
SCP-2689実例の小箱。
アイテム番号: SCP-2689
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全てのSCP-2689実例はサイト-77にあるキャビネット式の巻きタバコ貯蔵箱に保管します。
説明: SCP-2689は、それぞれ20本入りの箱に包装された8400本のタバコの総称です。SCP-2689実例は、外見と構成素材の面においては異常性の無いマールボロ・ブレンドNo.27のタバコに似ています。タバコが入っている小箱もまた同一のようですが、例外として、印刷されているメッセージには以下のような不一致があります。
そんなゴミ吸って何になる? 真の男なら滑らかで豊かな味わいのマールボロ™煙草を吸わなくちゃ!
フィルター無しのお口のためのフィルター無しの風味。
マールボロ™からあなたのもとへ
反マールボロ™母親連盟1協賛
SCP-2689の異常効果は、人間が舌を突き出してタバコのフィルター2に押し付けると発現します。フィルター内のセルロースアセテート繊維は唾液と接触した時点で溶解し、フィルターの紙管内部で異常な空間延長を引き起こします。紙管の中に入った舌はフィルターの直径に合わせて収縮・変形します。喫煙者の舌がSCP-2689の中に完全に引き込まれた場合、オトガイ舌筋3に刺激が加えられると、舌は余分な質量を得てさらに管の奥へと伸びていきます。逆に、舌骨舌筋4に刺激を加えるとこの効果は徐々に逆転し、SCP-2689から舌を引き戻すことが可能になります。この過程において、対象者は軽度の不快感と、“苦くて粘り気のある物質”が舌の周りに蓄積する感覚を報告しています。
15分間の舌の延伸継続に続き、対象者は、舌が管から出て“ヌルヌルした肉質の穴”と接触する感覚を訴えます。この直後、舌が堅い物体によって砕かれたり切断されたりする苦痛が伴いますが、こちらの感覚は必ずしも発生するとは限りません。ごく稀に、舌が様々な構成物から成る何かの表面上に“落下する”感覚を経験する対象者も存在します。これらの逸脱を経験した後に対象者の舌から回収されたサンプルには、コンクリートの粒・土埃・タバコの灰などが含まれています。
補遺01: 現在収容されている全てのSCP-2689実例は、ヴァージニア州リッチモンドのフィリップ・モリス社アメリカ本部への発送品の中から発見されました。複数名の中年女性が荷物を手押し車で建物のロビーへ運び込む様子が目撃されています。質問を受けた女性たちは、荷物の中身を“本当に吸う価値のある風味のフィルター無しのタバコ”であると説明しました。オブジェクトの異常特性が社内のイントラネットで議論された後、回収担当エージェントがパッケージを確保しました。当該事案に関与した女性たちの身柄は特定されていません。
補遺02: 2017年3月8日、カナダのカムループスにあるホリデー・イン・ホテルの宿泊客から警察に対し、タバコから一本の“触手”が出現して“[彼の]喉に突っ込んで”きたという通報が入りました。カムループスの王立カナダ騎馬警察に潜入していたエージェントが現場に派遣され、問題の証拠は押収されました。切断された触手を分析したところ、当時SCP-2689の実験に参加していたD-7332に属する器官であることが明らかになりました。この事件に鑑みて実験は一時中断されています。