に接近すると両者の粒子フィールドは融合し、長く伸びた筒状の形態となります。プシュパカ上に設置された記録装置から、オブジェクトは核励起型炭酸ガスレーザーに類似した紫外域スペクトルを持つ集束ビームの生成能力を持ち、粒子フィールド内での衝突を避けるための高速機動中にこのレーザーをバースト的に発射することが可能であると判明しました。プシュパカに対する攻撃はそれぞれ、ヴィーユナは黄色、ターラカは白、ヴィーリヤは赤の明るい閃光によって特徴づけられます。SCP-2444-1は1回の交戦の間に、およそ30発のビームからなるバーストを通常5回程度生成します。発見されてからただ3回のみ、ヴィーユナ、ターラカ、ヴィーリヤは接近して直径1.7キロメートルの単一のフィールドを形成しプシュパカに長期の「交戦」を挑み、数日に渡る包囲で数百発のバーストの集中砲火を浴びせています。オブジェクトのレーザー発射パターンの統計的分析から命中率は0.2%以下であることが判明し、これはプシュパカの外部に見られる爆発による損傷が最低限であることに説明をつけることができるものです。エネルギー兵器による損傷はSCP-2444-1の粒子フィールド外部に存在するいかなるオブジェクトでも観察されたことはなく、SCP-2444-1オブジェクトからのエネルギーバーストはSCP-2444-1粒子フィールドの内側に接触した時点で消散するか強く屈折させられると考えられています。

SCP-2444-2は、深い生物学的休眠状態または自らの意志による昏睡状態にあると考えられている身長4メートルのヒト型実体です。SCP-2444-2の全身は異常に高密度化した現地の斑糲岩から構成されているようで、ほとんど全ての切断や摩耗に対して耐性があると判明しています。実体は非常に太った人間に似ており、ヤギのものに似た長さ50センチメートルの角を1対と、長く伸びた門歯を備えています。実体はその皮膚と同一の材質で構成された伝統的なドーティ(dhoti、腰布)を着用しています。レーダーによるSCP-2444-2の内部検査では、非常に大型であることと生物学的活動が高度に抑制されていることを除いて、その機能が非常に肥満した人間と同等であることが判明しました。検査では、SCP-2444-2の心臓はおよそ1日に1回鼓動し、呼吸は日に5回のペースで行われていることが判明しました。SCP-2444-2は慣例的な戦闘の構えを取ったまま休息しており、右手は握りしめられたまま体の横に垂らされ、左手は顔の前数センチメートルの場所で掌を内側に向けて開かれています。臍の直上には1×1メートルの斑糲岩製石版が位置しており、高度に典礼的な古典ヴェーダ語で文章が書かれています。

文書SCP-2444-INSC: SCP-2444-2の石版の翻訳

我が名はクンバカルナ。
我は貴様の強大なる永遠の神性にも、貴様の偉大なる戦での勝利にも倦み疲れた。
貴様の悟りは貴様を鈍らせた。
かつて我らは偉大なる戦に馳せ参じ、永遠の栄光をこの手に収めたものだ。
今やそれも無に帰し、敬虔なる黙想へと堕してしまった。
我が兄弟とその同類共の古い玩具だけが残った。つまらぬ娯楽だ。奴らは差し当たりそうしただけなのだろう。
我は争いの興奮を理解し、神との合一に倦怠を感ずる真の友を求めておる。
かつて我らが行ったような戦を望むならば、勇敢なる探求者よ、我が名を3度唱えるがよい。

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