アイテム番号: SCP-6810
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: 全てのSCP-6810実例は現在、サイト-24のE棟に保管されています。PoI-6810の身元について更なる調査が進められています。
説明: SCP-6810は、超常現象の確保収容に関する王立財団 (HMFSCP)1 から継承された異常アーティファクト4点の総称です。各物品とその特異性は以下の通りです。
SCP-6810-A: 銀の燭台。蝋燭立て部分に置かれた蝋燭は瞬時に発火し、燭台から取り外さない限り消火できない。
SCP-6810-B: 持ち手部分が若干損傷した木製の手桶。容積の最大5倍まで水を入れることができる。この特性は水以外の物質には及ばない。
SCP-6810-C: 弦の張られていない、全体が金で作られたケルティックハープ。枠を優しく撫でると、穏やかな音楽を15~30分間生成する。
SCP-6810-D: 磨き上げられた大柄なヒト型実体の頭蓋骨。12世紀初頭頃のものと特定。鈍的外傷の結果と推定される線状骨折が右側頭骨にある。

19世紀後半頃と思われるホワイトチャペルの写真。
発見: SCP-6810の構成要素は全て、ロンドンのホワイトチャペル地区における住宅火災の後、密封された収納箱から回収されました。この火災の原因は不明のままですが、放火が疑われています。住宅の元住民であったホーナー氏 (PoI-6810と指定) の行方は分かっておらず、敷地を引き払うのを目撃されたのが最後です。
イギリスの童謡・童話を編纂したアンドリュー・ラングの著作 “銀の妖精の本” が1冊、無傷で瓦礫の中から発見されました。標題紙には1888年6月30日付で次の手書きメッセージが残されていました。
私は古の黄金時代に
竜も悪魔も屠ってきたが、
更に邪な獣が今この地に跋扈する -
王子も農民も区別なく、
黒き瘴気が心を穢す。
こうして思うに、この神無き時代には、
不滅の悪役を演じるほうが
儚き英雄よりも向いているのだろう。
- ジャック