
332-A事件前に撮影されたSCP-332。後方に立っている男性の素性は不明。
アイテム番号: SCP-332
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-332の観測・研究のために55-B観測所が建てられました。SCP-332の固定効果範囲を含むように設計されたフェンスは破壊され、非活性状態のSCP-332を観察する事に専念した研究所に置換されました。
SCP-332が活性状態に入った時、観測所の全人員は防音処理のされた観測エリアから、SCP-332により発生する音の強度と長さをその状況が終了するまでモニターして下さい。影響を受けた民間人は、感染症のアウトブレイクを装い無期限に拘束して下さい。
何らかの改変があった場合に備え、SCP-1833が一定の監視下に置かれています。
説明: SCP-332は[編集済み]の町に位置するカーク・ロンウッド高校の1976年度のマーチング・バンドの生徒たちです。バンドはSCP-332-1から-30として知られる30体のヒューマノイドより構成されています。30の事例全てにおいてヒューマノイドは1976年度のバンドのユニフォームを身に着け、1976年以前に製造された楽器を演奏しています。"失神交響楽"という言葉が全ての楽器に刻まれています。
SCP-332は通常の人間が見せるようないかなる行動も見せることは無く、かつてカーク・ロンウッド高校のフットボール場があった場所の中央で気をつけの姿勢を取り続けています。時折、SCP-332の構成員たちは彼らの通常の持ち場に戻る前に、突然不可視の力でもみ合う事が知られています。この行動の理由は現在のところ不明です。SCP-332が財団の職員にコミュニケーションを取ろうとした事例は存在しません。SCP-332が空腹、苦痛を示したり、あるいは風雨に曝されることによる害を被った事例も存在せず、30年以上苦しむこともなく同じ地点に位置し続けています。
48時間毎に一度、SCP-332は活性状態に入ります。活性状態のSCP-332は型にはまった行進を行います。SCP-332により演奏される楽曲は多様ですが、主には1967〜1976年のポップスの交響楽アレンジから構成されています。SCP-332から発せられる音は活動エリア内では変わらぬボリュームを維持し、エリア外では急速に減衰します。
もし被験者がSCP-332により演奏される音楽を聴きとれた場合、手近なところから楽器を手に入れようとし、そしてSCP-332の演奏に加わります。被験者(以後SCP-332-Bと呼称)はSCP-332の影響下に入ってから10分以内に楽器を得られなかった場合、強い不安を報告します。10分以内にSCP-332に加われなかった場合、彼らはエア演奏をしながらバンドと共に行進し、SCP-332の発する音の口真似を試みます。SCP-332に加わったSCP-332-Bは極度の疲労と空腹により気絶するまで行進を続け、倒れた後は他のSCP-332とSCP-332-Bにより踏みにじられます。SCP-332-Bが10人、SCP-332に加わる毎に、SCP-332が影響を及ぼす領域は300m増加します。この影響が及ぶ範囲は全てのSCP-332-Bが処理もしくは無力化されるまで拡大し続けます。この段階でSCP-332の活性状態は即座に終結します。
SCP-332が初めて始動した間に発生したSCP-332-A事件後、SCP-332は沈静化していました。始動から財団のエージェントにより無力化されるまでの間、SCP-332-A事件はカーク・ロンウッド高校の生徒・職員の40%を死に至らしめました。高校は火災に偽装して閉鎖され、生徒、地域住人、生存者はクラスB記憶処理がなされました。成功裡に終わったSCP-332の収容は1976年7月19日にアーカイブされ、Euclidに分類されました。
補遺332-B: SCP-332-A事件の写し
SCP-332収容後の初回の清掃作業時、カーク・ロンウッド高校の最初の縦窓であったであろう野外より16mmカメラが発見されました。このビデオの写しはひどく破損していますが、332-A事件の唯一の記録です。