SCP-4523(記録用:Cave Story / 洞窟物語)
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アイテム番号: SCP-4523

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4523への干渉はいかなる場合においても認められません。SCP-4523付近への財団職員の配備が要求されるどのような場合においても、4人以上の財団エージェントで構成されたダイブ・チームのみが使用されます。ダイブ・チームメンバーはチーム内での無線連絡を絶えず行い、クラスB以上のフレアで持続的に視界を確保しなければなりません。フレアを除くフラッシュライトなどの照明器具の使用は許可されません。また2人のダイバーがグループを先導し、2人が後部から追従する「正方形」群泳パターンに従わなければいけません。1人でもダイブ・チームメンバーとの無線連絡が絶えた場合、任務は即時に中止され残りのエージェントは水面に浮上します。失われたエージェントを救出する試みは許可されません。

現在、SCP-4523の位置は、複数の継続中の試みにより一般社会から秘匿されています。とりわけ、これまでの作戦や死者についても含め、SCP-4523に関するすべての写真、映像、記述は削除され、更なる分析のために安全な財団データストレージセンターへ移されます。

説明: 太平洋上の、カリフォルニア海岸から約59キロメートル沖に存在する洞窟網がSCP-4523に指定されています。SCP-4523の性質に加え、財団のダイブ・チームがSCP-4523の完全な調査に失敗し続けていることにより、SCP-4523の正確な深度と構造は不明です。SCP-4523の入口とそこから数メートルでの洞窟の幅は最低3メートルです。これは資料映像に加え、人間のダイバーが比較的安易に潜行できることに基づいています。SCP-4523にはいかなる生命体も存在しないと考えられており、周辺の海洋生物が入口を――大きく距離を広げて――忌避することが記録されています。洞窟の入口から約10~15メートルが自然光により照らされていますが、以降徐々に暗くなり、最終的に視界が完全に失われます。

人間のダイバーが入って約30分後に、SCP-4523への入口は閉ざされ、また目立った他の脱出手段も存在しません。外部からは、入口が認識不可能になり、通常それが存在した痕跡も残りません。出口を移す試みは例外なく失敗しており、爆発物、掘削機械、またその他の手段により洞窟を破る試みも同様です。通信機器は動力が不足するか、使用不可になるまでの損傷を負わない限り使用可能ですが、さまざまな通信異常が度々発生します。遭難したダイバーは、主坑から非常に入りくんだ坑道が延びる迷路状の構造を報告し、ほとんどの場合錯乱や失見当識がもたらされます。

立ち入った人間は、通常24時間以内に、メインエアタンクと補助エアタンク双方から供給される空気を消費し切り、溺死します。財団ダイブチームから得られた音声記録より、不明な実体の存在が疑われており、暫定的にSCP-4523-01と指定されています。これは、一見背が高くやつれた人型実体のようであると描写されています。SCP-4523-01の実在は、それを錯乱や妄想により偽の性質があてがわれた過去のダイバーの死体であると仮説立てるプロジェクトスタッフの一部から否定されています。

補遺Ⅰ: 記録 4523-A

下記の転写は、エージェント・ロバートソン(ダイブ・チーム5)と財団中央司令部(FCC)との通信の最後の13分間からのものです。

ロバートソン: チーム5から司令部へ、どうぞ。

FCC: 了解、受信している。

ロバートソン: 酸素残量29パーセントまで低下。メインフラッシュライトを使い切った。予備に切り替えている。チームの残りからの連絡は?

FCC: なかったよ、チーム5。我々はまだ、まあ……まだ洞窟の外壁を破ろうと試みている最中だ。何か明かりは見えるか?

ロバートソン: いや、ただ――[不明なノイズ]――上に裂け目が見える。調べに向かう。待機してくれ。

[ロバートソンが裂け目に向かっている様子が聞こえる。前述の不明なノイズが再び聞こえるようになる。]

ロバートソン: 司令部、どうぞ。

FCC: 了解、続けて。

ロバートソン: 裂け目はちょっと狭そうだが、まあ…… やってみるよ。予備のエアタンクを外して引っ張っていかないといけないだろうな。

FCC: ファイブ、我々は留まることを強くすすめるが――

ロバートソン: 大丈夫だ。フラッシュライトをウェットスーツにつけて――

[不明なノイズ]

ロバートソン(マイクから離れている): なんだ?

[不明なノイズの音量が大きくなる]

ロバートソン: 司令部、ここに俺のほかに誰かいるか?

FCC: いいや。SCP-4523内に他のダイバーが存在しているという情報はない。

ロバートソン: 了解。気のせいだろう。今裂け目を通ろうとしている。

[ロバートソンが裂け目を通ろうと試みる様子が聞こえる。タンクが外され、シューという音が聞こえる。]

ロバートソン: クソ!

FCC: ファイブ、状況報告を。

ロバートソン: ライトがどこかに――クソ、無理だ――[不明なノイズ]――クソ、足がつっかえて――

FCC: タンクは取れるか?

ロバートソン: 無理だ!

[ロバートソンの息が荒くなる。不明なノイズは今や彼の声より大きい。]

FCC: ファイブ、聞こえるか?

ロバートソン: ここには何かがいる!クソ――[叫び声]

FCC(マイクから離れている): 通信を止める準備をしろ。

ロバートソン: 助けてくれー―クソ、ああ神よ――[叫び声]

[通信終了]

補遺Ⅱ: 回収された記録 4523-F

[データ編集済]日に、SCP-4523が入口からさまざまな物体を放出し始め、それらは後に人間の死体であると判明しました。DNA型鑑定により、これらの死体はSCP-4523内で死亡した財団ダイバーのものであると判断されました。死体とその状態についての記録の一部が次に示されています:

      エージェント            残存部位      注釈
オコナー 頭部、首、  胴体上部 四肢が全て切断されている。表皮上に深い裂傷。下顎が下顎骨左部先から切断されている。すべての歯が極めて高い精密さで抜歯されている。後に髪、歯、爪が下部腸管に埋め込まれていることが判明した。メインエアタンクが脊椎に接合されている。
ホーキンス 全身 ダイビングマスクが頭蓋骨と結合されているように見える。生殖器が中央部で切断されている。
ジョンソン 全身 多層階からの転落に類似する負傷による頸椎骨折。頭蓋骨の三か所に穴が開けられ、脳のおよそ43パーセントが失われている。肺の中に多量の胆汁を発見。
ラミレス 体の一部 左腕が切断され、喉に入れられており、一部が口部から出ている。両目が失われている。背部下方に深く、開いた切傷を発見。傷部に水生寄生虫を発見。

補遺Ⅲ: 記録 4523-B

[データ編集済]日、ダイブ・チーム3からの映像配信が財団中央司令部に再接続され、6時間程映像を録画し続け、SCP-4523のさまざまな部分が映されました。ある時点において、カメラは不明な手段で洞窟の壁に結合された身元不明のダイバーに接近します。ダイバーはカメラを動かしている実体の存在に気づき、リブリーザーを通して悲鳴を上げ始め、45分後に映像が暗転するまで続きます。12分後に、映像が再開し、ダイバーの胴体に埋め込まれた鎖がカメラと逆方向に引かれ、ダイバーが悲鳴を上げ続ける様子が映されます。残りの映像は識別不可能なまでに歪んでいますが、悲鳴、そして肉が引き裂かれる音が接続が終わるまで続きました。

補遺Ⅳ: 信号 4523-Ⅰ

[データ編集済]日に、ダイブ・チーム3からの映像配信が再開され、洞窟網の一部が2時間にわたって映されました。研究者の一部は人型実体のような実体が映像の左側に確認できると主張しています。録画の最後の数フレームで、暗転する前に「微笑み」が映っているという推測が立てられています。背景に聴取できる低音の音声は、後にモールス符号による次のようなメッセージであると判断されました:

カメラヲトメナイデ マタアイタイヨ

このメッセージの詳細については現在まで判明していません。

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