SCP-947 (記録用:Their Own Fault / 自業自得)
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SCP-947内観

アイテム番号: SCP-947

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-947を収める建造物(以降サイト36と表記します)は財団資産使用の下に買い取られ、当地に設立されているサイト36の周囲200 mはフェンスで囲われています。民間人のサイト36への進入は禁止されています。サイト36への進入を試みた民間人にはクラスA記憶処置を執行した後国道██号線警備施設に差し戻します。サイト36勤務職員には月毎の精神鑑定受診が要求されます。

SCP-947-2への職員の接近は一切行いません。SCP-947-2への監視行為は崩落した二階ダンスホール上方の、SCP947-2周辺に設置した監視カメラ越しに行われるものとします。

説明: SCP-947はネバダ州████████に位置する放棄された████████カジノ1に関連する現象事例集を指します。

SCP-947-1は████████カジノ内部に見られる霊体の集団を指します。この霊体達はその着用した衣服に応ずる所では1920年代の米国社会における中産階級の者達と似通っています。SCP-947-1達はこれまでずっと二階のダンスホールのみに現れており、SCP-947-2創出事案からは、建造物の崩落によりダンスホール中央部に生じた穴から、SCP-947-2が地下にある事が明示出来ています。

SCP-947-1達は全く静穏[補遺947-B参照]SCP-947-1以外の者とは交流を望まないか不可能であると見られます。SCP-947-1達の全員はその身振り手振りで自分達は極めて酷い苦痛の中にあり、SCP-947-2への注目を逸らせないと表します。現在までにSCP-947-1は73例が記録されています2

SCP-947-2は████████カジノ基礎部分に位置する断層です。SCP-947-2は下張り床の南西部角から北東部角にかけて約28 m延びています。また幅は約10 m、深さは約60 mです。注目点として、SCP-947-2は地震活動の結果では無いようですが、████年██月██日の[削除済]事案にある程度関連するものと思われます。

SCP-947-2AはSCP-947-2の底部に位置する人間の遺体を指します。 この遺体は監視映像により、恐らく頭蓋部への重度の外傷により死に至った、若い女性のものであると結論付けられました。SCP-947-2Aは通常1~1.5ルクス3の淡い光を発します。

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SCP-947-2.

SCP-947-3は四階の元の間取り図に存在しない扉を指します。その現時点の位置取りからは管理事務所脇の入口として使われたであろう事が示唆されます。しかしながら、現在までSCP-947-3開扉の試みは全て失敗しています。

各日19時06分にSCP-947-3前の床に手書きのメモが現れます。現時点ではこのメモは全く同一の文面が繰り返されています。自然に出現する事を別とすると、メモに異常な性質はありません。このメモの作成者は未だ不明のままです。 (文書947-A-ARC参照)

補遺[947-A]: ████年██月██日、SCP-947-2Aの隣に更に別の人間の遺体(以降SCP-947-2Bとする)が現れた。遺体は中年男性のものとみられる。当遺体の出現はSCP-947-2内部での更なる事案と一致する。(文書947-A-ARC参照)

補遺[947-B]: ████年██月██日、SCP-947-1の一体4から静穏だが聞こえる程度のすすり泣きが観測された。これは当個体が消失するまで7時間続いた。現時点まで、この現象は再出していない。

文書947-A-ARC: 以下のメモは封じ込め開始日である1969年11月8日以来、毎日SCP-947-3前の床に出現した物である。このメモは████年██月██日より出現していない。

これよりはマシであることを期待していただけだと思うのだよ。これよりは多くのことを期待していた。友人に、家族に、全ての人々に対して。品位ある人間に対してならば望みうるギリギリの最低限、それさえあれば満足できていたことだっただろうに。だが、高望みというものだったのだろう。

祝賀会だということになっていたのだったが、あいつらが建物に入ってきたその瞬間にやつらの意図が見て取れた。やつらはどいつもこいつも、やつらが全員で欲しがったものを欲しがっていた。つまり、私が持っているとあいつらが思い込んでいたカネだ。どいつも空虚なやつだということがわかった。私と顔を合わせて、私を取り巻いて、それから……

下にあるものは、まさしくやつらが受け取るに相応しいものだ。それはあいつらの完全な映し絵なのだ。神よ、あいつらがあの奈落を永遠に見つめ続けていますように。あの奈落こそはやつらとまったく同じく空虚なものなのですから。このこと全部の真の悲劇とはそのことなのだ。

あいつら全員があそこに殺到したときも、金庫室について喚き立て始めたときも、私は努力はしたのだ。彼女がそこに立っており、あいつらが彼女を殴るのを目にした。助けようと私は彼女に手を差し伸べたが、彼女は既に奈落へと去ってしまっていた。彼女が宙にいるのを私は目にした。それから彼女が宙にいないのを。あいつらは彼女に一瞥すらくれなかった。やつらはただあれを覗きこんで金について喚き続けていた。そして彼女は落ちていった。

下に金庫室などない。一度としてあったこともない。あるのは闇と彼女だけだ。やつらは周りに立ったまま……下を見つめ続けている。それが自業自得なのだと気が付きすらしないままに。

君達がもっとマシであることを願っている。

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