SCP-5345(記録用: ウェソス・マロス (“悪しき骨”) / Huesos Malos ("Bad Bones"))
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アイテム番号: 5345
レベル2
収容クラス:
euclid
副次クラス:
none
撹乱クラス:
keneq
リスククラス:
caution

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SCP-5345


配属サイト サイト管理官 研究責任者 担当機動部隊
MXHGPC-サイト-10 I. サルミエント E. トレントン N/A

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SCP-5345

特別収容プロトコル: SCP-5345はサイト-10の標準的なヒト型生物収容室に収容されます。

説明: SCP-5345はメキシコのイダルゴ州でプロレスラーとして活動していたヒト型の骨格です。

SCP-5345の体格は活動性を有するヒトの骨格に類似しますが、自我と知性を有しており、その体質量で本来可能な範囲を大幅に上回る体力を発揮できます。必要とされる内臓器官が全く無いにも拘らず、SCP-5345には発話能力があり、更に視覚と聴覚を有します。

SCP-5345の服装は、黒い“ルチャ・リブレ”1マスクと、白い骸骨風のモチーフをあしらったボディスーツから成ります。SCP-5345はボディスーツに藁、綿、雑多なゴミなど多数の材質を詰め込んでいます。この行動は、骨格のみの身体を隠蔽し、人間的な目立たない姿に見せかけることを意図しています。

SCP-5345は“ロス・ウェソス・マロス”Los Huesos Malos2というリングネームを自称しており、自らはエルネスト・マーキンという元プロレスラーの霊魂で、人間の身体を取り戻すために所属共同体への“善行”を積まなければならないと信じています。この主張は検証不可能であり、エルネスト・マーキンという名のプロレスラーに関する記録は未だに発見されていません。

SCP-5345はイダルゴ州の独立系レスリング興行を訪れ、飛び入り参加を試みます。この試みの成功度合いは様々ですが、これによってSCP-5345は小規模なファン層を獲得しています — これらのファンはSCP-5345の異常性質、SCP-5345が役を演じていないこと、飛び入り参戦がイベントにとって予定調和ではないことのいずれも認知していません。SCP-5345は試合中に暴力を行使し、しばしば入院が必要になるほどの危害を対戦相手に加えることが判明しています。

補遺.5345.1: 発見とインタビューログ

SCP-5345の異常性は2020/08/13、イダルゴ州パチューカ・デ・ソトで開催されたレスリング興行で明らかになりました。この時、SCP-5345はリングに飛び上がって2チームのレスラーの試合を中断させた後、別な選手から間に合わせのナイフで刺突されました。加害者はSCP-5345に重傷を負わせるつもりだったと思われますが、代わりにSCP-5345のボディスーツが破れ、詰め物が脱落する結果となりました。SCP-5345は試合会場から逃走し、近隣の酒屋に侵入して数リットル分の商品を強奪しました。財団収容チームは数時間以内に到着し、目撃者へのインタビューと記憶処理を行いました。間もなく、SCP-5345はガソリンスタンドの駐車場に無意識で倒れているのを発見され、街の数キロメートル郊外に位置する暫定セーフハウスへと移送されました。

関係者:

  • エリック・トレントン博士
  • SCP-5345

序: 軽い抵抗の後、財団スペシャリストはSCP-5345を財団のセーフハウスへと移送し、その場しのぎの収容室に収容した。ヒト型異常存在の記録に取り組んだ経歴があるため、エリア-179から転任してきた研究者のトレントン博士がインタビュー担当者に選ばれた。


<記録開始>


*文中の全ての会話はスペイン語からの翻訳である。

(トレントン博士がインタビュー室に入室し、着席する。SCP-5345は暫定収容室の内部にいる。SCP-5345は両腕を組んで座っており、ボディスーツが破れている。)

トレントン: SCP-5345ですね? 私はトレントン博士、今日のインタビューを担当します。いやぁ、なかなかイカしたコスチュームですね!

SCP-5345: 本名で呼べ、馬鹿野郎。見下してんじゃねぇ、お高くとまりやがって、どうせスコーンばっか食ってんだろ。

トレントン: いや、その、失礼しました。ええと、ロス・ウェソス・マロスさん、でしたね? レスラーらしいじゃないですか。私も子供の頃はレスリングに夢中でした。オースティンとか、ザ・ロックとか。

SCP-5345: ガハハハ! 俺様はオースティンのケツに熱々の石炭を叩きつけて、ザ・ロックには破傷風をくれてやるよ。奴らはイカサマ師、守銭奴、企業のおべっか使いだ。正真正銘のレスラーってのはこの俺様、たった一人だけさ、ベイビー! 俺様がこの人生で逮捕されたのは今回限りじゃないって言ったらアンタは信じるか? 嗚呼、取調べ、良い警官と悪い警官、何もかも懐かしいぜ。

トレントン: まぁ、お会いできて光栄ですよ。あなたのお話を伺うのが楽しみです。今の、えー、“この人生”とは具体的にどういう意味でしょうか?

SCP-5345: 骸骨親父を抑えつけることはできねぇって意味さ! 俺様は初めからこんな成りじゃあなかったんだ。それにこれほど博愛精神に溢れてもいなかった。ふん、まぁいい、今からその話をしてやる。ずっと昔の俺様はアンタにそっくりだった — アンタほど不細工じゃなかったが。骨に肉が付いた身体だったのさ。エルネスト・マーキンってのが俺様の呼び名だった。悪い、悪い奴だった。 (笑う)

(トレントン博士がクリップボードに書き込みをする。)

SCP-5345: 当時も俺様はマスクやら何やら付けてレスリングをやってた。だが人々のためにじゃない。俺様自身のためにだ。始めはフェイスだった。

トレントン: フェイス? それは確か善玉レスラーのことですよね?

SCP-5345: プロレス用語ではな。悪役なら“ヒール”だ。敢えて言うが、当時の俺様はフェイスを演じるのがクソほど下手だった。演技の安っぽい嫌われ者で、いつも力が入り過ぎてる感があった。役をヒールに切り替えても上手く行かなかった。信じられねぇ思いだったよ。

トレントン: ここ最近のあなたは、少なくとも私が見る限りでは、悪役が型に嵌ってきたような気もしますがね。

SCP-5345: もう役じゃねぇのさ。俺様は情熱からパワーを得て本気で取り組み始めた。まず現実にヒールらしい事をやり始めた。力尽くで主催者を脅して、試合結果を変えさせて、俺が取るべきじゃねぇ金を取った。特に頻繁にやってたのは、チャリティー試合に参加した後、金をポケットにねじ込んで街を飛び出すって手口だな。ガハハ、気の毒な奴らめ!

トレントン: その… チャリティー試合とは?

SCP-5345: 地元の孤児院だの、教会だの、病院だのへの寄付金さ。ああいうガキどもはどうせ金があろうと無かろうと負け犬だ、俺様が持ってた方が世の中の為になるってもんよ! (笑う)

トレントン: それは… あの、そのお金を何のために使ったのですか?

SCP-5345: 酒と女とクスリと銃。聖なる三位一体! 観客たちも、他のレスラーたちも、俺様を見ると我慢できなかった。

トレントン: でしょうね。

SCP-5345: でもな、クインティン博士、これは昔の俺様の話さ。このデカくて骨張った心には新しい道が示された!

トレントン: どういう道ですか?

SCP-5345: その科学的な脳みそじゃ信じられないだろうがな、天使に会ったのさ! ある晩、町を歩いてると、昔因縁の合った孤児院の一つから来た男どもが俺様を止めた。銃を突き付けて、古いHuesosを肉から吹っ飛ばす気満々さ。俺様が孤児院を荒らして、奴らに残された物を一切合切盗み取ったと言った。

トレントン: 待ってください、あなたは孤児院で盗みを働いたのですか?

SCP-5345: (頭を掻く) それがよぅ、やったかどうか覚えてねぇんだわ。2、3人の文無しから盗んだことは確かにある、だがその孤児院に関しちゃ記憶が曖昧なんだ。多分酔ってたんだな。ともかく、奴らは俺様を木っ端微塵にしやがった、ガハハハ! 暫く経ってから、俺様が何処かの部屋で目覚めると、そこに天使みてぇにセクシーなネェちゃんがいた。そのネェちゃんは取引をしようと言った。もし俺様が善行を積んで地域社会から愛されたら、第二の人生を送るチャンスをやるってな。1年の猶予をあげるわ、って言われた俺様は、今じゃ万人に知られ愛されてるこの骸骨の姿になってゴミ箱の中で目を覚ましたのさ。

トレントン: これはいつの話ですか? あなたの身体にはあとどれだけの猶予が残されていますか?

SCP-5345: ああ、かれこれ5年前の事件だ。

(沈黙。)

SCP-5345: さぁぁぁて、俺様も未だにこの件は整理できてねぇんだ。悪ふざけに引っ掛かったか、ネェちゃんが俺様みてぇな色男とお喋りしたかっただけかもな、ガハハハ! あれっきり音沙汰無しさ。それとネェちゃんは、えー、エルネスト・マーキンの存在だか何だかを消しちまった。俺様が何者で、何をしでかしたか、誰も覚えてねぇ! 履歴書を白紙に戻すようなもんだ!

トレントン: そう… ですね。あの、あなたは善行を積んでいますか?

SCP-5345: 善行? ふざけてんのか? 俺様がやる事は全て善行だよ、マヌケ! ファンが満足するようになり振り構わず精一杯頑張ってんだから、“ロス・ウェソス・ブエノス”Los Huesos Buneos3って呼ばれても良さそうなもんだぜ。観客たちは俺様を愛してる、そうとも、俺様を見るためだけに会場に来る。俺様が誰かの脳天に椅子を叩き付けるたびに、この世界はますます幸福になる。

トレントン: あなたは招かれざる選手だと聞いています。それに、あなたが人々を入院させているのは分かっています — 我々は今夜、12人のプロレスラーの入院費を肩代わりしなければならなかったのですよ。誰かが怪我をしているのに、それが善行と言えますか?

SCP-5345: おうとも! それが俺様の流儀だ。プロレス界で誰よりも本気の人でなし、クソッたれの骸骨男だ! 第一、あの連中のうち半数は生前の俺様を嫌ってたんだぜ。奴らに逆襲して“ラ・トリトゥラドラ・デ・ウェソス”La Trituradora de Huesos4を喰らわせると気分がスカッとする。俺様の得意技でな、相手の両腕をボキッといくまで肩の後ろに引き込んでやるんだ! (笑う)

トレントン: 何故あなたは今夜逃げたのですか? あまり身なりに気を使うタイプではなさそうですが。

SCP-5345: それは、その… 周りを威圧したくはなかったからな! コスチュームに詰め物をしてんのは、その方が快適だからだ、いいな? 俺様は身体が骸骨でも完璧に平気だ、分かったな? ったく。

(SCP-5345はズボンの中を探り、携帯酒瓶を出して“飲み”始める。)

SCP-5345: やれやれ、飲まなきゃやってられねぇや。とにかく、俺様は改心した。

トレントン: 改心? いや待ってください、その瓶は何処で入手しました?

SCP-5345: 内緒だ。俺様が改心した証拠が欲しいか? 今夜俺様が酒屋を襲ったのは喉が渇いたからだ。数年前だったら面白半分に襲っただろうよ。

トレントン: そもそもどうやって飲んでいるのですか?

SCP-5345: 丁寧なもてなしをありがとよ、ベンソン博士。だが言った通り、俺様には積むべき善行がある。取り戻すべき肉体がある。試合が続いてんのにこんな所で時間を潰してる暇はねぇ。

トレントン: 残念ですが、そういう訳には —

SCP-5345: ガハハハハ、俺様の話を理解できてねぇな?

トレントン: 理解していますとも。あなたは恒久的に収容されます。

SCP-5345: 悪く思うな、トリスタン。俺様はアンタに喧嘩を売るほど骨のある男じゃない、やるべき仕事があるだけだ。

トレントン: なんっ —

SCP-5345は収容室のドアに向かって飛び掛かり、衝突時にドアが破損する。SCP-5345の体当たりによって、トレントン博士は床に突き倒される。


<記録終了>



03:03: SCP-5345がトレントン博士を攻撃する。保安警報が鳴り始める。SCP-5345はインタビュー室から逃走しようとする。

03:05: 室外に待機していた警備員2名がSCP-5345に発砲するが、効果は無い。SCP-5345は両方の警備員を攻撃し、1名が殴られて意識を失い、もう1名が逃走する。SCP-5345は銃器を回収する。

03:11: セーフハウスに駐留しているSTF警備員7名の分隊がSCP-5345を包囲し、制圧しようとする。SCP-5345は銃器を持っているにも拘らず格闘戦を開始する。数名の財団職員が負傷し — 頭からオーブンに押し込まれて重度の火傷を負った者が出た他、警備員2名が階段の吹き抜けから投げ落とされるなどした — SCP-5345はロビーを去る。

03:15: SCP-5345がセーフハウスの外縁部に到達。ここでSCP-5345は職員1名を自動車のフロントガラスに投げ付け、ガソリンとバーナーを用いて別な職員1名に放火する。SCP-5345はその後、フィールドエージェント用の自動車で逃走し、パチューカの街へと向かう。財団部隊が航空機で追跡する。

03:44: SCP-5345は盗難車両を降りて大聖堂へ向かう。この過程で神父2名が暴行を受ける — 1名はステンドグラスの窓を突き破って投げ出され、もう1名は木製の信徒席に叩き付けられる(信徒席は命中時の勢いで破損)。財団のヘリコプター1機と地上機動部隊が大聖堂を包囲する。

03:48: SCP-5345は神父1名を引きずりながら大聖堂の屋根に現れ、肩に担ぐ。SCP-5345は長い独白を開始する。書き起こしは以下の通り。

SCP-5345: SCG社団法人とやら! 好き勝手にここいらをチョロチョロ走り回って、何でもかんでも操って、何か怪しいからって檻に閉じ込めた奴らを引っ叩いて、そんな事が許されると思ってんのか? そいつらはただ自分らのケツをぶっ飛ばされ… 蹴っ飛ばされ?たくねぇだけだ! マロスの福音書にこんなたとえ話がある。ある所にサラって名前のウェソス親父を尊敬してる女の子がいた。その子は毎週12チャンネルを見て、ウェソスが対戦相手の骨をすり潰しては宇宙の星屑に変えるのを見るのが大好きだった。そんなある日、白衣を着てスコーン食ってお上品にトランプでババ抜きなんかしてやがる畜生の群れが、ケツに試験管を突っ込んで駆け付けて、サラのお気に入りの骸骨を牢屋に閉じ込めやがった。サラは滂沱の涙を流した、それもこれも全部お前らが悪い。あの子は病気になっちまった、唯一の治療法はヘンソン博士のカメムシ面が18輪トラックの横っ腹に20回叩き付けられるのを見ることだけだ! 俺様はこいつをサラに、ウェソス・マロス印のTシャツとスウェットバンドを身に着けた難病の女の子に、そして俺様のファン一人一人に捧げる。チビのクソガキどもが、何処ぞの大学機関で給料を稼ぐためだけに働くマジもんのクソ野郎にならないように、俺様はこうする! あいつらは俺様がこの業界の最高峰で、お前らなんぞ比較にもならないってのを知ってるんだ。今夜、お前らの勝ち目は地獄行きだぜ… 真っ逆さまになァ!

03:54: SCP-5345は神父をスープレックス5の要領で担ぎ直し、大聖堂の屋根から、下方に待機している財団職員の群衆目掛けて飛び降りる。収容スペシャリストが到着し、SCP-5345を移動式収容ユニットに成功裏に収容する。神父が重傷を負って病院に搬送される。

04:15: SCP-5345はサイト-10に移送され、標準ヒト型生物収容室に収容される。



序: SCP-5345は上記事件の2時間後に再びトレントン博士のインタビューを受けた。SCP-5345は標準ヒト型生物収容室の中におり、顔を両手で覆っている。


トレントン: SCP-5345、我々とまた会話してもらえますか?

SCP-5345: (驚いた様子) はっ? 何 - おう。さっきのショーは結構良かったと思わねぇか? アンタたち化学教師のケツを黒板にめり込むほど蹴っ飛ばしてやったぞ! (笑う)

トレントン: しかしそれでもあなたは収容室に連れ戻された。

SCP-5345: 試すだけの価値はあった。俺様みてぇなエンターテイナーは必ず最後に一暴れする必要があるんだよ。間違いなく現場の誰かが楽しんでくれたはずだ。

トレントン: では、私も含め、あなたが負傷させた人々はどうなります? 私はあなたを割と公平に扱ったつもりでしたが?

SCP-5345: いいか小僧、俺様の周りじゃいつも怪我人が出る。大した事じゃねぇ。

トレントン: ならば状況の深刻さgravityをなるべく早く理解していただけることを願うのみです。

SCP-5345: 重力Gravity? 止せよ。俺様はな… 俺様はウェソス・マロス、太陽系史上最悪の人でなしだぜ。こんな箱で俺様を閉じ込められるとでも?

トレントン: はい。

SCP-5345: なら考え違いだ。

(沈黙。)

トレントン: 今後は檻の中の骸骨として暮らしていただきますが、構いませんね?

SCP-5345: 俺様が永遠にここに居っぱなしだと思ってるらしいや。覚えとけ、俺様は幸運児だ。アンタが気付く前にここから抜け出して、みんなの腕の中に戻ってやる。

トレントン: みんなとは誰のことです? あなたは良くてせいぜいが単なる娯楽、最悪の場合は憎しみの対象ですよ。第二の人生を歩むチャンスを与えられてから5年も経っている理由を一度でも考えてみましたか?

SCP-5345: 何を言ってるか分からねぇな。俺様は人々の心に触れた! 骸骨になっても、心を動かすことができた!

トレントン: そう思わせておきましょう。ともあれ、あなたには、その骨格だけの身体に対して抱えている明白な不安障害を克服するための精神治療を受けていただきます。何か質問は?

SCP-5345: 生きてて不安になったことなんか一度もねぇ、ボケナス。俺様は今のままでも完璧に平気だ。

(SCP-5345はズボンの股間に手を伸ばし、酒瓶を探しているように思われる。)

トレントン: それは素晴らしい、しかし予定は変わりません。財団へようこそ、SCP-5345。明日の朝またお会いしましょう。

(トレントン博士は退室の準備をする。)

SCP-5345: おい待て! まだ、あの… クソ。俺様はこの独房から出られるよな?

トレントン: 我々が必要と判断したなら、時々ね。今夜はあなたのおかげで大いに迷惑を被りましたから、当分期待しないことです。

SCP-5345: じゃあ… どうやって善行を積めばいいんだ? どうすれば肉体を取り戻せる? ここじゃ何一つできねぇよ!

トレントン: それを考える時間はたっぷりあります。どうか悪く思わないでください、SCP-5345。あなたは人々がどのように生活しているか、或いは少なくとも何が人々を怒らせるかを理解できないほど愚かではないはずです。その知性を使って、何故ここ数年間物事が上手く行かなかったかを熟考しては如何ですか。

SCP-5345: グァハハハハハハ! 奴らは正しかったのかもな。俺様は善玉を演じるのがずっと苦手だったよ。骨の髄まで悪党だからな、どうしようもねぇんだ!

(SCP-5345は長時間にわたって笑う。笑い声は徐々に無理やり絞り出すようなものに変わってゆく。トレントン博士が退室する。)

SCP-5345: (叫ぶ) 所詮こんなもんはただの商売さ、馬鹿野郎!


<記録終了>



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