現在財団に雇用されている博士たち。
ダニエル・アシュワース博士 (Dr. Daniel Asheworth): 奇跡術師であり、自称"錬金術師"。短気で、気難しく、時に傲慢な人物だが、良心の持ち主。1950年代に素性不明のアメリカ人の母親と素性不明のポーランド人の父親の下で生まれる。財団でも珍しい、異常な手段によって自身の若さを維持する者の一人。
ダミアン・ノヴァク事件の指揮権を持つ。ダニエル・アシュワースは以前放浪者の図書館やウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズの一時的なメンバーであったと考えられており、彼は自らがサイト-120管理評議会において有用な人物である事を幾度となく証明してきた。
これまで幾度となく、彼の過去は容易には突破不可能な秘密のヴェールに包まれていることが判明しているが、同時にPoI-5936 ("ダミアン・ノヴァク")、彼の手中にあるカルト集団"チルドレン"、およびO5-9との相互的な関連性があると考えられている。仄聞的な逸話や過去の記録以外にこれを証明する公的な証拠は存在しない。
トーマス・ベイリー博士、トレバー・ベイリー博士、トリスタン・ベイリー博士 (Doctors Thomas, Trevor and Tristan Bailey): 財団に雇用されているそっくりな三つ子。多元宇宙航行アレイの発明者であるタイラー・ベイリーの息子たちである。財団への雇用期間は不明ながら (従業員記録と個人記録に差異あり)、見たところでは20歳~40歳の範疇に収まっている。これは常に宇宙の垣根を超えて活動することによる副次的な影響である。
トレバー・ベイリーはかつて多元宇宙業務部門の部門長であったが、Keter級アノマリーの対応ミスによってサイト-19でのデスク仕事へ降格させられた。トム・"ボンバディル"・ベイリーは並行宇宙の探査キャリアを経て、現在はサイト-1483 (第三南極帝国内に位置) の長官である。トリスタン・ベイリーは物理学者、外交官、そして多元宇宙翻訳機の設計者である。かつては[編集済]に割り当てられていたが、現在はサイト-87に籍を置く。
ハロルド・ブランク博士 (Dr. Harold Blank): 異常現象に関する歴史家 (An historian) であり、サイト-43の記録保存・改定セクション長。気難しく、皮肉屋で、何事も必要以上に深刻には受け取らない (これには自身も含まれる)。毎年ある特定の日にある特定の任務に失敗するたびに、別時間軸を生き延びなければならない少数のスタッフの一人。ウェットル博士とは「友人」、リリハンメル博士は親友、研究パートナーであるメリッサ・ブラッドバリーとは恋愛関係にある。
ジャンゴ・ブリッジ博士 (Dr. Django Bridge): 財団文書館員アーキビスト。物静かだが存在感があり、物憂げかつ気まぐれな印象を持ち合わせている。並外れた記憶力の持ち主。ブライト博士とファーストネームで呼び合う仲であり、何度もブライト博士の非公式な助手として働くことがあった。
ジャック・ブライト博士 (Dr. Jack Bright): 財団の人事局長。やや非道徳的。財団に非常に忠実。戯けた人物かもしれないし、恐ろしい人物かもしれない。あるいはその両方かもしれない。つまり疑いなく遠慮がない。SCP-963の影響を受けており、963に触れたものの体を乗っ取ることができるため不死身。
彼の家系は大昔から財団に (あるいは他の異常団体に) 関わっている。彼の弟はSCP-590 (これは少数の人間が知っている) で、SCP-321は姉妹 (この事実はほとんど誰も知らない) である。少なくとも、財団の上級職員である親族が2人いる。ブライトの廃棄されたボディの数体 — 963から分離した段階での自我と知識を持ったまま — は財団の極秘プロジェクトに配置されているが、厄介事がないわけではない。ブライトはほとんど無意識下で永久的な死を希求しているが、皮肉なことに、死にたくないと思ったばかりに963の一部になってしまった。
ジェレミア・シメリアン博士 (Dr. Jeremiah Cimmerian): 倫理委員会渉外。職務をいくぶん深刻に受け止めている。まさかイギリス文学の博士号や副専攻の哲学が就職に役立つとは思っていなかったが、前者が彼を研究者として財団に就かせ、後者が彼の長期的な雇用を決定づけた。ダジャレを言うことと、人型実体の倫理的な取り扱いに並々ならぬ興味を持っている。
アルト・クレフ博士 (Dr. Alto Clef): 謎めいた人物であり、玄人 (genre-savvy) 。適応性が非常に高く、賢い嘘つき。元世界オカルト連合 (GOC) 工作員で、対現実改変者のスペシャリスト。また、ファイル整理係もやっていた。現実改変に対する耐性と写真に顔が写らなくなる特性を付与する、異常な処置を受けている。劇的な人生を歩む運命にあり、長く数奇な過去を抱えている。心中にはどこか自己嫌悪的な一面も潜む。ミソジニストから改心した。彼に関する大抵の噂は誇張されているか要領を得ない。
ケイン・"パトス"・クロウ博士 (Dr. Kain "Pathos" Crow): 学際的な天才科学者で、特に生化学およびロボット工学を専門としている。公に出ることがあったとしても、稀にしか見られない。とある異常事態の結果として、恒久的に犬のような体に変化した可能性がある。
オリンピア・プロジェクトを筆頭とする、異常性を由来とする有用なオブジェクトを作るために、複数回の極秘のクロステストを実施してきた。なんども終了されかけた。犬の体が不自由で、寿命が不明瞭なために、生産性が大幅に低下している。彼のサイドプロジェクトの多くは休止状態となった。
ダン・███████博士 (Dr. Dan ███████): 癪に障る性格の感情的な天才で、大局主義的な行動原理を持つ。元海兵隊員。収容しておくには危険極まりない、あるSCPの主任研究員であったが、O5評議会に自らのやり方を認めさせることができなかった。独断専行で何十人もの人々を殺した末に彼の解体 (decommissioning) 要求は承認されたが、同時に彼も死刑宣告を受けた (以上、時系列順)。
十年後も生きている。拘留中は解体提言の起草をして過ごしていたが、後の大規模収容違反において彼の非線形思考のスキルが再び大きく発揮される。現在は緊急時脅威戦術対応機構 (ETTRA) の管理官を務めており、周知の通り、かつての彼が仕組んだような異常災害に対する財団の対応計画を立案している — そうした策謀が、甚大な人的被害を世界に招きうることを脳裏に刻みつつ。
マイケル・エジソン博士 (Dr. Michael Edison): レベル3の研究員であり、現在は財団のサイト間実験イニシアチブ (ISTI) の部門長を務める。エジソン博士は非公認かつ準備不足な行動を繰り返しており、なんども懲戒処分を受けている。これらの行動のため、サイト-██南極基地への一時的異動が行われた。サイト-19における現在の職務は、彼を担当するセラピストの認可を必要とする。
大抵の時間は静かで控えめだが、エジソン博士は密かにクレフ博士 (あるいは多くの職員が抱くクレフ博士像) のようなワルい男になることを夢見ている。研究者として尊敬はされているものの、彼の突飛な奮闘はほとんどの場合、嘲笑を買うだけだ。配送エージェント・ロードランナーに対して些細な、しかし積年の恨みがある。 時々ひどいファンフィクションを書くことが知られている。
チェルシー・"光合成"フォトシンセティック・エリオット博士 (Dr. Chelsea "Photosynthetic" Elliott): 異常・非異常を問わず扱う植物の専門家。献身的かつ親身で、視野狭窄に陥りやすい。しばしば現場に出てくる。というより、ラボでも実地調査でも過度に"陣頭指揮"をしたがるので、多数の怪我を負う羽目になっている。手から腕にかけて傷だらけである。
"由来不明の太陽" ("sun of unknown provenance") の影響を受けたために、異常な能力を持っている。これについては調査が進行中である。自身の選択した研究分野の世界的な科学知識を向上させたいという強い個人的な願望を抱えており、これはセキュリティ上のリスクに成りかねないと考えられている。つまり、彼女は自身の驚異的な研究成果に対して過度に興奮し過ぎており、財団における自身の役割に葛藤を感じている。
ジャスティン・"ジェイ"・エバーウッド博士 (Dr. Justine 'Jay' Everwood): GoIスペシャリストであり、財団と相まみえる多数の要注意団体について熟知している。特に関心を抱いているのは、ワンダーテインメント博士とウィルソンズ・ワイルドライフ・ソリューションズ。基本的に親しみやすい人物だが、しばしば平凡な、あるいは奇抜な空想にふけることがある。
ジャスティンよりはジェイと呼ばれることを好み、ノンバイナリながら女性代名詞も受け入れる。かれ (They) は右腕を失っているが、これは未解明のとあるインシデント (noodle incident) によるものである。よくサイト-55に駐在しており、信頼する助手としてレックス・アルケスがいる。
ジョセフ・"ジョー"・フィネガン博士 (Dr. Joseph "Joe" Fynegan): サイト-409の上席研究員であり、複数のSCPの収容/文書化を主導している。過去、同僚の財団職員を殺害した疑いをかけられていたが、後に罪状は全て撤回された。ARBH-クラスイベントシナリオ、通称"昆虫地獄"終末級事象の専門家。若干社交下手で、とびきりのナード。非常に落ち着いた性格だが、立場の割には些かナイーブかもしれない。
元GOC工作員で、CIスパイの疑いがある、現財団エージェント・アメリア・カバシクと (おそらくは恋愛上の) 関係を持つ。監視の簡便化のために、彼女も共にサイト-409へ割り当てられている。
チャールズ・ギアーズ博士 (Dr. Charles Gears) ("歯車人間"コグ) ("COG"): (驚愕反応が見られないくらいに) 異常なほど感情を欠いている男性で、普通ではないレベルの論理的思考と知性を備えている人物。元々はEuclidクラスオブジェクトの専門家だったが、後に研究分野を拡大した。重要であるかないかを問わず、凄まじく膨大な数のSCPオブジェクトに関する研究に深く関わってきた。 近代財団史に多大な影響を与えた人物。
記録の上では財団設立後間もなく雇用されたことになっている……しかしその時系列と、彼の年齢と経歴は完全には一致していない。ほとんど知られていない私的なこととして、重大な時には彼は感情を抱く。単にそれを表出させないだけである。それができないから。なぜ? 理由があるとしても、それを知るものはほぼいない。
"黒の女王"を自称する女性アリソン・チャオの父親である可能性がある。またO5評議会員の息子である可能性がある。
サイモン・グラス博士 (Dr. Simon Glass): 心理学部門の部門長。高位の財団職員の心理評価を委任されている。非常に共感的。時に"情にもろい"と捉えられることがある — それは財団の研究員に対しては真実なのであるが、それでも彼は信頼に値する。インタビューの過程で続々と恐ろしい真実に触れているものの、それでもまだ正気と共感を失っていない。
仲間の多くが要注意団体と関与しているが、その中にはカオス・インサージェンシー (親戚経由) や蛇の手といったものも含まれる。したがって、自分が高位の者からどのように見られているのかを気にしている。
フレデリック・ハイデン博士 (Dr. Frederick Heiden): 神経学の専門家。心配屋、不安定、感情移入しやすく、理屈にばかり目を向けがちである。当初は非Safeクラスオブジェクトの担当を制限されていたにも関わらず、数多くの高機密プロジェクトに関与している。
密かにブライト博士の助手として通じている可能性がある。ハイデンには……"計画"がある。もしくは……あった。おそらく。ハイデンは一度殺されて、蘇ったかもしれない — 実際には死んだままかもしれない。しかし、それでもなお、彼は現役のスタッフとして扱われ、財団内で何らかの役割を果たしているように見える。1
1彼はただハイデンだ。
ホイガル博士 (Doctor Hoygull): 知性あるカモメ。財団鳥類部門の部門長で、機動部隊イータ-4 "失せろトリ頭"の指揮を執る。
エヴァレット・キング博士 (Dr. Everett King): 財団の中でも経験豊富な数学者の一人であるが、キング博士の評判と言えばもっぱら、彼が実験すると不思議な結果が出てしまうという悪いものである。それにもかかわらず、彼は定期的に財団内の知的刊行物に寄稿している。
キング博士による実験は厳重に管理される必要がある。リンゴの種が出現するためだ。しかも、その量が指数関数的に増しているように思われている。集中観測によると、キング博士は、このどうやら神から授かったらしい能力にイライラしている。
マーク・桐生博士 (Dr. Mark Kiryu): 上席研究員 兼 Anomalousアイテム処理研究所の管理官。採用当初は、資格を持つ心理学者として、セラピストとしてのキャリアを築いた。財団での最初の数年間はSCP-1457と幅広く協力していたが、それについて語る事はなく、その後、知性的なSCP実体を含むいくつかのプロジェクトを先導した。陽気な良い聞き手であり、時折過保護な母鳥と例えられるほどに仕事仲間や研修生に目をかけている。彼の机の上にはセラミックのタツノオトシゴと鉢植えの竹がある。
ジン・桐生博士 (Dr. Zyn Kiryu): 非常に多作な研究者。多くの財団機密プロジェクトに参加。強迫観念や衝動性の持ち主で、仕事を終えるために寝食しないことが多い。彼女は学校教育を終える前に財団に参加し、飛び級の財団プログラムを修了した。当初は人を寄せ付けず、内向的であったが、内心では野心的だったので次第に自分を解放するようになった。彼女はしばしば、財団の新入職員の面接を取り扱うことを申し出ている — 時に冷酷な組織に入る前に、新入職員にポジティブな導入をしたいと望んでいるからだ。密かに詩の才能がある。コンドラキ博士の失踪後、当時放棄されていたSCP-408を含む異常な蝶と彼の同盟関係を偶然に受け継いだ。
マーク・桐生というさらに高位の研究者の兄がいる。O5司令部は、未知の理由でジン・桐生を注視している一方で、その兄は最終的には無関係と片付けている。彼女はレッド・ライト・ハンドの監視と調査を受けている。— シロかクロかは不明だ。
アダム・リーワード博士 (Dr. Adam Leeward): 感情的に混乱し、倫理上の葛藤がある人型実体収容スペシャリスト。サイト-11出身であり、サイト-81在住。いくつかのミスをおかした可能性があるかもしれず、いくつかのミスの後始末をした可能性もあるかもしれない。人格の中に標準的な冷淡さがないというわけではないが、いくつかの (ある種の痛みを伴う) 弱点がある。
異常な行動に注意しなければならない。善意はあるが欠陥がないわけではない。もちろん、この分野では、このような欠陥は予想以上に深刻なケースがある。
ソフィア・ライト博士 (Dr. Sophia Light): 生物学者、外科医、そしてサイト管理者。余りにも多くの秘密を抱えている。好感の持てる人物であるが、恐ろしい人物でもある。ぶっきらぼうで、決断的で、打算的であり、プレッシャーに強い。友好的で開かれた (そして感情的に安定した) 関係を維持することに努力を注ぐ。顔に軽度の傷あとを抱え、左手は過去の怪我のために時々動かなくなる。子供時代にトラウマあり。当時、世話人は彼女をアフリカの荒野に連日取り残し、野外での生存術を学ぶよう強制した。彼女の当時の婚約者を含む11人が死亡したという極秘化された異常事件の後、財団に加わった。現在または以前はトロイ・ラメントと恋愛関係にあった。
ライト博士がO5司令部 (特にO5-2) と不自然なほど密接に関与していると主張する根深い噂は真実だが、だからといって彼女の生活が楽になるわけではない — 彼女は現在 (きっと破滅するだろう) 異常な部隊アルファ-9の部隊長である。いくつかの最高機密扱いの現実変移に関与したらしい — 中には財団自身が実施したものもある。いくつかの最高機密の理由により財団の枢要の人物だとされているが、その理由を彼女は知らない (あるいは覚えていない)。
リリアン・S・リリハンメル博士 (Dr. Lillian S. Lillihammer): 天才級の頭脳の持ち主。サイト-43で最高位のミーム学者で、ミームの発見、解読、無力化、制作に携わる。常に他者より6歩先を行く。ヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディアの主任研究員。反社会的で傲慢だが、それを補って余りあるほど有能なので誰も気にしていない。
リリハンメル博士は基底現実全体が破滅を迎えるのを18年間、そして現在も回避させ続けているが、その健闘がわかるような傷は一つも無い。財団が彼女を見つけたわけではなく、彼女の方から財団を見つけたわけだが、財団がこれについて後悔したことは無い。サイト-43で長年働く同僚であるブランク博士とは生涯の友人であり、空想科学師のプレースホルダー・マクドクトラート博士とは恋仲であるが、彼らは時折、彼女と関わったことを後悔させられてもいる。
ジュディス・ロゥ博士 (Dr. Judith Low): 歴史学部門の上級顧問。サーキシズムとして知られる宗教的実践の専門家で、SCP-2133、SCP-2191、SCP-2480の収容に携わる。
コナー・マクウォーレン博士 (Dr. Connor MacWarren): 異常技術開発に注力する精力的な研究員であり、フィラデルフィアのサイト-98で管理役員会の一員も務める。異次元アノマリーを専門とする自身の部門を現在監督している。自虐的で皮肉屋で短気、そして毎回自らの無味乾燥なジョークを聞き間違えられて言い直すはめになるのを心の底から嫌っている。元海兵隊出身であり、父に高い業績を上げたGOCエージェントを持つが現在は疎遠になっている。
財団のリソースを使って彼個人のプロジェクトに費やしてきた経歴がある。マクウォーレン博士はこれらを"とても重要な実験だった"と主張しているが、実際には余計な兵器や機器を開発する言い訳にすぎない。彼の労働倫理は疑わしいものであるが、その創意工夫と才能が財団のオカルト技術・科学の土台を発展させていることを鑑みて財団に留め置かれている。
エヴァレット・マン博士 (Dr. Everett Mann): 型にとらわれることのない医学研究者であり、罪の意識に乏しい、異常な形態での外科の専門家。冗談めかして"マッドサイエンティスト"と呼ばれている。(彼は"マッドサイエンティスト"という言葉に反対し、より正確な"マッド・ドクター"と呼ぶことを要求し、さらに適切な学歴を持つ人ならば、その違いを十分心得ておくべきだと主張している。) 研究の名のもとに簡単に道義上大問題であることをしようと考える。印象的な口ひげを蓄えている。彼の幼少期の教育のために、彼の文化知識や流行の知識は甚だ時代遅れで、時代錯誤的な滑稽なことをしてしまう。
彼を育てた叔父経由で財団に採用された。その叔父は、異常な研究によって要注意人物として財団の注意を引いていた。何人かの財団最上位メンバーと親密な関係にある。将来予測される特定の状況下では、財団にとって潜在的な危険性があると考えられている。
ジェイム・マーロウ博士 (Dr. Jaime Marlowe): 時空異常、異次元異常、視覚異常、空間異常および認識災害型異常を専門とする平均的な研究者。以前は"痛ましいほど、痛ましいほど、痛ましいほど平均的"と評されていたが、軽い対人関係の事件や、ストレス下で見せる似つかわしくない激怒で知られるようになった。独立した異常事象と説明が付かないながら明白なつながりがあり、事象の発生頻度は増しているように見えるばかりだ。そのためマーロウのプロフィールは少しずつ厚みを増している。
プレースホルダー・マクドクトラート博士 (Dr. Placeholder McDoctorate): 空想科学部門長。当初はIT部門に雇用されており、1996年にはSCP-5241の収容に果たした目覚ましい活躍から部門長に昇進した。サイト管理官に昇進してからは、個人的に空想科学部門への異動を要望。理論空想科学の目覚ましい発展に寄与したことで、部門長へと昇進したのち、元型課 (Archetypicals Division) を設立した。同時期に、彼の名前はSCP-INTEGERによって過去改変的に抽象化されてしまった。
リーヴィン・マーサー博士 (Dr. Riven Mercer): 獣医学研究者、桐生研究室の第二指揮官。Anomalousアイテム貯蔵庫に入ってくるものの人材配置を取り仕切っており、時に外仕事へ赴くこともある。動物の扱いに手練れており、実験室で不機嫌そうなフトアゴヒゲトカゲを飼っている。
イルゼ・レインデルス博士 (Dr. Ilse Reynders): 災厄により停滞に押し込まれた犠牲者ではなく、むしろ彼女はそれを80年間の自己改善コースに変えてしまった。現在は16の博士号、サイト-43最高峰の頭脳、そして老いない脳と身体を有している。玄妙除却の初期から現代に至るまでのパイオニアであり、将来的には時間異常部門長になるポテンシャルを秘め、また様々なフロント企業を偽装するための、財団の表層呪装を開発したチームの一員でもあった。
イルゼ・レインデルスはいずれサイト-43の管理官になるべきはずの人材だった。彼女はその構想の只中にいたが、異常文書処分室の事故のせいで有望だったキャリア生命を断ち切られてしまった。だが人間離れした精神的・感情的不屈さでもって、彼女はガラスの向こう側で何回分もの人生を過ごした — ほぼ全ての分野で財団一流のエキスパートになる、ただそれだけを目的に。そしてほぼ当然のことながら、彼女はその後脱出した。彼女はこれまで愛してきた誰よりも長生きし、焼却炉での生活から箱に囚われない思考になった — そして、イルゼのように賢い人物にとっては、時間でさえ箱にすぎない。
ジェシー・リベラ博士 (Dr. Jessie Rivera): サイト-120管理評議会のメンバーである、クラスⅣ現実改変者。ダニエル・アシュワース博士の右腕として、彼とともにダミアン・ノヴァク事件に取り組んでいるが、より現実的な視点を持つ。サイト-120の設立に携わった人物である、ハンナ・リベラの孫娘。サイト管理評議会メンバーのマグダレイン・コンウェルと結婚している。
キャサリン・シンクレア博士 (Dr. Katherine Sinclair): ウィスコンシン州スロース・ピットに位置するサイト-87のオカルト研究及び奇跡論部門の実質的主任。ただし同部門の構成人数は2名である。現在は壊滅済みの要注意団体"サテュロスの御代" (Satyr's Reign) によるスロース・ピット襲撃事件や、2014年のクリスマス・インシデントなど、多数の事件に関与している。彼女の前腕には、炎の儀式の失敗により火傷痕が残っている。
シンクレア博士が初めて呪文を行使したのは17歳の時で、その時偶然に魔法円 (Hermetic Circle) を描き、生来の魔法の能力をその陣に対して注入したことにより、ノートを燃やしてしまった。大学では、蛇の手の過激派セクトに所属しており、セクトが人間を生贄に捧げようとしていることが分かったあと — 人間の生贄は非常に凶悪な奇跡術的結果を導き出すため — 事実上財団に逃げ込んだ。彼女の趣味や私生活に関する噂のほとんどは、嘘か中傷である。
ヨハネス・ソーツ博士 (Dr. Johannes Sorts): ミームの専門家およびフィールド研究者で、美術史の博士号を取得している。30代後半の白人で、髭は剃っておらず、白髪がかった茶色の髪をしている。太りぎみで、常に灰色の帽子を着用している。通常の状況下では強迫的で臆病、被害妄想的であるが、ミームまたは情報に基づく災害下では堅実で集中力に溢れた状態となる。プレッシャー下での間違った選択 — 私の影響下にあった警備員の射撃を含む — による複数の懲戒報告あり。現在精神医学的評価下にあり、関与は比較的安全なプロジェクトに制限されている。
財団の基本的な主義に対して、普通の人が抱くよりも狂信的に傾倒している。何度か自身の管轄外のオブジェクトの内部保安に違反する試みを行ったために、恒常的な監視下にある。
コール・セレヴン博士 (Dr. Cole Thereven): 異常交流・交渉部門長で、サイト-63の研究員。いくつかの倫理的に疑わしい研究プロジェクトに関わっている。彼が当初思っていたよりも、財団にとっては遥かに重要な人物だ。
ウィリアム・W・ウェトル博士 (Dr. William W. Wettle): サイト-43の再現研究セクション長。誰からも好かれぬ人物。才無し、脳無し、意欲無し、愛想も無くて、ツキも無い。断固としてキャラクターの成長、キャリアの出世、友人関係の構築を拒む。だがどういうわけか、基底タイムラインの存続に必須な存在でもある。頻繁にヴィキャンデル=ニード・テクニカル・メディアのアノマリーの調査を担当しているが、ほぼ毎回彼の意思に反している。人知れない面があるかもしれない。
ウィリー・ウェトルに人知れない面なんて存在しない。彼が並外れて不運であるのは、彼の身辺に付きまとう確率影響型アノマリーが原因であるらしい。また、より妥当なところでは、これこそがカルマが実在する証拠だなんて話もある。空想科学的に言えば、この男は完膚なきまでに主人公のエネルギーを持たない — 彼はまだ知る由もないが、その特性がきっかけでいずれ宇宙へ行くことになる。
タデウス・シャンク博士 (Dr. Thaddeus Xyank): 現在のクリアランスは低レベルだが、非常に重要な財団の研究者。時間異常を専門としている。やや傲慢で長々と話す男だが、新進気鋭の天才と考えられている。
サイト管理官、部門長、その他財団に雇われている管理職の人間。
ジーン・カーライル・アクタス管理官 (Director Jean Karlyle Aktus): サイト-81の管理官。外見上とてつもなく歳をとった男で、徹底的かつ効果的な収容プロトコルをもたらす、封じ込めにおける分析的アプローチで知られている。アクタスは財団分類委員会のトップを務めており、アルファ-9とカッパ-10を含むいくつかの風変わりな機動部隊にも関与している。
アクタスは30代で白血病を患い、すぐに合併症で死んでいると言われている。私は、ある監督官が虚無に手を伸ばして彼の魂を引っこ抜き、体に戻して再び息を吹き込んだのだと聞いたことがある。「仕事が多すぎるんだ、カーライル」と監督官は彼に言った。「死はまだ君を捕まえることはできない」と。
彼は時折何週間も姿を消し、いつも若干彼らしからぬ様子で帰ってくる。薬だ、おそらく。彼を生かすために何かを注入している。彼を働かせ続けるために。彼の身体はもうほとんど死んでいるんじゃないか? 人間は永遠には生きられないだろ?
もしかしたら彼にはできるのかもしれないが。
来年まで待ってくれないか?
チャールズ・アンボロー博士 (Dr. Charles Anborough): サイト-59および、サイト-117の管理官であり、Keter収容スペシャリスト。好奇心旺盛で身体障害者である核物理学者。破局的脅威と切っても切れない関係の持ち主のように見える。幸いにも、彼はとっさの判断力と持ち前の幸運の双方に異様なまでに恵まれているため、財団業務においてはもってこいの人材である。常に答えを求め続けている複雑な過去と似つかわしくない、寂しい笑みと、無表情な皮肉を備えている。
生涯を通して今日に至るまで、彼は訳も分からないまま、とある偉大な人物の陰を追って歩み続けている。世界の崩壊を食い止め、XK、YK、ZKイベントを止めてきたが、彼の妬みや憎しみ……そして茫漠な空虚感を軽減させるのには十分でないし、その空虚感から流れる涙が尽きることはない。彼は答えを求めてやまない。そして人類にとっても、彼が答えを見つけることは絶対に必要なのだ。
カルヴィン・ボールド管理官 (Director Calvin Bold): 解体部門の管理官・創設者で、元研究員・倫理委員会連絡員。やや物議を醸す人物で、特に彼の運営する部門が槍玉に挙げられることが多い。やや異様な姿をしており、SCP-212の事故で変化した骸骨じみた手と眼球に当たる水晶球を有する。一般的に温厚で友好的だが、考えうるすべての可変要素を掌握し続けられるように動き、また他の誰よりも自分のことを信用してしていて、それがたびたび欠点となっている。
彼に親しい何人かが悲劇的な最期を迎えており、少なくともその死の一つは彼の失敗によるものだった。彼の現在の目標は、彼を阻んでいると考えている、あるひとつの恐怖を制御することだ。彼の現在の計画はわからないが、彼は明らかに自分の目的のためなら財団の破壊も辞さない男だ。
ジュリアン・コーヴィン管理官 (Director Julian Corwin): 第七次オカルト大戦の帰還兵であるジュリアン・コーヴィンは、財団フィールドエージェントを40年間勤めたのち、最終的にはサイト-246のサイト管理官として管理職の地位を認められるに至り、機動部隊デルタ-3 ("ソロモンの手")の活動監督を任せられた。豊富な現場経験、上層部の政争への薄い関心、冷静なリーダーシップへの評判から、彼は特殊資産部隊プログラムの試験的プロジェクトを引き受ける決断を下すことになった。1990年にデルタ-3が解体すると、彼はサイト-64へ異動となり、1998年までサイト管理官として働いた。
1998年以後の勤務記録は機密指定されている。
ルスラフ・ディアギレフ管理官 (Director Ruslav Diaghilev): ディアギレフ管理官がどのくらいの間財団に関与してきたのかは判明していないが、現在はサイト-127にて錬金術部門を率いている。ディアギレフ管理官は錬金術的現象の常駐専門家であり、いくつかの錬金術に関連するSCPオブジェクトの収容を援助してきた。加えて、あらゆる錬金術関連の生物が彼の管轄下にあるが、時々外部のコンサルタントが必要になる場合がある。
ディアギレフ管理官は財団スタッフの錬金術師の主要な連絡統括および教育担当者である。錬金術に関するあらゆる相談事を彼のオフィスに持ちかけることができる。加えて、ディアギレフ管理官には重要な錬金術関連オブジェクトの回収を支援するための個人用の機動部隊が割り当てられている。
ディアギレフ管理官は、錬金術的オブジェクトの機密分類と編集に関する特殊権限を保持している。ディアギレフ管理官の人事ファイルの全詳細の請求はA-6クリアランス保持者のみに制限されている。これらの情報はニード・トゥ・ノウ (need-to-know) に基づいて与えられる。ディアギレフ管理官のSCP-001への関与の噂はどれもひどく誇張されたものであり、これらの噂の拡散を行った場合は懲戒処分となる。
シャーリー・ガレスピー管理官 (Director Shirley Gillespie) とラルフ・ロジェ博士 (Dr. Ralph Roget): シャーリー・ガレスピー管理官は財団で最も古い守り手の一人である — そして50年以上にわたり、サイト-77 (保管施設。現在はAmazon.comの配送センターに偽装) の管理を行っている。引退の噂が絶えないが、彼女は未だ影響力を持っており、その影響力を発揮するのに孫のラルフ・ロジェ博士を経由する事もある。
ロジェ博士は左遷され、10年近く事務的な仕事をしていたが、その果てに彼の祖母に自らの価値を証明した。彼女の影響力により、彼は — 知らぬ間に — 多数の優先度の低いSCPオブジェクトを調査するように命じられた分類チームの中心に配置され、そこで特に才覚を発揮した。これを経て、そしてガレスピー管理官とのつながりを通じて、ロジェ博士は、子供っぽいとの評判にもかかわらず、その後の数年間で大きな影響力を得てほぼ偶然にも物議を醸し出す存在となった。
マリア・ジョーンズ管理官 (Director Maria Jones): 財団記録・情報保安管理局 (RAISA) の管理官。ジョーンズ管理官は力強く孤高で、施設内および施設間の両方において、財団全体の最終的な情報の流入出の多くを制御している。彼女には友人がほとんどいないが、その人々には誠実である。皆が当然のように彼女の名前を知っているが、彼女を知る人はほとんどいない。
シェルドン・カッツ法務官 (Sheldon Katz, esq): 財団の上席法務コンサルタントにして、正常・異常を問わず法務問題に対処する財団法務部門の部門長。カッツの法務的識見は、悪魔実体から上位存在までのあらゆる存在から一目置かれるものである。
ポール・ラグー管理官 (Director Paul Lague): サイト-322管理官にして、有用な異常性を収容活動に転用することを目的としたプロジェクト、統合プログラムの主任。上手く外交を進めようとし、同様のアプローチをとる他のサイトと緊密に連携していこうとするものの、時に他の財団職員と思想が合わず失望することもある。
アラン・ジェームズ・マッキンス管理官 (Director Allan James McInnis): サイト-43管理官。イングランドに生まれ、イートン・カレッジで修学、サイト-91での教育を経てカナダへ渡った。冷静沈着。コミュニケーション学の経歴から、スタッフには過度な規律を強いることなく最大限の力を発揮させる。
ケイト・マックティリス管理官 (Director Kate McTiriss): 厳格な管理官で、地域-352 (アメリカ合衆国メキシコ湾岸) における財団活動を統括する。
ティルダ・D・ムース博士 (Dr. Tilda D. Moose): サイト-19の現管理官ならびにサイト-17共同管理官として、歴代の管理官たちから地位を引き継いだ。厳格で心配性、やや偏執的な性格。一度興味を持つと情熱的になりすぎる場合がある。財団における公的な在職期間が比較的短い (10年未満) ことを考えると、その影響力は規格外だと考えられる。サイト-19幹部職員の一部は彼女をお飾りのカカシだと見ている。それが事実かどうかはともかくとして。
K-クラスシナリオ研究の専門家。奇跡論関連の異常物品のアドバイザーも担当。 "タイプ・ブルー"であることは論争を回避するためにほとんど機密にされてきた。過去における蛇の手との関連、自傷による脳損傷 (非健忘性の記憶変化)、および現在の地位に就いたことによるストレスから、危険因子と見なされている。O5からの積極的な監視の対象となっている一方、有用な人員だとも見なされている。多くの機密プロジェクトにおいてエージェント・トロイ・ラメントと — ラメントにとっては大変残念なことだが — 関係している。
サイモン・ピエトリカウ管理官 (Director Simon Pietrykau): 元GRU "P"部局の研究員"アイスマン"で、キューバ・ミサイル危機の後に財団へと亡命してきた。その後は迅速に出世していき解析部門を設立、現在その部門長を務める。"固有兵器"の専門家と見なされている。
コーディー・ウエストブルック管理官 (Director Cody Westbrook): ジュリアン・コーウィンの元弟子であるコーディー・ウエストブルックは、財団養成学校経由で直接雇用されており、シャイアン・ポイント校を4年で卒業した。機動部隊オメガ-17 ("フロリダ・メン") ならびに機動部隊シグマ-23 ("狡猾コヨーテ") での活動後、彼は特別資産エージェント・ファイアスターターのお目付け役を任されるとともに機動部隊デルタ-3 ("ソロモンの手") の指揮権を与えられ、当時最年少の機動部隊司令官の一人となった。彼はデルタ-3の関わった試験的活動記録を編纂していたが、エージェント・ファイアスターターの喪失による部隊解散でそれも終わった。解析部門長サイモン・ピエトリカウが議長を務める内部審理委員会はエージェント・ウエストブルックに過失は無かったとしているが、事件は彼の評判に傷をつけた。
デルタ-3の解散後、ウエストブルックはコーウィン管理官がサイト-64へ異動になったことで生じた空席を埋めるべく、サイト-246のサイト管理官に昇進した。以来、彼はその役職の下で活動を続けている。
マリオン・ホイーラー (Marion Wheeler): 反ミーム部門チーフを主張するものの、実際には反ミーム部門は存在しない。しかし彼女はどういうわけか完全な財団職員コードを有しており、セキュリティ違反として現在調査中である。
財団の最高位職員たち。個人情報は検閲されている。
O5司令部 (O5 Command): 財団に関して最高の権限を持つ13人である。際立った特徴を持ち、保持する権限は非常に大きい。彼らはいかなる異常存在とも接触せず、できない。たいていの人は彼らを恐れる。彼らは財団とその活動について知っておくべきことはすべて知っている。彼らはめったにSCPの収容に関わらない……彼らがそれを成すべき時を除いて。彼らは直属の機動部隊、アルファ-1 "赤の右手"レッド・ライト・ハンドを所有している。O5司令部は財団の管理人であり、その存在をすべての人が知っているわけではない。
……多分。多分13人いて、多分人間だ。彼らは異常存在と接触しないとされているが、時々彼らは秘密裏に接触している。彼らは何者なのだろうか? どこから来たのだろうか? 彼らが目指す秘密の目的とは何なのか? いずれにせよ、O5司令部は財団の基礎となっている。少なくとも、彼らは財団のことを第一に考えている……おそらくは。
"管理者" ("The Administrator"): あまり知られていない存在で、その役職についてはO5司令部に最も理解されている。もしかしたら異常存在、あるいは複数人かもしれない。かつて世界政府の主要人物との対談では財団の代表として出席したが、その後はこうした役割を担ってはいない。退職しているかもしれないし、亡くなっているかもしれない。
財団上層部の間にはある公然の秘密がある。(いわゆる) "管理者"が存在したことは全く無く、財団内の他の人物、または複数人 (もしくは……他の何か) が、統制しづらい組織をまとめ上げるために創り出した巧妙な嘘なのだということだ。だがそれをどう捉えるかに関しては、誰の考えも一致しない。
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君は、自分が何故ここにいるかを知っているな。
彼らには君にすべてを話すつもりはないだろう。嘘の中に真実を混ぜる事で多くの人を騙すことができる。彼らは君が詮索をやめて満足するための最低限の情報しか与えてくれないだろう。特に隠しごとが最も多い人々となると。
もし固くなったパン屑よりもマシなものが欲しいなら、このまま読み続けるといい。
君の友、
— 黒の女王
退職者、または故人の一覧であり、階級による区分は行っていない。
バウ将軍 (General Bowe): かつての財団の罪行を最も体現する人物。父親であるスタン・バウ将軍がSCP-935の影響で死亡した後に昇進した。父の助手であったため、バウ委員会の委員長に任命されていた。バウ委員会は現在も機密とされている不詳の理由により発足し、若きバウの下で活動の範囲を広げていたが、解散前にはほとんどSCPオブジェクトの兵器化にのみ活動の焦点を置いていた。既に財団を退職している。
若きバウの下、バウ委員会は財団の超常軍事的焦点を防衛から攻撃に移した。バウ委員会は"プロジェクト・アベル"と機動部隊オメガ-7 ("パンドラの箱") の設立に寄与しており、そのプロジェクトはいくつかの危険な要注意団体に対する作戦を多数成功させた後、許可された。バウはSCP-076-2の隊長任命や、SCPアイテムの入隊許可といったプロジェクトにおける多くの行き過ぎた行動も引き起こしており、076-2が多くの研究員を殺した事件の後も彼は個人的にプロジェクトの続行を命じた。076-2が拘束を無力化し、機動部隊員のほとんどを殺害、収容エリア-25の破壊を引き起こした際には責任の大部分をバウが負った。バウ委員会がそうであったように、機動部隊オメガ-7は解散した。この事件、そしてSCP-935インシデントの影響もあって、財団内の超常軍事勢力の大半は譴責されるか亡命するかし、バウ委員会の支持者もカオス・インサージェンシーや世界オカルト連合に逃げ込んだ。
エリザベス・クーパー=ヒューズ (Elizabeth Cooper-Hughes): 聖ユースタス公私奉仕アカデミー (St. Eustace Academy of Public and Private Service) を2049年に卒業。拡大バルカン紛争 (Extended Balkan Exchange) 期にアメリカ特殊作戦軍 (USSOCOM) に勤め、朝鮮半島統一活動に参与した。呼び戻されたあとは機動部隊アルファ-1に再編入され、6年間にわたり標準偽名 "レン" (Wren) で活躍した。職員の管制活動と脅威人物の処理が専門。技術、効率、並外れた献身を称賛されていた。
機密情報の管理ミスが調査されていた2057年、失踪。現在の活動内容は不明であり、継続的な注視対象となっている。
エージェント・ジャック・"プアダメなヨリック"・ドーキンス (Agent Jack "PoorYoric" Dawkins): たいていは"ヨリック"と呼ばれている。彼は謎めいた過去と攻撃的で鋭い態度で知られている。元ブライト博士の助手。現在、消息不明。
フローレンス・エルシンガー (Florence Elsinger)、通称"エージェント・火付人ファイアスターター" ("Agent Firestarter"): 戦闘用の喚起エヴォケーションを専門とする強力な奇跡術師であるフローレンス・エルシンガーは、1985年に特別資産部隊 (SATF) プログラムの一環で財団に雇用された。このプログラムは、低リスクの超人間アナヒューマンをフィールドエージェントとして運用することで、財団の超常戦力を向上させる試みだった。コードネーム"ファイアスターター"を割り当てられたエージェント・エルシンガーは、スペリオール湖地下のサイト-246に拠点を置く機動部隊デルタ-3 ("ソロモンの手") で魔道戦闘員バトルメイジとして活躍した。エージェント・エルシンガーとデルタ-3はSATFプログラムの試験的プロジェクトとして活躍し、このコンセプトの実用性を証明するとともに、財団が更に奇跡術師・奇跡論学者を雇用する道を切り拓いた。
1990年、エージェント・エルシンガーは異常事件課の助力を得て自身の死を偽装し、フローレンス・ソーンへと改名したうえで同課へ参加、スリー・ポートランド管轄の特別捜査官となった。特別捜査官ソーンはUIU側の超常戦力プログラムで大きく貢献、主要な超脅威に対し迅速展開して危機対応する部隊であるモバイル・オカルト・オペレーション・チームの設立を主導し、その初代司令官として活躍した。彼女はやがてUIUスリーポートランド地方局の副局長の地位まで登り詰め、フーヴァー指令の厳格な施行を始めとする強硬的な反財団方針を推し進めたことで、市民からの名声と支持を勝ち取った。UIUの資料によれば、彼女は2008年の対灯台マフィア作戦中に殺害されたという。
デイヴィッド・エスコバ氏 (Mr. David Eskobar): 要注意団体"アレクシルヴァ大学"に関する元主任研究員。 現在行方不明であり、サイト-38の収容違反の際に死亡したと推測されている。
R. ジェラルド博士 (Dr. R. Gerald): 元研究主任助手。良い研究者だが、多くの危険で目立った事故を巻き起こしていることで悪名高い。現在は退職している。
"アイスバーグ"博士 (Dr. "Iceberg"): 利己的で自己陶酔的な、ギアーズ博士の元助手。ギアーズの下で働くストレスにより最終的に自殺し、エージェント・ラメントが後任者となる。ギアーズの助手としての利用価値から昇任を拒まれていた。彼が自分のことを撃ち抜いた日までずっと。
ベンジャミン・コンドラキ博士 (Dr. Benjamin Kondraki): 元サイト-17管理官。しばらく前に財団から姿を消した非常に物議を醸す人物。野心的で、芸術的、支離滅裂としており、妄想的で、反社会的であり、意地が悪い。大方は典型的なアンチヒーローと見なされている。他者の迷惑を顧みない行動で知られており、財団の下位または新人の従業員の酷使について叱責された。演技の天才。行動結果への注意に欠ける。優秀な写真家。以前はSCP-408と半ば不釣合なほどに関係があった。ライバルが泉のごとく湧く人物。最も有名なのはアルト・クレフ博士である。
現在は中止されている計画のために、SCPの兵器化を広範囲に研究していた。おそらく故人であるが、息子のドレイヴン・コンドラキ (Draven Kondraki) が存命である。O5の命令で、ギアーズ博士によって処刑されたかもしれない (クレフ博士がO5に命じられて処刑を行ったという噂はほぼ確実に真実ではない)。もしかするとまだ生きていて、退職しているか、収監されているか、逃亡しているかもしれない。あるいは未だ深い隠蔽の下で財団のために働いているかもしれない。
エージェント・マックス・ロンバルディ (Agent Max Lombardi): 無愛想で率直な、地に足がついたベテランで"エージェントの中のエージェント"。現在は亡くなっている。
それでも、エージェント・ロンバルディはまだ死んでおらず、財団のトップであるO5司令部の意向で別の場所へ異動になったのだと主張するエージェントも財団の各所に存在する。そして、彼は帰ってきて、Thaumielの王冠を勝ち取ると言っている人もいる。そうなると言い切ったりはしないが、それでもこれだけは言わせてもらおう。この世界のこの場所で、彼は自らの人生を変えたのだ、と。しかし、彼の墓にはこのような詩が書かれていると言う人もまた大勢いる。「永遠のエージェント、ロンバルディ、ここに眠る。」
ダリル・ロイド博士 (Dr. Darryl Loyd): 彼は財団に何らかの接点があった研究者であると考えられている。彼の役職については、複数の矛盾した文書が存在しており、現在までにミーム部門とAnomalousアイテム管理室、そして超考古学部門との関連性が示唆されている。
彼は既に死亡したと考えられているが、この情報も矛盾を含む。サイト附属の核爆弾が起動した後、彼の遺体がサイト-███で発見された。しかしながら、MK-クラスシナリオの発生における責任を理由として、終了されたことも確認されている。また、財団初期のある研究者の名前と、その遺体から取り出されたDNAが、現在のロイドの記録に記載されているものと一致することがわかっている。その他の情報はほとんどわかっていない。
エージェント・バンタイ・マシパグ (Agent Bantay Masipag): 元サイト-19セキュリティエージェント。未知の手段でプロメテウス研究所からアノマリー、SCP-148 ("テレキル") を財団の下へ回収した。現在は退職している。
アガサ・ライツ博士 (Dr. Agatha Rights): かつては研究員・分析官として高い評価を獲得し、有力なサイト管理官となっていたが、不明な状況下で行方をくらました。財団職員と人型アノマリーに対して極度の愛着を持っていることで知られている。
ロバート・スクラントン博士 (Dr. Robert Scranton): 現実改変 (オントキネシス) の科学的研究のエキスパートであり、サイト-120におけるロバート・スクラントン博士の活動はやがて彼の名を冠する"スクラントン現実錨"、財団で今日利用されている装置の開発へと繋がった。不幸なことに、スクラントン博士は実験中に悲劇的な事故で有望だったキャリアを絶たれ、妻のアナ・ラング博士を残して去ったが、サイト-120の同僚たちが彼の仕事を引き継いだ。
アダモ・スモールズ研究員 (Researcher Adamo Smalls): 財団職員で、かつてはミーム・情報災害部門に勤務していた。
おそらく亡くなっており、おそらくは消失している。現在は虚空に所在すると考えられる。
ジェームズ・マーティン・タローラン研究員 (Researcher James Martin Talloran): 忠実なレベル3の研究員であり、Keterクラスオブジェクトに関する仕事でよく知られていた。財団や家族、そして彼の元ボーイフレンド、ドレイヴン・コンドラキ (Draven Kondraki)に対して極めて誠実で、鋼の意志を持つ。彼は収容違反を防ぐ不可思議な状況で亡くなった。その詳細は財団全体の謎である。
タローランの性質と最終的な運命に関しては矛盾する見解がある。公式記録ではタローランは死亡したとされる。しかし、生き返ったが変わってしまったと言う人もいれば、神と対峙した後にどこかで切り抜けたと言う人もいる。タローランがジェームズ・マーティンなのかジェシー・アリなのかさえ不明瞭である。タローランは正体のおぼろげな存在であり、比類なき不屈の人物であり、理解しがたい謎であり、戦士である。タローランは闇の中で/光に包まれて死ぬことは決してなく、また闇の中で/光に包まれて絶え間なく死に続ける。
S・ヴァン博士 (Dr. S. Vang): ミーム学の専門家。誰もが認める素晴らしい研究者だったが、一方で記憶力と社交性には難があった。財団から離反し、現在は行方不明かつ脅威的と考えられる。