SCP-4440(記録用:The Hand That’s Reaching Out / 迫り来る魔の手)
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アイテム番号: SCP-4440

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: 1時間ごとに警備員がSCP-4440の周辺エリアを巡回します。職員は常時、SCP-4440と最低でも2m離れた状態を保ってください。ケンティマネ・イベントが発生する場合、避け難い砂嵐が将来的に発生するという名目で近隣の人口密集地から人間を退避させ、完了後はSCP-4440がエリアのどの地点から離脱するか厳密に監視します。その後、財団資産がSCP-4440による建造物やその他構造物に生じた被害の復旧に充てられます。民間人は帰還させ、SCP-4440を目撃した人物にはクラスA記憶処理を施します。

説明: SCP-4440は██████の無人砂漠地帯に存在する地上絵です。SCP-4440を形成する線は平均して深さ1.5cm、幅3cmで、人間の手の形に図案化されており、面積は約427m2に及びます。SCP-4440の主な異常性はその移動性であり、1日に17m進むことが可能です。SCP-4440内に存在する電子機器のほとんどは誤作動を起こし、範囲内で発生し得る異常を発見することが困難になります。障壁を設置してSCP-4440の移動を妨害する試みは全て失敗しています。ケンティマネ・イベントの予想最短発生日は3年と163日後です。補遺4440-01を参照してください。ケンティマネ・イベントはSCP-4440が人口密集地に到達するシナリオを指します。

探査記録: 20██/07/10、他に発生し得る異常性を確認するため、エージェント・トラディアはSCP-4440の探査任務を負いました。

エージェント・トラディアには財団の標準仕様の音声・映像記録装置が支給され、 発生し得る異常とは接触しないよう指示が与えられている。

<記録開始>

[エージェント・トラディアがSCP-4440に進入すると、映像記録は途切れ、音声記録にはひずみが生じた。エージェント・トラディアにより装置の故障が報告される。]

エージェント・トラディア: ああ、クソ、少なくともマイクはまだいけるな。今のところほとんど異常はなさそうだ。

[エージェント・トラディアが2分37秒歩き続ける。立ち止まるまで、足音が聞こえる間隔は次第に長くなっていく。]

エージェント・トラディア: ああ、この辺の地面はかなり変だな。伸縮性がある。まるでトランポリンだ。

[1分12秒後、エージェント・トラディアはSCP-4440内に留まるにつれて呼吸が困難になり始め、短い咳が出るようになる。]

エージェント・トラディア: その上空気が最悪だ。水中みたいに視界が悪い。歩いても何も変わらない。

[4分が経過し、エージェント・トラディアの呼吸音および足音が聞こえなくなる。エージェント・トラディアは複数回通信を試みたと考えられるが、これらは全て認識できる範囲を超えて歪んでおり、エージェント・トラディアは故障を認識できていない。]

エージェント・トラディア: なんてこった、地面がより酷いことになってる。水の上を歩こうとしてるみたいだ。

[32秒後、音声はエージェント・トラディアのものと思われる早い足音と、浅く速い呼吸音に切り替わる。]

エージェント・トラディア: クソっ! 一体どこなんだ!

[11秒後、音声は深くゆっくりとした呼吸音に切り替わる。映像記録が機能し始め、人間の手の形をした、大きさの異なる複数の小さな穴が風景の全体に映し出される。]

エージェント・トラディア: 凄く静かだ。

[音声・映像記録が同時に停止するまで、呼吸音が13分続く。]

<記録終了>

音声・映像記録が終了した37時間後、エージェント・トラディアの遺体および記録装置が財団のバラック内に再出現しました。身体検査により、どちらの記録も存在しないのにもかかわらず、貧血および筋肉と骨の萎縮が起きていたことが判明しました。

補遺4440-01: 20██/08/12、SCP-4440が移動を停止し、時計回りに37°回転してから移動を再開しました。これにより、ケンティマネ・イベントの発生に73日の遅れが生じました。この事象の調査から、SCP-4440の進路変更は、ニューヨーク州[編集済]発1モンタナ州[編集済]2行きの民間機の移動と同時に発生していたことが判明しました。搭乗していた人物の調査は進行中です。

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