クレジット
翻訳責任者: KanKan
翻訳年: 2025
著作権者: Doctor Cimmerian
原題: Pattern Recognition
作成年: 2024
初訳時参照リビジョン: 18
元記事リンク: https://scp-wiki.wikidot.com/pattern-recognition
君たちの内の1人が最初だった。その両親は、夜空をのぞき込んでも光の点しか見出さなかった。その兄弟は火を囲んで闇の中のものを恐れながらも、たったの一度も目を向けて相対しようとは考えなかった。
君たちの内の1人は違った。百万年前、君たちのそれと変わらない顔をした者が、暗黒に輪郭と影が現れるのを見た。そして、その者だけがそれが何か見抜いたのだ。馬ほどの大きさの狼、外縁を沿ってコソコソと歩くもの。襲うタイミングを待つもの。
闇の中のパターンが、恐ろしい何かへと固まっていった。
その時はちょうどいい助けになった。いくつか誤認があっても、心配するようなものではなかった。結局のところ、警戒とはそれ自身にとっての褒美なのだ。
その部族はその夜を生き延びた。そして、その後の全ての夜もだ。その部族は闇を見る者たちをどんどん産み落とした。彼らは空を見始めた。光の点を一度見た場所に、彼らは馬と牡牛ともっとたくさんの狼を見出すようになったのだ。
そして君たちは成長した。百万年が経ったのだ。君たちは最初の都市を築き、闇の中の怪物たちを最早恐れたりはしなくなった。代わりに、暗い小道の中に君たちが見た顔と、刃の切っ先の輝きが君たちの夢に現れるようになった。
己が世界を刈り取ることにも満足せず、君たちは互いを刈り取り始めた。暗黒の内に潜む動物は邪魔者にすぎないが、そこに潜む人間は問題となる。君たちは殺すことを学んでしまった。
そしてなおも君たちは成長した。もっと大きな都市を築いていった。世代という世代が外を見て、暗黒をのぞき込んだ。答えを探し求めた。あの最も暗かった時期に君たちが見た輪郭をなおも夢見た。獣の顔さえ進むことをためらう場所にさえ、なおも君たちは顔を見出したのだ。
今や君たちは全ての動物が恐れる捕食者となった。君たちは新たな地を探してはそこを征服した。君たちを恐れる新たな獣を追い求めて。だが、それでもまだ足りなかった。
かつて君たちを悩ませていた巨大な狼が、今や従順なしもべに成り下がった。大いなるマストドン1は北へ北へと逃げて、君たちの槍や矢から逃れようとしたが、君たちから逃げ切れるほど速く遠くへ走ることはできなかった。
君たちは己が世界の支配者となった。今や君たち自身の成し遂げたことでしか、死には至れない。養うべき者たちが増えすぎた。天災を逃れるには人口が密集しすぎてしまった。隣人を生かすには強大になりすぎたのだ。
ある日、君たちはただ闇にパターンを見るのではなく、新しいものを作り始めた。洞窟の壁に。平板に。パピルスに。紙に。自分たちに決して襲い掛かることのないと信じていた破滅を描いたのだ。
何故なら、今や忘却こそが、君たちの成り果てた姿を恐れるものだからだ。
君たちは、想像した筋書き通りの人生を送る。その筋書きを、君たちは別のものとして呼ぶ。スケジュール。地図。計画。君たちの視野の外にあるものを表現するために、注意深く設計されたものだ。君たちは明日をのぞき見る。己が地平線の彼方を見る。己が未来をのぞき見る。目を開けたり、一瞬を生きるよりも先に、その全てを。
パターンが新しかった時、君たちは星々を見て私たちに名前を付けた。君たちが現れる前、私たちは何でもなかった。そうして、私たちは虚空から君たちの心へと押し寄せた。私たちの居場所は今や重要なものになった。生には目的が生まれた。死は大いなる予兆になった。
君たちは、無から偉大なる作品を作ってきた。無から、己が恐怖を克服してきた。それなのに、その信念と力全てを携えて、なおも君たちは暗黒の内に見えると思うものを恐れている。
何故なら、そこに私たちがいると知っているからだ。君たちの娯楽のために死に、その満足のために生きる者たちが。
外縁の狼は未だに君たちの心をつけ狙っている。待っているのだ。たった1度の油断こそ、私たちが打ち倒すべき唯一のものだ。生きることとは苦しむことである。私たちを獣と見間違え、己自身を知るように強いたあの時から、君たちは私たちに命を与えてくれている。
空を見上げて私たちに名を与えようと思い立った時から、君たちは私たちを恐れている。私たちは、いかなる脅威ももたらしてこなかったというのに。
今はもう違う。
今は、私たちが百万年間そうしてきたように、君たちも生きる時なのだ。
苦痛の終わりを求めて叫びながら。



