SCP-5863(記録用:Bird Brained / 鳥頭)
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アイテム番号:SCP-5863 レベル3/5863
収容クラス:keter confidential

撹乱クラス: vlam


特別収容プロトコル: 財団ウェブクローラ Πουλί がソーシャルプラットフォームを継続的に監視し、SCP-5863関連画像を発見次第削除します。SCP-5863に感染した民間人は記憶処理されます。

現在、1羽のSCP-5863個体がサイト-34の低セキュリティ標準型鳥類収容チャンバーに収容されており、最低4匹のイエネコが低セキュリティ棟の付近に待機しています。


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野生のSCP-5863個体

説明: SCP-5863はマダラカンムリカッコウ(Clamator glandarius)の亜種です。この亜種の破損していない卵を消費した人間は、非致死的な寄生性実体に感染します。症状は以下のように進行します。

  • 卵を消費してから約2-3日間、断続的に頭痛が起こります。これらの頭痛の持続期間と激しさは、消費された卵の量に概ね比例します。影響者のMRI撮像は、卵状の塊が頭蓋底部に存在することを示します。
  • 約12-15日間、全ての症状が治まります。
  • 約2-4時間にわたって激しい片頭痛が起こります。硬い物体で骨を叩くような音がしばしばこの段階で報告されますが、音源は特定できません。

これに続いて、影響者は甲高い鳴き声の幻聴、断続的な鋭い頭痛、樹液・昆虫・嘔吐物などの非定型的な食物を食べたいという欲求を報告します。これらの人物は往々にして、未調理かつ無傷の鳥の卵を食べることを他の人々に奨励します。


補遺


I. 発見

SCP-5863は2024/03/20、機動部隊ラムダ-14 (“一ツ星レビュアーズ”)が実施した財団おとり捜査で発見されました。この作戦において、MTF Λ-14はアンブローズ・バックドア・ソーホー店の常連客数名を拘留し、アンブローズ・レストランの食材供給元に関する情報を得るために尋問しました。

定期医療スキャンは、孵化していないSCP-5863個体の卵が、常連客の1人の頭蓋骨内部に存在することを明らかにしました。


II. アンブローズ・レストランの声明

以下のログは、財団研究員とアンブローズ・バックドア・ソーホー代表者のインタビューの書き起こしです。このインタビューはSCP-5863の発見後間もなく、当該異常存在の起源と分布について更なる情報を得るために、財団が手配したものです。

映像記録


質問者: テンプルトン博士、SCP-5863研究主任

回答者: ヴァーノン・ドーシー、アンブローズ・バックドア・ソーホー店長

注記: このインタビューは財団の尋問室で実施された。協力的姿勢を確保するため、ヴァーノン・ドーシーにはインタビュー前に自白剤を混入させた水が与えられた。


[記録開始]


テンプルトン: 当記録はヴァーノン・ドーシーの声明、その内容は…?

ヴァーノン: 我々が珍味として提供したカッコウのクローン卵について。

テンプルトン: この声明は2024年3月26日、対象者によって直接記録されたものである。

ヴァーノン: それでですね、ええと、我々は例のあそこ… ギザの発掘現場から新しい石板が幾つか出土して、つい最近翻訳されたばかりだと聞いていました。それらは古代の珍味に言及していました — マダラカンムリカッコウの亜種の卵を、殻にくるまれた未調理のまま提供するとね。

我々は幾つかの調査を行い、そのカッコウの亜種が、石板が作られてから間もなく絶滅したと知りました。多分100年ぐらい? もう少し長かったでしょうか? 当時の我々は、卵が美味しすぎて乱獲された末の絶滅だと想定していました。

しかし、それは我々には好都合でした! 卵が非常に希少な食材であり、我々は独自の… えー、“リソース”を使って卵をアンブローズ系列店で独占できることを意味したからです。我々はどうにか8、9羽ぐらいのクローンを作るのに十分な遺伝物質を内部に含む数個の卵を、発掘現場の近くから発見できました。不健康すぎない繁殖個体数を得るにはそれで十分でした。

クローニングの後、そのカッコウの卵は概ねニワトリの卵大で、見た目もかなりそれに近いと分かりました。我々はこんな卵を誰かがその、丸呑みできるか定かでありませんでした。何せ大きさが大きさですから。なのでウェイターの1人に試してもらうと、問題なく呑み込めたので、他にも数人が試し-

[​ヴァーノンは一瞬、苦しげに顔を歪める。テンプルトン博士が休憩を申し出るが、ヴァーノンは首を振る。]

ヴァーノン: それで、とにかく全員が無事で済みました。私には実際、どうして誰も卵を喉に詰まらせなかったのかよく分かりません。万が一に備えて、最初のお目見えにはハイムリック法の訓練を受けたウェイターばかりを同席させましたが、卵を食べた後にそれが必要になったお客様は今まで全くいません。

最初に卵を提供した時、お召し上がりになったのはごく数名でした。しかし、彼らは非常に卵を堪能したので、同じディナーの席で他の方々にも断続的に提供することになりました。変わった事は何も — 少なくとも、いつもより変わった事は何も起きませんでした。

後日、数多くのお客様が体調を崩したという報告がありましたが、我々はそれを二日酔いのせいだと軽く片付けて無視しました。それから数週間の間、我々は有頂天でもっと多くの卵を売りさばきました。お客様はそれを愛していた! 私にも理由は分かります、あれは本当に美味-

[​ヴァーノンは再び頭を掴み、苦しげな表情をする。]

テンプルトン: 続けられそうか?

ヴァーノン: ええ、少々時間をください。

[​ここから約2分間、環境音のみが録音されている。]

ヴァーノン: 大丈夫です。何処まで話しましたっけ?

テンプルトン: 卵を食べた人々に何かが起こり始めたという辺りだね。

ヴァーノン: そう、そうでしたね。

多くの人々が奇妙な行動を取り始めたという報告を受けました。時たま甲高い声で鳴いたりとか、そういうアレです。我々はこの手の事件を真剣に受け止めています。異常な食品を扱う以上は、安全な物だけを提供しているとお客様に信頼していただかねばならない。

我々は原因を突き止めようと試み、すぐに卵へと絞り込みました。あまりに多くのお客様が影響されていて、他に考えられなかったのです。

テンプルトン: 影響された顧客のリストを提供してはもらえないだろうか?

ヴァーノン: いえ、申し訳ない。我々は機密性を大いに重視しています。お客様の半分が財団に引き抜かれては商売あがったりですので。

テンプルトン: 分かった。他に何か伝えられる事は?

ヴァーノン: その、考古学者たちは発掘現場で調査を続けました。我々が彼らに給与を支払いました — 他にも何か興味深い物が見つかるかもしれないというのも理由でしたが、主に口止め料でした。数日後、彼らはもっと多くの石板を見つけました。

それらの石板にはバステトを崇める教団の人気の高まりや、ひょっとするとその創設についても書いてあったかもしれません。その点に関しては翻訳が少々曖昧です。どうやら教団の成長は、カッコウの個体数の減少と関連があるようでしたが、具体的な繋がりははっきりしません。断片によると、人々は何かの予防策としてネコを飼うべきであると-

[​ヴァーノンが大きく咳込み、口から小さな血の雫が滴る。ヴァーノンは続けて数回咳込んだ後、身振りで水を求める。]

[​テンプルトン博士がヴァーノンに水のコップを渡し、ヴァーノンはそれを飲む。ヴァーノンは話そうと試みるが、声が出ず、身振りで必死にペンと紙を求める。]

[​ヴァーノンは口を大きく開けて後ろに崩れ落ちる。嘴がヴァーノンの口中で声帯と室ひだの一部を咥えているのが見える。嘴は前方に突き出し、ヴァーノンの顎をさらに広げる。血液と脳組織の断片にまみれたSCP-5863の成鳥が、ヴァーノンの口中から出現する。]


[記録終了]


III. 更新

2024/13/15、MTF Λ-14の潜入エージェント3名が鼻腔から3-6個の鳥の卵を排出し、3ヶ月間の隔離措置が取られました。監視カメラ映像は、3名のエージェント全員が鼻から排出した卵を共用冷蔵庫の鶏卵と入れ替えたことを示します。

MRIスキャンで3名全員のSCP-5863感染が確認されました。SCP-5863収容プロトコルの適切な改定案を判断するために、更なる調査が進行中です。


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