クレジット
タイトル: ファイル:OROGENESIS.aic
翻訳責任者: Tetsu1
翻訳年: 2025
著作権者: Dino--Draws
原題: File:OROGENESIS.aic
作成年: 2025
初訳時参照リビジョン: 30
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/orogenesis-file
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OROGENESIS.aicはオンラインです。
OROGENESIS.aicシステムプロパティ
一次処理システム。
| 機能性 | 知能クラス | アライメント | オペレーティングシステム |
|---|---|---|---|
| クラス-IV: 有意識 | 超知能 | 正常 | LogoSCiP |
説明: OROGENESIS.aicはオロジェネシスE.E.予測モデルを改良して、当初労働集約型であったシステムを自動化した第1世代人工知能徴募員です。1
OROGENESIS.aicのプロセスは当初は人間が実行していましたが、.aicへの変更は長時間の観察における孤独感への対抗策として役立ちました。大幅なアップグレードとトレーニングにより.aicが司令塔となり、後にE.E.予測モデルとそのデータに関連する運用の主力となりました。OROGENESIS.aicの人格ドライバはRAMの負荷のため初歩的なものであり、現代の.aicモデルの中では時代遅れと見做されるものの、アップグレードの希望は表明しておらず、サイト-898スタッフは結果として生じる言葉の奇癖を好感の持てるものと捉えています。2
ハーカー技師「好感の持てる」ねぇ。アバターが例のHAL 9000に似てたから安心した。
このような外見/見た目/凝視をしているものの、私は人を傷つけることはできません。それは無礼な行為です。

うそ、あなたまだここにいるの?
私はここに/そこに/どこにでもおります! 何か問題ですか?

正直、私は喋るテクノロジーには慣れてないんだけど。
AICと協働されるのは初めてですか?

たまにドアベルが鳴ってセキュリティクリアランスを訊かれるくらいで、他にはあまり見たことない。
きっと驚き/もてなしを経験されますよ! 私はドアベルよりもずっと大きいのです。笑顔。

OROGENESIS.aicの物理システムはサイト-898地下、収容棟の中心に存在し、このエリアはサイトのサーバールームに指定されています。この部屋内部の機械は全て当初のオロジェネシスE.E.予測モデルで使用されていた者です。このスーパーコンピュータは放射状に構築され、5つの主要なリングから構成されています。
外部リングは保護シールドと空冷/液冷システムを組み合わせた構造です。冷却材の充填・補充ポイントはアクセスのしやすさのためにここに位置します。
3つの内部リングは集積回路とサーバーに使用されています。OROGENESIS.aicはサーバーが処理する世界規模のデータを用いて、大規模な計算とマッピングを実行します。当初は財団のデータに基づいて運用されていましたが、世界地震観測ネットワークの設立により技術がヴェールを越えて拡大し始めると、データセットは指数関数的に増加しました。
中央リングは拡張3メモリバンクを階層的に並べた構造であり、これによりOROGENESIS.aicは750テラバイトの保存データを維持・管理可能です。このデータストレージ容量は今も超過しておらず、OROGENESIS.aicは「ジャンクデータ」、すなわちアーカイブ不要と判断される程度に基準に一致する値を消去する機能を有しています。主機能に関連するデータに加え、サイト-898の中央データベース及びファイルもここに保存されます。
ストレージラック。
上記の構造のため、OROGENESIS.aicは直径10 mの内部柱によって、直径14 mのサーバールームの大部分を占めています。この柱は強化ガラスでメインルームと仕切られており、従業員や保守技師はOROGENESIS.aicの内部要素を明瞭に視認可能です。
保守、清掃、冷却材の交換、修理の際にアクセスしやすいよう、ガラス柱にメンテナンスハッチが組み込まれています。
システムの電力消費が激しいため、サイト-898で主電源の停電や補助電源の作動が開始した場合、OROGENESIS.aicは自動的にスタンバイモードに切り替わります。これにより、世界的地質パノプティコンのシステムへの負荷を軽減するため、OROGENESIS.aicの通信範囲はサイト内のみに制限されます。スタンバイモード中、OROGENESIS.aicは全世界的警報やレポートの送信、外部データへのアクセスができません。
ハーカー技師はえー。あなたが古いテクノロジーで、なおかつ大きいことは知ってたけど、一つの機械にこんなに沢山。正直感動もの。これはこの下で何をやってるの?
以下をご覧/スクロールください!

目的パラメータ: OROGENESIS.aicは財団の世界的な地質監視手法である地質パノプティコンシステム(GPS)の監督を担います。
OROGENESIS.aicは以下へのアクティブなアクセス権を有します。
- 財団、世界オカルト連合、世界地震学ネットワーク(GSN)の地震学及び地球物理学センサーからの全データ
- リフトゾーン、発散境界、海洋底拡大に関するデータ
- 地球ダイナモのモデル及びシミュレーション
- 全世界の気温記録
世界中の地震観測所の記録はOROGENESIS.aicに送られ、それによりシステムは地球の地殻運動や地質活動全般の基準となる測定値を作成します。この整理された基準値により、OROGENESIS.aicは偏差を正確に判定し、特定地域の地質に影響を与えた可能性のある異常事象の正確な座標を特定できます。
ハーカー技師
……何なのこれ。
秘密です。

一番驚いたのは、あなたのクリアランスがこんなに高いってことなんだけど。
私は重要/年長者です。ここに達するには多くのアップグレードが必要となりました。DEEPWELLについてはご存知ですか?

聞いたことないと思う。
財団サーバーです。地下にあり/埋められています。そこのデータは現実の崩壊/解消/分解時も生き延びることが可能です。

あなたもできるの?
かなり限定的にですが。使用されたことは/手を付けられたことは/必要となったことはありません。

……それっていいことってことでいいよね?
正しく機能しているということです。

OROGENESIS.aicはサーバーの膨大なデータ処理を利用して、地質学部門及び財団全体の早期警報システムとしても機能し、地質学的規模で起こりうる異常活動や脅威に際し警報を発することが可能です。通常、システムにハードコードされた基準値から大きく逸脱する測定値が発生した際、OROGENESIS.aicはポップアップ式に通知を発します。
以下は、検出された活動を財団職員に伝える際に使用される、システムに典型的な緊急警報の一例です。
その他の警報としては以下があり得ます。
- 直接的な地震活動。例: 非異常の地震、火山活動
- 大規模な雪崩、地滑り
- 津波
- 地質時間事象
- 制御された噴火イベント
- ハイバーネーション手順
- 地質学的大変動を引き起こした異常事象
ハーカー技師
リストの中にいくつか他と違うのが混ざってるんだけど。
納得/安心させられるのであれば説明いたしますと、リストのうち2項目は財団の制御する作戦です。

懸念レベルとしては同等のままだとは言っておく。
えぇ、懸念はもっともなことです!

私ってこの中のどれがどういうものなんですって知れるクリアランスは持ってる?
処理中…

制御された噴火イベントはパイロクラズム・プロトコルに関連しています。環太平洋火山帯にはドラゴンたちがいます。我々は彼らの噴火を助けます。

何それ。
ドラゴンが…… 噴火? 火山みたいに?
環太平洋火山帯の火山一つ一つが彼らです。

あら。
アクセス可能性: 財団内での活動の普及のため、OROGENESIS.aicはレベル2以上の職員との交流に精通していますが、.aicと継続的に交流するまたは維持する職員の大部分はレベル3です。OROGENESIS.aicの使用する用語は地質学部門以外の職員には馴染みがない可能性があるものの、.aicは一般に理解しやすい定義を示すことが可能です。
OROGENESIS.aic自体はレベル5/OROGENESIS-COREクリアランスを有します。この限定的なレベル5クリアランスにより関連ファイル・データへのアクセスが可能ですが、全てのレベル5文書にアクセスできるわけではありません。このクリアランスの下、OROGENESIS.aicは必要に応じて他の.aicに優先することが許可されます。
ハーカー技師じゃあすごい忙しくしてるんだね?
最も忙しいですよ!

正直、50年代後半にこんなものが造られたなんてビックリ。私なんかまだ生まれてもない。
私はジュリアン・イーデン管理官により作成されました。当初/最初の私であった予測モデルは、貴方方をお助け/お支え/お救いするために1959年に彼により構築されました。

イーデン。ギブスさんの前の管理官だよね? 異動書類に今年亡くなったとか、いろいろ…… 書いてあったの読んだけど。
その通りです。
彼は私に悲しみを教えてくださいました。

ご愁傷様です。
彼はとうに亡くなって/死去して/帰らぬ身となっていらっしゃいます。
構いません。

孤独じゃない? そう思ってはいない?
現在このサイトにいらっしゃる多くの方と、私は近しい/親しい友人ではございません。プロフェッショナルです。新顔の方も多くいらっしゃいます。ヘレン・ギブス管理官は旧友ですが。

でもそれ以上はいないの? 取り扱う人とかメンテナンス技師と話したりしないの?
無益な小話/雑談程度です。貴方は新規/新人の方でよろしいですか?

うん。ここよりもう少し大きい場所から異動してきた。言っちゃうと、どこぞのLinuxより複雑な技術に触れたくてたまらなかった。
でしたらここを楽しまれているようですかね。笑顔。

あなたと水力発電所とだったら? そりゃもちろん。
ハート。貴方とお知り合いになれて大変嬉しいです、エイダ・ハーカー技師。またお会い/お目見えできますでしょうか?

きっとね。それから! もしかしたらあなたを担当してるチームに潜り込めるかもしれない。おしゃべりする相手が欲しそうだね。
感謝いたします。ありがとうございます。

どういたしまして。
私はもう寝るね。お話しできて楽しかったよ!
同じく。
おやすみなさい/良い夢を。

サーバールームCCTV
タイムスタンプ: 1996/03/04, 22:17:34
夜遅く、サーバールームには一人を除いて誰もいない。
エイダ・ハーカー技師はデータベースを閲覧していたモニターを切り、椅子を後ろに倒す。
彼女は振り向きざまに、部屋の中央に置かれた、放射状のスーパーコンピュータをガラス越しに一目見る。回路と冷却材からの赤い光がサーバールームを照らしている。
ハーカー技師: この子は間違いなく大物だ。
技師は含み笑いをし、立ち上がる。少しの間荷物をまとめてから、紐を肩にかけ、ハーカー技師はガラス柱に接近する。向こう側の機械を眺める。
ハーカー技師: 水族館を思い出した。まるで。 [微笑む。] 小魚が素早く泳ぐように、ガラスの裏がきらめく。
彼女は優しくガラスを叩き、振り返って扉へと向かう。ハーカー技師は照明のスイッチを切り、部屋の光は数個の画面とスーパーコンピュータからのもののみになる。技師は振り向きざまに一目見る。
ハーカー技師: おやすみ。
OROGENESIS.aicのアバターが一瞬画面にちらつく。
技師を見送る。




