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彼女が足を組み小さな礼拝用の机へと座ると、飾り気のない壁が彼女の周りをゆっくりと回転していく。彼女が作成した簡単な舞台にあるベアリングはよく油が注されており音は立たず、周囲は彼女の視界を祝福された沈黙の中に動く。再び長い窓が目に入ると星の並びが変わっており、船は自らの回転パターンの中、人工重力を維持している。

お前はまだカシムである。

彼女の主の声が招かれぬままに彼女へ話しかける。彼女は彼の耳障りな、執拗なテナーの声を、心の中のアーチ門において明瞭に聞くことが出来る。彼女は自らの声で反応する。

はい。その通りです。

彼女が故郷の村を離れて以来、彼女が彼女の主であり続けていた。老人たちは間違いなく憤慨しただろう。放っておけばいい、彼女はずっと前にそう決めた。彼らの宣言は、村人に対して静かに、しかしはっきり聞こえる声で毎週金曜日に行われたが、真の真実を全く捉えていない。

アッラーのみが存在する。

彼女は今では立ち上がり、向かい風を受けるかのように舞台の上に彼女の裸の足を載せる。

アッラーのみが存在する。だがアッラーは私に啓示を与えた。私は私をそれを聞く価値のあるものにしなければならない。私は私自身のことを知る私にならなければならない。

再び視界に窓が入る。船の彼女がいる側が星へ向かい合う。それは窓一面に映っており、砂岩のような色をしている。その無慈悲な雲が厚く覆う下に秘密が隠されている。旅はもうすぐ終りを迎える。ミッションは彼らにかかっている。彼女は自らの最も深い部分に到達しなければならず、そこには洞察の蜘蛛の糸が横たわっている。目前の道は触れると燃え、不用心な物を殲滅する偉大な雲に隠されている。

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