SCP-4860(記録用:Clown Building / ピエロ・ビルディング)
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アイテム番号: SCP-4860

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-4860は機動部隊992-ガンマ (“グラウンドキーパーズ”) 隊員によって継続的に監視、巡回され、不審な活動は速やかにサイト司令部へと報告されます。施設の保安体制を維持し、その異常性に関するデータを収集するために、閉回路カメラがSCP-4860の境界線沿いと内部各所に設置されています。これらのカメラの音声・映像の乱れや短時間の機能停止は正常な動作であり、警戒要因とは見做されません。Dクラス職員で構成されるメンテナンスチームは隔月でこれらのカメラを点検し、必要に応じて修理しなければいけません。

SCP-4860の所在地は非常にセンシティブな情報であり、レベル5クリアランスの職員のみが把握できる機密事項に無期限指定されています。SCP-4860は民間の地図や衛星画像に存在せず、行政文書にも記載されていません。幾つかのアマチュア “お化け屋敷” 観光団体がSCP-4860の限られた知識を有していますが、収容措置への重大なリスクを呈するとは考えられていません。無許可でSCP-4860に接近した職員は捕縛され、尋問され、クラスB以上の記憶処理を受けてから解放されます。

説明: SCP-4860はアメリカ合衆国の北東部に位置する、起源と目的が断定されていない広大なコンクリート建造物です。SCP-4860の徹底的な分析によって、建造物は5階建てで、各階に約50~100ヶ所の小部屋があると判明しています。SCP-4860が“活動”状態でない時、前述した部屋のドアは施錠されており、立ち入ることができません。SCP-4860内の様々な廊下は壁画や落書きで装飾されており、その大半は巡業サーカスやピエロを題材としています。とりわけ、数階にまたがって展開された複雑かつ異常に巨大な1枚の壁画には、数人の児童と交流する1人のピエロが描かれています。この壁画の制作時期が建造物の建築直後か、しばらく後かは不明です。

SCP-4860の異常性は9~16歳の人間が建造物に入ると発現します。SCP-4860の外部に繋がる入場口は封鎖され、視聴覚機器は動作不良を起こし、建造物内の全てのドアが未知の手段で開錠されます。その後の出来事はデータ不足ゆえに不明確な点が多いものの、対象者が前述の部屋から現れる多数の実体に攻撃されることは判明しています。対象者との通信は通常5~10分以内に途絶し、対象者の物理的痕跡や行方を示唆する証拠は全く残されません。プロジェクト担当職員は、この間にSCP-4860から人間の笑い声や叫び声と一致する音が発せられると報告していますが、それらしい音声は如何なる録音機器にも検出されていません。対象者の失踪に続いて、SCP-4860は入場可能になり、全てのドアが施錠された事象発生前の状態に戻ります。

3ヶ月おきに、特徴の無い自動車 (通常は白いバン) がSCP-4860の外部に現れ、内容物不明の段ボール箱を複数回収します。財団はこの車両をSCP-4860への到着時に確保しようと試みていますが、運転手はこのような計画を事前に察知できるらしく、財団職員が待機している時には出現しません。財団の監視カメラの視界から外れて11-A番道路を左折した直後に、バンは消失し、次回の“到着”時期までは出現しません。この車両の性質やSCP-4860との関係性は不明確なままです。

補遺 I: 報告書 4860-02

ピエロの衣装を着た身元不明の児童がアメリカ合衆国の各地に出現しているという数件の報告に続いて、財団はマサチューセッツ州ダンバース郊外にて、前述のバンが配送したと思われる箱を押収しました。全ての箱に連結用パーツが付属するぬいぐるみの身体部位が封入され、他のパーツと合体させると1個のぬいぐるみが完成する仕組みになっていました。財団が後ほど組み立てたところ、この玩具は身長が約1.2mのサーカスのピエロに似た形状になり、更なる分析のために二次収容室へ移されました。翌日の02:13頃、玩具は自律して動き始め、人間の発話、笑い声、すすり泣きと一致する音声を発しました。保安職員は02:29に収容室内から“大きなバンバンという音”が聞こえたと報告しました。捜査班が到着した時には、玩具は無生物状態で、見たところ自傷行為によるものと思しき鈍傷で頭部が裂けていました。

出荷された箱の1つに入っていた、タイプされたメモが下に転写されています。

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