アイテム番号: SCP-910
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-910のサンプルは標準的バイオハザード封じ込めユニットに鍵を掛けて保管されます。最小2名の護衛によって警備される必要があります。SCP-910と接触した者は誰であれ焼却処理されます。灰は[消去済]処分される必要があります。
封じ込めが破られた場合はサイトを閉鎖し、全ての職員はSCP-910と接触したものとみなし処理されます。
SCP-910の取り扱い及び研究には細心の注意を要します。すべての実験は最少2名のレベル4職員による許可が必要です。
説明: SCP-910は高度に複雑なタンパク質です。哺乳類がこのタンパク質に接触した場合、初期曝露後10-20秒で表皮を通過し血流に侵入します。10分から15分後、タンパク質は未知の生化学的メカニズムによって身体の再生能力を変更します。霊長類の場合は1時間後に、あまり複雑でない哺乳類(ハムスター、アレチネズミ等)は20分後に、変化の徴候を示します。SCPに接触したヒトは、吐き気、めまい、倦怠感、少数のケースで視界のぼやけを自覚します。これらの症状は24-48時間で消えていきます。SCP分類はSCP-910の長期的な影響によるものです。
変化の後、被験者は、明らかに"不死"となります。更に、正常な生物学的再生能力を失い、傷が非常に遅い速度で回復するようになります。一般的に考えられる致命傷では、対象の身体を完全に破壊する場合を除いて、被験者を殺すに至りません。被験者は[削除済]までには汗および唾液と共にSCP-910を分泌するようになります。
SCP-910は████/██/██、████████近くの村で発見されました。村の住人は███年前にSCP-910に曝露しました。村の年長者は数百歳を超え、生物学的、精神的な激しい劣化が見られました。村と住民は[消去済]の適用によって処理されました。しかしながら、住民の処理が完了したとしても、[消去済]の可能性は以前そのままです。
補遺: セキュリティクリアランスレベル3以上を持つものは面接記録910-1を閲覧できます。同じくレベル4以上を持つものは事案記録910-2および事案記録910-3を閲覧できます。
インタビュー記録910-1:
被験者は自身の髭で部分的に覆われた負傷を持つ72歳の男性です。面接官によると精神遅滞は見られません。
エージェント: 記録の為に名前と年齢をお願いします。
被験者: ██████████ █████████、72歳。
エージェント: 怪我をしていますね。治療が必要でしょうか?
被験者: これか? 気にせんでくれ。古い傷だ。何度か髭剃りに失敗しただけだが、治らんのだ。
エージェント: 痛みますか?
被験者: 勿論痛む。だが、だがわしには(激しい動揺)時間がまだ…(更に興奮する)…時間がまだ山ほどある!
エージェント: あなたに何かできることが…(中断)
被験者: (ほとんど泣きながら)わしらは死ねん。あんたはそれがどういう意味かわかってるのか?村の病院は見たか?(泣き続ける)
エージェント: いいえ。病院について説明して下さい。
[消去済]
被験者: (まだ動揺しているが、単にすすり泣きながら)そして、それは最悪のことじゃない。将来人々に起こる[削除済]を知らなければならん。あんたは考えた事があるか!?(叫びながら)あんたは何も知らん!あんたはそれを知ることもない!
エージェント: どうか落ち着いて。
被験者: (少々落ち着きを取り戻して)す、すまなんだ。どうかその…████████さん。助けては貰えんだろうか…頼む!(再びの絶叫)助けてくれ!
事件記録910-2:
エージェント████████は面接記録910-1の後に村の病院へ向かいました。到着すると、地元のボランティアがICUの案内を申し出ます。
最初の部屋には重傷を負った12歳の少年が収容されています。ボランティアは子どもが近くの森で崖から落ち致命傷を負ったことを説明します。怪我には治癒の兆候が見られません。子どもは化学的に昏睡状態にあります。
次の部屋には最年長であると推測される男性の村人が収容されています。患者は高齢及び負傷によって[削除済]であると思われます。この時点でエージェントは5分間の休憩を要請します。
[削除済]
エージェントはSCPの性質を確認し、即時の増援を要求します。
████/██/██ 増援到着
事件記録910-3:
SCP-910への曝露によってエージェント████████は解雇を要求しました。彼は村の住人と同じ運命を辿りたくないとの理由を述べました。要求は[承認]されました。しかしながら[削除済]